PROPOSAL

帝国繊維株式会社(3302)の株主総会召集通知に対する意見について

弊社株主提案の内容

当社は、これまでの帝国繊維との対話の経緯を踏まえ、帝国繊維に健全で規律あるコーポレートガバナンスが導入されることを目的として、2019年3月開催予定の帝国繊維の定時株主総会において、以下の3件の株主提案を行いました

株主提案議案
① 取締役選任の件
  ・社外取締役として、名取勝也氏を選任する

② 余剰金の配当の件
  ・第93期(2018年12月期)の期末配当として、1株あたり95円を配当する。
   (なお本資料公表時における会社計画は1株あたり35円)

③ 定款の一部変更の件
  ・取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する。

株主提案①: 帝国繊維の意見

株主提案① (取締役選任の件:社外取締役として、名取勝也氏を選任する) について表明された帝国繊維の意見は、以下のとおりです

株主提案議案
取締役会としては、本議案に反対いたします。
当社の取締役会は、現在、10 名の取締役で構成されており、うち2 名が社外取締役となっております。
かかる取締役会の構成は、現在の当社取締役会として、十分な議論と機動的な意思決定に最も適するものと考えております。
また、実際にも、当社取締役会では、2 名の社外取締役を含め、多様な観点から充実した議論が適時になされております。
当社が提案する社外取締役候補2 名に関しましては、髙木 裕康氏は弁護士としての高い見識と幅広い経験を有し、深澤 正宏氏は経営者
としての豊富な経験と高い見識を有しており、両名ともに独立社外取締役として、その役割・責務を果たして大きな貢献をいただける
ものと考えております。
他の取締役候補も含め、当社が提案する経営体制が最良と考えております。

株主提案①: 弊社の意見

前掲の帝国繊維の意見は、以下の理由から、議案の反対理由として不十分な内容であると考えております

弊社の意見
① 名取勝也氏との面談の謝絶
弊社は、帝国繊維が本議案への賛否を判断するにあたり、名取氏と直接面談する機会が必要と考え、株主提案提出後に面談のお伺いをさせていただきました。しかし、「帝国繊維が提案する経営体制が最適であり、名取氏と面談をしても考えが変わることはない」との見解から、面談を謝絶されております。コーポレートガバナンスを強化する機会にも関わらず、社外取締役候補と面談する機会を謝絶した上で、社外取締役候補の選任議案に反対の表明を行うということは、あまりにも筋が通らないことであると考えます。また、取締役選任という重要議案に対して、最良の判断を下すための最大限の努力を行わないことは、経営陣としての善管注意義務も果たしていないと考えざるを得ません。

② 直接的な反対理由の不在
帝国繊維の反対意見には、名取氏の選任についての直接的な反対理由がありません。
反対の理由は、既に (1)社外取締役が2名選任されていること、(2)多様な観点から充実した議論が適時になされていること、から構成されています。
コーポレートガバナンス・コードの原則4-8には、「社外取締役を少なくとも2名以上選任すべき」と定められており、現在の帝国繊維はコーポレートガバナンス・コードの最低限の基準を満たしているに過ぎません。すべてのステークホルダーの利益に鑑みて、機会があれば積極的に社外取締役の拡充に取り組むのが上場会社としてあるべき姿であると考えます。
また、「多様な観点から充実した議論が適時になされている」との記載がありますが、あまりに特定の企業グループ出身者が多く、とても多様性のある議論がなされているとは考えにくいこと、今回も推薦されている髙木氏含めた社外取締役も面談の申し入れを謝絶しており、少数株主の意見を取締役会に反映する役割・責務を果たしていないこと、が本株主提案議案の契機ですので、当該意見は反論材料にはならないものと考えます。なお、現行の社外取締役には、本株主提案後にも、社外取締役としてのご見解を面談・書面問わずいただけるようご依頼しておりますが、この申し入れについても謝絶されております。
さらに、今回新たに社外監査役に推薦されている小林元氏は、前任の西浦三郎氏に続いてのヒューリック取締役であり、帝国繊維においては、利益相反関係の解消を図ろうという意思が見られません。
 

株主提案②: 帝国繊維の意見

株主提案② (剰余金の配当の件:第93期(2018年12月期)の期末配当として、1株あたり95円を配当する) について表明された帝国繊維の意見は、以下のとおりです

帝国繊維の意見
取締役会としては、本議案に反対いたします。
企業の存続・発展のために、内部留保の拡充は不可欠であると考えております。
当社は、長年にわたり開拓してまいりました商材の高い性能・品質が阪神淡路大震災や東日本大震災などの大規模自然災害発生を機に認められ、新たな防災市場を切り拓いてまいりましたが、災害の時代と言われる今日、防災市場はさらに拡大が予想されております。すなわち、首都直下地震や南海トラフ地震など巨大地震への備えや異常気象がもたらす水害対策、さらにはテロ災害対策など災害の大規模化や多様化に伴う需要拡大に加え、急速に進む高度化・専門化への対応が、防災事業を主要な事業領域とする当社には極めて重要であります。
当社としては、このような防災事業の需要拡大や進展に積極的に対応を進めることはもとより、防災市場の特殊性として需要家から求められる当社自身の安定性と社会的信用の維持に努め、長期的な視点に立ち、当社の防災事業を継続的に成長させることを目指してまいります。盤石な財務基盤は、このような防災事業を中核に据えて成長を目指す当社にとって、事業展開への活用や社会的信用の維持についての貴重な裏付けとなります。
株主提案においてご指摘いただいている株式を含む現金同等物は、上述の社会的信用の財務的な基盤であるほか、持続的成長のための海外の最新鋭・最先端の商材獲得、人材の確保、既存事業の強化のためのIT 化や工場設備の新増設及び更新、成長のためのM&A、保有不動産の再開発といった投資に用いることを検討しております。なお、ヒューリック株式会社の株式については、先ずは同社との関係構築に活用することが当社の企業価値向上に資するものと考えており、当社保有不動産の再開発での協働に加え、同社の開発する不動産物件への当社の防災商品の導入、同社の不動産事業のBCP対策への関与を推進するとともに、同社との取り組みを通じて、他の不動産会社への事業展開も検討してまいります。
当社は、過去10 年の間に普通配当を15 円から35 円に順次引き上げ、この間2 回の記念配当を実施するなど、過去各期において、その時々の財務状態を踏まえつつ、その業績に応じて、株主還元に努めており、今後も、株主のみなさまのご期待に応え、収益力を持続的に強化させ、長期安定的に業績に応じた配当を行うことを基本方針としてまいります。そのような方針に基づき、第93 期定時株主総会に対しては、会社提案として、業績の上伸を反映させ、普通配当を前期に続き5 円増配し、1 株40 円とする剰余金処分議案を提出させていただきました。

株主提案②: 弊社の意見

前掲の帝国繊維の意見は、以下の理由から、議案の反対理由として不十分な内容であると考えております

弊社の意見
① 上場会社としての社会的・公共的責任の放棄
弊社としても、安定した財務基盤が長期の事業運営に必要であることは同意しており、それ故に今回の増配案は、帝国繊維の自己資本を毀損しない範囲の金額としております。弊社が問題としているのは、上場会社として社会から資本を調達しているにも関わらず、自己資本の膨張によって資本効率を低下させていることであり、事業展開への活用や拡大する需要に対応するための供給能力の強化に内部留保を適切に充当することには、一切の異論はありません。
弊社が5年間に亘り、責任ある株主として進言している通り、内部留保を拡大させるのであれば、それに対応する必要な現預金の水準と投資計画を株主に提示することで、その正当性を示すべきと考えます。具体的な計画のない内部留保は、経営陣の保身の為の自己資本の膨張と判断をせざるを得ません。
使用使途のない資本は、投資家への還元を通じて、資本を必要としている他の主体に再投資されるべきであり、また逆に将来、帝国繊維が資本を求める際には、社会から資本調達を行うことできるというのが健全な資本市場であり、それが上場を維持する便益と責任と考えます。

② 内部留保重視の姿勢とヒューリック株式の大量保有の自己矛盾
帝国繊維は、磐石な財務基盤を志向する一方で、日々時価が変動する上場株式であるヒューリック株式を大量に保有しております。
実際に、18年12月期における自己資本は、18年末の市場のヒューリック株価の急落をうけ、帝国繊維が本業で当期純利益を計上しているにも関わらず、昨年よりも減少しております。このことは正に、上場株式の株価という経営でコントロールできない事象によって自己資本が毀損するというリスクが顕在化した事例となります。
また、ヒューリック株式の保有について、「先ずは同社との関係構築に活用することが当社の企業価値向上に資するものと考えており、当社保有不動産の再開発での協働に加え、同社の開発する不動産物件への当社の防災商品の導入、同社の不動産事業のBCP対策への関与を推進するとともに、同社との取り組みを通じて、他の不動産会社への事業展開も検討してまいります。」とありますが、このような事業展開が、日々自己資本が変動するリスクを負いつつ、200億近くもヒューリック株式に投資することに見合ったリターンを帝国繊維にもたらすとは考えられません。
さらに、ヒューリックが帝国繊維に株式を保有されていることを理由として、帝国繊維に上記の事業機会を与えているのであれば、そのような関係構築は公正取引の観点からも正当化されうるものではないと考えます。

株主提案③: 帝国繊維の意見 / 弊社の意見

株主提案③ (定款の一部変更の件: 取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する) については、会社提案にて実質的に同様の議案の提案がなされていることから、撤回いたします

帝国繊維の意見
当社は、全ての取締役の任期が満了し、取締役の全員の選任をお願いする本総会において、会社提案として、取締役の任期を1 年とするほか所要の変更を行う議案を提出させていただく予定です。
本株主提案は、取締役の任期を他の取締役のものに合わせる条項を存続させるとともに、取締役の任期に関する経過措置を規定する附則条項を新設している点において、当社の運用に則しないものとなっており、適切でないと考えております。

弊社の意見
帝国繊維より提出された、第93期定時株主総会の第2号議案が、弊社提案議案と実質的に同様であると判断したため、本議案については撤回いたします。
帝国繊維経営陣には、少数株主からの提案趣旨をご理解いただいたことに感謝申し上げます。





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