日本版スチュワードシップ・コードへの対応方針

平成29年10月3日

スパークス・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)は創業以来、「マクロはミクロの集積である」との一貫した投資哲学に基づき、投資先企業の経営者との対話を中心とする徹底したボトムアップ・アプローチに基づく投資活動を実践してまいりました。日本版スチュワードシップ・コードが掲げる投資先企業の持続的成長を促し、かつ受益者の中長期的な投資リターンの拡大を目指すという基本理念は当社の投資哲学と合致するものであるため、これを積極的に受け入れ、その諸原則に対する当社の対応方針を下記の通りに公表致します。

なお、投資先企業との「目的を持った対話」を行うタイミングや、対話における当社からの働きかけの度合いの程度等は、投資戦略や投資先企業の状況等に応じて差異があります。

原則1 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社は創業以来、「マクロはミクロの集積である」との一貫した投資哲学に基づき、徹底したボトムアップ・アプローチから産み出される投資インテリジェンスの提供と革新的な投資手法の開発に努めております。

当社は投資先企業及び候補企業の現状や中長期的なビジネス展開について、公開情報による調査を踏まえた上で、企業訪問を行うことで評価を行います。合理的な経営がなされ、企業価値向上の可能性があると判断される場合には、投資を実行します。この一連のプロセスにおいて、当社は投資先企業の経営者との対話を重ね、経営課題の共有に努め、それを踏まえた上での当社としての意見を表明することで、企業価値向上の後押しとなるよう活動を行っております。 当社が創業以来取り組んできたボトムアップ・アプローチは、投資先企業の価値向上に貢献すると共に、受益者にとっての中長期での投資リターン増大にも結び付く活動です。スチュワードシップ責任を適切に果たすために、当社はボトムアップ・アプローチの更なる強化と質的向上を続けることを基本方針と致します。

原則2 機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすうえで管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。

当社の親会社であるスパークス・グループ株式会社は、銀行・証券会社・保険会社等いかなる企業グループにも属さない独立系の企業であると同時に、傘下の子会社において投資運用業を主たる事業として営む本邦初の上場会社として、市場から高い信頼を受けるに足る行動規範の確立に努めております。スパークス・グループ株式会社は取締役会の半数が独立社外取締役で構成されており、適切な利益相反管理を可能とするガバナンス体制を整えております。子会社である当社に対しても、透明性確保のための管理を徹底しております。

当社では、受益者との利益相反が生じる恐れのある投資活動は、これを未然に禁止することを原則としております。また、第一種金融商品取引業を併営している点にも留意し、管理すべき利益相反取引の類型や管理の方法を利益相反管理方針に定め、その概要(注)を当社HP上に公表しております。

(注) 「利益相反管理方針概要」(リンク先:  http://www.sparx.co.jp/profit.html  )

原則3 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けて、スチュワードシップ責任を果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。

当社は投資先企業の状況について、中長期的な企業価値向上の観点からの把握に努めます。ボトムアップ・アプローチの特徴を活かし、公開情報の検証のみならず、企業との直接対話を継続して実行することで、事業環境に即した有効な経営戦略が採用されているか、適切な企業統治構造を有しているか等について精査しております。

当社は、投資先企業の状況の把握に当たり、財務上の指標だけに関心を払うものではありません。顧客、従業員、仕入先や取引先、或いは地域社会も含む当該企業にとっての全てのステークホルダーとの関係が、当該企業の中長期的な成長を支援するものであるかについても、強い関心を払います。

原則4 機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。

当社は、創業以来、数多くの企業経営者と対話を重ねることで、財務情報に留まらない、当該企業の経営に関する知見を獲得するよう努めてまいりました。このような継続的な調査活動を通じ、企業価値向上を推進する活動に対しては投資の実行を通じて支持を示す一方で、改善の余地があると思われる場合には建設的な意見表明を行うことで変化を促します。投資先企業の経営課題が解決され企業価値の向上が見込まれると評価し得る場合には、当該企業への投資を積極化することで、経営方針への支持を表明します。反対に、対話を通しても持続的な成長を阻害することが明確な経営戦略が採用された場合には、当該企業への投資を終了することで、受益者の利益を守ります。また、一部の投資戦略においては株主の権利を行使して経営者に積極的な働きかけを行う場合があります。

当社は、企業と株主との対話を実効的ならしめる上で集団的エンゲージメントを有効な手法の一つと認識しております。当社が運用する投資戦略で保有する投資先企業について、機関投資家である他の株主から協働して当該企業と対話を行うことを呼びかけられた場合、当社はその必要性および妥当性について真摯に検討致します。当社が運用する投資戦略で保有する投資先企業について、当社以外の株主とも協働して対話を行うことがより効果的であると判断する場合、当社は他の株主に対して集団的エンゲージメントへの参加を呼びかけることがあります。

当社と投資先企業との対話においては、相互信頼に基づき、未公表の重要事実を含む情報の授受を行わないことを予め合意することを原則としております。企業価値向上に資するために、より踏み込んだ対話が必要となり、未公表の重要事実を知ることとなった場合には、社内規程に基づき直ちに当該情報を登録・管理し、必要な取引規制等の措置を発動する等、適正に対処致します。

原則5 機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるように工夫すべきである。

当社は、ボトムアップ・アプローチを通じ、対象企業の経営方針、成長性、ビジネスモデル、コーポレートガバナンス等を調査、理解のうえ、投資を実行しております。議決権行使においては、各議案が中長期における企業価値向上に資するか否かを判断基準としております。議案の類型毎に行使ガイドラインと運営プロセスを社内規則で定めており、その基本方針(注)は、当社HP上に公表しております。

(注)「議決権行使方針」(リンク先:  http://www.sparx.co.jp/vote.html  )

当社が運用する投資戦略はほぼ全てがアクティブ運用であり、当社の運用担当者が全ての投資先企業を調査し、それぞれの経営状況を把握した上で保有しております。この特長を活かし、議決権行使に際して、当社は外形的または定量的な行使基準は設けず、全ての議案につき、当該企業の状況を踏まえそれが企業価値向上に資するか否かの観点から運用担当者が個別に判断を行います。議案に反対した場合、当社はその事実を開示致します。

原則6 機関投資家は、議決権の行使を含め、スチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。

当社は運用報告書、顧客との面談、各種セミナー、当社ホームページ等を通して、当社のスチュワードシップ責任に対する基本方針や、活動実態に対しての報告を行っております。運用状況の説明にあたっては、企業価値についての考察や、企業の持続的成長に対する当社の支援活動等、ボトムアップ・アプローチの活動によって得られる独自性のある情報開示を充実するよう努めております。 なお、議決権行使の結果については、当社HPで毎年報告しております。

原則7 機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うために実力を備えるべきである。

当社が投資先企業の事業への理解を深め、経営者等との対話により認識の共有を図るためには、当社自身が十分な知識と経験、高い分析能力を有している必要があります。そのために当社は、創業以来の一貫したボトムアップ・アプローチに基づく調査・投資活動の基本精神と活動規範を組織に徹底させ、また蓄積された知識や経験を発展的かつ組織的に活用するべく、組織的にスタッフの育成と指導を行っております。また、当社の経営陣は、当社を含む資産運用業界での勤務経験が長く、当社の創業の理念および投資哲学を共有の上、あるべき資産運用業の姿を目指し、経営にあたっております。投資先企業が当社との対話を有意義なものと認めて頂くには、株主の視点だけではなく、経営者・従業員・顧客・仕入先・取引先・地域社会等の当該企業に係る全てのステークホルダーの視点も含めたトータルな価値創造の観点から企業分析を行う能力を身に付ける必要があると認識し、組織全体が日々の研鑽に努めております。

当社は、年一回を目途として定期的にスチュワードシップ・コードの実施状況を自己評価し、その結果を当社取締役会に報告の上、公表致します。

以上


2017年度におけるスチュワードシップ活動に関する自己評価

2018年10月1日

2017年度(2017年4月~2018年3月)における当社のスチュワードシップ活動に関して自己評価を行いましたので、その結果を以下のとおり公表致します。

原則1 「機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たすための明確な方針を策定し、これを公表すべきである。」

当社は2017年度(以下「今年度」)も引き続き、ボトムアップ・アプローチによる企業調査を継続しました。企業との面談・訪問件数は今年度には2,935件となりました。
今年度は、主として以下の視点を取り入れて、調査対象企業とコミュニケーションの充実・改善に努めました。
  • ● 資本コストおよび持ち合い株式に関し、経営陣はどのように考えているか
  • ● 新しいテクノロジーがもたらす事業機会およびリスクをどのように経営戦略に反映させるか
  • ● 従業員の確保、教育による能力向上などを通じて、企業の継続的発展を図る体制を整えているか
  • ● 海外を含む成長市場への事業展開を進めているか


原則2 「機関投資家は、スチュワードシップ責任を果たす上で管理すべき利益相反について、明確な方針を策定し、これを公表すべきである。」

当社がファンドを通じて投資する資産クラスは拡大しており、またファンドの顧客属性も多様化しています。その結果、当社が運用するファンドのお客様が上場企業であり、かつ当該上場企業が、当社が運用する別のファンドの投資先となる事態が起こり得ます。 このような利益相反を適切に管理することの重要性はますます高まっていると認識しており、今年度は「利益相反管理規程」を改正し、利益相反取引の発生を未然に防止する体制を一層強化しました。

原則3 「機関投資家は、投資先企業の持続的成長に向けてスチュワードシップ責任を適切に果たすため、当該企業の状況を的確に把握すべきである。」

ガバナンス・社会・環境問題と企業活動との関連性により大きな注意を払い、投資活動へ反映させる意識を全社的に高めるため、当社は今年度に国連PRIへの署名を行いました。

原則4 「機関投資家は、投資先企業との建設的な「目的を持った対話」を通じて、投資先企業と認識の共有を図るとともに、問題の改善に努めるべきである。」

当社は従来から企業との個別面談を重視しており、株主として当該企業の経営に懸念点が生じた場合には、面談を通じて企業に問題への対処を求めることがあります。 スチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コードの導入以降、当社は、これらのコードが求めるところに従い、必要な場合にはより積極的なエンゲージメントを行っています。たとえば今年度は、複数年にわたる対話にもかかわらず改善意欲に乏しいと判断した投資先に対して、改善の端緒となることを期待し、株主提案を行いました。 また、集団的エンゲージメントは有効な手段の一つであると認識し、特定の投資先企業の問題点に関し、他の機関投資家と意見交換を実施しました。 このほか、経済産業省の主催する「統合報告・ESG対話フォーラム」分科会に参加し、わが国企業の企業価値向上に資するより良い対話のあり方について、他の機関投資家と意見交換を行いました。

原則5 「機関投資家は、議決権の行使と行使結果の公表について明確な方針を持つとともに、議決権行使の方針については、単に形式的な判断基準にとどまるのではなく、投資先企業の持続的成長に資するものとなるように工夫すべきである。」

当社はボトムアップ・リサーチにより投資判断を形成しているため、原則としてすべての保有株式について、発行企業と定期的に面談を行っています。 そのため当社は、議決権行使に係る基本的な考え方のみを定め、個別議案に係る賛否の判断に関しては詳細な形式的基準を設けず、各ファンドマネージャーがそれまでの調査・面談内容を踏まえた上で議案の合理性を検討し、議決権を行使しています。 今年度も、原則としてファンドマネージャーの完全な個別判断に基づき議決権を行使しました。これによって、各投資先の固有の状況を十分に把握した上で議決権を行使する動機と緊張感をファンドマネージャーに与えています。

原則6 「機関投資家は、議決権の行使も含めスチュワードシップ責任をどのように果たしているのかについて、原則として、顧客・受益者に対して定期的に報告を行うべきである。」

当社は議決権行使結果を個別開示しているほか、お客様からの要望に応じ、投資先との代表的な対話事例を紹介しています。また、投資信託のお客様(主として個人のお客様)との意見交換会を適宜開催しています。さらに、投資信託の月次レポートのコメントを充実させる取り組みや、動画を作成してウェブサイト上に公開し、運用手法や成果をよりわかりやすく伝えるよう努めています。

原則7 「機関投資家は、投資先企業の持続的成長に資するよう、投資先企業やその事業環境等に関する深い理解に基づき、当該企業との対話やスチュワードシップ活動に伴う判断を適切に行うための実力を備えるべきである。」

今年度は以下の取り組みを通じて、運用力向上を図りました。

  • ● 対話の質を底上げするため、ファンドマネージャーおよびアナリスト間で対話事例の共有化を図りました。
  • ● 前述のとおり、必要に応じて、他の機関投資家との集団的エンゲージメントの機会を模索しています。当社からの働きかけに加え、他の機関投資家から集団的エンゲージメントへの参加を勧誘された場合には、積極的に応じていく考えです。
  • ● 国籍・性別・経歴において多様性に配慮した運用担当者の採用に努めています。
  • ● 当社内で株式以外の資産クラスを運用している部門との意見交換も密接に行い、幅広い視野の維持に努めています。
  • ● 運用者が直接、海外投資家との議論を行い、海外の先進的なプラクティスのインプットに努めました。

以上

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