PROPOSAL

帝国繊維株式会社(3302)に対する 株主提案について

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1. エグゼクティブ・サマリー

■ 帝国繊維株式会社(以下「帝国繊維」または「同社」)は、優良な事業を営む一方で、非効率な資本配分により、同社の企業価値を著しく毀損させています。

■ 具体的には、投資にも還元にも使われない過大な現金保有と、本業とシナジーの薄い政策保有株式の大量保有により、同社の資産効率を大きく低下させています。また、政策保有株式の大量保有は、同社の企業価値を経営陣では制御できない過大なリスクに晒していることを意味します。

■ スパークス・アセット・マネジメント株式会社の運用するファンド(以下「当社」)は、こうしたコーポレートガバナンス上の問題を是正すべく、2014年より株主として同社経営陣との継続的な対話に努めてまいりましたが、経営陣からはこれまでに合理的な説明がなされておりません。

■ 当社は、上記経緯を踏まえ、帝国繊維に健全で規律あるコーポレートガバナンスが導入されることを目的として、2019年3月開催予定の帝国繊維の定時株主総会において、以下の3件の株主提案を行いました。

 ① 取締役選任の件
   ・社外取締役として、名取勝也氏を選任する

 ② 余剰金の配当の件
   ・第93期(2018年12月期)の期末配当として、1株あたり95円を配当する。
    (なお本資料公表時における会社計画は1株あたり35円)

 ③ 定款の一部変更の件
   ・取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する。


2. 帝国繊維の状況

企業概要

■ 帝国繊維は、防災関連製品の製造・販売を行う企業です。

■ 消防ホースの大手メーカーであり、国内シェアは約50%と推定されます。

■ 自治体および民間企業における防災意識の高まりを背景に、現在では、海外から先端的な防災特殊車両、救助資機材(チェーンソー、油圧器具)、テロ対策機材(爆発物検知装置等)を輸入し、国内で販売しています。

■ また、電力会社に対して原子力災害対策機材の納入も行っています。


財務諸表(サマリー)

■ 強固な顧客基盤と付加価値の高い製品群の製造・販売により、高い売上高利益率を維持しています。

■ 自己資本比率は75%を超え、財務的な安定性は際立っています。


帝国繊維の問題点: 非効率な資本配分

■ 投資にも株主還元にも使われない現金と、本業とのシナジーが薄い投資有価証券がバランスシートに積み上がっています。

■ こうした過大な現金と投資有価証券が、資産効率を押し下げ、企業価値を毀損しています。


帝国繊維の問題点: ヒューリック株式へ過剰な投資

■ 帝国繊維が保有する投資有価証券のうち、大部分はヒューリック株式に集中しています。

■ 同社の企業価値は、ヒューリック株式の価格変動によって大きく変動することになりますが、これは同社経営陣が企業価値を自ら制御できない過度なリスクに晒し続けていることを意味します。


帝国繊維の問題点: 不健全なコーポレートガバナンス

■ 帝国繊維取締役会においては特定の企業グループ出身者が多数を占めています。

■ また、監査役である西浦三郎氏は、業務執行全般を監査すべき立場にありますが、同時にヒューリックの代表取締役会長でもあるため、ヒューリックの株価や安定株主の維持にも大きな関心があり、そこには一種の利益相反的関係が認められます。

3. 株主提案の内容

株主提案① 取締役の選任

取締役選任の件
 【内容】
  ● 社外取締役として、名取勝也氏を選任する。

 【提案理由】
  ● 現社外取締役2名は、コーポレートガバナンス・コード(以下「CGコード」)が期待する独立社外取締役としての役割・責務を十分に果たしているとはいえません。

  ● CGコードによれば、独立社外取締役はその役割・責務として「経営陣・支配株主から独立した立場で、少数株主をはじめとするステークホルダーの意見を取締役会に適切に反映させること」が求められています(CGコード原則4-7(iv)項)。

  ● しかし、両氏は当社が求めた面会を合理的な理由もなく拒絶し続けており、少数株主の意見を吸い上げる努力を尽くさず、現経営陣を無条件に是認するかのような姿勢を示し続けています。

  ● このことは、「株主からの対話(面談)の申し込みについては、合理的な範囲で応じることとしております」というCGコード原則5-1を遵守するため同社が自ら定めた方針にも違反します。

■ 当社の推薦する名取勝也氏は、企業内弁護士の第一人者としての豊富な実績にととまらず、数多くの企業で実際に取締役、監査役、執行役員を歴任しており、帝国繊維が問題を抱えているコーポレートガバナンスの改善に大きな役割を果たすことが期待されます。


株主提案② 余剰金の配当

余剰金配当の件
 【内容】
  ● 第93期(平成30年12月期)の期末配当として、1株あたり95円を配当する。
 (なお本資料公表時点における会社計画は1株あたり35円)

 【提案理由】
  ● 帝国繊維の経営陣は、資産の約3分の2を本業とは無関係の会社への投資といえる政策保有株式(主にヒューリック株式)と現金同等物に配分し、同社の企業価値を著しく低下させるとともに、当社の企業価値を当社経営陣では制御できない過度なリスクに晒し続けています。

  ● 当社は、過去5年間にわたり同社と対話の努力を継続し、①ヒューリック株式を合理的な期間内に売却すること、および②成長投資と株主還元に関する明確な方針を示すこと、を提案してきました。

  ● 同社が政策保有株式の売却と成長投資、株主還元の拡充に着手するまでの間、同社の金融資産がこれ以上膨張しないよう、当期に関して1株あたり95円の配当を求めます。



■ 帝国繊維が「実質フリーキャッシュフロー」(=当期純利益+減価償却費-運転資本の増加額-有形・無形固定資産の取得額)の全額を配当し、金融資産の膨張を抑制するよう提案します。

■ なお、一株あたり95円配当は、予想一株あたり当期純利益114.38円を下回っているため、これを行っても同社の自己資本は減少せず、同社の財務面における安全性は引き続き維持されます。




株主提案③ 取締役任期の短縮

定款の一部変更
 【内容】
  ● 取締役の任期を、現在の「選任後2年以内」から、「選任後1年以内」に短縮する。

 【提案理由】
  ● 株主からの信任の機会を増やすことによって、巨額の政策保有株式に代表される経営上の課題に株主の視点を加味して対処する体制を整えるため、取締役の任期短縮を提案します。

  ● なお、コーポレート・ガバナンスの強化に対する意識の高まりを背景に、東京証券取引所第一部に上場する監査役会設置会社のうち、取締役の任期を1年と定めている会社の比率は増加を続けており、2016年7月時点では73.2%に達しています。

4. 補足資料

帝国繊維の株主構成について

■ 帝国繊維の株主は、特定の企業グループによって構成されている為、少数株主の利益が軽視されています。

■ 国民の年金を運用するGPIFも運用受託機関(資産運用会社)を介して帝国繊維を5%超保有している為、帝国繊維のコーポレートガバナンスの欠如により、国民全体の利益も損なわれています。


昨年の株主総会議案と主要金融機関の議決権行使状況

■ 当社は、昨年、①剰余金の処分(一株につき90円)、②取締役の任期短縮(今年の提案と同内容)についての株主提案を行っています。

■ 昨年の株主提案は、多くの機関投資家様の皆様より、ご賛同をいただいています。

■ 本年は、より一層の皆様からのご賛同をいただけるよう、説明を尽くす所存です。


これまでの対話状況

■ 当社は、2014年から、責任ある株主として帝国繊維経営陣と対話努力を継続してきました。

■ 2015年より同社経営陣が対話に応じていることから、資本効率の改善について議論を重ねています。

■ 2017年に公表された中期経営計画において、当社が改善を申し入れていた資本政策についての言及が一切なされていなかったことから、議論を公にすることで帝国繊維に健全で規律あるコーポレートガバナンスが導入されることを企図して、2018年の株主総会においても株主提案を行いました。





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