スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド
(愛称:ライジング・サン)
- NISA成長投資枠対象ファンド
- 日経新聞掲載名
- ライジン
- 分類
- 追加型投信/国内/株式
- 設定日
- 決算日
- 毎年10月15日
基準日:2026.03.03
- 基準価額
- 76,426円
- 前日比
-
-2,430円
-3.08% - 純資産総額
- 51.9億円
- 分配金情報(税引前)
- 600円
- 交付目論見書(457.9 KB)
- 請求目論見書(3.6 MB)
- 月次報告書 (463.3 KB)
- 交付運用報告書(897.0 KB)
- 運用報告書(全体版)(861.4 KB)
- 当ファンドは、NISAの「成長投資枠(特定非課税管理勘定)」の対象ですが、販売会社により取扱いが異なる場合があります。詳しくは、販売会社にお問い合わせください。
基準価額推移
分配金実績
決算頻度:1回/年
- 設定来合計
- 7,850円
- 直近12期計
- 6,400円
分配金実績一覧
- 2025年10月15日
- 600円
- 2024年10月15日
- 500円
- 2023年10月16日
- 500円
- 2022年10月17日
- 500円
- 2021年10月15日
- 500円
- 2020年10月15日
- 500円
- 2019年10月15日
- 500円
- 2018年10月15日
- 700円
- 2017年10月16日
- 600円
- 2016年10月17日
- 500円
- 2015年10月15日
- 500円
- 2014年10月15日
- 500円
- 2013年10月15日
- 500円
- 2012年10月15日
- 0円
- 2011年10月17日
- 0円
- 2010年10月15日
- 0円
- 2009年10月15日
- 0円
- 2008年10月15日
- 0円
- 2007年10月15日
- 0円
- 2006年10月16日
- 0円
- 2005年10月17日
- 100円
- 2004年10月15日
- 50円
- 2003年10月15日
- 800円
- 2002年10月15日
- 0円
- 2001年10月15日
- 0円
- 上記以前の分配金については、「選択した期間のデータをダウンロード」ボタンからご確認いただけます。
月次報告書
2026年
- 1月(463.3 KB)
2025年
- 12月(459.3 KB)
- 11月(463.8 KB)
- 10月(468.9 KB)
- 9月(468.2 KB)
- 8月(462.9 KB)
- 7月(477.4 KB)
- 6月(482.4 KB)
- 5月(478.3 KB)
- 4月(483.4 KB)
- 3月(477.2 KB)
- 2月(475.5 KB)
- 1月(483.9 KB)
2024年
- 12月(477.0 KB)
- 11月(481.2 KB)
- 10月(485.4 KB)
- 9月(483.6 KB)
- 8月(479.6 KB)
- 7月(482.0 KB)
- 6月(473.4 KB)
- 5月(471.3 KB)
- 4月(466.6 KB)
- 3月(473.7 KB)
- 2月(468.8 KB)
- 1月(483.0 KB)
2023年
- 12月(482.0 KB)
- 11月(483.9 KB)
- 10月(488.0 KB)
- 9月(501.3 KB)
- 8月(769.9 KB)
- 7月(495.4 KB)
- 6月(772.0 KB)
- 5月(769.2 KB)
- 4月(775.5 KB)
- 3月(804.0 KB)
- 2月(803.7 KB)
- 1月(808.1 KB)
2022年
- 12月(802.2 KB)
- 11月(824.1 KB)
- 10月(822.8 KB)
- 9月(832.0 KB)
- 8月(828.9 KB)
- 7月(831.0 KB)
- 6月(827.7 KB)
- 5月(829.7 KB)
- 4月(764.7 KB)
- 3月(610.0 KB)
- 2月(637.7 KB)
- 1月(1.1 MB)
2021年
- 12月(604.9 KB)
- 11月(799.2 KB)
- 10月(616.6 KB)
- 9月(777.6 KB)
- 8月(755.1 KB)
- 7月(881.5 KB)
- 6月(882.8 KB)
- 5月(906.9 KB)
- 4月(595.1 KB)
- 3月(752.3 KB)
- 2月(610.4 KB)
- 1月(790.9 KB)
2020年
- 12月(802.8 KB)
- 11月(792.0 KB)
- 10月(798.3 KB)
- 9月(650.8 KB)
- 8月(810.2 KB)
- 7月(619.9 KB)
- 6月(669.6 KB)
- 5月(642.7 KB)
- 4月(919.8 KB)
- 3月(961.4 KB)
- 2月(781.9 KB)
- 1月(663.7 KB)
2019年
- 12月(664.6 KB)
- 11月(768.3 KB)
- 10月(656.6 KB)
- 9月(933.5 KB)
- 8月(735.7 KB)
- 7月(638.8 KB)
- 6月(617.2 KB)
- 5月(712.2 KB)
- 4月(683.1 KB)
- 3月(624.5 KB)
- 2月(573.9 KB)
- 1月(595.4 KB)
2018年
- 12月(571.2 KB)
- 11月(550.5 KB)
- 10月(561.7 KB)
- 9月(531.1 KB)
- 8月(530.7 KB)
- 7月(533.4 KB)
- 6月(528.2 KB)
- 5月(530.2 KB)
- 4月(531.2 KB)
- 3月(487.9 KB)
- 2月(533.2 KB)
- 1月(515.0 KB)
2017年
- 12月(529.5 KB)
- 11月(535.2 KB)
- 10月(553.4 KB)
- 9月(557.2 KB)
- 8月(555.3 KB)
- 7月(565.5 KB)
- 6月(557.4 KB)
- 5月(536.9 KB)
- 4月(535.9 KB)
- 3月(533.6 KB)
- 2月(535.7 KB)
- 1月(536.4 KB)
2016年
- 発表年
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2026年1月の運用コメント
株式市場の状況
2026年1月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.62%上昇し、日経平均株価は同5.93%の上昇となりました。
月前半は、米国半導体関連株の大幅上昇を受けて日本の半導体・AI(人工知能)関連株が買われ、大発会から日経平均株価は大幅高でスタートしました。中国政府によるレアアース関連製品を含めた対日輸出規制が強化されるとの報道で、日本株式市場が一時急落する場面はあったものの、衆院解散・総選挙観測を受けて高市首相が掲げる成長戦略が進めやすくなるとの見方を背景に、月半ばにかけて主要指数の高値更新が続きました。
月後半は相場の様相が一変しました。選挙戦の本格化や野党の新党結成を受けて国内の政治情勢の不透明感が台頭したことに加え、米欧の貿易摩擦懸念など地政学的リスクも意識され、投資家心理が悪化しました。さらに、財政拡張による財政悪化懸念から国内長期金利が想定を上回るペースで上昇し、株式市場は調整色を強めました。月末にかけては、日米当局による「レートチェック」報道をきっかけに為替相場が急変し、円は一時対ドルで153円台まで上昇するなど不安定な動きとなり、輸出関連株を中心に株式市場は揺さぶられました。日本株式市場は月後半に伸び悩みましたが、前月末比で大幅高の水準を維持して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドは前⽉末⽐1.27%上昇し、ベンチマークである東証グロース市場指数(配当込み)の同4.87%の上昇を3.60%下回りました。パフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、AeroEdge、PILLAR、MARUWAなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ライズ・コンサルティング・グループ、オーバーラップホールディングス、INTLOOPなどでした。
当月は当ファンドの投資先である「戸田建設」についてご紹介します。
戸田建設は1881年に東京・赤坂で、大工である初代戸田利兵衛が創業した戸田方を源流とする準大手の総合建設会社です。建築、土木、国内の不動産開発などの事業を展開しており、連結売上高の大きな割合を占める建築事業では、早稲田大学大隈講堂や横浜税関庁舎など、戦前から著名な物件を手掛けています。
当ファンドでは、再開発が集中している首都圏において、良質な案件を選別受注することで、粗利率の改善をドライバーに利益成長を続けられる点に注目しています。都心のオフィス空室率は、2023年から低下が続くなど、東京の商業不動産の市況は活況を呈しています。同社は発祥の地である東京でのプレゼンスの高さを活かし、豊富な受注高と繰越工事高を抱えています。
2023年3月期と2024年3月期には、資材価格の高騰や人手不足を背景とした労務費上昇の影響を受け、収益性が低迷する局面もありましたが、発注元と交渉を進めることで、2025年3月期からは収益性も着実に改善しています。今後の工事においても、豊富な受注高を売上高に転換しつつ、収益性を重視した事業運営を行うことで、高い利益成長が期待されます。
2026年3月期からスタートした中期経営計画では、2028年3月期のROE(株主資本利益率)目標を10%と定め、政策保有株や不動産などの売却を原資として、株主還元を強化することを発表しています。当ファンドでは、利益率改善とともに財務面からも資本収益性を高めようとする経営姿勢を好感しています。DOE(株主資本配当率)3.5%以上と機動的な自社株買いを行うという手厚い株主還元方針も投資魅力の一つだと考えています。
当ファンドでは、同社は有力なゼネコンとして不動産市況の追い風を受け、持続的な成長が可能であると考えています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年12月の運用コメント
株式市場の状況
2025年12月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.03%上昇し、日経平均株価は同0.17%の上昇となりました。
月前半は、植田日銀総裁の発言を受けて12月会合での利上げ観測が高まり、長期金利が急上昇しました。この影響から銀行株を除く幅広い銘柄が売られ、主要指数は大きく下落しました。その後、米国の利下げ期待や、米政府がロボット産業を支援する方針を示したことを受け、FA(ファクトリーオートメーション)、ロボットなど「フィジカルAI(人工知能)」関連株が急伸し、相場全体をけん引し、TOPIXは史上最高値を更新しました。
月半ばには、米国の利下げ決定後に一時的な調整も見られましたが、米国株が堅調で主要指数が高値を更新するなか、日本市場でも買いが優勢となり、TOPIXは再び最高値を更新しました。しかしその後、米IT大手Oracle社のAIデータセンター完成の遅れや、半導体大手Broadcom社の決算が市場期待に届かなかったことなどから、AI投資の収益性に対する警戒感が高まり、半導体関連株を中心に売りが広がり、相場は調整色を強めました。
月後半は、日銀が利上げを決定したものの、総裁会見がハト派的と受け止められたことから円安が進行し、輸出関連株や半導体株を中心に買いが入りました。ただし、月末にかけては薄商いの影響もあり、相場は方向感を欠く展開となりました。結果として、TOPIXは相対的に底堅く上昇基調を維持し、日経平均株価も小幅ながら前月を上回って当月の取引を終えました。年間を通してみると、年前半に大きな下落に見舞われる場面があったものの、年後半には両指数とも高値更新を続け、高水準での推移となりました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドは前⽉末⽐0.57%上昇し、ベンチマークである東証グロース市場指数(配当込み)の同3.58%下落を4.15%上回りました。パフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、リガク・ホールディングス、パーク24、ラウンドワンなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、MARUWA、ペプチドリーム、BIPROGYなどでした。
当月は当ファンドの投資先である「美津濃」についてご紹介します。
美津濃は1906年に水野利八氏、弟の利三氏の兄弟によって創業されたスポーツ用品メーカーです。野球ボールや運動着等の販売を起点に、ゴルフ、スキー、陸上など様々なスポーツ用品を開発し、長年にわたりスポーツ振興を支えてきました。高品質なものづくりに裏打ちされた技術力と、競技者のパフォーマンス向上に寄与する研究開発を強みとし、国内外でブランド価値を確立しています。
当ファンドでは、同社の1.ワークビジネス、2.ゴルフ、3.サッカーの三つの事業に注目しています。
- ワークビジネスは2016年度から始まった歴史の浅い事業ですが、すでに国内1,600社以上で採用されており、同社の国内事業における成長の柱となっています。同社が競技スポーツで蓄積してきた3DCG(3次元コンピューターグラフィックス)による身体動作解析技術や、高耐久素材の開発力をワークウエアやワークシューズに応用することで、単なるユニフォーム供給に留まらず、現場での作業効率や安全性向上まで踏み込んだ価値を提供している点が成功要因と考えられます。スポーツ由来の高機能素材や設計思想を産業分野に展開することで、同社の既存技術を高度に再活用できていることも特筆すべき点です。
- ゴルフ事業においては、特に米国市場で顕著な存在感を示し始めています。同社のアイアンは、1本の丸棒からヘッドを成形する独自の鍛造製法により、“打感の良さ”や“フィーリング性能”といった感性価値を高いレベルで実現しており、トッププレーヤーからアマチュアに至るまで幅広い支持を獲得しています。
- サッカーシューズでは、同社の技術が存分に活かされたレザーモデルが高い評価を得ています。特に東南アジア市場では、2017年のサッカー専任チーム設立を契機に事業が急拡大し、タイ市場を中心にミズノブランドの浸透が進みました。Jリーグでプレーしたチャナティップ選手との契約を皮切りに、現地有力選手との契約が広がったこともブランド浸透の追い風となりました。
こうした魅力的な成長事業を複数有しているにもかかわらず、同社はスポーツシューズ・アパレルを手掛ける競合他社と比較すると、株式市場では割安に評価される傾向が続いています。その背景には、1.事業ポートフォリオの過度な多角化、2.非効率的な資本配分という構造的な課題が存在します。同社は競技人口が少ないマイナー競技向け製品や、公共フィットネス施設の運営受託事業といった収益性の低い事業も抱えており、これらの事業が全体の資本収益性を下押しする要因となっています。また多角化の結果、研究開発費や宣伝費など経営資源が分散し、重点領域へ十分な投資を行いにくい状況が生じていることも懸念点です。
もっとも、美津濃には長年の製品開発で蓄積された独自技術や素材開発力があり、自己資本比率も70%超と財務体質は極めて健全です。現預金や投資有価証券などの金融資産の活用余地も大きく、資本効率向上に向けた施策は幅広く検討可能と推察されます。当ファンドでは、事業ポートフォリオ改革と資本配分の最適化によって顕在化する同社の成長ポテンシャルを評価し、新規買い入れを行いました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年11月の運用コメント
株式市場の状況
2025年11月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.42%上昇し、日経平均株価は同4.12%の下落となりました。
月前半は、AI(人工知能)関連銘柄の前月までの上昇に対する過熱感が意識され、米国株式市場にて関連銘柄が大幅に調整した影響が日本株式市場にも波及しました。一方でバリュー株や内需株等は底堅く推移し、これらのウェイトの差異が指数の変動に大きな影響を与えた結果、日経平均株価の下落が大きくなり、他方TOPIXは相対的に底堅さを維持しました。
月半ばには、日中関係の緊張を背景に中国政府が渡航自粛を要請したことが嫌気され、日経平均株価、TOPIXの両指数とも再び大きく下落し、日経平均株価は節目の5万円を割り込む場面も見られました。その後は、米国株式市場においてNVIDIA社が好決算を受け、時間外取引で同社株が上昇したことが追い風となり、日本株式市場でもアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの3銘柄が日経平均株価を約700円押し上げる場面も見られるなど株価は持ち直しましたが、AI投資の過熱感に対する警戒は根強く、上値の重い展開が続きました。
月後半にかけては、FRB(米連邦準備制度理事会)高官のハト派的発言を受けて12月利下げ観測が再び高まり、米国株の持ち直しとともに日本株式市場も反発しました。結果として、日経平均株価は8か月ぶりの下落となった一方、TOPIXは小幅ながらも上昇を確保し、両指数のパフォーマンスはまちまちとなり、当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐3.97%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同1.29%の下落を5.26%上回りました。当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、東京建物、コニカミノルタ、ペプチドリームなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ヒューマンテクノロジーズ、サイバーエージェント、ラウンドワンなどでした。
当月は当ファンドの投資先である「リンテック」についてご紹介します。
リンテックはシール・ラベル用の粘着紙、半導体製造プロセス向けの粘着テープなどを手掛ける粘着関連製品の総合メーカーです。1927年にガムテープの製造を目的に、東京・巣鴨で創立された不二商会を源流とし、1960年には粘着素材技術を活かし、現在の主力製品の一つであるシール・ラベル用粘着素材の製造にも着手しました。1986年には、紫外線(UV)の照射で粘着性を制御可能とするUV硬化型ダイシングテープを開発し、半導体・電子部品関連分野に本格参入しました。2025年3月期には、半導体関連製品を含む電子・光学関連事業は、全社の営業利益の約7割を稼ぎ出す主力事業となっています。
当ファンドが注目しているのは、半導体製造において重要性が高まっており、業界トップシェアを誇る同社の半導体・電子部品関連の粘着テープです。AI(人工知能)半導体の登場によって、半導体製造プロセスの高度化・複雑化が急速に進んでいます。特に半導体メモリの一種であるDRAMでは、最先端品はチップを積み重ねる積層構造が採用されており、ウェハ使用量の増加や薄型化が求められます。研削・切削などの後工程の重要性が増すことに伴い、同社の工程保護用の粘着テープの数量成長が期待されます。事実、これまで半導体関連粘着テープの販売数量は世界の半導体ウェハの出荷面積と連動していましたが、2025年3月期は市場を上回る成長を見せています。
財務面についても、自己資本比率は2025年3月期時点で72%と健全な水準を維持しています。2027年3月期までは、十分に研究開発や設備投資を行いつつ、配当性向40%以上または株主資本配当率3%を目途に減配をせず、機動的に自社株買いを実行することで資本効率の向上に努めるという魅力的な株主還元の方針を示しています。
当ファンドでは、先端半導体の製造プロセスを支える縁の下の力持ちとして、持続的な成長が可能であると考え、新規投資を行いました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年10月の運用コメント
株式市場の状況
2025年10月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比6.20%上昇、日経平均株価は同16.64%上昇いたしました。
月前半は、米政府機関の一部閉鎖懸念を背景に軟調なスタートとなりましたが、高市早苗氏が自民党総裁に就任すると、市場では積極財政や成長戦略への期待が高まり、「高市トレード」と呼ばれる株高・円安の動きが急速に進行しました。月半ばにかけては、公明党の連立離脱報道が伝わり、政局不安が広がりました。さらに、米国による対中追加関税発表とそれに対する中国の報復措置が加わり、リスクオフムードが強まったことで、日経平均株価は一時急落しました。その後、一転して日本維新の会との連立協議入り報道を受けて政局の不透明感が後退し、米SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の上昇も追い風となり、相場は反発に転じました。
月後半には、米中貿易摩擦の再燃や米地銀の信用不安が断続的な重荷となり、短期的な過熱感から一時的な調整局面もみられたものの、20日に自民党と日本維新の会が正式に連立合意に至り、高市新政権の誕生を受けて政策期待が一段と高まったことから市場は再び上昇基調となりました。
月末にかけては、FOMC(米連邦公開市場委員会)で予想通り0.25%の利下げを決定した一方、FRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を受けて12月の追加利下げ観測は後退しました。また、日銀の金融政策決定会合では利上げが見送られ、追加利上げに慎重な姿勢が示されたことで円安基調が継続しました。さらに、米中協議の進展や中国によるレアアース輸出規制延期が好感され、リスク選好姿勢が一段と強まりました。こうした環境下で、アドバンテストの好決算やレーザーテックの大幅株高など、AI(人工知能)・半導体関連株が連日上昇し、日経平均株価も連日で史上最高値を更新しました。結果として、指数間の上昇率の差が広がりながらも、日本株式市場は前月末比で大幅高の水準で10月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.69%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同4.18%の下落を3.49%上回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、MARUWA、PILLAR、大阪有機化学工業などでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、DMG森精機、エア・ウォーター、ヒューマンテクノロジーズなどでした。
当月は、当ファンドの投資先である「サイバーエージェント」についてご紹介します。
サイバーエージェントは1998年、藤田晋氏により設立されたITベンチャー企業です。当初はインターネット広告代理業を主軸に成長し、2000年に東証マザーズ市場へ上場しました。以降、ブログメディア「Ameba」の立ち上げ、モバイルゲーム(Cygamesなど)への進出、動画配信「AbemaTV」の共同設立など、多角的に事業領域を拡大してきました。
当ファンドでは、同社の「IP(知的財産)エコシステムの構築」に注目しています。
同社は従前から小説や漫画といった原作をアニメ化・ドラマ化できるメディア事業を展開しており、近年は自社スタジオへの投資により自社発IPが増加しています。生み出したIPは自社メディアでの映像展開に加え、グッズやゲームといった多面的な収益展開が可能で、かつそれをグローバルに広げていく土壌を整えている点が強みです。成功例として象徴的なのが「ウマ娘」です。ウマ娘はモバイルゲームとして2021年に展開され、アニメ化でブランド力を強化し、英語版をPC・モバイル向けに展開、さらにグッズ事業も含めて大きな収益貢献につなげました。単に「数打てば当たる」ではなく、緻密に設計されたIP戦略とエコシステムによりヒット率を高めている事から、偶然ではなく再現性の高いビジネスモデルであると考えられます。広告代理店業に留まらず、メディアとの融合、ゲーム事業の立ち上げを通じエンタメ複合企業への変革を遂げた同社の収益の質を評価し、新規投資を行いました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年9月の運用コメント
株式市場の状況
2025年9月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比2.98%上昇、日経平均株価は同5.18%上昇いたしました。
月前半は、Alibaba Group Holding社(中国)による新AI(人工知能)チップ発表をきっかけに米中の技術競争激化が意識され、米国のAI関連株が軟調となり、日本株式市場でもハイテク株中心に下落いたしました。その後、トランプ米大統領が日米間の自動車関税引き下げを盛り込んだ大統領令に署名したことが安心感につながり、相場は持ち直しました。
月半ばにかけては、米国雇用統計が市場予想を下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が高まったことや、石破茂首相の辞任表明を受けて次期政権への政策期待から日本株式市場は上昇しました。米国株式市場では半導体やAI関連銘柄が市場を牽引し、日本株式市場でも関連株の物色が広がったほか、その他幅広い銘柄に買いが波及しました。日経平均株価やTOPIXは高値更新を続け、相場上昇のモメンタムが継続しました。
月後半は、FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げ再開の決定と年内の継続的な利下げ見通しが示されました。翌日の日銀金融政策決定会合では、政策金利は据え置かれたものの2名の審議委員が利上げを提案し10月の利上げ確率が上昇した他、保有するETF(上場投資信託)の売却を決定したことで指数が一時急落しましたが、売りが一服すると下げ幅を縮め、相場は底堅さを維持しました。
月末にかけては、米国経済指標が堅調だったことから米国の積極的な利下げ期待が後退し、米国株が反落した流れが波及した他、自民党総裁選を控えていることなども重なって日本株式市場は軟調に推移しましたが、月全体としては前月末対比大幅高の水準で当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.42%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同4.44%の下落を5.86%上回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、INTLOOP、東京建物、ペプチドリームなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ライズ・コンサルティング・グループ、トリケミカル研究所、MARUWAなどでした。
当月は、当ファンドの投資先である「住友林業」についてご紹介します。
住友林業は1691年、別子銅山(愛媛県新居浜市)の備林経営に端を発し、1955年に住友林業として設立されました。木材商社として事業を拡大し、その後戸建住宅事業へ参入。以降は森林経営から木材・建材流通、住宅建築、不動産事業まで幅広く事業領域を広げ、木の価値を軸にした総合的な住生活企業へと成長してきました。特に直近10年程は、成長余地の大きい米国住宅事業に注力しており、現地の有力住宅会社を相次いで買収することで市場シェアを拡大しています。その結果、現在では売上・利益の過半を米国事業が占めるに至っています。米国では人口増加を背景に住宅需要が底堅い一方、建築人員不足や施工の複雑化が課題となっており、さらに移民規制強化により建設労働者不足は一層深刻化する可能性があります。この環境下で、住友林業が進める工場での住宅部材生産・加工による「プレハブ工法」は、現場での作業削減や工期短縮、品質安定化を実現する有効な手段となり、同社の競争優位性を高めると期待しています。
同社の株価は2024年10月以降軟調に推移してきました。米国市場において、住宅ローン金利の高止まりや住宅価格の高騰、トランプ米大統領の関税政策等の不透明感から住宅販売が弱含んでいる事が背景と考えています。しかしながら、人口流入の続く米国では未だに住宅不足が社会課題として続いており、特に同社が注力する南部ではその傾向が顕著です。
当ファンドでは、国内事業の安定的なキャッシュ創出能力に加え、M&Aを通じた海外市場への積極的な参入による中長期的な成長力を評価し、投資を行っています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年8月の運用コメント
株式市場の状況
2025年8月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比で4.52%上昇、日経平均株価も同4.01%の上昇となりました。
月前半は、米国の雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回り、労働市場の軟化が意識されたことで米国株が急落しました。その影響を受けて日経平均株価も急落し、一時4万円を割り込む場面もありましたが、雇用統計の弱さが米国利下げ期待を高め、世界的な株高を誘発しました。加えて、国内では主要企業の好決算により企業業績の底堅さが再認識され、日本株式市場は一段と騰勢を強める展開となりました。こうした強い上昇基調のなか、月半ばにはトランプ米大統領が対中相互関税の一部を再び90日間延期すると発表し、投資家心理に安心感を与えたことから株式市場は続伸し、日経平均株価は連日史上最高値を更新しました。
その後、月後半にかけてはジャクソンホール会議を控え様子見ムードが広がり、利益確定売りも重なって調整色が優勢となりました。ジャクソンホール会議では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演が9月の利下げ観測を一段と強めるものとなったほか、米国のNVIDIA社が中国向け輸出に関する不安を残しつつも堅調な決算を発表したことも市場を支え、米国株式市場は堅調に推移し、日本株式市場も底堅い動きを見せ、前月末比で大幅高となって当月を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.88%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同3.33%の上昇を1.45%下回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、横浜ゴム、ヒューマンテクノロジーズ、楽天銀行などでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、メドレー、ペプチドリーム、MARUWAなどでした。
当月は、当ファンドの投資先である「横浜ゴム」についてご紹介します。
横浜ゴムは1917年に横浜で創業したタイヤメーカーです。スノータイヤやオールシーズンタイヤなど数々の日本初となる画期的な製品を発売し、1990年以降は生産・販売網の海外展開を進めることで、グローバルに成長を続けてきました。
タイヤ業界は、労働集約型かつ装置産業であることから、規模が競争力に直結する産業です。2010年以降、低コスト・低価格を武器とした新興国のタイヤメーカーが生産能力を拡大しており、競争は年々激しくなっています。特に、中国タイヤメーカーの拡大は著しく、トラック・バス用タイヤについては、既に中国が世界の生産量の約半分を占めています。近い将来、乗用車用タイヤについても、中国メーカーの生産能力増強は続いており、業界全体に価格下落圧力をもたらすことが予想されています。一見すると、タイヤ市場は成熟化が進みつつあり、魅力的な業界ではないように見受けられます。
当ファンドが注目しているのは、独自の戦略によって、市場を上回る成長を追求する同社の攻めの経営姿勢です。同社は農機・鉱山機械に装着されるOff-Highway Tire(OHT)事業に成長の活路を見出し、2016年から積極的なM&Aを推進することで、世界トッププレイヤーにまで昇り詰めました。OHT事業は消費財と比較して高い市場成長性が期待され、多品種・少量生産かつ複雑な製造工程を背景に、高い参入障壁を誇る魅力的なビジネスです。M&Aによって、安価なバリュー製品から新車に強いプレミアム製品まで幅広いラインナップが揃い、多様なニーズに対応できる体制が整いました。
一方で、OHTの需要は景気変動の影響を受けやすく、景気後退局面では厳しい業績を強いられるという、乗用車用タイヤとは異なる特性があります。好況期にあった2022年12月期から一転し、農機新車の生産調整を背景として、2023年12月期からはOHT販売量は減少が続き、同社固有の懸念材料となっていました。同社は2024年12月期の決算説明会において、OHT市場の成長性を改めて強調するともに、利益体質の強靭化に向けて、補修用市場の強化とグローバルの生産拠点の最適化などの具体施策を発表しました。2025年12月期第2四半期決算において、OHT販売量はようやくプラス転換を果たし、今後は構造改革効果も相まって、利益創出力が高まっていくことが期待されます。
当ファンドでは、成熟市場においても、事業ポートフォリオをダイナミックに転換させることで、成長に大きく舵を切る経営方針を高く評価し、投資を行っています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年7月の運用コメント
株式市場の状況
2025年7月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比3.17%上昇、日経平均株価も同1.44%の上昇となりました。
月前半の日本株式市場は、前月末の急騰を受けた利益確定売りが優勢となるなか、米国による相互関税の動向や参議院議員選挙で与党が苦戦するとの見通しなど、先行きへの不透明感が強まり、株価の動きは限定的となりました。また、米NVIDIAによる中国向けAI半導体の輸出再開報道や、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長解任を巡る話題など、強弱入り混じる材料が相次いだこともあり、株式市場は方向感に乏しく、もみ合いが続く展開となりました。
月後半に入ると、20日に実施された参議院議員選挙では、与党が非改選議席と合わせても過半数を獲得できなかったものの、市場では想定内の結果と受け止められたため、連休明けの22日の株式市場への影響は限定的に留まりました。翌23日には、日米通商交渉の合意が報じられたことで株価が一気に押し上げられ、24日のTOPIXは過去最高値を更新し、日経平均株価も急騰する展開となりました。その後は、急ピッチな株価上昇に対する過熱感から一時的な調整が入ったものの、月末には米ハイテク銘柄の好決算の影響などを受けて反発し、日本株式市場は前月末比で大幅高となって当月を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐4.27%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同2.31%の上昇を1.96%上回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、MARUWA、キユーピー、INTLOOPなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ウイングアーク1st、U-NEXT HOLDINGS、ヒューマンテクノロジーズなどでした。
当月は、当ファンドの投資先である「キユーピー」についてご紹介します。
キユーピーは、マヨネーズ・ドレッシング等の調味料を主力製品とする食品メーカーです。創業者である中島董一郎氏が1919年に設立した食品工業株式会社を源流としています。中島氏は1910年代に当時の農商務省の海外実習生として派遣された欧米で“マヨネーズ”に出合いました。おいしく、栄養のあるマヨネーズを当時の日本の栄養不足の改善に役立てようと思い立ち、1925年に日本初のマヨネーズ「キユーピー マヨネーズ」を発売しました。また、1958年には日本で初めてドレッシングの製造・販売を開始し、現在の商品基盤を確立しました。
同社の強みはグローバルで事業展開をしつつも、その地の食文化に合わせた商品開発・メニュー提案を行うことが出来る適応力と、酢やタマゴ、植物油といった主原料の品質への徹底したこだわりにあります。マヨネーズは欧米から持ち込まれた調味料ですが、ポテトサラダやお好み焼きなど日本の食文化に合わせたメニュー提案によって、喫食シーンの拡大に貢献してきました。原料については、日本で入手可能な原料を求めて専用酢の開発に取り組んだ結果、醸造専門の会社の設立にも至っています。日本で培った品質やメニュー提案力は、海外市場での急成長を支える独自の競争優位性となっていると考えられます。
当ファンドでは、同社の海外での高い成長性と、国内事業の収益性のレジリエンス向上に向けた取り組みに注目しています。同社は欧米のマヨネーズのレシピを単に模倣するのではなく、卵黄だけで作る独自のレシピを開発しています。日本食の普及を追い風に、濃厚なコクとうま味のある調味料として、本場欧米でも独自のブランドを築いています。アジアにおいては、砂糖を加えた「スイートマヨネーズ」やチリソースを合わせた「チリマヨ」など、現地の食文化に合わせた商品を開発することで、普及を加速させています。海外では2030年度までの供給体制構築に向け、設備投資を積極的に行っており、今後の需要増に向けた自信が伺えます。
一方で、収益性が原料市況や為替の動向に左右されやすい体質となっている点は、同社にとって、大きな課題となっていました。同社は鶏卵を主原料としていることから、過去には、鳥インフルエンザによる調達難と市況高が直撃し、2023年11月期には業績予想の下方修正を行いました。2022年に就任した高宮社長は、原料調達ルートの分散に加えて、拠点の再編と自動化を進めることで、徹底的な原価低減を図りました。販売面では、機動的な価格改定と競争力の低い商品の撤退を並行して進めることで、高収益なポートフォリオへの転換を推進しています。2025年11月期上期決算では、コスト要因が期初計画を上回る中でも、価格改定効果等で吸収することで、通期の営業利益の計画を維持したことは、同社の進化を感じる内容でした。
当ファンドでは、地域に根差した商品開発が牽引する、グローバルでのキユーピーブランド拡大と、原料市況の逆風に打ち勝てる強い製品ポートフォリオへの変化を高く評価し、投資を行っております。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年6月の運用コメント
株式市場の状況
2025年6月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)が前月末比1.96%上昇、日経平均株価も同6.64%の上昇となりました。
全体としては、米国の関税政策や地政学的リスクの動向に市場が影響を受ける場面も見られたものの、外部環境の改善や米国金融緩和への期待を背景に、リスク選好姿勢が強まった月となりました。
月前半から月半ばにかけての日本株式市場は、米国の関税政策や景気減速への懸念から軟調に推移しましたが、堅調な米雇用統計や米半導体関連株の上昇を受け、市場は持ち直しました。しかし、イスラエルがイランを攻撃したとの報道によって中東情勢への懸念が高まり、一時的にリスク回避の動きが市場を下押ししました。一方で、日銀が政策金利据え置きと国債買い入れ減額ペースの緩和を示し、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも政策金利が据え置かれたことが投資家心理を下支えし、外部要因に振らされながらも市場はもみ合いを続けつつ、徐々にレンジを切り上げる展開となりました。
月後半にかけては、中東情勢の激化や米国によるイラン核施設への空爆報道により、一時的にリスク回避ムードが広がりましたが、その後は地政学的な懸念が早期に沈静化したことや米国株式市場の反発を受けて、日本株式市場も上昇基調に転じました。さらに、トランプ米大統領の停戦に関する発言や米連邦準備制度理事会(FRB)高官による利下げ示唆が投資家心理を押し上げ、リスクオンムードが広がりました。値がさ半導体関連株が相場をけん引し、配当権利落ちに伴う再投資の需要も追い風となり、日経平均株価は年初来高値を更新しました。株式市場全体も前月末比で大幅に上昇して当月を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐4.10%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同1.58%の上昇を2.52%上回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、良品計画、MARUWA、センコーグループホールディングスなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、楽天銀行、ペプチドリーム、前田工繊などでした。
当月は、当ファンドの投資先である「INTLOOP」についてご紹介します。
INTLOOPは、2005年に設立された独立系コンサルティングファームです。特にIT領域に強みを持ち、登録者数4万人超のフリーランスエンジニアプラットフォームを運営しています。近年は、企業による積極的なIT投資の流れを背景に、同社も安定的な業績拡大を続けてきました。
当ファンドでは、同社の特徴的なサービス提供形態である「ハイブリッドモデル」に注目しています。これは、INTLOOPが自社ウェブサイト上で案件を公開し、登録フリーランスエンジニアと自社社員とを適切に組み合わせてプロジェクトチームを構成するモデルです。案件の内容や規模に応じて、フリーランスと社員の構成比を柔軟に調整する独自の体制により、顧客企業に対して高品質かつコスト競争力のあるサービス提供を実現しています。
2025年7月期第2四半期決算発表後、同社株価は一時的に下落しました。これは、社員数の増加率が鈍化したことに対し、一部市場関係者が懸念を示したことが要因と推察されます。その背景には、過去に実施した積極採用期に入社した20代の未経験人材の離職率上昇があったと見られています。
しかし当ファンドでは、この事象が同社の長期的な業績成長に与える影響は限定的であると判断しています。足元では、採用ノウハウの蓄積により、未経験層に偏らないバランスの取れた人材採用が進められており、若手から中堅層まで幅広い層の人材確保が進展しています。また、案件の受注選別や適切な価格交渉により、収益性の改善傾向も確認されています。
これらの状況を総合的に勘案し、当ファンドでは、同社が有するフリーランスエンジニアプラットフォームの競争優位性と、国内DX(デジタルトランスフォーメーション)市場の追い風を受けた中長期的な成長余地に対して現在の株価水準は割安であると判断し、投資を行っています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年5月の運用コメント
株式市場の状況
2025年5月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)が前月末比5.10%の上昇、日経平均株価も同5.33%の上昇となりました。当月の日本株式市場は、月前半に大幅上昇した後、月半ばに調整を挟みつつも月後半にかけて持ち直し、レンジ内での回復基調を維持したまま当月を終えました。
月前半は、前月末から続く米国の関税交渉進展への期待が支援材料となったことや、日銀が展望リポートで実質GDP成長率と物価上昇率の見通しを下方修正し追加利上げに慎重な姿勢を示したことや進行した円安も相まって、株式市場は堅調に推移しました。こうした中、米英貿易協定の合意や米中双方による市場の想定以上の関税率の引き下げを受け、指数は大幅に上昇しました。月半ばには好材料が一巡したことに加え、円高・ドル安の進行や、米国債格下げをきっかけに米国の財政悪化懸念が高まったことも相場の重荷となりました。月後半にかけては、米国による対EU追加関税の延期や、日本国内での超長期国債発行計画の見直し観測による円安の進行等により主力株を中心に買いが入り、日本株式市場は再び上昇に転じました。さらに、28日に米国際貿易裁判所がトランプ政権の関税政策を違法と判断し関税の差し止めを命じたことを受けて円安が加速し、株式市場も大幅高となりました。しかしその後、米連邦巡回区控訴裁判所が関税差し止めの執行を一時的に停止する判断を下したことでドル円相場とともに株式市場は反落しました。
結果として、米国の関税政策をめぐる不透明感に振り回されながらも、日本株式市場は前月末比で上昇して取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐7.58%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同9.76%の上昇を2.18%下回りました。当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、MARUWA、ヒューマンテクノロジーズ、楽天銀行などでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ペプチドリーム、リガク・ホールディングス、NISSOホールディングスなどでした。
当月は、当ファンドの投資先である「山陰合同銀行」についてご紹介します。
山陰合同銀行は、島根県と鳥取県を基盤とする地方銀行です。同行は、松江銀行と米子銀行が合併し1941年に設立されました。マザーマーケットである山陰両県においては、約50%と圧倒的な預貸金のシェアを有しています。一方で、山陰両県は同行が「課題先進地域」と呼ぶように、公共事業への産業依存度が高く、全国でも人口減少と高齢化が進んでいるなど、同行を取り巻く環境は厳しいものでした。そのような状況下で県外に成長の活路を見出した同行は、山陽・関西地区を中心に2012年から法人営業に特化した支店の出店を積極化させてきました。
地方銀行業界は、一般的にその地に根差した銀行が大きなシェアを握っており、他地域からの市場参入が難しいビジネスと考えられます。同行は逆風下にある地元市場において、主体的に資金需要を掘り起こすべく、金融仲介機能だけではない、経営密着型のコンサルティングモデルの強化や、人材の教育・再配置などの構造改革を推進してきました。その結果、同行は地元で培った経営支援のノウハウを武器に県外進出に成功し、2021年度からは貸出金平均残高の半分以上を山陰両県以外の地域が占めるまでに拡大させています。また、リスキリング(職業能力の再開発・再教育)を通じて窓口・事務部門の人員の配置転換を進め、戦略部門である法人営業や預かり資産ビジネスを強化するなど、環境変化に素早く対応することで、全国の地銀と比較して非常に高い経費効率を達成しています。
今後、銀行セクター全体が政策金利上昇による利ざや拡大の恩恵を受けると想定されます。しかし、銀行セクターの株価や業績の動向は日銀の利上げのタイミングや到達金利の予想に大きく依存する側面は否定できません。そして、利ざやを左右する日銀の到達金利という外部要因を正確に予測することは難しいと考えております。
そのため、当ファンドでは、県外進出をドライバーとした貸出金残高の力強い伸びと生産性の高さを背景に、高い利益成長とROE(株主資本利益率)改善を実現する同行のポテンシャルに注目しています。同行は県外進出の加速によって、総貸出金平均残高を2023年度の4.4兆円から、2026年度には約5.5兆円まで拡大させるという力強い中期経営計画を掲げており、残高の積み上げに伴う貸出金利息の増加という独自要因を備えている点を高く評価し、投資を行っています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年4月の運用コメント
株式市場の状況
2025年4月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.33%の上昇、日経平均株価は同1.20%の上昇となりました。当月の日本株式市場は、米国の通商・金融政策を巡る不透明感に大きく揺さぶられる展開となりました。
月前半には、米国においてスタグフレーション(景気の後退と物価の上昇が同時進行する経済状況)の懸念が強まる中、トランプ政権が全世界を対象とした最大50%の「相互関税」を発表し、中国やEUが即座に報復措置を講じたことで、世界的にリスク回避の動きが広がりました。これを受けて、日本株式市場は大幅な下落となり、先物市場では「サーキットブレーカー」が発動されるなど、市場の混乱が際立ちました。その後、9日に米政府が一部関税の90日間一時停止を発表すると、過度な悲観ムードが和らぎ、市場は急反発しました。ただし、翌10日には米国が対中関税を累計145%まで引き上げる方針を明らかにしたことで、市場は再び警戒感を強めました。加えて、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを要求し、パウエル議長の解任懸念が浮上したことにより、FRBの独立性に対する不信感が高まりました。この影響で、米国市場では株式・債券・ドルがそろって下落する「トリプル安」となり、日本株式市場でも上値の重い展開が続きました。
一方、22日にはベッセント米財務長官が「関税は持続不可能」との見解を示したほか、23日にはトランプ米大統領がパウエル議長の解任を否定したとの報道が伝わったことで、市場には安堵感が広がり、日本株式市場も上昇に転じました。さらに、対中国の関税率を見直す旨の報道も好感され、米中対立の緩和への期待からリスクオン姿勢が続き、日本株式市場は前月末比で上昇して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐2.24%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同3.27%の上昇を1.03%下回りました。当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、良品計画、ライズ・コンサルティング・グループ、センコーグループホールディングスなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、楽天銀行、ペプチドリーム、NISSOホールディングスなどでした。
当月は新規に投資を開始した「メドレー」についてご紹介します。
メドレーは、医療人材紹介、医療システム、オンライン診療など、幅広いサービスを展開しています。2009年に現在の代表取締役社長である瀧口氏が創業し、同社の旗艦事業である医療従事者向け求人サイト「ジョブメドレー」を皮切りに、事業を拡大してまいりました。
同社は、求人サイト市場がレッドオーシャンとされる中で、低単価の成果報酬モデルを導入し、既存の競合と差別化を図る戦略を採用しました。また、医療機関との信頼関係を一歩一歩築き上げ、事業の成長を加速させてきました。さらに、2016年にはオンライン診療システムを、2018年にはクラウド型電子カルテを展開し、現在に至るまで医療業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に貢献しています。
近年、日本の医療・介護業界では急速な高齢化が進行する中、診療やケアの需要が増加していますが、同時に現場での人材確保が深刻な課題となっています。特に中小規模の診療所や歯科医院、介護施設では限られた人員で業務を回しており、慢性的な人手不足がサービス品質や事業継続性に影響を与えているのが現状です。このような背景の中、業務の効率化と省人化を目的としたデジタル化のニーズが急速に高まっています。
当ファンドでは、同社が人材紹介事業で培った強固な顧客基盤と、医療プラットフォーム事業の成長に伴う収益性の向上に注目しています。医療機関は人材獲得のために複数のエージェントを活用しており、採用が実現すれば各エージェントに報酬を支払います。メドレーは、優れたユーザーインターフェース(UI)と他社に比べて低価格な成果報酬モデルを武器に、人材紹介事業で顧客のシェアを拡大し、さらにオンライン診療システムや予約アプリ、クラウド型電子カルテといったデジタル化を支援するサービスを提供することで、顧客単価の上昇を実現しています。
しかしながら、2024年夏以降、医療領域に関する人材紹介会社各社が激しい広告競争を繰り広げる中、看護師を中心とした求職者の転職意欲がやや鈍化したことにより、同社の人材紹介事業の業績悪化が懸念され、株価は一時的に下落しました。当ファンドでは、同社の業績は競合他社の広告競争に過度に影響されることはないと見込んでおります。広告競争が激しいのは、成果報酬単価の高い看護師領域が主であり、メドレーの求人サイトの主要ユーザーは歯科業界、整体、鍼灸師、介護士などが中心であるためです。加えて、M&A(企業の合併・買収)を通じて獲得した医療システムや管理アプリとの連携により、同社の総合的な稼ぐ力は以前よりも高まっていると考えます。
当ファンドでは、人材紹介事業の成長余地や競争力に加え、システムやアプリの収益化に伴う医療プラットフォーム事業の利益貢献を考慮した結果、現状の株価水準は割安であると判断し、新規投資を行いました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年3月の運用コメント
株式市場の状況
2025年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.22%の上昇、日経平均株価は同4.14%の下落となりました。当月の日本株式市場は、米国の関税政策に対する不安や地政学的リスクの影響を受けて投資家心理が動揺し、荒い値動きが続きました。
月前半にはトランプ米大統領の相次ぐ関税発動によって世界的な景気減速懸念が台頭し、景気敏感株を中心に日本株式市場は大きく下落しました。
月半ばには植田日銀総裁の利上げ継続を示唆する発言、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の大幅上昇、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの後退などに加え、ウォーレン・バフェット氏が率いる米国Berkshire Hathaway社による日本の商社株の保有増が好感されてバリュー株を中心に買いが集まり、日経平均株価が弱含むのに対してTOPIXは底堅く推移し、日経平均株価をTOPIXで除したNT倍率は5年ぶりの低水準となりました。
月後半に入ると、トランプ米大統領が輸入車に対して一律25%の関税を課すと発表したことで自動車株や半導体株が大きく売られ、リスク回避ムードが強まりました。さらに、米国で物価上昇と景気停滞が同時に起きる「スタグフレーション」への懸念が一層強まり主要株価指数が大きく下落したことを受け、日本株式市場もほぼ全面安となり、日経平均株価は約7か月半ぶりの安値で当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.04%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同0.27%の下落を1.31%上回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、ペプチドリーム、BIPROGYなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、MARUWA、トリケミカル研究所、ギフトホールディングスなどでした。
当月は新規に投資をした「コニカミノルタ」についてご紹介します。
コニカミノルタは、オフィス複合機を主力事業とする精密機器メーカーです。同社は、写真用カメラフィルムを祖業とする「コニカ株式会社」と、カメラや光学機器を祖業とする「ミノルタ株式会社」が、2003年に経営統合することで誕生しました。2006年にはカメラ事業から撤退したものの、化学合成技術の賜物である写真用カメラフィルムや、精巧な動作が求められるカメラの開発で培った材料・光学・微細加工・画像を4つのコア技術として、オフィス複合機だけでなく、商業用印刷機やディスプレイ関連の機能性フィルム、計測機器などを展開しています。
同社はペーパーレス化による複合機の構造的な市場縮小を見据えて、新たな事業の柱を創出すべく、2017年には合計で約1,000億円を超える金額を投じ、ヘルスケア関連事業の大型M&Aを実行するなど、新規領域に経営資源を集中させました。しかし、コロナ禍の影響を受け遺伝子検査数が停滞するなど、買収時の事業計画を大きく見直す必要に駆られました。2022年4月に就任した大幸社長は、総花的となっていた前経営陣の中期経営計画を刷新し、買収を行ったプリシジョンメディシン事業ののれんを中心に約1,000億円を減損し、非重点事業として位置付ける勇気ある決断をしました。同時に、大型買収の結果として傷んだ財務の健全性回復を図るべく、オフィス複合機の稼ぐ力の強化などを通じ、2025年度には再び飛躍するための基盤を確立するとの集中的な経営改善施策を発表しました。
当ファンドでは、大幸社長の有言実行型のリーダーシップと同社のコア技術を活かした成長市場への進出に注目しています。現実的な前提に立った計画を約束通りに達成するという「等身大の経営」の考えの下、2024年3月期には計画通り、2019年3月期ぶりの最終利益の黒字化を達成しました。2025年3月期第2四半期決算では、非重点事業と定めた遺伝子検査事業の全株式を譲渡することを発表しました。他の赤字事業も選択と集中による損失縮小が奏功し始め、経営戦略の“仕切り直し”が最終局面に差し掛かっているとの期待が高まる内容でした。
かつては遺伝子検査やオフィスITサービスなど、未踏の市場に成長の牽引役を求めた同社でしたが、現在では既存の技術資産や顧客との強固な関係を活用した隣接領域への進出を重視しています。その代表例が、高シェア領域を多く抱え、強化領域の営業利益率20%を目標とするインダストリー事業です。ディスプレイやレーザープリンター向けに培った光学技術を展開し、自動車外観計測や半導体製造装置など、高い成長率が見込まれる市場へと参入し、着実に実績を積み重ねています。
2025年3月期第3四半期には、インダストリー事業で大幅な減損損失を発表し、その後株価はPBR(株価純資産倍率)0.5倍を下回る水準に回帰しました。同社の強化事業が対面市場の逆風を受け、計画に対して遅れていることは事実ですが、組織体制・営業方針の変更を実施するなど、再成長に向けた手を打っています。加えて、主要事業であるオフィス事業の収益性が底上げされており、稼ぐ力は以前よりも高まっています。当ファンドでは、改革フェーズを終える2025年3月期以降は持続的成長を実現できると期待し、新規投資を行いました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年2月の運用コメント
株式市場の状況
2025年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比3.79%の下落、日経平均株価は同6.11%の下落となりました。当月の日本株式市場は、トランプ米大統領の関税政策に関する言動に振り回され、月後半にかけて大幅な下落となりました。
月前半にトランプ米大統領がメキシコ、カナダ、中国に対する追加関税の検討を表明したことを受けて日本株式市場は急落しましたが、その後メキシコとカナダの関税発効が延期され株式市場は一時的に回復しました。しかし、複数の米国経済指標の結果からスタグフレーション(景気の後退と物価の上昇が同時進行する経済状況)懸念が再浮上する中で投資家は慎重な姿勢を保ち、日本株式市場も方向感のない、上値の重い相場が続きました。
月後半には、日銀の追加利上げ観測が高まり国内長期金利は一時約15年ぶりの高水準まで上昇しました。また、米国の消費者信頼感指数や購買担当者景気指数(PMI)が予想を下回る結果となり、米国経済の先行きに対する懸念が強まりました。これを受けて、為替市場では円高ドル安が進行し、日本株式市場の重石となりました。さらに、トランプ米政権による対中半導体規制強化の観測や、米国ハイテク株の下落、米国の関税政策を巡る不透明感などが影響し、日本株式市場は大幅に下落し当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐3.21%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同0.44%の上昇を3.65%下回りました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、タクマ、ギフトホールディングスなどでした。⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、MARUWA、I-ne、アマダなどでした
当月は、新規に投資を開始した「PILLAR」についてご紹介します。
同社は、ポンプやバルブ、自動車部品等の様々な産業機械に使われるパッキンやシールといった流体制御関連の製品を製造しています。漏れなくつなぐ技術を武器に、半導体、液晶、医療、食品メーカーといった幅広い顧客に製品を供給しています。
当ファンドでは、同社が注力する半導体洗浄工程で使用される洗浄装置向けの継手製品に注目しています。金型や射出成型機の内製化により難易度の高い成形品や顧客の細かい形状要求に対応できる点を強みに、同社製品は半導体洗浄装置向けフッ素樹脂継手で約90%の世界シェアを持っています。半導体製造工程では不良品を出さないことが強く求められており、半導体製造企業は取引先の生産現場に自社の検査員を派遣するなど、品質管理にも多くのコストを割いています。そのため、新規参入するサプライヤーは製造装置やファウンドリ等の半導体製造に関わる複数社の要求水準を満たす必要があり、高い参入障壁となっています。このことが、同社の高いシェア、収益性を維持する一因でもあると考えています。
当ファンドでは実際に同社の工場へ2024年12月に訪問しており、顧客からの高い品質要求をクリアするための工夫が随所になされていることを確認してまいりました。2023年に竣工された同社の福知山第2工場は従来の成型機だけでなく、自動搬送装置の内製化やロボットの導入等による更なる省人化を実現しています。自動化は人件費の節約につながるだけでなく、ドアの開け閉めや通行などによる空気の流れの変化など、人が介在することによる不純物の混入リスクを軽減することができます。
同社の業績は半導体市況の低迷に伴う顧客の生産調整や新工場稼働に関する一時的な費用増等が影響し悪化局面にあるものの、中長期の視点では半導体市況の回復に伴い新工場の稼働が増加し収益性が大きく向上する余地があると判断し、新規投資を開始しました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2025年1月の運用コメント
株式市場の状況
2025年1月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.14%の上昇、日経平均株価は同0.81%の下落となりました。
月前半は、米国の堅調な景況感指数や雇用統計の結果を受け、米国の利下げ期待の後退から日米長期金利が上昇したことや、米バイデン政権がAI(人工知能)向け半導体の輸出規制を強化する計画であると報じられたこと、その後当規制案が発表されたこと等を受け、株式市場は下落しました。
月半ばには、日銀総裁および副総裁から当月の金融政策決定会合で「利上げを行うかどうか議論して判断する」と、利上げを行う可能性が示唆されたことで円高が進行し株式市場の重しとなりました。しかし、昨秋からのレンジ下限として意識されている水準に近づくと下げ止まりの動きを見せ、株式市場は一転して上昇いたしました。
月後半は、トランプ米大統領が公約に掲げてきた対中関税の即時発動を見送ったことや、ソフトバンクグループ、OpenAI(米国)、Oracle社(米国)等が今後4年間で米国のAI開発事業に最大5,000億米ドルを投資すると発表し、AI・半導体関連銘柄が上昇をけん引したことなどにより、株式市場は堅調に推移しました。
一方、月の終盤にかけては、中国のAI開発企業DeepSeekが、米国製競合モデルを上回る性能を持った大規模言語モデルを低コストで開発したと公表したことで、米半導体企業の独占的地位が揺らぐとの警戒感から日米のAI・半導体関連銘柄が大幅に下落し、株式市場全体を下押しする局面がありました。しかし、月末にかけては揺り戻しの動きが見られ、前月末と概ね同水準で当月の取引を終えました。
当月もしばらく続くレンジ内での推移に終始した格好となりました。また、月中に日銀は政策金利の0.25%の引き上げを実施いたしましたが、事前の日銀総裁および副総裁の発言や、利上げ観測報道で市場への織り込みが進んでいたことから、影響は限定的なものとなりました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.94%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同1.49%の上昇を3.43%下回りました。
2025年8月期第1四半期決算にて業績が好調に推移したことを受け、通期業績予想の上方修正を発表した良品計画などがプラスに貢献した一方で、中国製AI「DeepSeek」の発表により、既存のAIモデルよりもさらに消費電力を抑えることができるとの見方が広がったことでデータセンター向けの放熱基盤の需要減が懸念されたMARUWA、研究開発説明会が終了し短期的な材料が出尽くしとなったペプチドリームなどがマイナスに影響しました。
当月後半に、日銀が金融政策決定会合にて政策金利を0.5%に引き上げました。利上げが行われた背景として企業が人件費や輸送コストを販売価格に転嫁できるようになったことが理由であると日銀総裁は発言をしています。しかしながら、価格転嫁により収益力をより高めていける企業がある一方で、業態や競争力の関係からコスト増を販売価格に転嫁できない企業は継続的な成長が難しくなり、企業間の優勝劣敗が進むと考えています。引き続き短期的な株価変動に左右されることなく中長期的な視点での銘柄選別に努めてまいります。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「ギフトホールディングス」についてご紹介します。
同社は、ラーメン店の運営及びプロデュース店への食材提供等を手掛けています。横浜家系ラーメン「町田商店」を主力に、「豚山」、油そば「元祖油堂」といった多数のブランドを有しており、業態開発力とオペレーションノウハウの蓄積により継続的な出店による業績成長を実現してきました。
飲食業界の中でも特にラーメン業界は個人店や小規模チェーンの比率が高く、ハンバーガーや牛丼は大手上位3社のシェアが8割以上を占めているのに対し、ラーメンのマーケットシェアは上位3社合わせても一割程度に留まっています。背景として、九州のとんこつや札幌の味噌、喜多方の醤油、横浜家系等地域に応じて嗜好が異なる傾向にあることが一因と考えられます。また、店ごとにスープを現地で製造することによる味の差別化や職人の熟練度も要因として挙げられます。しかしながら、物流の最適化に伴い各地のご当地ラーメンをどこでも気軽に食べられるようになってきたことや工場生産の品質向上、海外展開やインバウンド消費の活発化、飲食サービス業態の人材採用難といった社会情勢の変化に伴い、大手ラーメンチェーンによる寡占化が進みやすくなってきたと当ファンドでは考えております。その中でも、同社は麺・チャーシューの内製化やオペレーションの標準化により、どの店舗でも安定した品質提供を可能としています。またカメラ分析や作業工程の削減などを通じたコスト是正により、コロナ禍で収益が落ち込んだ時期を除けば安定的に10%前後の営業利益を実現しています。加えて、同社の出店地域は関東圏が中心であり、今後は全国区への出店を背景とした継続的な売上成長の余地があると考えています。
なお、店舗内で撮影された画像のSNS上への投稿を受け、同社のブランドである「豚山」が一時的に炎上し、当月前半の株価下落の一因となったと推察していますが、店内カメラの映像から同社の接客サービスには非がなかったとの声明が発表されており、長期的な成長性及び同社のブランド価値は毀損していないと判断し投資を行っています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年12月の運用コメント
株式市場の状況
2024年12月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.02%の上昇、日経平均株価は同4.41%の上昇となりました。年間では両指数とも2年連続で上昇し、年末終値としては日経平均株価が最高値を更新しました。
月前半には、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて運用する資産の利回り目標を引き上げる方針を明らかにしたことで、日本株式の資産配分比率が高まるとの思惑が高まったことや、好調なハイテク株に支えられた堅調な米国株式市場、さらには米国の利下げ鈍化懸念からの円安進行等が日本株式市場の上昇につながりました。
月後半には、18日に米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)において予想通り政策金利の引き下げを決定し、2025年については2回の利下げに留まることを示唆しました。これを受けて米国長期債利回りは上昇し、米国株式市場は調整に転じ、その影響で日本株式市場も軟調に推移しました。しかしながら19日には日銀は金融政策決定会合にて金利を据え置くことを決定し、その後の記者会見で植田日銀総裁がハト派的な発言を行ったことで為替市場では円安ドル高が進みました。その後は好調な米国の半導体株及びさらなる円安に支えられ、日本株式市場は再び上昇に転じ、27日には日経平均株価は4万円の大台を回復しました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐2.83%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同0.16%の上昇を2.67%上回りました。
軟調な株価推移が続く電子部品関連銘柄の中で好調な業績が評価されたMARUWA、2025年8月期第1四半期の月次売上高が好調に推移している良品計画などがプラスに貢献する一方、研究開発説明会が終了し短期的な材料出尽くしとなったペプチドリーム、今期業績の下振れ懸念が嫌気されたI-neなどがマイナスに影響しました。
2025年の日本株式市場も引き続き堅調に推移するとみています。実質賃金上昇率のプラス転換やインバウンド需要の増加により内需関連株の業績が伸び企業収益全体を押し上げると当ファンドは考えています。一方、輸出関連銘柄は、円安トレンドの一服や米国の関税政策の不透明感もあり、業績は伸び悩む見通しです。
中小型株は内需関連株が多いため、今後出遅れている株価の改善が期待できると見ております。引き続き短期的な株価変動に左右されることなく中長期的な視点での銘柄選別に努めてまいります。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「サスメド」についてご紹介します。
同社は、治療用アプリの開発とブロックチェーンを使った臨床治験システムの提供を行っている会社です。治療用アプリは、スマートフォンアプリの形態をした治療手段であり、医薬品、医療機器に次ぐ第3の治療法として注目されており、海外では市場が急拡大しています。同社は、既に国内の製造販売承認を取得した不眠障害治療アプリに加え、慢性腎疾患、乳がんなどの分野で複数のアプリを開発中です。製薬会社とのアライアンス(異なる企業や組織が協力関係を築き、共同で目標を達成するために提携すること)は、不眠障害治療アプリは2021年12月に塩野義製薬㈱と販売提携契約を締結したほか、あすか製薬㈱や杏林製薬㈱とも共同研究開発および販売契約を締結しています。製薬会社とのアライアンスが増加している背景は、治療用アプリの市場が拡大していることに加え、治療用アプリの開発は、医薬品の開発に比べて大幅に開発コストを抑えられることが背景にあると考えられます。
2024年1月、同社は厚生労働省に申請していた不眠障害治療アプリの保険適用希望を取り下げたことで、同社の株価は急落しました。この背景には、厚生労働省がガイドラインを改訂し、治療用アプリの位置づけが変更されたことにあります。従来、治療用アプリは認知行動療法を基にした手法として保険適用が認められていましたが、新ガイドラインでは「疾患治療用プログラム機器」として、特定保険医療材料に該当する場合にのみ保険適用される形に変更されました。同社の不眠障害治療アプリは、従来の認知行動療法を基にした保険適用を前提として申請していたため、新しい基準では保険適用が困難となったのです。
ガイドライン改定を受け、同社は2024年8月に不眠障害治療アプリの製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。疾患治療用プログラム機器として認可を取得し、2025年中の保険適用を目指しています。既に販売済みの他社の治療アプリも同様の手続きにより販売が継続されていることから、2025年中の保険適用の可能性は高いとみています。当ファンドでは、保険収載後の不眠障害治療アプリの売上高をピーク時70億円程度と見込んでいます。また、治療用アプリは粗利率が高いため、2026年6月期には営業利益は黒字転換し、2028年6月期営業利益25億円と予想しています。こうした長期的な成長性に対し株価は割安と考え、投資を行っています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年11月の運用コメント
株式市場の状況
2024年11月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.51%の下落、日経平均株価は同2.23%の下落となりました。
月前半は一進一退の展開となりました。5日に実施された米大統領選挙で共和党のトランプ前大統領が優勢と伝わったことから日経平均株価は大幅に上昇し、7日には40,000円に迫る場面もありました。しかしその後、トランプ次期米大統領が政権人事で対中強硬派の人物を起用する方針が報じられ、次期政権が掲げる関税強化策への警戒感が強まったことで半導体関連株に売り圧力がかかり、株式市場は下落に転じました。一方、14日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「利下げを急ぐ必要はない」旨の発言をしたことで円安が進行し輸出関連株が買われ、半導体関連株の反発もあって株式市場の連日の下落が一服しました。
月後半は狭いレンジで推移し、米国の金融政策の先行き不透明感や米国半導体株の動向に一喜一憂する動きが続きました。また、トランプ次期米大統領が中国、メキシコ、カナダに対する関税措置を発表したことを受け、相場は軟調な動きが続き、前月末比で下落して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.96%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同2.13%の上昇を3.09%下回りました。
2025年3月期連結業績予想を上方修正した楽天銀行、新社長による経営方針説明会の内容が好感された良品計画などがプラスに貢献する一方、再成長のための事業構造改革により、2025年9月期の連結業績予想において営業減益の見通しを示したアンビスホールディングス、2025年9月期の業績予想が市場予想を下回ったプラスアルファ・コンサルティングなどがマイナスに影響しました。
米国経済は堅調に推移しているものの、トランプ次期大統領就任により関税強化策への懸念から外需関連株は物色されにくい状況になっています。一方、国内ではインフレ定着による日本銀行の追加利上げや、実質所得のプラス転換による内需関連株の業績改善が期待できる環境になってきており、関税強化策の具体的な内容が明らかになるまでは内需関連株が相対的に上昇しやすいと考えます。中小型株は内需関連株が多いため、今後出遅れている株価の改善が期待できると見ております。引き続き短期的な株価変動に左右されることなく中長期的な視点での銘柄選別に努めてまいります。
当月は、当ファンドで前月より投資を開始した「リガク・ホールディングス」についてご紹介します。
同社は、1951年に設立された、X線分析を中心とした計測機器の開発・製造を行う企業です。特にX線回折機器の分野では国内シェア75%を誇り、世界市場でも僅差の第2位の地位を築いています。
当ファンドが同社に注目した理由は、安定した収益基盤と長期的な成長余地を兼ね備えている点にあります。同社の提供するX線分析機器は、アカデミア、ライフサイエンス分野、そして素材を扱う企業の研究開発部門などで幅広く利用されています。これらの機器は研究開発の基礎的な装置として欠かせないものであり、顧客層が多岐にわたることから景気変動の影響を受けにくい安定的な収益基盤を形成しています。
近年では、半導体製造プロセスにおける需要が同社の成長をけん引しています。半導体の微細化や多層化が進む中で、従来の光学技術では対応が難しい計測が必要とされており、非破壊で内部構造や多層膜の状態を正確に測定できる同社のX線分析技術が強みを発揮しています。さらに、X線回折(XRD)やX線反射率(XRR)の技術は、光学や電子線を用いた従来の測定方法と比較して、内部構造を極めて高い精度で検出可能です。このため、次世代半導体技術の開発においても重要な役割を担っています。
以上のように、同社はX線分析機器全体の安定成長に加え、より成長性と収益性の高い半導体製造プロセス向け機器がけん引することで、中長期的に毎年10%以上の成長が期待できると当ファンドでは考えています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年10月の運用コメント
株式市場の状況
2024年10月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.88%の上昇、日経平均株価は同3.06%の上昇となりました。
月前半は、全米企業エコノミスト協会の年次総会に登壇したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の利下げについて「急ぐ必要はない」と強調したことや、米国雇用統計が市場予想を大幅に上回ったこと等から利下げ観測が後退したこと、石破茂首相から日銀の早期の追加利上げに否定的な見解が示されたこと等からドル高円安が進行しました。また、中東情勢の悪化により株価が一時的に下落する局面もありましたが、前述のように円安の進行や米国経済の底堅さ、石破政権が岸田前政権の経済政策を継承するとの方針が確認されたこと等から株式市場は上昇いたしました。
月半ばから後半にかけては、オランダの半導体製造装置大手ASML Holding社の決算発表で2025年12月期の業績見通しが引き下げられたことで半導体関連株に売りが広がったことや、日米長期金利の上昇基調の継続が意識されたこと、27日投開票の衆議院選挙で与党自民・公明両党が過半数議席の確保が微妙な状況と報じられたこと等から株式市場は軟調な推移となりました。
衆議院選挙では連立与党が2009年以来15年ぶりに過半数を割り込む結果となり、今後の政権の枠組みは少数与党が政策や法案ごとに野党に協力を求める「パーシャル(部分)連合」になるのではないかという見方が強まりました。財政拡張的な政策を掲げる野党との協力により景気刺激的な政策が実行される可能性が意識されたことや、リスクイベント通過に伴う先物の買戻し等から株式市場は衆議院選挙を境に一転し、前月末比で上昇して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.07%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同2.92%の下落を3.99%上回りました。
物流企業の中で業績が堅調に推移しているセンコーグループホールディングス、親会社の日本電気㈱による公開買い付け(TOB)が発表されたNECネッツエスアイなどがプラスに貢献する一方、大型案件の増加と人員増加により2025年2月期中間期決算で営業利益率が急速に悪化したことが嫌気されたリックソフト、9月の既存店販売売上高が前年同期比で低迷したマツキヨココカラ&カンパニーなどがマイナスに影響しました。
衆議院選挙で連立与党が過半数割れになったものの、株式市場ではすでに織り込み済みで大きな波乱とはなりませんでした。むしろ今後の経済対策期待が高まっており、株式市場にはプラスに働くとみています。一方、米国大統領選挙は大接戦となっておりどちらが勝利するかは不透明ですが、結果がでればマーケットの不透明要因が1つ解消されるため、株式市場にはポジティブと考えます。ただし、トランプ氏が当選した場合には米国の長期金利が上昇する可能性が高いため、米国の長期金利の水準に影響を受けやすい中小型株式については短期的な株価変動が大きくなることが予想されます。しかしながら、引き続き短期的な株価変動に左右されることなく中長期的な視点での銘柄選別に努めてまいります。
当月は、当ファンドで比較的新しく投資を開始した「清水建設」についてご紹介します。
同社は1804年に創業、上場大手ゼネコン4社(清水建設、大成建設、大林組、鹿島建設)の中では最も古い220年の歴史を持つ総合ゼネコン企業です。2020年に予定されていた東京オリンピックに関連する工事が活況だった2016年度から2019年度までは1,200億円を上回る営業利益を計上していましたが、大型再開発案件での受注獲得競争の激化、コロナ禍での資材・エネルギーコストの上昇、労働力不足による人件費上昇などから、近年は急速に業績が悪化し、2023年度には200億円を上回る営業損失を計上する厳しい状態に陥っています。上場大手ゼネコン4社の中でも特に同社の経営環境は厳しく、株価も大きく見劣りしています。
しかし当ファンドでは以下の2点から、同社に対してポジティブに評価しています。
1点目は、業績の底打ちとその先の回復期待です。2023年度の工事損失引当金は前年度に比べて600億程度増加しており、工事進行中案件での赤字認識が進んだことで一時的に期間赤字が拡大したことが推察されます。さらに国土交通省から発表されている建築着工統計調査によると、着工単価が2022年ごろから急速に上昇しており、事業環境の改善が伺えます。大型工事では着工から竣工まで3~5年程度掛かることを考慮すると、同社の業績が今後数年にわたって改善する可能性は高いと考えています。
2点目は、コーポレートガバナンスに関する意識の変化です。建設業では施主と請負業者の長期的な関係構築、営業上の戦略、パワーバランスなど様々な要因から多数の顧客企業の株式を購入する政策保有目的での株式保有が続いてきました。これは工場を持たないこと、重層的な下請け構造などによって設備投資や研究開発費をさほど必要とせず、キャッシュフローが黒字になりやすい建設業の財政事情が許容したことも一因と考えられます。しかし昨今のコーポレートガバナンス意識の高まりから、外部の議決権行使助言会社が政策保有株を過度に保有する企業の取締役選任に反対を推奨していることで、同社に限らず建設大手企業に緊張感が高まっています。実際に同社の井上社長に対する株主総会での再任賛成率は過去2年で約93.3%から約83.7%まで大きく低下しています。このような状況を受け、同社でも保有する政策保有株式を2026年度末までに連結純資産の20%以下まで減らす方針を発表して、資産の効率的な活用を計画しています。前述したように、事業環境が今後改善することで株主還元や資産効率の改善に対する一層踏み込んだ計画が発表されるのではないかと期待しています。
このような点から、業績・資産効率の改善が同社の価値を高め、引き上げていくと考え、積極的に投資する方針です。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年9月の運用コメント
株式市場の状況
2024年9月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.53%の下落、日経平均株価は同1.88%の下落となりました。
月前半は米国のISM製造業景況感指数や雇用統計が予想を下回ったことで、米国経済の減速懸念が高まり市場心理に影響を与えました。さらに米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ期待と日銀の利上げ期待の高まりにより、月半ばにかけて円高が進行しました。このような状況の中、株式市場は一時的に下落した後、反発が見られたものの上値は重く、投資家は慎重な姿勢を維持しました。
月後半はFOMCが0.5%の利下げを決定した後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和を急がない姿勢を示したことや、日銀が金融政策を現状維持したことから円高が一服し、輸出関連株や半導体関連株の買い戻しが進みました。また、自民党総裁選挙で高市早苗氏が当選し、金融緩和が再開されるとの見通しが高まったことで日経平均株価は26日から27日にかけて大きく上昇しました。しかし、最終的には石破茂氏が勝利し、経済政策への警戒感が高まったことなどから30日の日本株式市場は全面安の展開となり、前月末比で下落して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.70%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同2.52%の下落を3.22%上回りました。
生成AI(人工知能)向けデータセンターにおける光トランシーバー向け放熱基板の成長性が評価されたMARUWA、中国の景気対策による海外事業の成長期待が高まったサイゼリヤなどがプラスに貢献する一方、看護師労働市場の逼迫による採用コスト上昇が懸念されたアンビスホールディングス、2024年10月期第3四半期決算の内容が嫌気されたタイミーなどがマイナスに影響しました。
株式市場では、石破茂氏が自民党総裁になり、経済政策の不透明感から当月末に株価指数は大きく下落しました。しかし、岸田前政権の基本方針である物価上昇を上回る賃上げの定着や経済成長戦略について着実に継承していく見通しであることから、経済対策に対する不透明感は今後払拭されると考えます。米国経済もFOMCが0.5%の利下げを決定したことでソフトランディングの可能性が高まっており、株価指数は日米とも年末にかけて緩やかに上昇するとみております。中東情勢の悪化などリスク要因はありますが、中長期的視点での銘柄選別に努めてまいります。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「I-ne」についてご紹介します。
同社は「BOTANIST」や「YOLU」などのヘアケア製品を筆頭に様々な美容関連製品等を企画・販売する新興ファブレス企業(工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業)です。製品企画や販売の面でSNSやeコマース(電子商取引)を活用するデジタルマーケティングを強みとしており、新しいトレンドを取り入れた製品をいち早く投入し、小さく事業を始めて育てる手法に特徴があります。類似企業の業績は単一ブランドに依存する傾向がありますが、同社は複数ブランドがヒットしており、この点を当ファンドでは高く評価しています。
一方、前年2月の中期経営計画(中計)発表以降の同社の株価は低迷しています。主な理由として、中計で掲げた2025年12月期の業績目標の達成が現時点で困難であるとの懸念が挙げられ、当ファンドにおいても同様の認識です。中計発表以降、既存製品の主軸である「BOTANIST」、「YOLU」、美容家電の「SALONIA」に次ぐヒットが、新製品カテゴリから出ていないことが成長加速に歯止めがかかっている要因と捉えています。
しかしながら、当ファンドでは以下2点から現在の同社株式は非常に割安であり、魅力的な投資機会であると考えています。
一つ目は、新規の目立ったヒット製品がなくても安定的に一定の成長は見込める点です。前月に発表された2024年12月期第2四半期決算は、新製品のヒットが乏しかったものの前年同期比で増収増益(売上高4.1%、営業利益6.0%)となりました。新規のヒット製品に乏しくても一定の成長が見込め、ヒット製品が出れば大きな成長が期待できることは同社の魅力であると考えます
二つ目は、2024年12月期から実行税率が下がり、当期純利益の増加が見込める点です。従前、同社の株主構造では留保金課税により実行税率がかなり高くなっていましたが、同社から当月発表された「資本金をその他資本準備金に振り替える手続き」が臨時株主総会で承認されると法定実効税率に近い水準まで下がると考えられます。この実効税率が下がる効果は、税引前利益を一定とした際に当期純利益を約20%押し上げると当ファンドでは分析しています。
当月末の同社株価は1,819円ですが、実効税率が下がることを前提とした当期PER(株価収益率)は10.7倍程度と当ファンドは捉えており、同社は非常に割安であると考えています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年8月の運用コメント
株式市場の状況
2024年8月、日本株式市場の代表指標であるTOPIX(配当込み)は前月末比2.90%下落し、日経平均株価は前月末比1.16%下落しました。
当月の日本株式市場は歴史的な乱高下を演じ、日経平均株価の月間値幅(高値と安値の差、終値ベース)がバブル経済崩壊時期を超えて過去最大となりました。
7月31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げが円高を呼び、さらに市場予想を下回った7月の米ISM製造業景気指数で米国景気減速懸念が台頭し円高が一層進行したことで、月前半の日本株式市場はリスク回避の流れが強まり暴落しました。5日には米国経済や雇用の減速への警戒などから円高が大幅に進み、午後には日経平均先物でサーキットブレーカーが13年ぶりに1日に2回発動され、日経平均株価は前日比4,451円の下落と過去最大の値下がりを記録しました。しかしながら翌6日には為替市場がいったん落ち着いたことで日本株式市場も落ち着きを取り戻し、TOPIXおよび日経平均株価は史上最大の上げ幅となりました。加えて、翌7日の内田日銀副総裁のハト派発言も投資家の安心感につながり、月半ばにかけて日本株式市場は急反発しました。
月後半は米国経済への先行きに対する警戒感がひとまず和らぎ、日本株式市場は緩やかなペースで回復し、月前半の急落分の大半を取り戻して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐3.28%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同2.05%の上昇を5.33%下回りました。
堅調な業績見通しが評価されたアソインターナショナル、スキマバイト事業の中期的な成長性が評価されたタイミーなどがプラスに貢献する一方、2025年3月期第1四半期決算の大幅営業減益が嫌気されたアマダ、株主優待制度廃止が嫌気されたサイゼリヤなどがマイナスに影響しました。
米国ではインフレ率の鈍化や雇用指標の悪化を受けFRB(米連邦準備制度理事会)が金融緩和姿勢に転じたため、長期金利が急速に低下しています。一方日本では、日本銀行が金融引き締め姿勢に転じているため、日米金利差の縮小を受け円安局面が終了し、為替市場は1ドル=145円を中心としたボックスレンジで推移するとみています。現状の為替水準であれば、日本企業の2024年度業績は2桁増益の達成が可能とみており、業績拡大による日本株式市場の上昇基調に大きな変化はないと考えます。ただし物色対象は、円高の進行や米国長期金利に低下により、外需関連株から内需関連株や小型成長株に広がるとみています。引き続き当ファンドの運用方針に沿った投資を実践してまいります。
当⽉は「サイゼリヤ」についてご紹介いたします。
同社は1973年に設立され、国内1,055店舗、海外485店舗(2023年8月末現在)を運営している大手ファミリーレストランチェーンです。お手頃な価格で外食を楽しめるというのが特徴で、若者やファミリー層に高い支持を得ております。同社のメニューは、パスタやピザなど、イタリアンを中心に幅広く展開されています。特に、自社工場での生産から店舗へ直接供給を行う「製造直販業」のシステムを採用することで中間コストを削減し、品質を担保しながらも価格を抑えて消費者に提供しています。
当ファンドでは、➀価格改定による収益性向上への期待、➁海外市場への積極的な展開による成長機会の拡大の2点に期待し、投資を行っています。
① 価格改定による収益性向上への期待については、同社は長期間にわたり価格を据え置いてきましたが、原材料費や人件費の上昇に直面しています。一方で国内の最低賃金は毎年上昇しており消費者の購買力が伸びたことから、価格改定の余地が存在します。そのため当ファンドでは、仮に同社が一律数%の値上げを実施した場合でも、客数への影響は限定的で収益性を大幅に向上できると考えています。
② 海外市場への積極的な展開は同社が現在進めている成長戦略の柱です。現在は中華圏を中心に店舗数を増やしていますが、現地の商圏人口から考えると中華圏だけでも店舗数が4〜5倍に増加する余地があると試算されます。また、2024年はベトナムに初出店する予定で、東南アジアもさらに拡大が期待できるエリアであると考えます。
以上のように、国内と海外の両面での成長可能性が魅力的な同社ですが、値上げに対しての前向きなコメントを行っていないため、短期的には株式市場における同社への注目度は低い状態です。一方で、長期視点では、国内では実質賃金の上昇が期待できる点など同社にとって価格改定をしやすい状況が想定されることに加え、海外での実績が示されることで同社への評価は高まると当ファンドでは考えています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年7月の運用コメント
株式市場の状況
2024年7月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.54%下落し、日経平均株価は前月末比1.22%下落しました。
当月の日本株式市場はボラティリティの大きい相場展開となりました。月前半は、前月からの好調な流れを引き継ぎ堅調に推移しました。米国の雇用統計で労働需給の逼迫が緩和される兆しが見られ、FRB(米連邦準備制度理事会)の年内利下げ観測が高まったことで、長期金利が低下し、米国のハイテク株が上昇しました。日本でも半導体関連銘柄が相場を支え、日経平均株価は連日で史上最高値を更新し、11日には4万2,000円台に到達しました。しかしながら米国消費者物価指数が想定以上に軟化し、米国ハイテク株に利益確定売りが入ったことやドル円が円高方向に振れたことなどから、日本株式市場は下落に転じました。そして月後半に入ると下げが一層加速しました。トランプ氏が大統領選で優勢と伝わると、米中対立の深刻化やドル高是正などの自国優位政策が懸念され、半導体関連株に売りが膨らみ、日本株にも影響が及びました。さらに日銀の追加利上げやFRBの利下げ観測から「円キャリー取引」の巻き戻しが発生し、ドル円は一時151円台を付け、日本株式市場も幅広く売りが広がり、日経平均株価は3万8,000円を割り込む水準まで大幅に下落しました。
31日に日銀は金融政策決定会合で政策金利を0.25%程度に引き上げることを決定し、国債買い入れの減額計画も明らかにしました。また、米国政府が対中国の半導体輸出規制で日本などを除外すると報じられると、半導体関連株が反発し日本株式市場は下げ幅を縮小して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.74%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同1.71%の下落を3.45%上回りました。
日本銀行による追加利上げ期待の高まりと月末の金融政策決定会合で利上げが決められたことが好感された楽天銀行、放射性医薬品事業の中期的な成長性が評価されたペプチドリームなどがプラスに貢献する一方、2025年2月期第1四半期決算の営業利益率の悪化が嫌気されたリックソフト、2025年1月期第1四半期決算が失望されたトリケミカル研究所などがマイナスに影響しました。
米国では景気減速懸念から長期金利が急速に低下しています。一方、日本では日本銀行が当月末の金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げることを決めました。日米金利差の縮小から足元急速な円高が進展し、日本企業の業績悪化懸念から株式市場は調整色を強めています。しかし、当ファンドではこれはやや過剰反応とみています。日本企業の業績に対する為替感応度は過去と比べると低下していると考えており、仮に8月以降1ドル=145円程度で推移したとしても今期業績へのマイナス影響は1~2%程度に過ぎないと試算しているためです。むしろ、日本銀行が市場見通しより早く政策金利を上げたことは、日本経済が着実にインフレ経済へ移行していること示しており、日本株の中期的な上昇基調に変化はないと考えています。
特に中小型株については、内需企業が多いことから、円高の影響が限定的です。また、日本経済のインフレ定着が業績にプラスに作用すると考えられるため、今後投資の魅力がさらに高まると考えられます。
当月は新規上場時に投資を開始した「タイミー」についてご紹介いたします。
同社は、スキマバイトと呼ばれる短時間・日払いのアルバイトマッチングサービスを展開しており、ワーカーの「働きたい時間」とクライアントの「働いてほしい時間」を効率的にマッチングするのが特徴です。日本では、高齢化の進展による労働力不足や若者の働き方の多様化により短期時間労働の需要が増加しており、外食産業などのサービス業において人手不足が深刻な問題となっています。こうした課題を解決するため、同社は急速に事業を拡大しています。
同社は2018年8月にサービスを開始し、現在では業界トップの地位を確立しています。同社の強みは以下の3点にあります。1点目は、クライアントに対する専門的なコンサルティングです。業界別専任チームによるアルバイトのマニュアル作成や、新店開業に必要な人材確保など、クライアントの事業運営における課題解決をサポートしています。2点目は、ワーカーとクライアントの相互レビューシステムです。これにより、双方の信頼性が高まり、効率的なマッチングが可能となります。3点目は、先駆者メリットが大きいビジネスモデルです。マッチングビジネスは、既に活気のあるプラットフォームにより多くの人が集まる傾向があり、さらに労働規制が複数のマッチングサービスの利用を制約するため、同社が有利な立場に立っています。
現時点で、同社のクライアントは物流、飲食、小売りの3業種が中心ですが、これらの業種だけでもスキマバイトの潜在市場は非常に大きいと考えます。さらに、今後は宿泊施設や介護施設などの新たな業種への展開も予定しています。主な競合他社としてリクルートホールディングスなどが参入を予定している点には注意が必要です。しかし、当ファンドでは同社の今後3年間の営業利益が年率8割以上の成長率を見込んでおり、この成長を考慮すると現在の株価は割安と判断し、投資を開始しました。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年6月の運用コメント
株式市場の状況
2024年6月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.45%上昇し、日経平均株価も前月末比2.85%上昇しました。
当月の日本株式市場は、日米の金融政策の動向に注目が集まるなかレンジ内でもみ合いの推移となった後、円安の進行とともに月末にかけて上昇しました。月前半は、米国金融政策の動向を巡り米国マクロ経済指標に注目が集まるなか、雇用・物価関連指標等の結果を受けインフレ鈍化の見方が支持され、目先のFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測の高まりから米国長期金利が大幅に低下し、米国株式市場は半導体・ハイテク株中心に上昇しました。この流れを受けて、日本株式市場も上昇しました。月半ばには、日銀金融政策決定会合で、日銀が国債買い入れ減額の方針を固めたものの、具体策については公表が見送られ、円安の進行とともに日本株式市場は上昇しました。その後は、会合後の記者会見にて日銀総裁より買い入れ減額規模について「相応の規模になる」との発言があったことや、7月の会合で利上げを行う可能性も否定しない主旨の発言があったこと、また、フランス政治不安が改めて意識され下落した欧州市場の影響などいくつかの材料が出るなか、日本株式市場は下落する場面がありましたが、月後半にかけて株価は持ち直しました。月後半は、ドル円レートが一時161円台まで下落し、1986年12月以来およそ37年ぶりの安値を更新しました。円安が支えとなったほか、日本長期金利の上昇を受けた銀行株などの上昇も相場をけん引し、月末にかけては配当金の再投資の観測もあるなかで日本株式市場は前月末対比で上昇し、当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐2.30%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同7.01%の上昇を4.71%下回りました。
戦略的提携先の薬剤の国内フェーズ3試験開始を好感されたペプチドリーム、データセンター向けに放熱セラミック製品の拡大が期待されるMARUWAなどが上昇しプラスに貢献する一方、短期業績が懸念されるソシオネクスト、2024年12月期第2四半期決算で通期業績予想を下方修正したマネジメントソリューションズなどがマイナスに影響しました。
日本株にとって、インフレ定着や円安進行は経済面でプラスの側面が多い一方で、内需企業にとっては原材料コスト上昇や人件費の増加などで収益性を低下させる要因になっています。そのため内需企業に投資をする場合は、コスト上昇分をきっちりと価格に転嫁できる競争力のある企業に選別投資することが重要になると考えます。特に中小型株は内需企業が多いため、当ファンドの投資基準に合った独自サービスや製品を持つ競争力の高い企業の発掘に努めてまいります。
当⽉は「カヤバ」についてご紹介いたします。
同社は1948年に設⽴された油圧機器の世界的な⼤⼿メーカーです。世界中で走っている自動車の約20%にはカヤバのショックアブソーバが使われており、同社の製品は世界で第2位のシェアを占めています。
ショックアブソーバとは、車の振動を吸収する重要な役割を果たす部品で、スプリングと共に車体とタイヤの間に設置されています。走行中に路面から発生する衝撃は、最初にスプリングの伸縮によって吸収され、その後スプリングに加わった圧力をショックアブソーバが減らします。この機能で搭乗者は快適な走行と操縦安定性を享受しています。
当ファンドでは、1.電子制御ショックアブソーバなど高付加価値商品の販売拡大による業績拡大、2.株主還元の強化の2点を期待し、投資を開始しました。
- 電子制御ショックアブソーバは、従来品に比べてより精密な制御が可能となり、車両の走行状況や路面の状態に応じてリアルタイムで最適な調整を行います。電子制御ショックアブソーバは従来品より単価が高く、収益性も高いため、今後採用メーカーと車種が増えることによって同社の業績成長をけん引すると当ファンドでは期待しています。また、将来的にEV(電気自動車)が普及した場合でも、同社のショックアブソーバの需要はなくなりません。むしろ、重量が重くなるEVにおいては足回りの重要性が増すため同社にとって追い風になると考えられます。
- 株主還元の強化については、2024年3月期の決算説明会で示されたキャッシュアロケーションの計画に着目しています。同社は、中期経営計画の中で2023~2025年度期間中に株主還元310億円以上を掲げています。この計画を前提にすると、当ファンドでは今後2年間は少なくとも年間100億円(配当50億円、自己株式取得50億円)の株主還元を見込めると分析しています。2024年6月末現在、同社の時価総額は約1,367億円です。100億円の株主還元は時価総額の約7.3%にあたり、魅力的な利回りであると考えています。
以上のように事業拡大と株主還元の両面で魅力的ですが、同社を担当する株式アナリスト(アナリストカバレッジ)が少ないことから株式市場における同社への注目は低い状態です。今後、実績が示されることで同社への評価は高まると当ファンドでは考えています。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年5月の運用コメント
株式市場の状況
2024年5月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.16%上昇し、日経平均株価も前月末比で0.21%上昇しました。
当月の日本株式市場は、月前半は4月の米国雇用者数が市場予想を下回り、米利下げ観測が強まったことから日米株式市場ともに上昇しましたが、日銀の金融政策正常化観測などから上値が抑えられました。月半ばには米消費者物価指数や米小売売上高など予想を下回る指標が発表され、金融引き締めの長期化への懸念が後退しました。その結果、米国の主要3株価指数が史上最高値を更新し、日経平均株価も一時39,000円を回復しました。さらに、NVIDIA社(米国)が市場予想を上回る好決算を発表し、半導体株が軒並み上昇して相場を支えました。月後半は、米景気の底堅さを背景とする利下げ動向への懸念や、日銀総裁の追加金融引き締めを示唆する講演が再び注目されて日米長期金利の上昇により株価が下落しましたが、最終的には金利上昇がひとまず一服したとの見方が買い戻しにつながり、前月末を上回る水準で月を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前月末比2.99%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同4.07%の下落を1.08%上回りました。
データセンター向け耐熱セラミックス製品の成長性が評価されたMARUWA、国内の長期金利上昇による収益改善が期待される千葉銀行などが上昇しプラスに貢献する一方、ネットワークソリューション事業の通信事業者向けの苦戦が続いているNECネッツエスアイ、楽天グループ㈱のフィンテック事業の再編による先行コスト計上が嫌気された楽天銀行などがマイナスに影響しました。
日本株式市場は、2024年度業績予想への懸念と米国長期金利の上昇により、前月以降調整局面に入っています。予想を公表している会社予想ベースの2024年度業績予想は1桁前半の営業増益となり、2023年度に比べ大幅に伸び率が鈍化する見通しになっています。しかし、売上高前提や為替前提が保守的な計画になっており、当ファンドでは最終的には前期並みの2桁増益になるとみています。また、米国長期金利もインフレ鈍化が確認できる指標がいくつか散見されるようになっており、秋口以降緩やかな低下基調になることが予想されます。企業業績の上ぶれと長期金利の低下により、日本株式市場は2024年後半から再度上昇基調に転じると考えます。特に中小型株は大型株に対して出遅れ感が強いことから、中期的な上昇余地は大きいと考えます。引き続き、当ファンドの投資哲学に基づいた投資を実践してまいります。
当月は、当ファンドの主要な投資先である「楽天銀⾏」についてご紹介します。
同社は、楽天グループ㈱のフィンテック部門における主要な金融事業会社であり、国内最大規模のインターネット専業銀行です。当ファンドでは、従来型の銀⾏とは異なる独⾃のビジネスモデルに由来する⾼いROE(株主資本利益率)と中⻑期的な成⻑性に魅⼒を感じています。同社の強みとなる独自性は、①IT企業である楽天グループ㈱がインターネット専業銀行として利便性を追求し作りこんだサービス、②1億IDを超す楽天経済圏の会員にアクセスできることによるもので唯一無二であると考えています。
一方、当月の同社の株価は2025年3月期の業績予想が発表された後、軟調に推移しました。前月初めに楽天グループ㈱のフィンテック部門の再編が検討され始めたことが発表されましたが、そのための先行費用負担を嫌気したと考えられます。また、同再編が同社に与える影響を見通せないことも株価の重しになった可能性があります。
しかし、当ファンドでは再編を検討するための費用は一時費用に過ぎないこと、再編の影響も資本構成の違いにより大小の違いはあれど、同社にとってプラスになることに変わりはないと考えています。資本構成の違いは、①フィンテック部門のための持株会社が新たに設立され、同社を含む金融事業会社がその傘下に収まる、②同社が親会社になり、楽天証券ホールディングス㈱や楽天カード㈱などの他の金融事業会社が傘下に収まるという2パターンが想定されます。いずれにせよ、事業シナジーが増すため同社にとってプラスですが、可能性の低い②のケースになるとポジティブインパクトは極めて大きくなると考えます。引き続き、短期的な株価の動きに惑わされず、中長期的な視点で同社への投資を継続してまいります。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年4月の運用コメント
株式市場の状況
2024年4月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.91%下落し、日経平均株価は前月末比4.86%の大幅下落となりました。
月前半は利益確定売りや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)高官の年内利下げ先送り示唆に伴い米長期金利上昇が懸念され、米国株式市場の下落を招き、日本株式市場は上値を抑えられました。月半ばには米CPI(消費者物価指数)の市場予想を超える上昇や半導体関連企業の大幅下落、また中東情勢の悪化などから日経平均株価は一時37,000円を割り込みました。月後半には中東情勢の落ち着きから買い戻しの動きが見られ、日経平均株価は38,000円台を回復しました。26日まで開かれた日銀金融政策決定会合では緩和的な金融政策の維持が決定され、日本が祝日だった29日にドル円相場は一時160円台へ急伸し約34年ぶりの高値を更新しました。しかしながら、その後一転して154円台まで大きく円高に振れ、市場では政府による為替介入が行われたとの観測が広がりました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.13%の下落となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同11.48%の下落を11.35%上回りました。
Novartis Pharma社(スイス)との提携が拡大し、契約一時金として180百万ドルを受領するとの発表があったペプチドリーム、当期大幅な増収増益見通しを発表したリックソフトなどが上昇しプラスに貢献する一方、当期業績予想が市場期待値に届かなかったことを嫌気されたVRAIN Solution、2024年度診療報酬改定の影響による中期的な成長率鈍化が懸念されたアンビスホールディングスなどがマイナスに影響しました。
米国では、利下げ期待が後退し長期金利が上昇しているため半導体関連銘柄など成長株の下落が目立っています。日本株も株価指数を牽引してきた半導体関連銘柄が調整局面に入ったことで上値が重くなっており、当面現状の水準を挟んでボックス圏で推移するとみています。今後決算発表が本格化することから、年初来から続いていた株価指数主導の上昇から、企業業績に基づいた銘柄選別に物色対象が変化し、ボトムアップ・リサーチによる投資の効果が出やすい局面に入るとみています。引き続き当ファンドの投資哲学に基づいた投資を実践してまいります。
当月は、直近ウエイトを引き上げている「アダストリア」についてご紹介いたします。
同社は、ファッションとライフスタイルの分野で、アパレルや日用品の製造販売を行っています。グループで「LOWRYS FARM(ローリーズファーム)」、「GLOBAL WORK(グローバルワーク)」などのブランドを持ち、リアル店舗とオンラインを合わせ、約1,500店舗を展開しています。
2022年4月に発表された中期経営計画では、2026年2月期売上高2,800億円、うちEC(電子商取引)売上高800億円、営業利益率8%、ROE15%以上としていました。同社業績は前期まで順調に推移しており、2024年4月の決算発表で、中期経営計画を若干修正し、売上高目標を3,100億円に上方修正しました。一方、足元の円安進行による売上原価率の上昇と人件費増加を背景に、営業利益率は7.2%に引き下げられたものの、営業利益目標224億円は維持されました。中期経営計画を達成するために、同社は4つの戦略を押し進めています。それは① マルチブランド、マルチカテゴリーの進化、② デジタルの顧客接点とサービスの拡大、③ グローカル(現地ニーズに合わせた海外展開)、④ 新規事業の拡大です。
コロナ禍の影響で出店計画が後ずれしている③ グローカルを除けば、同社の戦略は順調に推移している印象です。特に、① マルチブランド、マルチカテゴリーの進化では、国内既存ブランドを「独立型ブランド」、「成長型ブランド」、「収益型ブランド」の3つに分類し、ポートフォリオ全体でブランド育成し、成長と収益性向上を推し進めています。この成果もあり、2022年から2024年の2年間で売上高は約36.7%増、営業利益が約2.7倍になりました。② デジタルの顧客接点とサービスの拡大では、2024年2月期のEC売上高は692億円に拡大し、自社EC「ドットエスティ」会員数約1,750万人、リアル店舗とEC店舗による「ドットエスティ」会員の売上比率は約7割に達し、顧客の囲い込みに成功しています。今後展開が遅れている③ グローカルを進めることにより、小売専門店にとっては円安という逆風が吹くなかでも、中期経営目標は十分達成可能と考えます。小売専門店の中ではPER(株価収益率)も低位にあり、株価上昇余地が大きいと考え投資を行っております。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年3月の運用コメント
株式市場の状況
2024年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.44%上昇し、日経平均株価は前月末比3.07%の上昇となりました。
当月の日本株式市場は、月前半は前月から引き続き半導体関連銘柄の上昇などが相場をけん引し、日経平均は史上初となる4万円台に到達するなど堅調な推移となりましたが、月半ばにかけては米国半導体関連銘柄が下落した影響や、日銀のマイナス金利政策解除を示唆する報道、春季労使交渉(春闘)での高い賃上げ実現への期待の高まりなどから日銀の金融政策正常化への思惑が広がって円高が進行したことなどが重しとなり、下落しました。月後半にかけては、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除や長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の買い入れ終了などを決定したものの、当面は緩和的な金融環境が継続するとの見通しが示されたことなどを受けて円安進行とともに上昇し、最終的に前月末を上回る水準で取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.74%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同2.86%の下落を4.60%上回りました。
インフレ定着による保有不動産の価格上昇期待が高まった東京建物、半導体関連株の中で相対的な割安感が注目された東洋炭素などが上昇しプラスに貢献する一方、AI(人工知能)関連以外の需要が低調に推移しているMARUWA、大型案件の剥落で2024年12月期第1四半期決算が減益になる可能性が高いと考えられるフロンティア・マネジメントなどが下落しマイナスに影響しました。
前述の通り、日銀政策決定会合ではマイナス金利の解除や、⻑短⾦利操作の撤廃などが決定されましたが、声明文で当面緩和的な金融環境が継続するとの見方を示したため、為替市場では円安ドル高が進行しました。インフレ環境が進む中、緩和的な金融政策が継続するため、実質金利はマイナス状況が継続するため日本株にとってはポジティブと考えます。年初来の物色対象は円安メリットのある製造業や金利上昇の恩恵を受ける金融関連銘柄など限られていましたが、賃金上昇効果が見込める4月以降、出遅れている消費関連銘柄やサービス関連銘柄などに物色対象が広がると考えます。中小型株式は、内需関連銘柄が多いため株価の出遅れが顕著ですが、今後緩やかにキャッチアップしてくるとみております。足元の株価動向に一喜一憂することなく、競争力の高い商品やサービスを持つ中長期で業績成長が期待できる企業への投資を実施してまいります。
当月は長期で保有を継続している「ペプチドリーム」についてご紹介いたします。同社は、独自技術のペプチド創薬を行うバイオベンチャーで、グローバル大手製薬会社と数多くのライセンス契約を結んでいます。また子会社に放射性医薬品事業を行うPDRファーマ㈱を保有しています。近年、開発パイプラインの進捗の遅れや導出していたPD-L1阻害ペプチドの開発中止を受けて株価は低迷していましたが、今後以下の2点により株価は反転すると考えます。
一点目は新規ライセンス契約金額が高額化による業績拡大です。近年の同社はPDC(ペプチド薬物複合体)のライセンスに注力していますが、直近の新規契約の契約一時金は数十億円クラスと、過去と比べると増加しています。これは新しい創薬モダリティ(医薬品製作における基盤技術の方法・手段)としてペプチド創薬の注目度が上昇しているうえ、有望なペプチド創薬を手掛ける競合会社が買収等により減少したことで、同社に対する引き合いが増加しているためです。この傾向は今後も継続する可能性が高いと考えます。
二点目は他の医薬品に比べて臨床開発の早期化が期待できる放射性医薬品分野を注力開発領域としたことによる株価バリュエーションの切り上がりです。放射性医薬品分野は、診断用化合物を対象がん患者に投与しイメージングデータを取得することで、効率的な臨床試験のデザインが可能になり、確度の高い業績寄与が見込めます。実際、グローバル大手製薬会社による放射性医薬品会社のM&Aが増加している背景はここにあります。具体的には2023年末同社が提携しているがんの放射性医薬品を手掛けていたRayzeBio社(米国)を、米国製薬大手Bristol Myers Squibb社が約41億ドルで買収する発表がありました。以上のように、今期以降は開発パイプラインの進展を伴った業績拡大が期待できるため、株価は反転し中長期的な上昇局面に入ると期待しております。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年2月の運用コメント
株式市場の状況
2024年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.93%上昇し、日経平均株価は前月末比7.94%の大幅上昇となりました。
当月の日本株式市場は、月前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)の内容を受け早期の米利下げ期待が後退し一進一退の動きで推移しましたが、月半ばから後半にかけては内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も日銀は緩和的な金融環境を維持するとの認識を示したことや、生成AI(人工知能)向け半導体需要の増加が期待される米国で半導体関連企業の株価上昇が続き、日本の半導体関連企業にも資金が集中したことから、続伸しました。22日には日経平均株価は39,098.68円で終え、約34年ぶりに最高値を更新しました。その後の日本株式市場の推移は緩やかだったものの、月末まで日経平均株価は3万9,000円台を維持したまま当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは前⽉末⽐4.47%の上昇となり、ベンチマークである東証グロース市場指数の同7.38%の上昇を2.91%下回りました。
生成AIに絡んだデータセンター向けセラミック製品の需要拡大が期待されるMARUWA、2024年3月期通期の連結業績予想の上方修正と株主優待制度の新設が好感されたと考える楽天銀行などが上昇しプラスに貢献する一方、2024年12月期の会社計画の営業利益予想が低調であったI-ne、金融機関による政策保有株の売り出しが発表されたセンコーグループホールディングスなどが下落しマイナスに影響しました。
日本株式は、半導体関連銘柄を中心とした大型株主導の上昇になっています。先行して上昇した大型株の一部には割安感が薄れており、今後は中小型株へ物色が広がると考えます。中小型株には内需関連銘柄が多いため、円安環境下では株価は出遅れる傾向があります。しかし、4月以降の賃上げにより実質賃金が前年比でプラスになれば、内需の拡大による中小型株の企業業績の伸び率の増加も期待できるため、株価の出遅れも解消されると考えます。引き続き競争力の高い商品やサービスを持ち、中長期で業績成長が期待できる企業への投資を実施してまいります。
当月は新たに投資を開始した「VRAIN Solution」についてご紹介いたします。同社は東証グロース市場に当月上場した会社で、製造業の現場に特化し、AIを活用した装置やシステムの販売を主に行っています。特に工場における製造工程の一つである外観検査の自動化システムに定評があり、現在の主力製品になっています。これまでの外観検査は複数名(10名以上である場合も少なくない)による目視で行われてきました。カメラを用いた自動化は、事前に良品、不良品を定義することが難しく、十分な精度を得られなかったため普及は限定的でした。一方、同社のシステムはAIが良品、不良品を学習するため熟練した検査員と同等の精度を実現でき、労務費の大幅な削減という明確な効果に繋がり顧客に受け入れられています。
当ファンドが同社を特に評価する点は、同社のビジネスモデルがAIエンジニアの人数に依存しないことです。多くのAIベンチャー企業は顧客ごとに担当のAIエンジニアを配置し、それぞれ異なる課題をAIで解決するビジネスモデルになっています。これは「AIエンジニアの人数×一人当たり売上高」で売上高が決まるモデルであり、取り合いになっているAIエンジニアの採用に苦戦すると成長が止まってしまいます。一方で、同社の場合は売上の大半はAI外観検査のシステムなど標準化されたシステムのためAIエンジニアの人数が成長のボトルネックにならず、営業体制が強化されれば高成長が維持可能であると考えられます。
同社の株価は、2024年2月期の会社予想ベースでPER185倍と将来の成長を多分に織り込み、一見割高にみえます。しかしながら、同社の成長速度、収益性の高さ、長期的な成長余地を鑑みれば投資妙味は十分にあると考えます。
今後の運⽤⽅針
当ファンドは、新しい技術開発や経営革新を進めている成長企業や日本社会の構造変革への適応力の高いと考えられる企業、および株式市場が長期的な成長余地に気付いていない場合、もしくは一時的な業績悪化を過度に悲観される場合などにより、投資する企業の株価が当ファンドの考える企業価値に対して割安に放置されていると考えられる銘柄などを主な投資対象としております。なお、当ファンドではあらかじめ業種毎の比率を決めてから銘柄を組み入れるのではなく、ボトムアップ・リサーチに基づき投資魅力が高いと考える銘柄を選別し、株価上昇余地やリスク要因、株式の流動性、株価が再評価されるまでの時間軸などを考慮してポートフォリオを構築しています。当ファンドは良質な投資パフォーマンスの実現と共に、よりよい社会を構築する一助となるべく、投資先企業を選別した上で、株主として支えていく所存です。
2024年1月の運用コメント
株式市場の状況
当⽉の⽇本株式市場は、能登半島地震の影響精査のため⽇銀が利上げを⾒送るとの⾒⽅が⾼まったことや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)⾼官のタカ派な発⾔を受けた⽶⻑期⾦利の上昇を背景に円安が進み、⽉前半は⼤きく上昇しました。また、新NISA制度の開始による個⼈投資家の買い需要や、東京証券取引所の市場改⾰への期待感から海外投資家の資⾦も多く流⼊しました。⽉半ばから後半にかけては、利益確定の売り圧⼒や、⽶国半導体⼤⼿の業績⾒通しが市場予想を下回ったことから半導体関連銘柄を中⼼に⼀時下落基調に転じる場⾯もあったものの、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前⽉末⽐7.81%の上昇、当ファンドのベンチマークは同1.07%の上昇となりました。
ファンドの運⽤状況
当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.91%の上昇となりました。半導体市場の回復期待が⾼まったソシオネクスト、エレクトロニクス製品の回復で製造業請負派遣要員の稼働率上昇が期待されるNISSOホールディングスなどが上昇しプラスに貢献する⼀⽅、不眠障害治療アプリの2024年度診療報酬改定時における保険適⽤申請書を取り下げたサスメド、バイオ関連銘柄などの新興市場上場銘柄の軟調な株価推移に影響されたペプチドリームなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運⽤⽅針
⽇本株式は、インフレ定着による⽇本の潜在経済成⻑率の⾼まりや東京証券取引所の上場企業に対する資本効率改善要請に伴う企業の収益性の改善期待により年初から⼤きく上昇しました。特に海外投資家からの資⾦流⼊が旺盛なことから⼤型株主導の上昇になっています。先⾏して上昇した⼤型株の⼀部は割安感が薄れており、今後の物⾊対象は中⼩型株へ広がると考えます。引き続き競争⼒の⾼い商品やサービスを持つ中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を実施してまいります。
銘柄紹介
当⽉は2023年12⽉に上場した際に新規に投資を開始した「ヒューマンテクノロジーズ」についてご紹介いたします。同社は「KING OFTIME」の名称で知られる勤怠管理システムを提供しており、国内の勤怠管理システムでトップシェアを有しています。その強みは、低価格の⽉額料⾦(1ユーザーあたり⽉額300円)や打刻⼿段など顧客ごとに異なるニーズに対応できるカスタマイズ性にあると当ファンドでは考えています。また、近年は⽉額料⾦を据え置いたままで、⼈事労務や給与計算など勤怠管理の領域を越えたサービスを提供しており、競争⼒をより⼀層強めています。
当ファンドが同社を⾼く評価する理由は主に2つです。1つ⽬は解約率の低さです。同社サービスの⽉次解約率は0.25%前後で安定していますが、これは同様のサブスクリプションサービスと⽐較しても極めて低い⽔準です。利⽤料⾦が⽉額300円と絶対的及び相対的に低いことに加え、顧客企業の多くの社員が⽇常的に使⽤しているために、使い慣れたサービスを切り替えることへの⼼理的抵抗が⾼いことがその要因と解釈しています。また解約率が低いことで、新規顧客の獲得コストを低く抑えることが可能になります。つまり広告や販売促進費などのコストコントロールの容易さが将来業績の予測精度を⾼めるという点において、ビジネスモデルの質は⾼いと評価できます。
2つ⽬は、収益拡⼤の確度が⾼いと考えられる点です。同社は課⾦対象を利⽤ユーザー数から、登録ユーザー数に段階的に切り替えることを公表しています。この変更によって育休や産休など⼀時的な休職者が課⾦対象となることで、既存契約企業に対する実質的な価格引き上げを⾏うことが可能になり、売上⾼の増加、利益率の改善が図られると考えられます。今⽇、同社サービスは勤怠管理に留まらず、⼈事労務や給与計算に広がっていることから判断すると登録ユーザー数への課⾦対象の変更は合理的であり、顧客企業の理解を得られやすいと考えています。これらの要因から同社の潜在的な企業価値を⾼く評価して投資を開始しました。
2023年12月の運用コメント
株式市場の状況
当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は⽇銀の植⽥総裁と氷⾒野副総裁両名の発⾔を受けて⾦融政策修正の思惑が⾼まったことなどから円⾼が進み下落しました。しかし、その後は、2024年に向けた⾦融緩和観測が⾼まり⽶国株式が好調であったことを受けて⽇本株式も上昇に転じましたが、最終的には前⽉末をわずかに下回る⽔準で年末を迎えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.23%の下落、当ファンドのベンチマークは同2.12%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.43%の上昇となりました。戦略的提携会社が⽶国⼤⼿製薬会社に買収され、注⼒する放射性医薬品事業の中期的な成⻑性が評価されたペプチドリーム、創業社⻑と⽶投資ファンドによるMBO(経営陣が参加する買収)が発表されたアウトソーシングなどが上昇しプラスに貢献する⼀⽅、親会社の株式売出しによる株式需給悪化を嫌気された楽天銀⾏、中国景気減速による中国事業の業績悪化が懸念されるサイゼリヤなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
2024年も⽇本株式市場を取り巻く環境は引き続き明るいと考えます。インフレ定着に伴う⽇本の潜在経済成⻑率の⾼まりや東証の上場企業に対する資本効率改善要請により、⽇本株に対する評価は改善、すなわち⽇本株のバリュエーションが切り上がることが期待できます。とりわけ中⼩型株は⼤型株に⽐べバリュエーションが低い傾向にあることもあり、株価の上昇余地は⼤きいと考えます。引き続き、競争⼒の⾼い商品やサービスを持ち、中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を実施してまいります。
銘柄紹介
当⽉は新規に投資を開始した「ゴールドウイン」についてご紹介いたします。同社は1951年に設⽴された⽇本のアパレルメーカーです。特に⾃社ブランドの「ゴールドウイン」と⽇本及び韓国での商標権を保有している「ザ・ノース・フェイス」は、品質と機能性の⾼さがアウトドア市場で⾼く評価され、多くのファンから⻑らく愛され続けています。
当ファンドでは、同社の販売ロス率(以下ロス率)の低さに注⽬しています。ロス率とは、製品が販売に⾄らず破棄されたものの⽐率です。ロス率は⾼くなると原価上昇につながるため、アパレルメーカーにとって重要な経営指標の⼀つとなります。⼀般的に、⾐服は供給量の半分が売れ残ると⾔われていますが、同社のロス率は2022年度でわずか1.5%です。その背景には、同社が2000年から実需型ビジネスモデルに転換し、店舗の本社に対する発注量を徹底的に管理しているところにあります。
同社がロングセラー商品(⻑期にわたり売れ続けるもの)を多数保有していることも、ロス率が低いもう⼀つの理由です。ファッション業界は流⾏の変化が激しく、ヒットする商品を予測することが難しいため不良在庫リスクを常に抱えています。⼀⽅で、同社が保有する「ザ・ノース・フェイス」ブランドの「ヌプシジャケット」シリーズは、1992年に誕⽣し30年以上にわたってオリジナルデザインを維持していることから、毎年精度の⾼い需要予測が可能です。需要以上に供給しないことで、在庫消化のため値下げをする必要がなくなり、適正単価を維持することができます。また、毎年新商品のプロモーションのため過度な広告宣伝費を使う必要もなくなります。その結果、同社の売上⾼総利益率は2023年3⽉期52.2%、営業利益率は19.0%と国内アパレル業界の中でもトップ⽔準に達しています。
同社の株価は当⽉から下落トレンドに転じました。当⽉は12⽉の過去最⾼気温を更新するなど平年よりも暖かかったこともあり、ダウンジャケットを冬の注⼒製品としている同社の売上に悪影響を及ぼすことを株式市場が懸念しているものと思われます。しかし、当ファンドでは天候の業績への影響は短期的であると考えていること、また直近の同社への取材で実際の影響は限定的と推測していることから、⾜元の株価下落は投資を開始する好機であるととらえ新規投資を開始しました。
2023年11月の運用コメント
株式市場の状況
当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)での政策⾦利の据え置きや、市場予想を下回る⽶雇⽤統計を受けての⽶⻑期⾦利の低下を背景に上昇しました。⽉半ばは、⽇本企業の良好な決算や、市場予想を下回る⽶国のCPI(消費者物価指数)を受けた⽶追加利上げ観測の後退などから、⽉中⾼値をつけました。⽉後半に⼊ると、中東情勢の地政学リスクの後退や⽶⻑期⾦利低下等を好材料に上昇した後、⼀時1ドル=146円台後半まで進⾏した円⾼が重しとなって下落基調に転じましたが、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。この結果、TOPIX(配当込み)は前⽉末⽐5.42%の上昇、当ファンドのベンチマークは同9.21%の上昇となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐4.03%の上昇となりました。2024年3⽉期第2四半期決算で、前四半期⽐で増収増益に転換し業績のボトムアウトが確認されたMARUWA、株主還元策の強化が評価されたと考えられるウイングアーク1stなどが上昇しプラスに貢献する⼀⽅、2023年12⽉第3四半期決算が新製品のプロモーションコストの増加で営業減益になったI-ne、⼀部店舗で料理にカエルが混⼊していたことを嫌気されたサイゼリヤなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
⽶国のインフレ率は低下傾向にあるため、⽶国⻑期⾦利は5%超でピークアウトした可能性が⾼いと考えます。株式市場では、FRB(連邦準備制度理事会)の⼀部理事の予防的利下げの可能性を⽰唆する発⾔を受け、2024年後半の利下げ期待が急速に⾼まっています。FRBが実際に利下げに踏み切るかは景気減速の度合いによるため、過度な楽観は禁物ですが⻑期⾦利上昇懸念が薄らいだことは株式市場にプラスであるとみております。とりわけ、⻑期⾦利の上昇の悪影響を受けてきた中⼩型株にとってはよりプラスに作⽤すると考えます。引き続き競争⼒の⾼い商品やサービスを持ち、中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を検討してまいります。
銘柄紹介
当⽉は新規に投資を開始した「東洋炭素」についてご紹介いたします。同社は1947年に設⽴された特殊⿊鉛製品の世界的⼤⼿メーカーです。世界で初めて⼤型の等⽅性⿊鉛製品の量産に成功し、現在も世界トップクラスのシェアを維持しています。特殊⿊鉛は軽量な⼀⽅、耐熱性・耐久性に優れる素材で、⾼い信頼性を要求される産業を中⼼に採⽤が進んでいます。例えば、半導体ウエハーの原料であるシリコンを⾼温で溶解する炉内の部品に使⽤されています。
当ファンドでは、同社の特殊⿊鉛製品が特にパワーデバイス向けで成⻑することを期待しています。2006年に上場した同社ですが、2013年以降は業績低迷期を迎えます。2000年代に中国を中⼼に世界的に太陽光パネルの増産ブームが発⽣し、同社の⿊鉛製品も⼤きく成⻑しましたが、太陽光パネル製造における⿊鉛製品に求められる性能は⾼くはなく、中国製の低価格⿊鉛製品に徐々にシェアを奪われました。また、2010年以降になると太陽光パネルの増産ブームが終焉したことから、同社の売上、利益はともに低迷することになりました。
しかしながら、当ファンドでは、同社は事業ポートフォリオの⼊れ替えを終え、今後は差別化できる分野で成⻑できると考えています。同社が注⼒しているパワーデバイス分野では、⿊鉛製品に求められる品質基準が格段に上がります。また当ファンドの推定では、当該分野で⿊鉛製品を提供できるのは同社を含め世界で3社のみであり、技術的なハードルの⾼さから今後も上位メーカーの優位性が続くと考えております。需要動向では、パワーデバイスは電気⾃動⾞(EV)向けのSiC(シリコンカーバイド)デバイスが世界的に拡⼤しており、その恩恵を受け続けることが出来ると思われます。
2023年12⽉期第3四半期決算の発表後、同社の株価は下落しました。増収増益だったものの⾜元の半導体市場の低迷のあおりを受けて市場の期待値に届かなかったためと考えられます。しかし、当ファンドが着⽬するパワーデバイス分野の需要は旺盛であることを同社への取材で確認しています。パワーデバイス市場の本格的な成⻑はこれからです。そのため、⽐較的短期の半導体市場サイクルの影響を受けた⾜元の株価下落は投資を開始する好機であるととらえ新規に組み⼊れをいたしました。
2023年10月の運用コメント
株式市場の状況
当⽉の⽇本株式市場は、堅調な⽶雇⽤統計を受けての⽶⻑期⾦利の上昇、今後の⾦利⾼⽌まり懸念が相場のマイナス要因となりました。また、中東情勢の緊迫化に伴う原油価格上昇なども重⽯となりました。⽉後半には、中国の景気刺激策が好感される場⾯があったものの、⽇銀の政策再修正への思惑や⽶テクノロジー企業の低調な決算への失望などから、最終的に前⽉末を下回る⽔準で⽉を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前⽉末⽐2.99%の下落、当ファンドのベンチマークは同11.05%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.10%の下落となりました。2024年3⽉期第2四半期決算で、前四半期⽐で増収増益に転換し業績のボトムアウトが確認されたMARUWA、2024年8⽉期決算で⼤幅増収増益⾒通しを発表したサイゼリヤなどが上昇しプラスに貢献する⼀⽅、⽶国⼤⼿製薬会社に導出していた抗ガン剤がフェーズ2の治験に⼊らないことが発表されたペプチドリーム、不眠障害治療アプリの保険償還価格の決定が先送りされているサスメドなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
当⽉末の⽇銀政策決定会合で、⽇本銀⾏は物価⾒通しを引き上げ、イールド・カーブ・コントロール(⻑短⾦利操作)の運⽤柔軟化を決定しました。当ファンドが想定している⽇本における緩やかなインフレ定着という⾒⽅を後押しする内容であり、⽇本株にとってもポジティブであると考えます。また⽶国では、インフレ率鈍化の予兆がみられており、⽶国⻑期⾦利も2024年にかけて緩やかに低下する可能性が⾼まってきました。中⼩型株のパフォーマンスが⼤型株に⽐べ劣後していたのは、⽶国⻑期⾦利が⼤きく上昇したことが主な要因であると考えられることから、⻑期⾦利の低下とともに今後パフォーマンスの改善が期待できると考えます。引き続き競争⼒の⾼い商品やサービスを持ち、中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を検討してまいります。
銘柄紹介
当⽉は新規に投資を開始した「トライト」についてご紹介いたします。同社は主に医療及び福祉の領域における⼈材紹介会社です。介護職員、保育⼠、看護師などを募集する施設に求職者を紹介し、その⼈材が職に就くことで報酬が発⽣するビジネスモデルです。同社の市場シェアは介護職員、保育⼠領域でトップ、看護師領域で2位と強いポジションを築いています。
同社がターゲットとする医療及び福祉の業界は、慢性的に⼈⼿不⾜で離職率が⽐較的⾼いため、いかに求職者を確保するか、求職者に⾃社サイトに登録してもらうかが競争上のポイントとなっています。その点、同社は全国約1,500⼈の営業職員が地域ごとの情報を集め、求職者に適切な求⼈情報を提供している点で差別化しています。競合他社は効率を重視しオンラインで完結させる傾向にある中、リアルを重視する同社の⽅針は求⼈情報の質の差となっていると考えられます。
今般、投資開始を判断した理由は主に2点あります。⼀つ⽬は成⻑の確度が⾼い市場で強いポジションを築いている点です。⾼齢化が進む⽇本において、医療福祉従事者の必要性は⾼まっており、さらに医療福祉従事者の待遇改善が進むことも同社の業績にプラスに働きます。⼀般的に成⻑する市場には新規参⼊者が現れますが、医療及び福祉領域の⼈材紹介業は既に優勝劣敗が明確になっているため、⽣き残りは上位3社程度に絞られていると考えております。そのため、今後の市場成⻑を同社が⼗分に享受できる可能性は⾼いと考えられます。⼆つ⽬は同社の利益率が今後改善の可能性がある点です。2023年12⽉期の会社予想営業利益率は約13.8%ですが、2021年12⽉期以前は18%前後でした。当ファンドでは、成⻑加速のための営業職員の採⽤、拠点の拡⼤が短期的に利益率を悪化させていると考えており、今後3年程度をかけて以前の利益率に回復すると⾒込んでいます。また、当⽉末における2023年12⽉期ベースの同社PER(株価収益率)は16.0倍です。当ファンドでは、前述の通り今後の売上成⻑に加え、利益率の改善を伴う⼒強い利益成⻑を鑑みれば、⾜元の時価総額690億円は⾮常に割安であると考え投資を決めました。
2023年9月の運用コメント
株式市場の状況
当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の改善により中国の景気後退不安が⼀時的に後退したほか、国内では早期衆院解散・総選挙への期待感が⾼まったことを受け、上昇基調となりました。⼀⽅⽉後半は、FOMC(⽶連邦公開市場委員会)で⾦融引き締めの⻑期化が⽰唆されたことや、⽶議会の予算協議が難航し政府機関閉鎖への警戒感が⾼まったことから、市場⼼理が悪化し値を戻す展開となり、最終的に前⽉末を若⼲上回る⽔準で⽉を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.51%の上昇、当ファンドのベンチマークは同3.35%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.29%の下落となりました。株式公開買付(TOB)を通じたオムロン㈱による出資⽐率引き上げが発表されたJMDC、2024年3⽉期第1四半期決算が順調に推移した楽天銀⾏などが上昇しプラスに貢献する⼀⽅、年初来⼤きく株価が上昇した反動が出たと考えられるMARUWA、業績は順調に推移しているものの、中⼩型株の軟調な地合いに影響されたと考えられるペプチドリームなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
FOMCで⾦融引き締めの⻑期化が⽰唆されたことで、⽶国⻑期⾦利が再度年初来⽔準を更新し、株式市場の⾜かせになっています。しかし、⽶国景気減速はスローダウンの予兆も⾒られており、⽶国⻑期⾦利は年内でピークアウト、2024年以降は緩やかに低下する可能性が⾼いと当ファンドでは考えます。株式市場では⽶国⻑期⾦利が上昇に転じた2020年下期以降、グロース株に対するバリュー株の優位が続いていますが、⽶国⻑期⾦利がピークアウトする場合、⼤きく調整したグロース株の投資魅⼒は⾼いと考えます。したがって、グロース株の中でも競争⼒の⾼い商品やサービスを持ち、中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を検討してまいります。
銘柄紹介
当⽉は、当⽉の新規上場後に投資を開始した「ライズ・コンサルティング・グループ」についてご紹介いたします。同社は独⽴系の総合コンサルティング会社で、今⽇の企業経営において重要度が増しているデジタル化対応、DX(デジタルトランスフォーメーション)化⽀援を得意としています。アクセンチュア㈱などの⼤⼿競合と⽐較すると以下の3点で差別化しています。
(1)ハンズオン・1⼈1案件
分析をして経営者に提案するコンサルティングの⼀般的なイメージと異なり、同社のコンサルタントは案件を掛け持ちせず、実⾏⽀援まで顧客と伴⾛するスタイルをとっています。外部のリソースや⼈材を活⽤することに不慣れな傾向の⽇本ではマッチしていると考えます。
(2)ワンプール制
クライアントの業界や業種ごとに部⾨が分かれている傾向にある⼤⼿競合に対して、同社のコンサルタントは⼀つの部⾨に所属しています。そのため、部⾨が分かれていることにより⽣じる稼働の濃淡が起きず、コンサルタントの稼働率を⾼く維持することに繋がっています。
(3)⽐較的低価格
⼤⼿競合に対して知名度が低いため、価格の差で訴求することが必要です。同社によると外資系コンサルティング会社の半分以下の価格を提⽰することもあるようです。これは、⼤⼿競合の価格に含まれる⾼額なブランド料が必要ないことや⾼い稼働率を維持できるため可能となっています。
当ファンドでは、⽇本企業はデジタル化対応やDX化が他国に⽐べて遅れており、またIT⼈材も不⾜していることから、コンサルティングサービスの需要は中⻑期的に伸びると考えています。そして、その中でより成⻑するためには稼働率を保ちながらコンサルタントをいかに増やすかにかかっていると考えます。先⾏する競合企業である㈱ベイカレント・コンサルティングのコンサルタント数は2,961名(2023年2⽉末時点)ですが、同社の全社員数はまだ241名(2023年6⽉末時点)と1/10以下です。同社が先⾏する競合企業を追って、これから2倍、3倍に規模を拡⼤することは⼗分可能であると当ファンドは考えます。これらのことから、今後数年間、同社のコンサルタント数は年率30%程度で増やせると当ファンドは考えており、これは業界全体の成⻑を⼗分に上回るため投資魅⼒は⼤きいと判断し投資を開始しました。
2023年8月の運用コメント
株式市場の状況
2023年8⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.43%の上昇となりました。
当⽉の⽇本株式市場は、⼤⼿格付け会社フィッチ・レーティングス社(⽶国)による⽶国債の格下げを背景とした⽶国株安の流れを受け、下落から始まりました。⽉半ばは、中国の軟調な経済指標(消費者物価指数など)や、中国不動産開発⼤⼿の⽶国破産法の申請が嫌気され、下げ幅を広げました。⽉後半は、中国の追加利下げが好感されたほか、ジャクソンホール会議においてさらなる利上げへの懸念が後退したことで値を戻す展開となり、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.43%の上昇、当ファンドのベンチマークは同2.06%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.45%の上昇となりました。⾞載向けセラミックス製品の中期的な成⻑期待が⾼いMARUWA、2024年3⽉第1四半期決算が市場予想を上回ったアマダなどが上昇しプラスに貢献する⼀⽅、雇⽤調整助成⾦の不適切⼿続きなどのコンプライアンス違反が発覚し2023年12⽉期第2四半期決算発表を延期する可能性を⽰唆したアウトソーシング、2024年3⽉期第1四半期決算において、⾼成⻑が期待されているヘルスビックデータ事業の成⻑率が鈍化したことが嫌気されたJMDCなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
⽇本の上場企業はインフレ定着による収益の増加だけではなく、東京証券取引所も促しているROE(株主資本利益率)を意識した経営へのシフトも期待できます。すなわち、⽇本株式は企業業績の伸びに加えてROEの改善によるバリュエーションの切り上がりが⾒込めるため、⼤きく上昇する余地があると考えています。特に中⼩型株は⼤型株に⽐べ割安に放置されている銘柄が多く、中⻑期の株価の上昇余地は⼤きいとみています。当ファンドが保有している持続的な成⻑が期待できる企業に加え、経営者のROEに対する意識やコーポレートガバナンスの変化が⾒込める割安な企業にも積極的に投資してまいります。
銘柄紹介
当⽉は、新規投資を開始した「Orchestra Holdings」についてご紹介します。同社は、企業のデジタルマーケティングやDXシフトを⽀援する会社です。2009年に設⽴され、当初はデジタルマーケティング⽀援を中⼼に展開していましたが、2017年に現在のDX事業を担う㈱Sharing Innovations(旧㈱あゆた)を連結⼦会社化して事業領域を広めました。社会のデジタル化が進む⼀⽅、⽇本のIT⼈材は構造的に不⾜しています。そのため、同社サービスへのニーズは⾼く、中⻑期的な成⻑が期待できると当ファンドでは考えています。さらに、前述の㈱Sharing Innovationsを傘下に⼊れた事例のように、M&Aの機会を積極的に活⽤することで⾮連続的な成⻑の可能性も期待されます。
⼀⽅、同社の株価は2021年11⽉をピークに⼤幅に調整しています。これは⾼成⻑が続いていたDX事業において急拡⼤に伴う社員⼀⼈当たりの⽣産性の低下により営業減益に陥ったためと考えています。しかし、当ファンドでは前年度後半から⾏っている構造改⾰の効果が徐々に発現することで利益率は従前の⽔準まで回復すると考えています。そのため、⼤きく調整した現在の株価は割安な⽔準にあると判断し新規に投資を開始しました。
2023年7月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、前月までの株価急上昇の反動や、米国の雇用統計の結果を受けて利上げ継続への懸念が強まったことから、下落して始まりました。しかし月半ばには、米国のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、利上げ停止が近いとの期待感から堅調に推移しました。月後半は、日銀によるYCC(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化が発表され一時的に値動きの激しい展開となりましたが、現行の緩和姿勢を維持するとの受け止めから市場に安心感が広がり、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比1.49%の上昇、当ファンドのベンチマークは同4.34%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比0.25%の上昇となりました。アジア事業が牽引し2023年8月期第3四半期業績が好調に推移したサイゼリヤ、下期からの業績回復に自信を示しているMARUWAが上昇しプラスに貢献する一方、大型の新規契約発表がなかったため低調な決算が予想されるペプチドリーム、2024年2月期第1四半期決算が減益になったことが嫌気されたリックソフトなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
米国のインフレが沈静化しており米国のリセッション観測が後退し、世界的に株式市場に対する強気な見方が増加しています。また日本銀行が7月の金融政策決定会合でYCCの柔軟化を決定したことで日本でもインフレが定着する可能性が高まっており、日本株式に対する上昇期待も再度高まることが予想されます。とりわけ中小型株式は大型株式に比べ出遅れ感が強く、投資魅力は高いとみています。引き続き中長期的視点で業績拡大が期待される企業の発掘に努めてまいります。
銘柄紹介
当月は当ファンドの保有銘柄である「ソシオネクスト」についてご紹介します。同社はSoC(System on Chip)と呼ばれる、顧客ごとにカスタマイズされた半導体を提供する会社です。富士通㈱、パナソニックホールディングス㈱のそれぞれのロジック半導体事業を分離統合した後、2015年3月に事業が開始され、2022年10月に東証プライム市場に新規公開しました。当ファンドでは同社の半導体企業としてのユニークなポジションと、半導体市場が停滞する環境下でも維持できると考えられる成長力に着目しています。事業開始時の同社はテレビ、デジタルカメラ、複写機などに向けて顧客ごとにカスタマイズした半導体を主に販売していました。当時は半導体設計の中核的な部分を顧客が掌握していたことや、同社半導体が使われた最終製品の国際競争力が低下していたことから収益性が低い状態にありましたが、近年は2018年に代表取締役会長兼CEOに就任した肥塚氏の構造改革により、中核的な部分まで半導体設計を担うようになり、さらに車載用途、データセンター向けなど需要が伸びる領域を開拓することで収益性は改善傾向にあります。顧客ごとにカスタマイズする必要があり手間のかかる事業ですが、その手間が参入障壁になっており、同社のユニークなポジションを形成する要因になっていると考えます。
当月、同社の主要株主である㈱日本政策投資銀行、富士通㈱、パナソニックホールディングス㈱が保有する同社株式の全てを売り出すことを発表しました。この発表を受けて、株式の需給悪化懸念から同社の株価は大幅な調整を余儀なくされました。しかし、当ファンドでは今回の株式売出しは新株発行を伴わない、すなわち一株あたり純利益(EPS)には影響がないため、株価への悪影響は長くは続かないと考えています。また、生成AIの台頭に代表されるように同社半導体の潜在ニーズは従前より高まっていると感じており、直近の株価下落はむしろ投資の好機ととらえて新規に投資を開始しました。
2023年6月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、月前半は米連邦債務の上限停止による米国株高の流れを受け、大幅に上昇いたしました。月半ばには、FRB(連邦準備制度理事会)による追加利上げの示唆を受けた軟調な米国株の影響や、衆院解散への期待剥落が嫌気された一方、日銀の金融緩和の維持、米著名投資家の日本株追加投資の発表が好感され、一進一退の動きで推移しました。月後半は、株価上昇の反発と見られる下落の局面もありましたが、米景気悪化懸念の後退と円安進行が下支えをし、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比7.55%の上昇、当ファンドのベンチマークは同8.99%の上昇となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比7.41%の上昇となりました。円安による業績上方修正期待が高まったMARUWA、堅調な業績の一方で出遅れていた株価が当月になって見直されたリックソフトなどがプラスに貢献する一方、2023年12月期第1四半期決算が減益になったことが嫌気されたI-ne、売上高の成長鈍化が嫌気されたジャストシステムなどがマイナスに影響しました。
今後の運用方針
中国との賃金格差縮小に伴う生産拠点の国内回帰やインバウンド需要拡大などにより労働力不足が鮮明になり、日本でも持続的な賃金上昇圧力が強まると予想されます。また、世界的にカーボンニュートラル投資が加速していますが、これは最終的に販売価格に転嫁されるためコスト上昇圧力につながり、日本でもいよいよインフレの定着が予想されます。インフレ経済への移行に伴い、日本企業の成長率は今後高まると考えられるため、中長期的な日本株式の上昇余地は大きいと考えます。とりわけ中小型株式は大型株式に比べ出遅れ感が強く、投資魅力は高いとみております。引き続き中長期的視点で業績拡大が期待される企業の発掘に努めてまいります。
銘柄紹介
当月は、東証グロース市場に当月新規公開し、当ファンドで投資を開始した「シーユーシー」についてご紹介します。同社は2014年8月にエムスリー㈱の出資を受け、当初は「エムスリードクターサポート㈱」の名称で医療機関の経営支援を行う会社として設立されました。その後、買収を通じて居宅訪問介護事業や在宅ホスピス事業に参入し、2019年8月に現在の株式会社シーユーシーに社名を変更しました。現在の主力事業は、医療機関向け支援事業と訪問看護・ホスピス事業となっています。
医療機関向け支援事業は、医療機関に対する経営支援コンサルティング、新設クリニックの開設支援、医療給食などのサービスを提供しています。病院経営を取り巻く環境が厳しいことからニーズは旺盛であり、収益性も高く同社の現在の収益源になっています。今後も後継者不足や医療機関での経営プロ人材が不足するなどの要因により安定的な成長が期待できると考えています。
訪問看護・ホスピス事業は、2023年3月末時点で訪問看護ステーション86施設と在宅ホスピス34施設を運営しています。国の政策として病院から在宅療養への移行が促されているため、同事業は中長期的な成長が見込めると考えています。一方、足元の同事業は積極的な拠点の拡大や、人員の採用増による先行投資により収益性は低水準で推移しています。しかしながら、当ファンドでは先行投資は一巡すること、施設数の増加がもたらす運営効率の改善により今後は収益性の向上が見込め、同社の利益成長をけん引すると考えています。
2024年3月期の業績は、一部サービスで新型コロナウイルス関連特需が剥落したことによる低迷の影響もあり、減収減益になる見込みです。しかし、2025年3月期以降は、訪問看護・ホスピス事業の出店加速と収益性の改善により増収増益への転換が予想されることから、中長期的な視点に立つと、同社の成長ポテンシャルは大きいと当ファンドでは考えています。
2023年5月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、月前半は一進一退の動きで推移しましたが、月半ばには海外投資家による資金流入が続き、TOPIXと日経平均株価ともに約33年ぶりの高値を更新しました。東京証券取引所の市場改革への期待や、日銀の金融緩和継続姿勢もサポート材料となりました。一方で、月後半には中国の低調なPMI(製造業購買担当者景気指数)や、市場予想を下回る国内の4月の鉱工業生産指数の結果が懸念され、弱含みで推移しましたが、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。
その結果、TOPIX(配当込み)は前月末比3.62%の上昇となりましたが、日経平均株価が前月末比7.04%と上昇する一方で、TOPIX Smallは0.18%の下落と指数間で差が大きく、海外投資家の資金が大型株式、指数中心に流入したことを表していると考えます。当ファンドのベンチマークは同0.45%の上昇と、他小型株指数と同様にTOPIX(配当込み)を下回る結果となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比3.99%の上昇となりました。車載向けセラミック製品の中期的な成長性が評価されたと考えられるMARUWA、2023年12月期第1四半期決算の営業損失額が前年同期比で縮小したペプチドリームなどが上昇しプラスに貢献する一方、2023年12月期第1四半期決算が市場予想を下回ったアウトソーシング、決算発表日前に2023年3月期通期連結業績予想を下方修正したNTNなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
米国の景気後退懸念や債務上限問題など外部要因に不透感がある一方、日本株式は海外投資家からの継続的な資金流入と円安進行による企業業績の上振れ期待から大きく上昇し、TOPIX、日経平均株価ともに約33年ぶりの高値を更新しました。現状は大型株主導の上昇になっていますが、先行して上昇した銘柄群の一部は割高な水準まで買われており、上昇相場の継続には中小型株への物色対象の広がりが必要だと当ファンドは考えます。当月は米国大手半導体企業の強気発言と、為替市場が円安傾向であったことから半導体関連などの製造業の上昇が目立ちました。しかし今後米国景気の減速感が強まれば、製造業よりは内需成長株の投資魅力が高まることが予想されるため、中期的な成長性からみて割安な内需関連銘柄のウエイトを引き上げていく方針です。
銘柄紹介
当月は、当ファンドが新規投資を開始した「良品計画」についてご紹介します。同社は、世界各国に「無印良品」業態を展開する製造小売業の企業で、衣料品、生活雑貨、食品といった生活の基本となる商品を幅広く扱っています。
新型コロナウイルスが鎮静化したことにより行動制限が緩和され、小売業の業績が回復する一方で、同社の業績は低迷しています。要因として、円安による原料高を商品価格へ転嫁することが遅れ売上高総利益率が悪化したことや、既存店売上高の不振などが挙げられます。しかし当ファンドでは、同社は今年度に入り問題点に対する抜本的な対策を打ち始めていることから、今後の業績は回復に転じるだろうと考えています。具体的には、原料高に対応した製品への入れ替えと製品価格の見直しを実施しており、これにより下期以降の売上高総利益率は改善する見通しです。また、いち早く現地に即した商品への入れ替えを行った中国では、既存店売上高も年明け以降大幅に増加しています。懸念である国内既存店売上高の不振に対する対策も、衣料品分野から徐々にテコ入れが図られています。また、生活雑貨の新商品が夏以降に投入される予定であることから、今後国内既存店の売上高が回復する確度は高いと考えます。また、同社が注力している生活圏への新規出店も順調に進んでおり、新製品等の開発が順調に進めば既存店舗以上の収益性が期待できると考えます。来期以降の業績再成長に対する確度が高まるにつれ、同社の株価が再評価される余地は大きいと当ファンドは考えています。
2023年4月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、月前半に軟調な米国経済指標(ADP雇用統計、ISM非製造業景況感指数)が相次ぎ、景気後退懸念が高まったことから下落して始まりました。しかし月半ばには植田日銀総裁の金融緩和維持を支持する発言や、米著名投資家の日本株追加投資を巡る思惑から上昇に転じました。月後半は米地方銀行の巨額預金流出による警戒感から下落する局面もありましたが、日銀が金融緩和維持を決定したことで株式市場に安心感が広がり、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比2.70%の上昇、当ファンドのベンチマークは同1.67%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比1.20%の上昇となりました。国内自動車生産の回復により今期業績に対する期待が高まった日総工産、外国人の入国規制緩和でインバウンド需要の恩恵を受けると考えられる京成電鉄などがプラスに貢献する一方、特段のニュースはなかったものの、年初から堅調に推移してきた株価の反動が生じたと考えられるI-ne、情報通信向けセラミックス製品の売上減速が懸念されたMARUWAなどがマイナスに影響しました。
今後の運用方針
株式市場ではFRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げが年央にも終了する可能性が高まったため、米国景気の今後の動向への関心が高まっています。足元の米国企業業績は底堅く推移しているものの、米シリコンバレー銀行などの金融機関の破綻を一因に、米国商業用不動産の下落や消費減速への懸念が高まっていることから、今年度下期以降の米国景気については引き続き慎重にみる必要があると考えます。
一方、国内景気は新型コロナウイルス感染症の位置付けを5類へ引き下げることによる消費の拡大、外国人の入国規制緩和によるインバウンド需要の拡大などが期待できるため、海外に比べ堅調に推移することが予想されます。堅調な企業業績に加え、インフレ経済への移行や東京証券取引所によるPBR(株価純資産倍率)が低迷する上場企業に対する改善要請なども追い風となり、日本株式は今後も堅調に推移すると考えます。引き続き、独自技術やサービスを持ち、中長期的に企業価値を高められる企業の発掘に努めてまいります。
銘柄紹介
当月は、当ファンドが新規投資を開始した「楽天銀行」についてご紹介します。同社は、2001年に営業開始したインターネット専業銀行であるイーバンク銀行㈱を前身としています。2008年に楽天グループ㈱(旧楽天㈱)との資本・業務提携が発表され、2010年に楽天グループ㈱によって完全子会社化され、2023年4月に東証プライム市場に新規上場を果たしました。同社は、1億IDを超す楽天会員にアクセスできることを強みにしており、口座数1,300万超はインターネット銀行としては国内最大規模です。当ファンドでは、同社の高いROE(株主資本利益率)と中長期的な成長性に魅力を感じています。
同社のROEは、住宅ローンの貸付だけではなく証券取引の為替やクレジットカード関連など多様で収益性の高い手数料収入を得ていることや、固定費の重い有人店舗を持たない効率性を背景に2023年3月期の予想ROEは13%台になる見込みです。なお、メガバンク3行のROEは6%前後です。同じ銀行業ではありますが、従来型の銀行とは大きく異なる独自のビジネスモデルになっていることがうかがい知れます。中長期的な成長性としては、これからますますデジタルネイティブ世代が増えることでインターネット銀行の利用者が拡大すること、その中で楽天グループ㈱の他のサービスとの連携を強めることで、より高い利便性やお得感により一顧客あたりの売上も増やせると当ファンドは考えます。一方、米シリコンバレー銀行の破綻による銀行業全体への過度な懸念や、携帯電話事業で赤字が続く親会社の財務不安などから同社への投資をためらう市場参加者の声は少なくないと認識しています。しかし、当ファンドではこれらの懸念は同社のビジネスモデルや中長期的な成長への影響においては軽微であり、むしろ割安な価格で同社株式に投資できる機会だと捉えています。
2023年3月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げ再加速の思惑を受けて米国株式市場が軟調に推移する中、円安が日本株を支える展開で始まりました。月半ばにかけては、米シリコンバレー銀行の破綻に端を発した欧米金融不安の急拡大を受け、リスク回避姿勢が強まったことから大幅な下落に転じました。しかし月後半になると、スイスの金融大手UBSによるクレディ・スイス・グループ買収や米当局による預金保護などの対応で金融システムへの不安が和らぎ、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比1.70%の上昇、当ファンドのベンチマークは同0.87%の上昇となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比0.47%の上昇となりました。自動車向けセラミックス製品への期待が高いMARUWAや国内自動車生産の回復により来期業績に対する期待が高まった日総工産などがプラスに貢献する一方、売上高の先行指標となる受注残の減少が懸念されたフロンティア・マネジメント、創業オーナーの株式売り出しにより株式需給が悪化したアンビスホールディングスなどがマイナスに影響しました。
今後の運用方針
米国経済はインフレの長期化により景気が減速する可能性が高いと考えられるため、米国株式市場に対しては引き続き慎重に見る必要がある一方、日本株式市場については、①人手不足を背景とした持続的な賃金上昇による日本経済の緩やかインフレの定着、②東証の上場企業への資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた働きかけ、➂経済構造の変化や企業経営者の意識変化に伴う海外投資家からの日本株式への資金流入という3点から、相対的に株価が堅調に推移すると当ファンドは考えています。
日本株式が長年割安に放置されてきたのは、デフレ経済によるモノや資産などの価格下落と経営者の資本コストや株価意識の欠如にあったと当ファンドは考えます。これらの問題が解決されるのであれば、世界的に見て割安に放置されている日本株式は特に海外投資家にとって魅力的であり、今後継続的な資金流入が期待できると考えます。とりわけ中小型株は、大型株に比べ割安に放置されている銘柄が多いため、株価の上昇余地は大きいと考えます。引き続き、独自技術やサービスを持ち、中長期的に企業価値を高めることが期待できる企業の発掘に努めてまいります。
銘柄紹介
当月は、当ファンドの上位保有銘柄である「I-ne」についてご紹介します。同社は「BOTANIST」ブランドのヘアケア製品を筆頭に様々な美容関連製品等を企画・販売する新興ファブレス企業(工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業)です。製品企画や販売の面でSNSやeコマース(電子商取引)を活用するデジタルマーケティングを強みとしており、新しいトレンドを取り入れた製品をいち早く投入し、小さく事業を始めて育てる手法に特徴があります。類似企業の業績は単一ブランドに依存する傾向がありますが、同社は複数ブランドがヒットしており、この点を当ファンドでは高く評価しています。2022年12月期決算ではナイトリペアという新しいコンセプトを提案したヘアケア製品「YOLU」のヒットにより当初の会社計画を上回る決算となりました。
あわせて、同社は上場後初となる中期経営計画を発表しました。今後3年間で売上高1.5倍以上、営業利益率を2022年度実績9.2%から2025年度13.0%とする計画です。内容としては既存ブランドのラインナップ拡充と新ブランドの立ち上げが中心であり、これまでの実績を勘案すると地に足のついた達成可能な目標と当ファンドでは考えています。
中期経営計画で示した継続的な売上拡大と収益性の改善に加え、長期的には海外展開による更なる成長にも期待が持てます。当ファンドでは引き続き上位保有を継続する方針です。
2023年2月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、米長期金利上昇などを受け米国株式市場が軟調となる中、円安が日本株を支える展開で始まりました。月半ばにかけては、市場予想を上回る米国のCPI(消費者物価指数)やPMI(総合購買担当者景気指数)を受けて利上げの長期化懸念が再燃し、日本株も下落に転じましたが、月後半にかけては、植田次期日銀総裁候補が所信聴取で金融緩和継続を明言したことや円安の進行が日本株相場を下支えし、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比0.95%の上昇、当ファンドのベンチマークは同2.77%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比1.31%の上昇となりました。意欲的な中期経営計画を発表したI-neやアウトソーシングなどがプラスに貢献する一方、2022年12月期通期決算が未達に終わったフロンティア・マネジメント、減益を見込む2023年12月期業績予想を発表したペプチドリームなどがマイナスに影響しました。
今後の運用方針
米国のインフレが長期化する見通しを受け、米国の長期金利が再度上昇基調になってきたため、米国株式市場に対して慎重な見方が強まっています。一方、日本株については、米国の景気後退懸念はあるものの、為替相場が緩やかな円安傾向で推移していることもあり総じて底堅い動きになっています。日本株はPER(株価収益率)や株式と債券のイールドスプレッドからみて米国株に比べ割安であることが安心感につながっていると考えます。
日本は長らく続いたデフレ経済からインフレ経済へ移行する過程にあると考えます。日本株はデフレ経済下で世界的にみて割安水準に放置されてきましたが、インフレ経済への移行により日本株のディスカウント要因は今後解消されると考えます。引き続き、インフレ経済でもしっかりと業績伸ばせる企業に投資してまいります。
銘柄紹介
当月は、2019年の株式上場以来投資を続けているアンビスホールディングスをご紹介します。同社は、慢性期と終末期の看護・介護ケアに特化した医療施設型ホスピス「医心館」を運営しています。ここ数年はがん患者などの終末期患者の緩和ケアに特化することで他の医療施設型ホスピスと業務の差別化を図っています。終末期患者の緩和ケア型ホスピスは、慢性期型ホスピスに比べ医療オペレーションが難しいことに加えて、患者の入れ替わりの頻度が高く施設稼働率の維持が難しいことが特徴として挙げられます。しかし同社の施設は、長年の実績と医療機関との強固な連携関係により80%台後半の高い稼働率を維持しています。高稼働率と効率的なオペレーションによって、ホスピス業界の中では非常に高い20%を超える営業利益率を維持しています。また同社の認知度向上とともに新規施設の開設ペースも加速傾向にあり、今後も年率30~40%程度の高い売上高成長率が期待できると考えています。
日本は高齢化の進行により、後期高齢者が増加し今後も死亡者数が増加すると考えられる中で、厚生労働省の政策が地域包括ケアシステムに移行しました。それにより、病院から在宅療養へのシフトが進行し、ホスピスへのニーズは今後も高まることが予想されます。一方で、業界への参入企業も多いことから、今後中期的には競争の激化が予想されますが、難しいオペレーションが要求される終末期緩和ケアで高い収益性を誇る同社が業界の勝ち組になる可能性が高いとみて、積極的に投資を行っています。
2023年1月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、月前半に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した2022年12月の米製造業景況感指数が2年7カ月ぶりの低水準だったことや、中国製造業購買担当者景気指数(PMI)も低迷が続いたことから景気後退への懸念が高まり、下落して始まりました。しかし、月半ばに日銀が金融政策決定会合で大規模な金融緩和を維持すると発表したことを受け、株式市場は上昇に転じました。月後半は、米国連邦準備制度理事会(FRB)の理事が利上げ幅緩和の支持を表明したことや、米有力紙による早期利上げ停止の観測報道を受け、堅調に推移しました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比4.42%の上昇、当ファンドのベンチマークは同5.99%の上昇となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比4.51%の上昇となりました。
2023年3月期業績予想の上方修正を発表したMARUWA、中国経済の回復期待から機械受注モメンタムの改善期待が高まったアマダなどがプラスに寄与した一方、月次売上高の増収率鈍化が嫌気されたシュッピン、2022年12月期業績予想が上方修正されたことで、材料出尽くし感から来期の業績見通しが懸念されたペプチドリームなどが下落しマイナスに影響しました。
今後の運用方針
世界的にインフレ率が鈍化傾向になってきたことで長期金利の先高懸念が払しょくされつつあり、株式市場では楽観的な見方が広がっています。しかし景気後退による企業業績が悪化する可能性は高いと考えられるため、個社ごとの業績をしっかりと吟味することが重要になると考えます。現状日本経済は、長らく続いたデフレからインフレへ移行する過程にあると考えています。日本株式はデフレ環境下で世界的にみても割安な水準で放置されてきましたが、インフレへの移行により、日本株式のディスカウント要因は今後解消されると考えます。引き続きインフレ環境下でもしっかりと業績を伸ばすことが期待される企業に投資してまいります。
銘柄紹介
当月は新たに投資を開始した「アソインターナショナル」をご紹介します。
同社は歯列矯正装置など100種類以上の矯正歯科技工物を患者データに基づきオーダーメード製造し、歯科医院に提供しています。歯科矯正に対応している国内歯科医療機関約25,000件のうち、2022年6月時点で6,047件と取引があります。
同社の強みとして主に以下の3点が挙げられます。
1点目は柔軟な製造キャパシティを保有していることです。同社の製造機能は内製35%、外注が65%です。主に内製では社内の約50名の歯科技工士が特殊品などの高付加価値製品を製造する一方、外注の協力パートナー51カ所の歯科技工所(主に同社グループからの独立社員)に汎用性の高い製品を生産してもらうことで、製造能力の上方弾力性の確保と高い収益性を保っています。
2点目は長年のデータ蓄積と、デジタル管理されたデータ活用により生産性の改善を行っている点です。同社はデジタル管理された約262万件の症例データや3Dプリンターなどを活用することで、製造工程や不良品生産を削減し生産性の向上を図っています。
3点目は強固な歯科医院との関係が構築されている点です。同社は全国の歯科大学や大学の歯学部、大学付属病院との取引実績があり、大学の実習や研修でも同社の矯正歯科技工物が使用されています。大学を卒業した歯科医師は使い慣れた同社製品を使う傾向があり、多くの歯科医院との取引に繋がっています。
日本の歯科矯正市場規模は、世界の歯科矯正市場規模56.8億ドル(2019年、当時の為替レートで約6,223億円)に対し、2021年度で99.1億円と小さいため今後の拡大余地は大きいと考えます。短期業績はコロナ禍の影響による歯科医院への受診抑制の影響や、円安・原材料高による材料費の値上がりにより苦戦しています。しかし、コロナ禍の影響が緩和されると考えられる来期以降は、業績が本格的な拡大局面に入ると当ファンドでは考えており、中長期的な成長率に対して現在の株価は割安であると判断し、新規投資を開始しました。
2022年12月の運用コメント
株式市場の状況
当月の日本株式市場は、11月30日にFRB(米国連邦準備制度理事会)のパウエル議長が12月のFOMC(連邦公開市場委員会)における利上げ減速を示唆したことを受け、上昇して始まりましたが、その後は米国景気悪化懸念の高まりなどから下落基調をたどりました。月半ばには、日銀が長期金利の許容変動幅を拡大したことなどを受け、金融政策の転換懸念から株式市場は大幅に下落し、その後は一進一退で推移しました。
この結果、TOPIX(配当込み)は前月末比4.57%の下落、当ファンドのベンチマークは同7.96%の下落となりました。
ファンドの運用状況
当ファンドのパフォーマンスは、前月末比4.98%の下落となりました。
大型の新規共同開発契約の締結によって2022年12月期業績計画の達成確度が高まったペプチドリーム、新製品を中心にヘアケア関連製品の販売が好調に推移しているI-neなどがプラスに寄与した一方、円高による収益悪化が懸念されたMARUWA、新興市場の株価低迷の影響を受けたJMDCなどがマイナスに影響しました。
今後の運用方針
主要各国中央銀行の金融引き締め政策を受け、世界的な景気後退懸念から株式市場は下落基調で推移しています。また、景気後退懸念を受けて米国の長期金利の水準もピークから下落基調にあります。一方で国内の長期金利は、12月の日銀政策決定会合でイールドカーブ・コントロールの水準の見直しが発表されたため緩やかな上昇に転じました。日米金利差の縮小の結果、為替市場で急速な円高が進行しており、その影響から日本株も製造業を中心に調整色を強めています。
しかし、日本経済にとっては緩やかなインフレ率の上昇や長期金利の正常化(緩やかな上昇)は、ながらく続いたデフレ環境からインフレ環境へ移行する過程ととらえれば、長期的にみれば日本株にとってむしろプラスに作用すると考えます。そのため短期的な株価の乱高下に一喜一憂することなく、インフレ環境下でも中長期的に業績を伸ばすことが期待される企業に選別投資することが重要と考えます。
銘柄紹介
当月は新たに投資を開始した「大栄環境」をご紹介します。同社は産業廃棄物処理の国内大手企業で、2022年12月に東証プライム市場に新規上場しました。産業廃棄物の運搬から中間処理、再資源化、最終処分まで全行程を一気通貫で手掛けていることが特徴です。当ファンドでは、同社のように全行程をカバーする会社はユニークであり、それゆえに独自の成長が期待できると考えて投資を開始しました。
産業廃棄物処理業界の特徴をまとめると、(1)工程ごとに企業の顔ぶれが異なり細分化されていること、(2)新規参入が難しく既存の業界ポジションは固定化されやすいことなどがあります。これらの背景として、工程ごとに資格の取得や行政の許可を受ける必要があること、施設に適した場所の確保が困難なこと、地方自治体ごとにローカルルールが存在していることなどが挙げられます。結果、一定のポジションを確立すると安定した利益を確保できるものの、成長性には乏しくなりがちです。一方で、同社は大阪府で事業を開始しましたが、現在では関西全域のほかに関東、東北、北海道、九州と多地域に展開しています。これは同社が全行程を手掛けていることを強みにM&Aによって事業領域を広げ、地域拡大を行ってきたためです。近年、様々な企業がSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)への取り組みを強化していますが、その中で企業が排出する産業廃棄物の管理と削減が課題となっています。産業廃棄物処理を委託する側の視点に立つと、処理経路が不透明な会社、財務的体力の乏しい会社は避け、同社のように実績があり、ワンストップで全行程を処理する会社を選ぶ流れにあると考えます。さらには、今般の上場をきっかけにM&Aによる成長の加速が期待できると当ファンドでは考えています。中長期的な成長性からみて現状の株価は割安と判断し投資を開始しました。
交付運用報告書
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交付運用報告書(第25期 2025年10月15日決算) (897.0 KB)
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交付運用報告書(第24期 2024年10月15日決算) (641.7 KB)
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交付運用報告書(第23期 2023年10月16日決算) (632.5 KB)
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交付運用報告書(第22期 2022年10月17日決算) (847.7 KB)
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交付運用報告書(第21期 2021年10月15日決算) (742.2 KB)
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交付運用報告書(第20期 2020年10月15日決算) (715.1 KB)
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交付運用報告書(第19期 2019年10月15日決算) (716.2 KB)
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交付運用報告書(第18期 2018年10月15日決算) (731.9 KB)
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交付運用報告書(第17期 2017年10月16日決算) (875.0 KB)
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交付運用報告書(第16期 2016年10月17日決算) (974.0 KB)
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交付運用報告書(第15期 2015年10月15日決算) (513.1 KB)
運用報告書(全体版)
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運用報告書(全体版)(第25期 2025年10月15日決算) (861.4 KB)
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運用報告書(全体版)(第24期 2024年10月15日決算) (613.9 KB)
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運用報告書(全体版)(第23期 2023年10月16日決算) (578.7 KB)
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運用報告書(全体版)(第22期 2022年10月17日決算) (760.9 KB)
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運用報告書(全体版)(第21期 2021年10月15日決算) (681.7 KB)
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運用報告書(全体版)(第20期 2020年10月15日決算) (665.8 KB)
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運用報告書(全体版)(第19期 2019年10月15日決算) (676.3 KB)
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運用報告書(全体版)(第18期 2018年10月15日決算) (602.1 KB)
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運用報告書(全体版)(第17期 2017年10月16日決算) (798.5 KB)
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運用報告書(全体版)(第16期 2016年10月17日決算) (741.0 KB)
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運用報告書(全体版)(第15期 2015年10月15日決算) (456.8 KB)
レポート
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- ファンドレポート
- スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド
「ライジング・サン」は「取り崩し」で効果を発揮する(403.3 KB)
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- ファンドレポート
- スパークス・ジャパン・スモール・キャップ・ファンド
コロナショック環境下における当ファンドの運⽤について(339.3 KB)
主な投資リスク、費用等
- 当ファンドの投資リスクについては、交付目論見書(投資信託説明書)記載の「投資リスク」をご覧ください。 (457.9 KB)
- 当ファンドに係る費用等については、交付目論見書(投資信託説明書)記載の「ファンドの費用、税金」をご覧ください。 (457.9 KB)
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