スパークス・日本株L&Sファンド(野村SMA・EW向け)
- ラップ口座向け
- 日経新聞掲載名
- EW日株LS
- 分類
- 追加型投信/国内/株式/特殊型(ロング・ショート型)
- 設定日
- 決算日
- 毎年12月6日
基準日:2026.02.16
- 基準価額
- 11,427円
- 前日比
-
+37円
+0.32% - 純資産総額
- 19.6億円
- 分配金情報(税引前)
- 0円
- 交付目論見書(807.2 KB)
- 請求目論見書(3.4 MB)
- 月次報告書 (399.2 KB)
- 交付運用報告書(948.0 KB)
- 運用報告書(全体版)(842.8 KB)
基準価額推移
分配金実績
決算頻度:1回/年
- 設定来合計
- 0円
- 直近12期計
- 0円
分配金実績一覧
- 2025年12月08日
- 0円
- 2024年12月06日
- 0円
- 2023年12月06日
- 0円
- 上記以前の分配金については、「選択した期間のデータをダウンロード」ボタンからご確認いただけます。
月次報告書
2026年
- 1月(399.2 KB)
2025年
- 12月(390.6 KB)
- 11月(395.8 KB)
- 10月(399.7 KB)
- 9月(399.6 KB)
- 8月(396.7 KB)
- 7月(446.5 KB)
- 6月(448.7 KB)
- 5月(446.8 KB)
- 4月(448.0 KB)
- 3月(449.5 KB)
- 2月(444.3 KB)
- 1月(450.9 KB)
2024年
- 12月(443.8 KB)
- 11月(448.4 KB)
- 10月(447.1 KB)
- 9月(439.9 KB)
- 8月(443.0 KB)
- 7月(447.6 KB)
- 6月(436.9 KB)
- 5月(431.2 KB)
- 4月(429.2 KB)
- 3月(434.3 KB)
- 2月(429.2 KB)
- 1月(453.5 KB)
2023年
- 12月(449.0 KB)
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2026年1月の運用コメント
株式市場の状況
2026年1月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.62%上昇し、日経平均株価は同5.93%の上昇となりました。
月前半は、米国半導体関連株の大幅上昇を受けて日本の半導体・AI(人工知能)関連株が買われ、大発会から日経平均株価は大幅高でスタートしました。中国政府によるレアアース関連製品を含めた対日輸出規制が強化されるとの報道で、日本株式市場が一時急落する場面はあったものの、衆院解散・総選挙観測を受けて高市首相が掲げる成長戦略が進めやすくなるとの見方を背景に、月半ばにかけて主要指数の高値更新が続きました。
月後半は相場の様相が一変しました。選挙戦の本格化や野党の新党結成を受けて国内の政治情勢の不透明感が台頭したことに加え、米欧の貿易摩擦懸念など地政学的リスクも意識され、投資家心理が悪化しました。さらに、財政拡張による財政悪化懸念から国内長期金利が想定を上回るペースで上昇し、株式市場は調整色を強めました。月末にかけては、日米当局による「レートチェック」報道をきっかけに為替相場が急変し、円は一時対ドルで153円台まで上昇するなど不安定な動きとなり、輸出関連株を中心に株式市場は揺さぶられました。日本株式市場は月後半に伸び悩みましたが、前月末比で大幅高の水準を維持して当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドは前⽉末⽐2.55%上昇しました。パフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、キオクシアホールディングス、ディスコ、三菱UFJフィナンシャル・グループなどでした。キオクシアホールディングスは、主力のNAND型フラッシュメモリー価格の上昇による来期業績の大幅な改善期待から、株価は大きく上昇しました。 ディスコは、2026年3月期第3四半期決算が堅調に推移したことに加え、収益性の高いグラインダー(研削盤)の需要が急速に回復していることで来期以降の成長期待が高まり、株価は上昇しました。三菱UFJフィナンシャル・グループは、長期金利の上昇を受け中期的な業績拡大期待から株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ライズ・コンサルティング・グループ、第一三共、ソニーグループなどでした。ライズ・コンサルティング・グループは、人員採用の遅れとシニアコンサルタントの離職を背景に、2026年2月期通期業績予想を下方修正したため、株価は大きく下落しました。第一三共は、2026年3月第3四半期決算が市場予想を下回ったことや、4月に発表される新中期経営計画への懸念から株価は下落しました。ソニーグループは、半導体の需給逼迫などによる材料コストの上昇懸念から株価は下落しました。
当月は昨年後半から投資を開始した「安川電機」をご紹介します。
同社は産業機器の動作を制御するサーボモーター、インバーターや、主に製造現場で使われる産業用ロボットの製造、販売を行うファクトリーオートメーション(FA)に関連する企業です。ACサーボモーターで世界シェア16%、産業用ロボットで7%と上位に位置付けており、世界各地域でビジネスを展開しています。2025年の米国による関税引き上げ以降、世界的に製造業企業が生産設備への投資を手控える動きが見られたことで、設備投資に関連する同社のビジネスは停滞すると同時に、将来に対するネガティブな影響が懸念されてきました。しかし当ファンドでは、同社の主力の2事業に対して以下の観点から評価しています。
1つ目の事業、モーションコントロールに関しては、業績拡大に対する見通しがポジティブに変化したことです。停滞していた半導体産業からの受注が回復に転じ、今後の需要回復が見込まれることで、2027年度にかけては過去最高の売上、利益を更新する可能性が高まってきました。
2つ目のロボット事業では、AIに欠かせないGPUで世界トップの米国NVIDIA社と事業連携し、産業用ロボットにAIを活用することを発表し、同時にこれまで消極的と捉えられていたヒューマノイド・ロボット(人型ロボット)の開発・供給にも前向きな声明を発表したことで、AIを活用した産業用ロボット市場の拡大に加えて、将来的には医療、小売、家庭用市場への展開が期待できるようになりました。
さらに、同社の利益回復や成長性に対して、株価水準は過去のピークと比べると依然低い水準にあります。AIを活用した産業用ロボット、ヒューマノイド・ロボットの用途が拡大するにつれ、今後さらに同社に対する評価が高まることが期待できると考えます。
日本株式市場の大きな動きとしては、衆議院解散に伴い総選挙が実施されることとなりました。与党優勢との報道を受け、高市政権の政策実行への期待感から株式市場は大幅に上昇しました。一方で、消費税減税による財政規律の悪化懸念から長期金利が上昇していますが、与党公約である「2年間限定の食料品消費税率0%」であれば、財政への影響は限定的と考えます。また、企業業績も堅調に推移しており、今期および来期の業績は上方修正される可能性が高いとみています。企業業績の回復と政策期待により日本株は引き続き緩やかな上昇基調を継続すると考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年12月の運用コメント
株式市場の状況
2025年12月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.03%上昇し、日経平均株価は同0.17%の上昇となりました。
月前半は、植田日銀総裁の発言を受けて12月会合での利上げ観測が高まり、長期金利が急上昇しました。この影響から銀行株を除く幅広い銘柄が売られ、主要指数は大きく下落しました。その後、米国の利下げ期待や、米政府がロボット産業を支援する方針を示したことを受け、FA(ファクトリーオートメーション)、ロボットなど「フィジカルAI(人工知能)」関連株が急伸し、相場全体をけん引し、TOPIXは史上最高値を更新しました。
月半ばには、米国の利下げ決定後に一時的な調整も見られましたが、米国株が堅調で主要指数が高値を更新するなか、日本市場でも買いが優勢となり、TOPIXは再び最高値を更新しました。しかしその後、米IT大手Oracle社のAIデータセンター完成の遅れや、半導体大手Broadcom社の決算が市場期待に届かなかったことなどから、AI投資の収益性に対する警戒感が高まり、半導体関連株を中心に売りが広がり、相場は調整色を強めました。
月後半は、日銀が利上げを決定したものの、総裁会見がハト派的と受け止められたことから円安が進行し、輸出関連株や半導体株を中心に買いが入りました。ただし、月末にかけては薄商いの影響もあり、相場は方向感を欠く展開となりました。結果として、TOPIXは相対的に底堅く上昇基調を維持し、日経平均株価も小幅ながら前月を上回って当月の取引を終えました。年間を通してみると、年前半に大きな下落に見舞われる場面があったものの、年後半には両指数とも高値更新を続け、高水準での推移となりました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドは前⽉末⽐0.86%下落しました。パフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ディスコ、安川電機、リガク・ホールディングスなどでした。ディスコは、半導体各社の設備投資拡大を背景に来期以降の業績成長への期待が高まり、株価は上昇しました。安川電機は、「2025国際ロボット展」において、ヒューマノイドロボットだけでなく産業用ロボットも含め、AI(人工知能)を活用したロボット全般の将来性を示したことが投資家の期待を高め、株価は上昇しました。リガク・ホールディングスは、次世代半導体向け計測装置の販売を開始したことが好感され株価は大きく上昇しました。 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、第一三共、ソニーグループ、MARUWAなどでした。第一三共は、当月に開催された説明会「Science & Technology Day 2025」で新たな材料が出てこなかったことが嫌気され株価は下落しました。ソニーグループは、半導体の需給ひっ迫などによる材料コストの上昇懸念から株価は下落しました。 MARUWAは、米国でのデータセンター関連銘柄に対する警戒感が広がったことが影響し株価は下落しました。
当月は、「キオクシアホールディングス」についてご紹介します。
同社は過去に東芝の半導体メモリ事業が「東芝メモリ」として分社化された後、2019年に現社名へ変更したNAND型フラッシュメモリおよびSSDを主力製品とする日本の半導体メーカーです。データセンター、スマートフォン、自動車、産業機器向けまで幅広い用途に高性能・高信頼性のメモリ製品を供給しています。同社は韓国のSamsung Electronics社に次ぐ主要プレイヤーの一角として、NANDフラッシュメモリ市場で世界シェア12%前後を安定的に維持しており、NANDの多層化や高速・低消費電力化において業界をリードしてきました。
同社の株価は2025年11月にピークをつけて以降、下落基調に転じています。2026年3月期第2四半期決算時に、NAND価格の上昇率が市場期待に届かず株価が下落しました。しかしながら、AIデータセンターで使用される推論向けメモリの需要の増加とメモリメーカー各社がDRAMへの投資に現在集中していることで、NANDへの投資抑制が供給を制約することが予想されます。したがって、第4四半期にかけてはNAND価格の回復が同社の業績回復をけん引すると考えます。
また、技術面でも同社は競合対比で優れており、ビット密度向上のための独自技術やウエハーの張り合わせ技術により、競合対比でコストと性能の両面で優位性を両立できる製品を提供していくことで長期的な競争力が維持されると考えます。
日本銀行は当月の金融政策決定会合において、政策金利を0.75%に引き上げました。日本銀行は物価と賃金の上昇が今後も継続する見方を強めており、日本でもインフレ経済が定着しつつあると考えられます。インフレ経済は資産価格上昇を伴うため、株式市場全体にはプラスに作用することが期待されます。
一方、企業収益という観点では、コスト上昇が継続するなか、製品・サービスの競争力の有無により収益格差が広がることが予想されます。そのため、勝ち組と負け組の株価パフォーマンスの差もデフレ経済下より広がるため、結果として投資機会が増加すると考えます。
当ファンドでは、中期的な視点での投資実践により、この投資機会を的確に捉えられるよう努めてまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年11月の運用コメント
株式市場の状況
2025年11月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.42%上昇し、日経平均株価は同4.12%の下落となりました。
月前半は、AI(人工知能)関連銘柄の前月までの上昇に対する過熱感が意識され、米国株式市場にて関連銘柄が大幅に調整した影響が日本株式市場にも波及しました。一方でバリュー株や内需株等は底堅く推移し、これらのウェイトの差異が指数の変動に大きな影響を与えた結果、日経平均株価の下落が大きくなり、他方TOPIXは相対的に底堅さを維持しました。
月半ばには、日中関係の緊張を背景に中国政府が渡航自粛を要請したことが嫌気され、日経平均株価、TOPIXの両指数とも再び大きく下落し、日経平均株価は節目の5万円を割り込む場面も見られました。その後は、米国株式市場においてNVIDIA社が好決算を受け、時間外取引で同社株が上昇したことが追い風となり、日本株式市場でもアドバンテスト、東京エレクトロン、ソフトバンクグループの3銘柄が日経平均株価を約700円押し上げる場面も見られるなど株価は持ち直しましたが、AI投資の過熱感に対する警戒は根強く、上値の重い展開が続きました。
月後半にかけては、FRB(米連邦準備制度理事会)高官のハト派的発言を受けて12月利下げ観測が再び高まり、米国株の持ち直しとともに日本株式市場も反発しました。結果として、日経平均株価は8か月ぶりの下落となった一方、TOPIXは小幅ながらも上昇を確保し、両指数のパフォーマンスはまちまちとなり、当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.81%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、清水建設、東京建物、三菱地所などでした。清水建設は、受注が大幅に増加したことに加え、完成工事総利益率も順調に回復していることが評価され株価は上昇しました。東京建物は物件売却方針の見直しにより、2025年12月期業績を上方修正したことが好感され株価が上昇しました。三菱地所は賃料改定が順調に進んでいることや、今後の株主還元期待から株価が上昇しました
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ディスコ、日本マイクロニクス、楽天銀行などでした。ディスコは、2026年3月第2四半期決算が伸び悩んだことが嫌気され株価は下落しました。日本マイクロニクスは、2025年12月期第3四半期の受注が市場期待値を下回ったため株価は大きく下落しました。楽天銀行は、今後の成長率鈍化懸念から株価が下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、株価が大きく上昇した清水建設、カヤバなどの組入比率を引き下げました。一方で、株主還元期待が高い三菱地所や2026年3月期の業績上振れが期待できるゴールドウインなどの組入比率を引き上げました。ショート・ポジションにおいては、新製品の拡大期待で株価が大きく上昇した美容家電のファブレス会社の新規売り建てを開始しました。一方で、自動車販売の回復で株価のボトムアウトが期待される中堅自動車会社や株価下落で割高感が解消された中古車クレジット会社、ヘルスケア系人材紹介会社を買い戻しました。
当月は、直近組入比率を引き上げている「ゴールドウイン」についてご紹介します。
同社は1951年創業の日本のアパレルメーカーで、日本および韓国で商標権を保有する「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」を代表ブランドとしています。その品質と機能性は高く評価され、アウトドアファンから長年支持を集めています。同社のブランド力を示す指標の一つに、「販売ロス率」があります。同社における販売ロス率とは、総売上高に占める値引きおよび返品の割合を示すもので、2025年3月期はわずか1.4%にとどまりました。これはほとんどの製品を売れ残りなく定価で販売できていることを意味しており、同社のブランド力の高さを裏付ける数字と言えます。
一方で、同社の株価は2023年6月にピークをつけて以降、下落基調に転じています。2020年以降、新型コロナウィルス感染回避の観点からアウトドア・アクティビティが人気化して、同社業績の追い風になりました。しかし、ブームの沈静化に加え、近年の暖冬が売上構成比の高い冬物需要を押し下げ、成長の鈍化を余儀なくされました。さらに、2026年3月期第1四半期の業績は減収を記録し、同社に対する成長期待は後退しました。
しかしながら、当ファンドでは以下2点から同社の成長鈍化は一時的であり、再び成長路線に回帰すると考えています。1点目は、「THE NORTH FACE」の商品構成の改善です。2026年3月期は、主力のアウトドア向けアパレルに加え、トレイルランニングシューズ「VECTIV」やファッション寄りの「THE NORTH FACE Purple Label」が強化され、新たな成長ドライバーになる可能性が高いとみています。2026年3月期第1四半期業績では限定的な寄与でしたが、通期ではその効果が数字に表れると考えています。2点目は、オリジナルブランド「Goldwin」が中国で本格的な成長フェーズに入ったことです。当ファンドでは、「Goldwin」を「日本のクラフトマンシップと高性能にこだわった高価格帯ブランド」と理解しています。近年、「Goldwin」ブランドの売上が伸びていますが、その牽引役は中国です。中国の店舗数は、2024年時点の4店舗でしたが2025年10月末時点では8店舗に倍増しており、2033年には70店舗へ拡大する計画です。これまで、「Goldwin」ブランドは同社売上に占める割合が限定的で投資家からの注目度は高くありませんでしたが、今後は売上成長と収益貢献度の上昇を背景に、同社全体の成長ドライバーとして評価が高まると考えています。
当月発表された2026年3月期中間決算は、前四半期とは打って変わって増収に転じ、当ファンドの投資仮説を裏付ける結果となりました。
日本株式市場は、インフレ経済の定着による資産インフレや企業収益の改善期待を背景に、年初来大きく上昇しています。関税影響が一巡する来期には企業業績の改善が見込まれることから、中期的には更なる株価上昇が期待されます。またAlphabet社(Googleの持株会社)の「Gemini3」をはじめとする新たな技術は、AI関連市場の中期的な成長を後押しすると考えられます。AI関連銘柄は短期的には過熱感があるものの、中期的な視点では引き続き注目に値するとみています。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年10月の運用コメント
株式市場の状況
2025年10月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比6.20%上昇、日経平均株価は同16.64%上昇いたしました。
月前半は、米政府機関の一部閉鎖懸念を背景に軟調なスタートとなりましたが、高市早苗氏が自民党総裁に就任すると、市場では積極財政や成長戦略への期待が高まり、「高市トレード」と呼ばれる株高・円安の動きが急速に進行しました。月半ばにかけては、公明党の連立離脱報道が伝わり、政局不安が広がりました。さらに、米国による対中追加関税発表とそれに対する中国の報復措置が加わり、リスクオフムードが強まったことで、日経平均株価は一時急落しました。その後、一転して日本維新の会との連立協議入り報道を受けて政局の不透明感が後退し、米SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)の上昇も追い風となり、相場は反発に転じました。
月後半には、米中貿易摩擦の再燃や米地銀の信用不安が断続的な重荷となり、短期的な過熱感から一時的な調整局面もみられたものの、20日に自民党と日本維新の会が正式に連立合意に至り、高市新政権の誕生を受けて政策期待が一段と高まったことから市場は再び上昇基調となりました。
月末にかけては、FOMC(米連邦公開市場委員会)で予想通り0.25%の利下げを決定した一方、FRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を受けて12月の追加利下げ観測は後退しました。また、日銀の金融政策決定会合では利上げが見送られ、追加利上げに慎重な姿勢が示されたことで円安基調が継続しました。さらに、米中協議の進展や中国によるレアアース輸出規制延期が好感され、リスク選好姿勢が一段と強まりました。こうした環境下で、アドバンテストの好決算やレーザーテックの大幅株高など、AI(人工知能)・半導体関連株が連日上昇し、日経平均株価も連日で史上最高値を更新しました。結果として、指数間の上昇率の差が広がりながらも、日本株式市場は前月末比で大幅高の水準で10月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.23%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、アドバンテスト、日本マイクロニクス、フジクラなどでした。いずれの銘柄も、データセンターを中心とする生成AI(人工知能)の長期的な拡大期待から株価は上昇しました。とりわけ アドバンテストは、2026年3月期業績予想を大幅に引き上げたため大きく上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、DMG森精機、ライズ・コンサルティング・グループ、ニトリホールディングスなどでした。DMG森精機は、2025年12月期の営業利益を下方修正したことで株価は下落しました。ライズ・コンサルティング・グループは、2026年2月期第2四半期決算の営業増益率が、前四半期に比べ鈍化したことが嫌気され株価は下落しました。ニトリホールディングスは、既存店売上高が商品リニューアル後も低調に推移していることに加え、副社長が期中に退任しマネジメントが混乱しているとの思惑から株価は下落しました。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「TOTO」についてご紹介します。
TOTOは、衛生陶器を中心とした住宅設備機器メーカーです。高品質な陶磁器技術と水回り製品の開発力を強みに、トイレや洗面台などの住宅・商業施設向け製品で国内における高いシェアを堅持しています。環境負荷の低減や快適性の向上を目的とした製品開発を進める一方、半導体製造分野では、精密加工技術を応用した静電チャックなどの高機能セラミックス製品を展開しています。これにより、衛生陶器メーカーとしての枠を超え、先端産業向け素材・部品分野へと事業領域を拡大しています。
同社は、住宅設備事業の軟調な見通しや中国事業の収益性悪化が懸念されており、株式市場では大きくディスカウントされています。一方で、今後中長期的に業績拡大の鍵を握るのは、半導体製造装置に使用される「静電チャック」であると思われます。静電チャックは、半導体製造装置内でウエハを静電力によって固定するセラミックス部品であり、高い加工精度と熱伝導性が求められます。同社は、長年培ってきたセラミックス技術を活かし、高耐久・高平坦度の静電チャックを製造しており、国内有数の供給メーカーとしてグローバル装置メーカー向けに高いシェアを有しています。2025年3月期の利益の約4割は、半導体製造装置向け静電チャックを含むセラミック事業で構成されており、同事業の利益率は40%超と非常に高水準です。来期以降は、NANDを中心とした半導体製造工程のマイグレーションや投資の増加により、同社が恩恵を受ける可能性があると考えています。
当ファンドでは、現時点での株価バリュエーションは過去10年間と比較しても割安圏にあり、AI(人工知能)サーバー需要の増加に伴う半導体メモリ市場の拡大を踏まえれば、業績は再び高成長軌道に乗ると考えています。
米国経済が堅調に推移していることに加え、高市政権の経済政策へ期待が高まっており、当月日経平均株価は連日史上最高値を更新しました。高市政権の経済政策が遂行されると国内のインフレがより強まる可能性が高く、株式や不動産などの資産価格にとってはポジティブと考えています。安定的なインフレ経済は企業収益にとってもポジティブであり、日本株式のバリュエーションが切り上がることにつながるとみています。一方で急ピッチな上昇が続くAI関連株については投資指標面で過熱感があり、短期的な株価調整に注意する必要があると考えます。引き続き株式市場の短期的な変動に惑わされることなく中期的な視点での銘柄選別に努めてまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年9月の運用コメント
株式市場の状況
2025年9月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比2.98%上昇、日経平均株価は同5.18%上昇いたしました。
月前半は、Alibaba Group Holding社(中国)による新AI(人工知能)チップ発表をきっかけに米中の技術競争激化が意識され、米国のAI関連株が軟調となり、日本株式市場でもハイテク株中心に下落いたしました。その後、トランプ米大統領が日米間の自動車関税引き下げを盛り込んだ大統領令に署名したことが安心感につながり、相場は持ち直しました。
月半ばにかけては、米国雇用統計が市場予想を下回り、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測が高まったことや、石破茂首相の辞任表明を受けて次期政権への政策期待から日本株式市場は上昇しました。米国株式市場では半導体やAI関連銘柄が市場を牽引し、日本株式市場でも関連株の物色が広がったほか、その他幅広い銘柄に買いが波及しました。日経平均株価やTOPIXは高値更新を続け、相場上昇のモメンタムが継続しました。
月後半は、FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げ再開の決定と年内の継続的な利下げ見通しが示されました。翌日の日銀金融政策決定会合では、政策金利は据え置かれたものの2名の審議委員が利上げを提案し10月の利上げ確率が上昇した他、保有するETF(上場投資信託)の売却を決定したことで指数が一時急落しましたが、売りが一服すると下げ幅を縮め、相場は底堅さを維持しました。
月末にかけては、米国経済指標が堅調だったことから米国の積極的な利下げ期待が後退し、米国株が反落した流れが波及した他、自民党総裁選を控えていることなども重なって日本株式市場は軟調に推移しましたが、月全体としては前月末対比大幅高の水準で当月の取引を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.60%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、村田製作所、アドバンテスト、日本マイクロニクスなどでした。村田製作所は、主力製品の積層セラミックコンデンサー(MLCC)の回復期待から株価は上昇しました。アドバンテストと日本マイクロニクスは、データセンター投資の増加を受け、半導体に対する強気な見方が拡大したことから株価は大きく上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、SBIホールディングス、I-ne、SHIFTなどでした。SBIホールディングスは、暗号資産関連株急落の影響を受けて株価は下落しました。I-neは、上期にリニューアルしたヘアケア製品の販売が低調に推移しているため2025年12月期会社業績計画の未達懸念から株価は下落しました。SHIFTは、10月に発表予定の2026年8月期業績ガイダンスに対する警戒感から株価は下落しました。
当月は、新規に投資を開始した「フジクラ」についてご紹介します。
同社は光部品、光ケーブル、光ファイバ融着接続機などデータセンターの拡張に必要不可欠な部材で高い市場シェアを有しており、2025年3月期は通信関連事業の利益が全社利益の約7割を占めています。
同社は、業界で最も光ファイバ心線数の多い超多心ケーブルの量産に成功しており、約13,800本のファイバケーブルを一本の通信ケーブルとしてサーバーに接続することが可能です。同社はこの超多心ケーブルに関する特許を取得しており、競合他社と比較して構造上の優位性を生かした超多心化を可能としています。また、これらの超多心ケーブルを効率的に接続可能なコネクタや融着機の製造も行っています。
データセンター向けの光ファイバ接続は、長期的には現在の10倍以上になると言われており、当ファンドでは少なくとも今後3年間で2倍程度に需要が増加すると予想しています。一方で、同社の株価は増産計画の未発表や、過去の電線各社の株価暴落の経験から、成長期待に対して比較的割安な水準にとどまっていると考えています。しかし、今後AI(人工知能)モデルのパラメータ数が増加するにつれて必要なデータ通信容量が大幅に増加し、通信ケーブルの需要拡大も継続すると考えています。今回の需要の増加は、過去の中国でのコモディティ通信関連製品の需給ひっ迫による業績の拡大やITバブルによる一時的な需要の増加とは異なる、大きな構造的な変化ととらえております。したがって、中期的な成長力に対し、同社の株価は評価不足と判断し、投資を開始しました。
米国経済は堅調に推移しており、リセッションの懸念は後退しています。国内経済もインフレの定着により安定成長に入ったと考えています。企業の業績は関税影響により今期は伸び悩むものの、来期以降は業績の拡大局面に入るため、今後株式市場では業績の実績をベースとした株価形成がなされるとみています。一方、市場のリスクは国内の消費が伸び悩んでいる点で、消費関連株には注意が必要と考えています。引き続き中期的な視点での銘柄選別に努めてまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年8月の運用コメント
株式市場の状況
2025年8月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比で4.52%上昇、日経平均株価も同4.01%の上昇となりました。
月前半は、米国の雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想を下回り、労働市場の軟化が意識されたことで米国株が急落しました。その影響を受けて日経平均株価も急落し、一時4万円を割り込む場面もありましたが、雇用統計の弱さが米国利下げ期待を高め、世界的な株高を誘発しました。加えて、国内では主要企業の好決算により企業業績の底堅さが再認識され、日本株式市場は一段と騰勢を強める展開となりました。こうした強い上昇基調のなか、月半ばにはトランプ米大統領が対中相互関税の一部を再び90日間延期すると発表し、投資家心理に安心感を与えたことから株式市場は続伸し、日経平均株価は連日史上最高値を更新しました。
その後、月後半にかけてはジャクソンホール会議を控え様子見ムードが広がり、利益確定売りも重なって調整色が優勢となりました。ジャクソンホール会議では、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の講演が9月の利下げ観測を一段と強めるものとなったほか、米国のNVIDIA社が中国向け輸出に関する不安を残しつつも堅調な決算を発表したことも市場を支え、米国株式市場は堅調に推移し、日本株式市場も底堅い動きを見せ、前月末比で大幅高となって当月を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.87%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、清水建設、SBIホールディングスなどでした。楽天銀行は、2026年3月期第1四半期決算で、金利上昇を追い風に業績が大きく伸長したことを好感され、株価は上昇しました。清水建設は、前月発表された2026年3月期第1四半期決算で、受注採算の改善によって収益性が大きく改善していることを評価され、株価が上昇しました。SBIホールディングスは、円建てステーブルコイン発行の初認可に関する報道があったことで、同事業の展開に先行していることが評価され、株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ライズ・コンサルティング・グループ、MARUWA、ペプチドリームなどでした。ライズ・コンサルティング・グループは、特段の悪材料はないものの、4月以降大きく上昇した反動で株価は下落しました。MARUWAは、2026年3月期第1四半期決算で、車載用途などデータセンター向け以外のセラミックス製品の売上が低調だったことを嫌気され、株価は下落しました。ペプチドリームは、マイオスタチン阻害薬などの導出交渉が遅れていることで、2025年12月期業績の未達懸念が高まり株価は下落しました。
当月は、中長期的な成長を期待して投資を開始した「ヒット」についてご紹介します。
同社は1991年に設立された屋外デジタル広告の運営に特化した企業で、本年7月に東証グロース市場に上場しました。主に繁華街のビル屋上や壁面を賃借し、デジタルサイネージを設置して顧客の広告を配信しています。渋谷ハチ公前広場の「シブハチヒットビジョン」に代表されるように、同社のデジタルサイネージは人流が非常に多く、ブランド訴求効果の高い立地に集中している特徴があります。
当ファンドでは、同社の独自のビジネスモデルに基づく高い収益性と持続的な成長力に注目しています。デジタルサイネージは、一つの広告を掲載し続けるアナログ広告とは異なり、秒単位で広告を切り替えることができるため、1媒体を複数の広告主に販売できる柔軟性を備えており、これにより媒体ごとの収益最大化を図っています。さらに、同業他社の多くが代理店経由での販売に依存するなか、同社は一部案件を直販営業で獲得し、広告主との直接的な関係を築きながら中間マージンを削減し、営業利益率を押し上げています。
今後の成長については、インフレ環境と大都市圏への人口集中により既存の主要媒体(渋谷、表参道、池袋など)の価値向上が期待できるほか、関西圏を含む新規開発案件による運営媒体数の拡大が見込まれます。さらに、薄型・軽量なLEDディスプレイの普及により、従来設置が難しかった省スペースのビル壁面などにも媒体展開の可能性が広がっている点も成長要因です。以上の観点から、当ファンドでは同社を高い収益性と持続的な成長ポテンシャルを兼ね備えた有望な投資先として評価し、投資を実行しています。
当月は、内需や素材などの出遅れバリュー株の物色が進むなか、ロング・ポジションの銘柄選択効果がマイナスになりパフォーマンスは苦戦しました。当月の日本株式市場の上昇により、全体的なバリュエーション水準の訂正は一巡し、今後は企業ごとの業績をベースにした株価形成になると見ております。日本株式全体のバリュエーションは期待先行で切り上がっており、さらなる上昇には企業業績の拡大が不可欠と考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年7月の運用コメント
株式市場の状況
2025年7月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比3.17%上昇、日経平均株価も同1.44%の上昇となりました。
月前半の日本株式市場は、前月末の急騰を受けた利益確定売りが優勢となるなか、米国による相互関税の動向や参議院議員選挙で与党が苦戦するとの見通しなど、先行きへの不透明感が強まり、株価の動きは限定的となりました。また、米NVIDIAによる中国向けAI半導体の輸出再開報道や、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長解任を巡る話題など、強弱入り混じる材料が相次いだこともあり、株式市場は方向感に乏しく、もみ合いが続く展開となりました。
月後半に入ると、20日に実施された参議院議員選挙では、与党が非改選議席と合わせても過半数を獲得できなかったものの、市場では想定内の結果と受け止められたため、連休明けの22日の株式市場への影響は限定的に留まりました。翌23日には、日米通商交渉の合意が報じられたことで株価が一気に押し上げられ、24日のTOPIXは過去最高値を更新し、日経平均株価も急騰する展開となりました。その後は、急ピッチな株価上昇に対する過熱感から一時的な調整が入ったものの、月末には米ハイテク銘柄の好決算の影響などを受けて反発し、日本株式市場は前月末比で大幅高となって当月を終えました。
ファンドの運⽤状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.17%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、サスメド、MARUWA、ライズ・コンサルティング・グループなどでした。サスメドは、厚生労働省薬事・食品衛生審議会プログラム医療機器調査会において、同社の不眠障害用プログラムの製造販売承認事項一部変更承認申請が承認されたことで株価は上昇しました。MARUWAは、世界的なデータセンターの投資拡大を受けた同社の放熱セラミックス製品の需要拡大への期待から株価は上昇しました。ライズ・コンサルティング・グループは、2026年2月期第1四半期の業績が会社予想に比べて好調な進捗だったことを評価されて株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、セブン&アイ・ホールディングス、富士通、SHIFTなどでした。セブン&アイ・ホールディングスは、カナダの流通大手Alimentation Couche-Tard社が買収提案を撤回したことで、経営改善のスピードが鈍化することを懸念して株価は下落しました。富士通は、英国の郵便局での会計システムの欠陥による冤罪事件に関する報告書において、原因となった会計システムを納入した同社などに対して被害者への迅速な救済を求められたことが影響し、株価は下落しました。SHIFTは、2025年8月期通期連結業績予想を上方修正したものの、市場予想に届かなかったため株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、インバウント顧客の購入金額の減少で今期業績未達懸念が高まった三越伊勢丹ホールディングスを全売却しました。
当月は、前月から投資を開始した「SBIホールディングス」についてご紹介します。
同社は、インターネットを基盤とする総合金融サービスグループです。2023年後半より、国内株式の売買手数料を一定の条件下で無料化する「ゼロ革命」を開始したことで、一時的に収益性の低下を懸念する声もありました。しかし、当ファンドでは以下の3つの観点から、SBIホールディングスを高く評価しています。
第一に、銀行・証券を中核とする金融事業の利益成長です。2021年末に子会社化したSBI新生銀行は、グループの総合力を活かして預金残高を拡大し、地域金融機関向けの法人ビジネスも着実に伸長させることで、事業規模・収益力ともに改善しています。証券事業においても、「ゼロ革命」による収益圧迫の懸念を乗り越え、証券口座数や預かり資産の拡大を背景に、事業利益は再び成長軌道に戻っています。
第二に、プライベート・エクイティ(PE)投資事業における将来の利益成長です。同社は2015年以降、フィンテックやAIなど成長が見込まれる分野に積極的に投資を行っており、一部ではすでにIPOやM&Aを通じて収益化が始まっています。今後もさらなる上場や売却によって、これらの投資先の潜在価値が顕在化していくことが期待されます。
第三に、顧客基盤の拡大による「SBI経済圏」の成長です。同社は単なるインターネット金融企業に留まらず、「第4のメガバンク構想」のもと、SBI新生銀行を中核として地方銀行との資本・業務提携を推進し、地域経済への影響力を強めています。また、Vポイントとの連携や、2025年に予定されている住信SBIネット銀行のNTTドコモへの売却を契機としたNTTグループとの資本・業務提携など、エコシステムの拡充が加速しています。加えて、PE投資で先行している暗号資産やブロックチェーン関連事業との相互補完により、SBI経済圏を基盤とした将来的な収益機会は一層強化されると見込まれます。
さらに、2025年当月末にはSBI新生銀行が長年の課題であった公的資金を完済し、同時期に東京証券取引所への上場を申請しています。SBIホールディングスの現在の株価評価は、従来型の証券会社と同水準に留まっていますが、SBI新生銀行の上場や住信SBIネット銀行の売却などによる既存投資の回収と、新たな成長投資への展開が進むことで、市場での評価が見直され、投資機会が広がると考えています。
米国による日本や欧州などへの関税率が決定したことで、関税交渉による不透明要素が薄れ、今後は関税による米国経済への影響や日本の企業業績を精査する局面に入ります。株式市場では楽観的な見方が広がっていますが、15%関税率により悪影響を受ける日本企業は少なくないため、引き続き慎重な投資スタンスで運用してまいります。長期的な株価を決定するのは企業業績であると考えるため、ロングサイドは長期的に業績拡大が期待できる銘柄を選別してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年6月の運用コメント
株式市場の状況
2025年6月、日本株式市場の代表的な指数であるTOPIX(配当込み)が前月末比1.96%上昇、日経平均株価も同6.64%の上昇となりました。
全体としては、米国の関税政策や地政学的リスクの動向に市場が影響を受ける場面も見られたものの、外部環境の改善や米国金融緩和への期待を背景に、リスク選好姿勢が強まった月となりました。
月前半から月半ばにかけての日本株式市場は、米国の関税政策や景気減速への懸念から軟調に推移しましたが、堅調な米雇用統計や米半導体関連株の上昇を受け、市場は持ち直しました。しかし、イスラエルがイランを攻撃したとの報道によって中東情勢への懸念が高まり、一時的にリスク回避の動きが市場を下押ししました。一方で、日銀が政策金利据え置きと国債買い入れ減額ペースの緩和を示し、米連邦公開市場委員会(FOMC)でも政策金利が据え置かれたことが投資家心理を下支えし、外部要因に振らされながらも市場はもみ合いを続けつつ、徐々にレンジを切り上げる展開となりました。
月後半にかけては、中東情勢の激化や米国によるイラン核施設への空爆報道により、一時的にリスク回避ムードが広がりましたが、その後は地政学的な懸念が早期に沈静化したことや米国株式市場の反発を受けて、日本株式市場も上昇基調に転じました。さらに、トランプ米大統領の停戦に関する発言や米連邦準備制度理事会(FRB)高官による利下げ示唆が投資家心理を押し上げ、リスクオンムードが広がりました。値がさ半導体関連株が相場をけん引し、配当権利落ちに伴う再投資の需要も追い風となり、日経平均株価は年初来高値を更新しました。株式市場全体も前月末比で大幅に上昇して当月を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.69%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、良品計画、アドバンテスト、日本マイクロニクスなどでした。良品計画は、2025年8月期の通期業績予想を上方修正したことに加え、MSCI日本株指数構成銘柄への採用期待から株価が上昇したと考えられます。アドバンテストと日本マイクロニクスは、世界的な半導体需要の回復期待から株価が大きく上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、楽天銀行、第一三共、マネジメントソリューションズなどでした。楽天銀行は、前月株価が大きく上昇した反動と長期金利が低下傾向であったことが嫌気され株価は下落しました。第一三共は、抗がん剤「ダトロウェイ」が肺がんへの適応での米国迅速承認を取得したものの、前月にトランプ米大統領が打ち出した米国医薬品の「最恵国待遇価格目標(薬価引き下げ政策)」による業績悪化懸念から株価は下落しました。マネジメントソリューションズは、2025年12月期1四半期業績は大幅な増収増益になったものの、同第2四半期は自動車関連案件の縮小で減益になることが懸念され株価は下落したと考えられます。
当月、ロング・ポジションにおいては、短期的な利益率悪化見通しを発表したルネサスエレクトロニクス、株価上昇で割安感が薄れたと判断したウイングアーク1stなどを全売却しました。一方で、半導体関連株の中で出遅れが顕著な信越化学工業、公的資金を完済したことでSBI新生銀行の再上場が期待されるSBIホールディングスなどの新規投資を開始しました。
当月は、中小型成長株として投資を行っている「ライズ・コンサルティング・グループ」についてご紹介します。
同社は、2023年9月に東証グロース市場へ上場した新興の総合コンサルティング会社です。あえてサービス領域を限定せず、顧客企業の成長に必要な支援をハンズオンで提供しています。このアプローチは、業界大手のベイカレントに類似したビジネスモデルといえます。
上場後、事業基盤の整備のための人員増強により利益成長が一時的に鈍化し、株価は低迷しました。また、筆頭株主だった未公開株ファンドの持ち株売却懸念も株価の重石になっていたと考えられます。しかし、このような中で同社は2025年4月にソフトウェアテスト大手のSHIFTと資本業務提携を締結し、当該ファンド保有株をSHIFTが取得した結果、潜在的な売り圧力が解消されました。さらに、その後の決算説明会で同社初となる中期経営計画を発表したことで、株価は大幅に上昇し上場来高値を更新しました。
当ファンドでは、IT人材が豊富なSHIFTとの提携により、これまで以上にITコンサルティング案件の受注が加速するとみており、従来を上回る売上成長が期待できると考えています。一方、現状の市場コンセンサスは依然として業界平均並みの成長と評価する向きが大勢です。当ファンドの投資仮説のとおり、ITコンサルティング領域の強化により、業界平均を上回る成長が実現できれば、株価の上昇余地は大きいと判断しています。
イラン・イスラエルの紛争勃発など地政学的リスクが高まる中、米中貿易協議の進展期待やFRBの早期利下げ観測の高まりなどにより世界的に株式市場は大きく上昇しています。米国関税問題は株式市場では楽観的な見方が広がっていますが、問題解決には不透明な要素も多く、株式市場のボラティリティは今後も高水準で推移することが予想されため、慎重な投資スタンスで運用してまいります。長期的な株価を決定するのは企業業績であり、ロングサイドは長期的に業績拡大が期待できる銘柄へ選別投資してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年5月の運用コメント
株式市場の状況
2025年5月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)が前月末比5.10%の上昇、日経平均株価も同5.33%の上昇となりました。当月の日本株式市場は、月前半に大幅上昇した後、月半ばに調整を挟みつつも月後半にかけて持ち直し、レンジ内での回復基調を維持したまま当月を終えました。
月前半は、前月末から続く米国の関税交渉進展への期待が支援材料となったことや、日銀が展望リポートで実質GDP成長率と物価上昇率の見通しを下方修正し追加利上げに慎重な姿勢を示したことや進行した円安も相まって、株式市場は堅調に推移しました。こうした中、米英貿易協定の合意や米中双方による市場の想定以上の関税率の引き下げを受け、指数は大幅に上昇しました。月半ばには好材料が一巡したことに加え、円高・ドル安の進行や、米国債格下げをきっかけに米国の財政悪化懸念が高まったことも相場の重荷となりました。月後半にかけては、米国による対EU追加関税の延期や、日本国内での超長期国債発行計画の見直し観測による円安の進行等により主力株を中心に買いが入り、日本株式市場は再び上昇に転じました。さらに、28日に米国際貿易裁判所がトランプ政権の関税政策を違法と判断し関税の差し止めを命じたことを受けて円安が加速し、株式市場も大幅高となりました。しかしその後、米連邦巡回区控訴裁判所が関税差し止めの執行を一時的に停止する判断を下したことでドル円相場とともに株式市場は反落しました。
結果として、米国の関税政策をめぐる不透明感に振り回されながらも、日本株式市場は前月末比で上昇して取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐3.98%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、良品計画、三菱UFJフィナンシャル・グループなどでした。楽天銀行と三菱UFJフィナンシャル・グループは、長期金利が再度上昇に転じたことが好感され株価は上昇しました。良品計画は、小売りセクターの中で、国内外ともに前月の既存店売上高が好調に推移していることが評価され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ペプチドリーム、ニトリホールディングス、リガク・ホールディングスなどでした。ペプチドリームは、2025年12月期第1四半期決算の営業赤字幅が前年同期比で拡大したことが嫌気され株価は下落しました。ニトリホールディングスは、今期の為替予約を147円台で実施したため、円高時の原価低減効果が限定的になったことで株価は下落しました。リガク・ホールディングスは、市況要因等により多目的分析機器事業の売上が大幅に減少しており、2025年12月期業績予想の未達懸念から株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、半導体銘柄の選別の一環として大阪有機化学工業などを全売却しました。
当月は、当ファンドのパフォーマンスに大きくプラスに寄与した「楽天銀行」について、足元の業況をご紹介します。
同社は、楽天グループのフィンテック部門における主要な金融事業会社であり、国内最大規模のインターネット専業銀行です。当ファンドでは、従来型の銀⾏とは一線を画す独⾃のビジネスモデルによる⾼ROE(株主資本利益率)と中⻑期的な成⻑性に着目し、当ファンド設定時より投資を継続しています。
2025年3月期の前半は、楽天グループのフィンテック部門の再編が検討され始めたことによる先行費用の計上が嫌気され株価は低迷しました。しかし、その後は2024年3月および7月の日銀による利上げの恩恵を受けて業績拡大が加速したことに加え、9月末にフィンテック部門の再編が取り止めになったことが公表され、株価は上昇に転じました。
2025年3月期実績は、前年同期比で経常収益が33.7%増、経常利益が47.8%増と大幅な増収増益となりました。また、2026年3月期の業績予想は、前年同期比で経常収益33.7%増、経常利益27.5%増が示されました。いずれも、従来型の銀行だけではなく他のインターネット専業銀行を大きく上回る成長率です。金利がある世界では、銀行業にとって預金の獲得が成長の源になりますが、1億IDを超す楽天経済圏の会員にアクセスできることで他社と差をつけています。
同社の株価バリュエーションはその独自性に株式市場の注目が集まる中で切り上がってきました。しかしながら、当ファンドでは、同社の中長期的な成長余地、今後の利上げによる収益の上乗せの可能性を鑑みて、引き続きポートフォリオ上位で保有を継続する方針です。
トランプ米大統領による関税引き上げが実施されましたが、各国による二国間交渉が始まったことで関税への過度な懸念は払拭されつつある印象です。関税交渉が成立したのは英国などごく一部にすぎないため、不透明な部分は残るものの、最悪のシナリオは一旦織り込んだと考えます。一方で、関税影響の少ない内需株と関税影響の大きい外需株との株価バリエーションの格差は広がっています。前月までは関税影響の少ない内需関連銘柄の比率を引き上げてきましたが、今後は内需、外需問わず競争力の高いと考えられる会社に投資してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年4月の運用コメント
株式市場の状況
2025年4月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.33%の上昇、日経平均株価は同1.20%の上昇となりました。当月の日本株式市場は、米国の通商・金融政策を巡る不透明感に大きく揺さぶられる展開となりました。
月前半には、米国においてスタグフレーション(景気の後退と物価の上昇が同時進行する経済状況)の懸念が強まる中、トランプ政権が全世界を対象とした最大50%の「相互関税」を発表し、中国やEUが即座に報復措置を講じたことで、世界的にリスク回避の動きが広がりました。これを受けて、日本株式市場は大幅な下落となり、先物市場では「サーキットブレーカー」が発動されるなど、市場の混乱が際立ちました。その後、9日に米政府が一部関税の90日間一時停止を発表すると、過度な悲観ムードが和らぎ、市場は急反発しました。ただし、翌10日には米国が対中関税を累計145%まで引き上げる方針を明らかにしたことで、市場は再び警戒感を強めました。加えて、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを要求し、パウエル議長の解任懸念が浮上したことにより、FRBの独立性に対する不信感が高まりました。この影響で、米国市場では株式・債券・ドルがそろって下落する「トリプル安」となり、日本株式市場でも上値の重い展開が続きました。
一方、22日にはベッセント米財務長官が「関税は持続不可能」との見解を示したほか、23日にはトランプ米大統領がパウエル議長の解任を否定したとの報道が伝わったことで、市場には安堵感が広がり、日本株式市場も上昇に転じました。さらに、対中国の関税率を見直す旨の報道も好感され、米中対立の緩和への期待からリスクオン姿勢が続き、日本株式市場は前月末比で上昇して当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.66%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、良品計画、ライズ・コンサルティング・グループ、清水建設などでした。良品計画は、国内外で既存店売上高が好調に推移しており、2025年8月期業績予想を上方修正したことが好感され株価は上昇しました。ライズ・コンサルティング・グループは、SHIFTと資本業務提携を発表したことや引き続き力強い成長を見込む2026年2月期業績予想が開示されたことで株価は上昇しました。清水建設は、2025年3月期通期業績を上方修正したことが好感され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、楽天銀行、ペプチドリームなどでした。
三菱UFJフィナンシャル・グループと楽天銀行の2社は、トランプ政権の関税の影響で景気の先行きに対する不安が高まり金利の先高観が薄れたことで、業績改善に対して懸念が高まったことから株価は大きく下落しました。ペプチドリームは、特段の悪材料はなかったものの、トランプ米大統領により医薬品業界に対する関税が発表されるとの懸念から、株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、中国での販売が苦戦しているファーストリテイリング、業績悪化が続くリックソフトを全売却しました。一方で、円高による粗利率の改善が期待されるニトリホールディングス、人材採用と稼働率の改善が進むSHIFT、株価下落で割安感が強まったギフトホールディングスを新規に組み入れました。
当月は、新規に投資を開始した「SHIFT」についてご紹介します。
SHIFTはソフトウェアテストと品質保証に特化したIT関連企業です。ソフトウェアテストとは、ソフトウェアが仕様通りに動作するかを検証する工程を指します。この工程は主にソフトウェア開発会社の内製で行われていますが、人手不足や第三者による客観性という観点から外部委託へ移行する動きがあり、同社はこの流れをとらえて高成長を続けてきました。同社によると、日本におけるソフトウェアテストの外注比率は依然として1%程度に留まっており、今後の成長余地は極めて大きいことがわかります。さらに、近年ではテスト業務に留まらず、システム開発業務にも進出するなど事業領域の拡大を進めています。
同社の成長の原動力は、安定的にかつ高品質なエンジニアリソースの確保にあります。これは、IT未経験者を対象とした独自の適性検査による大量採用と、その後の社内教育・研修制度により短期間でのスキルアップを可能にしていることに起因していると当ファンドでは考えています。
2024年8月期は人材採用を積極化しすぎたことによる稼働率の低下で業績が鈍化し、株価の急落を招きました。しかし、2025年8月期の中間決算では、採用を一時的に抑制し、受注案件を選別することで収益性の回復が確認されました。当ファンドでは、国内におけるソフトウェアテストの外注率上昇という構造的な追い風の下、同社の中長期的な高成長が続くと見込み、投資を開始しました。
トランプ米大統領による関税引き上げの発表や米国経済指標の悪化により、米国経済の先行き不透明感が広がり株式市場は一時大きく下落しました。しかし、米国債の下落を受け、トランプ政権が関税策について柔軟な姿勢を示したことで安心感が広がり株式市場は反発しています。関税の内容は流動的なため、株式市場の変動率は高い状態が続くことが予想されますが、悲観は織り込み一旦は底をついたと考えています、企業業績は、関税率によって短期的に変動が大きくなりますが、長期的にはグローバル競争力の有無が重要と捉えています。引き続き内需、外需問わず競争力の高いと考えられる企業に投資してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年3月の運用コメント
株式市場の状況
2025年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.22%の上昇、日経平均株価は同4.14%の下落となりました。当月の日本株式市場は、米国の関税政策に対する不安や地政学的リスクの影響を受けて投資家心理が動揺し、荒い値動きが続きました。
月前半にはトランプ米大統領の相次ぐ関税発動によって世界的な景気減速懸念が台頭し、景気敏感株を中心に日本株式市場は大きく下落しました。
月半ばには植田日銀総裁の利上げ継続を示唆する発言、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)の大幅上昇、ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの後退などに加え、ウォーレン・バフェット氏が率いる米国Berkshire Hathaway社による日本の商社株の保有増が好感されてバリュー株を中心に買いが集まり、日経平均株価が弱含むのに対してTOPIXは底堅く推移し、日経平均株価をTOPIXで除したNT倍率は5年ぶりの低水準となりました。
月後半に入ると、トランプ米大統領が輸入車に対して一律25%の関税を課すと発表したことで自動車株や半導体株が大きく売られ、リスク回避ムードが強まりました。さらに、米国で物価上昇と景気停滞が同時に起きる「スタグフレーション」への懸念が一層強まり主要株価指数が大きく下落したことを受け、日本株式市場もほぼ全面安となり、日経平均株価は約7か月半ぶりの安値で当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.42%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三菱地所などでした。
楽天銀行と三菱UFJフィナンシャル・グループの2社は、消費者物価や春闘での賃金引上げがそれぞれ継続的かつ循環的に上昇していることを背景に、中期的な金利上昇期待が高まったことを好感し、株価が上昇しました。三菱地所は、同業他社に対してアクティビスト投資家が投資を開始したことをきっかけに、保有不動産の時価に対して株式時価総額が割安に評価されている状態に注目が集まり、株価が上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクス、村田製作所などでした。アドバンテストは、米国でのデータセンター投資抑制報道を受け、来期以降の業績減速懸念から株価が下落しました。ルネサスエレクトロニクスは、供給契約を結んでいる米国Wolfspeed社の株価が資金繰り懸念から大幅に下落したことをきっかけに同社の株価も連れ安しました。村田製作所は米国の追加関税措置への懸念から株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、業績回復が想定以上に遅れているフロンティア・マネジメントやトライト、半導体の在庫調整影響を受ける東洋炭素などを全売却しました。一方で、GLP-1受容体作動薬(糖尿病や肥満治療薬の有効成分)の原料の拡大により業績が再成長期に入った大阪ソーダなどを新規に組み入れました。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「大阪ソーダ」についてご紹介します。
大阪ソーダは、基礎化学品や機能化学品を中心に展開する化学メーカーですが、近年はヘルスケア事業が特に急速な成長をみせています。
同社はGLP-1受容体作動薬(糖尿病や肥満治療薬の有効成分)の原料となる、液体クロマトグラフィー用シリカゲルの製造に携わっています。GLP-1市場の旺盛な需要に対応すべく、欧米の大手製薬会社からの要請に基づき増産の前倒しと追加増産を計画しております。2024年12月時点で、2024年から2025年にかけて生産キャパシティは2倍に増強される予定で、その後の追加の増産も検討されております。
加えて、同社は機能化学品事業において半導体やプリント基板で使用されるアリルエーテル類やUV硬化インキに使用されるダップ樹脂の製造に携わっております。これら製品の世界シェア1位であり、今後も継続的な成長が期待されます。
トランプ米大統領による関税引き上げの実行や経済指標の悪化を受け、米国経済の先行き不透明感が広がり株式市場は調整色を強めています。そのため当ファンドでは、外部要因の影響を受けにくい内需株に重点を置いたポートフォリオを維持していきます。ただしデータセンター関連株の一部などには割安な水準まで下落した外需関連株もあるため、株価水準を見ながら今後組入比率の引き上げも検討してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年2月の運用コメント
株式市場の状況
2025年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比3.79%の下落、日経平均株価は同6.11%の下落となりました。当月の日本株式市場は、トランプ米大統領の関税政策に関する言動に振り回され、月後半にかけて大幅な下落となりました。
月前半にトランプ米大統領がメキシコ、カナダ、中国に対する追加関税の検討を表明したことを受けて日本株式市場は急落しましたが、その後メキシコとカナダの関税発効が延期され株式市場は一時的に回復しました。しかし、複数の米国経済指標の結果からスタグフレーション(景気の後退と物価の上昇が同時進行する経済状況)懸念が再浮上する中で投資家は慎重な姿勢を保ち、日本株式市場も方向感のない、上値の重い相場が続きました。
月後半には、日銀の追加利上げ観測が高まり国内長期金利は一時約15年ぶりの高水準まで上昇しました。また、米国の消費者信頼感指数や購買担当者景気指数(PMI)が予想を下回る結果となり、米国経済の先行きに対する懸念が強まりました。これを受けて、為替市場では円高ドル安が進行し、日本株式市場の重石となりました。さらに、トランプ米政権による対中半導体規制強化の観測や、米国ハイテク株の下落、米国の関税政策を巡る不透明感などが影響し、日本株式市場は大幅に下落し当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.33%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、ルネサスエレクトロニクス、ソニーグループなどでした。楽天銀行は、資金運用収益の拡大や事業規模拡大による経営効率の改善により2025年3月期業績予想を上方修正したことで株価は上昇しました。ルネサスエレクトロニクスは、2024年12月期決算で在庫調整が進み、業績ボトムアウトの可能性が高まったことが好感され株価は上昇しました。ソニーグループは、好調なゲーム事業と音楽事業により2025年3月期業績予想を上方修正したことが好感され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、I-ne、第一三共、MARUWAなどでした。I-neは、2025年12月期の会社業績予想が市場期待値に届かなかったことから株価は大きく下落しました。第一三共は、2025年3月期第3四半期決算がコロナウイルスワクチンの需要減少などから市場予想を下回ったことで、株価は大きく下落しました。MARUWAは、2025年3月期通期業績を上方修正したものの、市場コンセンサスを下回ったことが嫌気され株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、中国人観光客向けのビザ発給要件緩和により、インバウンド需要拡大の恩恵を受けると考えられる三越伊勢丹ホールディングスなどを新規に組み入れました。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「第一三共」についてご紹介します。
国内の大手製薬会社である同社は、ADC(抗体薬物複合体)による抗がん剤の開発に注力しており、同分野ではトップランナーの一社です。現在、同社のADCパイプラインには、英国のアストラゼネカ社と開発・販売契約を結んでいるエンハーツ(T-DXd)、ダトロウェイ(Dato-DXd)、米国メルク社と開発・販売契約を結んでいるHER3-DXd、I-DXd、R-DXdなどがあり、複数の臨床開発が進行しています。
同社の業績を牽引しているのはエンハーツであり、2025年3月期の売上高は5,500億円程度まで拡大する見通しです。今後も乳がんの投与対象患者数の増加や、他のがん種への適応拡大により、同薬剤のピーク時の世界的な売上高は1兆1,000億円程度まで拡大すると予想されます。
一方で、同社の株価は昨秋から軟調に推移しています。これは、昨年の学会でダトロウェイの肺がんデータが公表された際、一部のデータが統計学的に有意な差を示せなかったことで、同薬剤への期待値が大幅に低下したことが主因と考えられます。しかし、ダトロウェイについては、2025年後半にアストラゼネカ社のバイオマーカーを用いた肺がんの臨床データが開示される予定です。さらに、2026年以降はメルク社との共同開発品についても順次データ開示が期待されており、これが株価反転の契機となる可能性があると考えています。現状の株価は、エンハーツの売上高1兆円が達成できれば正当化される水準まで下落していることから、ダウンサイドは限定的と判断し保有比率の引き上げを行っていく方針です。
トランプ米大統領による関税引き上げの実行や米国の経済指標の悪化を受け、米国経済の先行き不透明感が広がり株式市場は調整色を強めています。経済指標の悪化は短期的な要因とも考えられるため、今後の推移を注意深く見ていく必要があります。海外要因によるリスクが高まっていると考えられるため、引き続き内需株に重点を置いたポートフォリオを維持してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2025年1月の運用コメント
株式市場の状況
2025年1月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.14%の上昇、日経平均株価は同0.81%の下落となりました。
月前半は、米国の堅調な景況感指数や雇用統計の結果を受け、米国の利下げ期待の後退から日米長期金利が上昇したことや、米バイデン政権がAI(人工知能)向け半導体の輸出規制を強化する計画であると報じられたこと、その後当規制案が発表されたこと等を受け、株式市場は下落しました。
月半ばには、日銀総裁および副総裁から当月の金融政策決定会合で「利上げを行うかどうか議論して判断する」と、利上げを行う可能性が示唆されたことで円高が進行し株式市場の重しとなりました。しかし、昨秋からのレンジ下限として意識されている水準に近づくと下げ止まりの動きを見せ、株式市場は一転して上昇いたしました。
月後半は、トランプ米大統領が公約に掲げてきた対中関税の即時発動を見送ったことや、ソフトバンクグループ、OpenAI(米国)、Oracle社(米国)等が今後4年間で米国のAI開発事業に最大5,000億米ドルを投資すると発表し、AI・半導体関連銘柄が上昇をけん引したことなどにより、株式市場は堅調に推移しました。
一方、月の終盤にかけては、中国のAI開発企業DeepSeekが、米国製競合モデルを上回る性能を持った大規模言語モデルを低コストで開発したと公表したことで、米半導体企業の独占的地位が揺らぐとの警戒感から日米のAI・半導体関連銘柄が大幅に下落し、株式市場全体を下押しする局面がありました。しかし、月末にかけては揺り戻しの動きが見られ、前月末と概ね同水準で当月の取引を終えました。
当月もしばらく続くレンジ内での推移に終始した格好となりました。また、月中に日銀は政策金利の0.25%の引き上げを実施いたしましたが、事前の日銀総裁および副総裁の発言や、利上げ観測報道で市場への織り込みが進んでいたことから、影響は限定的なものとなりました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.52%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、良品計画、楽天銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループなどでした。良品計画は、2025年8月期の通期業績予想を上方修正したことが好感され株価は上昇しました。楽天銀行と三菱UFJフィナンシャル・グループは、日本銀行が日銀政策決定会合で政策金利を0.5%に引き上げたことで、今後の収益改善期待から株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ペプチドリーム、MARUWA、サイゼリヤなどでした。ペプチドリームは、2024年12月期の業績が大きく伸びる見通しのため、2025年12月期業績に対する反動減への警戒が高まり株価は大きく下落しました。MAWUWAは、2025年3月期通期連結業績予想を上方修正したものの、市場コンセンサスを下回ったことが嫌気され株価は下落しました。サイゼリヤは、2025年8月期第1四半期決算において、原材料価格の上昇等の影響により国内事業の収益が会社計画を下回ったことに加え、中国事業の既存店売上高が大きく減収になったことが嫌気され株価が下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、中期的な成長性が低下したと判断したアンビスホールディングスを全売却しました。
当月は、2024年12月より投資を開始した「セブン&アイ・ホールディングス」についてご紹介します。
同社は国内外のコンビニエンスストア(コンビニ)事業を中心とする総合小売企業です。同社の株価は、カナダのコンビニ大手Alimentation Couche-Tard社(クシュタール社)からのTOB(株式公開買付け)の打診を受けて以降、堅調に推移しています。これまで同社は高収益のコンビニ事業を有する一方で、低収益の総合スーパー(GMS)事業やスーパーマーケット事業により企業全体の収益性を下げていたため、企業価値のディスカウント要因になっていました。しかし、今回の買収提案を受けたことで、事業構造改革のスピードを加速させ、企業価値の向上を目指す方針を打ち出しています。
具体的には、国内外のコンビニ事業に経営リソースを集中させる一方で、コンビニ以外の流通事業や金融事業といった非コア事業については、外部資本を活用しながら持分法適用会社へ移行させることを検討しています。また、運営体制を一本化することで、日本のコンビニ事業の強みを海外へ迅速に展開できるようになり、海外事業の収益基盤の強化が期待されます。さらに、非コア事業の株式の一部売却によるキャッシュインが見込まれるため、その資金を米国事業への投資や株主還元の強化に充てる可能性が高く、企業価値の向上につながると考えます。
当ファンドでは、事業構造改革の進展により、2027年2月期には営業利益が約6,000億円に達すると予想しています。クシュタール社によるTOBや創業家によるMBO(経営陣が参加する買収)の成否は現時点では予測困難ですが、中期的な利益成長を考慮すれば、現在の株価は依然として割安と判断し、新規に投資を開始しました。
トランプ大統領のカナダやメキシコなどへの関税引き上げ報道を受け、株式市場では先行き不透明感が広がっています。関税の引き上げが実際に行われた場合、米国を含めたグローバルの経済成長率が低下するためその動向には注視が必要です。しかし、トランプ大統領は関税引き上げを相手との交渉の譲歩を引き出すためのカードとして使っているため、最終的な決着には時間がかかると考えています。
また、中国製AI「DeepSeek」への警戒から半導体関連株を中心としたテクノロジー株の下落が目立ちますが、実際に悪影響を受けるのは一部の半導体株に限られるとみています。むしろ、生成AIのコスト低下によりテクノロジーセクターの市場成長は高まるとみており、過度な警戒は不要と考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年12月の運用コメント
株式市場の状況
2024年12月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.02%の上昇、日経平均株価は同4.41%の上昇となりました。年間では両指数とも2年連続で上昇し、年末終値としては日経平均株価が最高値を更新しました。
月前半には、厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を通じて運用する資産の利回り目標を引き上げる方針を明らかにしたことで、日本株式の資産配分比率が高まるとの思惑が高まったことや、好調なハイテク株に支えられた堅調な米国株式市場、さらには米国の利下げ鈍化懸念からの円安進行等が日本株式市場の上昇につながりました。
月後半には、18日に米連邦準備制度理事会(FRB)は米連邦公開市場委員会(FOMC)において予想通り政策金利の引き下げを決定し、2025年については2回の利下げに留まることを示唆しました。これを受けて米国長期債利回りは上昇し、米国株式市場は調整に転じ、その影響で日本株式市場も軟調に推移しました。しかしながら19日には日銀は金融政策決定会合にて金利を据え置くことを決定し、その後の記者会見で植田日銀総裁がハト派的な発言を行ったことで為替市場では円安ドル高が進みました。その後は好調な米国の半導体株及びさらなる円安に支えられ、日本株式市場は再び上昇に転じ、27日には日経平均株価は4万円の大台を回復しました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.07%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、良品計画、MARUWA、アドバンテストなどでした。良品計画は、既存店売上高が好調に推移しており、2025年8月期業績の上方修正期待から株価は上昇しました。MARUWAは、電子部品関連株の中で相対的に業績が好調に推移していることが評価され株価は上昇しました。アドバンテストは、半導体装置メーカーの中で中国依存度が低いことや、SoCテスト・システムの需要の強さが評価され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ペプチドリーム、第一三共、リガク・ホールディングスなどでした。ペプチドリームは、注目されていた研究開発説明会でマイオスタチン阻害薬の潜在ポテンシャルの大きさが注目されたものの、年初来大きく上昇していた反動で株価は下落しました。第一三共は、米国に続き欧州でもDato-DXdの非小細胞肺がん(NSCLC)を標的とした承認申請を取り下げると発表したことが嫌気され株価は下落しました。リガク・ホールディングスは、10月新規上場以降株価下落が続いたため、年末特有の株式損益通算の損切り等の影響で株価は下落したと考えられます。
当月、ロング・ポジションにおいては、Alimentation Couche-Tard社(カナダ)による株式公開買い付け提案や創業家によるMBO(経営陣による買収)報道を受け、収益改善に向けたグループの事業構造改革を進めるセブン&アイホールディングスを新規に組入れました。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「サスメド」についてご紹介します。
同社は、治療用アプリの開発とブロックチェーンを使った臨床治験システムの提供を行っている会社です。治療用アプリは、スマートフォンアプリの形態をした治療手段であり、医薬品、医療機器に次ぐ第3の治療法として注目されており、海外では市場が急拡大しています。同社は、既に国内の製造販売承認を取得した不眠障害治療アプリに加え、慢性腎疾患、乳がんなどの分野で複数のアプリを開発中です。製薬会社とのアライアンス(異なる企業や組織が協力関係を築き、共同で目標を達成するために提携すること)は、不眠障害治療アプリは2021年12月に塩野義製薬㈱と販売提携契約を締結したほか、あすか製薬㈱や杏林製薬㈱とも共同研究開発および販売契約を締結しています。製薬会社とのアライアンスが増加している背景は、治療用アプリの市場が拡大していることに加え、治療用アプリの開発は、医薬品の開発に比べて大幅に開発コストを抑えられることが背景にあると考えられます。
2024年1月、同社は厚生労働省に申請していた不眠障害治療アプリの保険適用希望を取り下げたことで、同社の株価は急落しました。この背景には、厚生労働省がガイドラインを改訂し、治療用アプリの位置づけが変更されたことにあります。従来、治療用アプリは認知行動療法を基にした手法として保険適用が認められていましたが、新ガイドラインでは「疾患治療用プログラム機器」として、特定保険医療材料に該当する場合にのみ保険適用される形に変更されました。同社の不眠障害治療アプリは、従来の認知行動療法を基にした保険適用を前提として申請していたため、新しい基準では保険適用が困難となったのです。
ガイドライン改定を受け、同社は2024年8月に不眠障害治療アプリの製造販売承認事項一部変更承認申請を行いました。疾患治療用プログラム機器として認可を取得し、2025年中の保険適用を目指しています。既に販売済みの他社の治療アプリも同様の手続きにより販売が継続されていることから、2025年中の保険適用の可能性は高いとみています。当ファンドでは、保険収載後の不眠障害治療アプリの売上高をピーク時70億円程度と見込んでいます。また、治療用アプリは粗利率が高いため、2026年6月期には営業利益は黒字転換し、2028年6月期営業利益25億円と予想しています。こうした長期的な成長性に対し株価は割安と考え、投資を行っています。
2025年の日本株式市場も引き続き堅調に推移するとみています。実質賃金上昇率のプラス転換やインバウンド需要の増加により内需関連株の業績が伸び企業収益全体を押し上げると当ファンドは考えています。一方、輸出関連銘柄は、円安トレンドの一服や米国の関税政策の不透明感もあり、業績は伸び悩む見通しです。
日本企業の資本効率を意識した企業統治も着実に進んでおり、2025年も高水準の自社株買いが期待できることも株価の上昇要因になるとみています。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年11月の運用コメント
株式市場の状況
2024年11月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.51%の下落、日経平均株価は同2.23%の下落となりました。
月前半は一進一退の展開となりました。5日に実施された米大統領選挙で共和党のトランプ前大統領が優勢と伝わったことから日経平均株価は大幅に上昇し、7日には40,000円に迫る場面もありました。しかしその後、トランプ次期米大統領が政権人事で対中強硬派の人物を起用する方針が報じられ、次期政権が掲げる関税強化策への警戒感が強まったことで半導体関連株に売り圧力がかかり、株式市場は下落に転じました。一方、14日には米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が「利下げを急ぐ必要はない」旨の発言をしたことで円安が進行し輸出関連株が買われ、半導体関連株の反発もあって株式市場の連日の下落が一服しました。
月後半は狭いレンジで推移し、米国の金融政策の先行き不透明感や米国半導体株の動向に一喜一憂する動きが続きました。また、トランプ次期米大統領が中国、メキシコ、カナダに対する関税措置を発表したことを受け、相場は軟調な動きが続き、前月末比で下落して当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.65%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、良品計画、三菱UFJフィナンシャル・グループなどでした。楽天銀行は、金利引き上げ期待と2025年3月期連結業績予想を上方修正したことが好感され株価は上昇しました。良品計画は、経営方針説明会での国内外の成長戦略が評価され株価は上昇しました。三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内の長期金利の上昇期待が高まったことから株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、アンビスホールディングス、アドバンテスト、DMG森精機などでした。アンビスホールディングスは、2025年9月期の連結業績予想において、戦略的な人員増強によるコスト増で業績の踊り場を迎えることが嫌気され、株価は下落しました。アドバンテストは、トランプ大統領就任による半導体規制の強化懸念から株価は軟調に推移しました。DMG森精機は、需要の低迷に加えシステム投資に関連する一時的な費用の発生で2024年12月期の業績予想を下方修正したことで、株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、中期的な競争力の低下が懸念されるにタイミー、VRAIN Solutionを全売却しました。また、来期業績の低迷が予想される東洋炭素のウェイトを引き下げました。一方、清水建設などの内需関連株のウェイトを引き上げました。
当月は、当ファンドで前月より投資を開始した「リガク・ホールディングス」についてご紹介します。
同社は、1951年に設立された、X線分析を中心とした計測機器の開発・製造を行う企業です。特にX線回折機器の分野では国内シェア75%を誇り、世界市場でも僅差の第2位の地位を築いています。
当ファンドが同社に注目した理由は、安定した収益基盤と長期的な成長余地を兼ね備えている点にあります。同社の提供するX線分析機器は、アカデミア、ライフサイエンス分野、そして素材を扱う企業の研究開発部門などで幅広く利用されています。これらの機器は研究開発の基礎的な装置として欠かせないものであり、顧客層が多岐にわたることから景気変動の影響を受けにくい安定的な収益基盤を形成しています。
近年では、半導体製造プロセスにおける需要が同社の成長をけん引しています。半導体の微細化や多層化が進む中で、従来の光学技術では対応が難しい計測が必要とされており、非破壊で内部構造や多層膜の状態を正確に測定できる同社のX線分析技術が強みを発揮しています。さらに、X線回折(XRD)やX線反射率(XRR)の技術は、光学や電子線を用いた従来の測定方法と比較して、内部構造を極めて高い精度で検出可能です。このため、次世代半導体技術の開発においても重要な役割を担っています。
以上のように、同社はX線分析機器全体の安定成長に加え、より成長性と収益性の高い半導体製造プロセス向け機器がけん引することで、中長期的に毎年10%以上の成長が期待できると当ファンドでは考えています。
米国経済は堅調に推移しているものの、トランプ次期大統領就任により関税強化策への懸念から外需関連株は物色されにくい状況になっています。一方、国内ではインフレ定着による日本銀行の追加利上げや、実質所得のプラス転換による内需関連株の業績改善が期待できる環境になってきており、関税強化策の具体的な内容が明らかになるまでは内需関連株が相対的に上昇しやすいと考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年10月の運用コメント
株式市場の状況
2024年10月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.88%の上昇、日経平均株価は同3.06%の上昇となりました。
月前半は、全米企業エコノミスト協会の年次総会に登壇したパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今後の利下げについて「急ぐ必要はない」と強調したことや、米国雇用統計が市場予想を大幅に上回ったこと等から利下げ観測が後退したこと、石破茂首相から日銀の早期の追加利上げに否定的な見解が示されたこと等からドル高円安が進行しました。また、中東情勢の悪化により株価が一時的に下落する局面もありましたが、前述のように円安の進行や米国経済の底堅さ、石破政権が岸田前政権の経済政策を継承するとの方針が確認されたこと等から株式市場は上昇いたしました。
月半ばから後半にかけては、オランダの半導体製造装置大手ASML Holding社の決算発表で2025年12月期の業績見通しが引き下げられたことで半導体関連株に売りが広がったことや、日米長期金利の上昇基調の継続が意識されたこと、27日投開票の衆議院選挙で与党自民・公明両党が過半数議席の確保が微妙な状況と報じられたこと等から株式市場は軟調な推移となりました。
衆議院選挙では連立与党が2009年以来15年ぶりに過半数を割り込む結果となり、今後の政権の枠組みは少数与党が政策や法案ごとに野党に協力を求める「パーシャル(部分)連合」になるのではないかという見方が強まりました。財政拡張的な政策を掲げる野党との協力により景気刺激的な政策が実行される可能性が意識されたことや、リスクイベント通過に伴う先物の買戻し等から株式市場は衆議院選挙を境に一転し、前月末比で上昇して当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐2.19%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、アドバンテスト、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ペプチドリームなどでした。アドバンテストは、AI(人工知能)関連向けの半導体試験装置需要が大きく増加し、2025年3月期の連結業績予想を上方修正したことが好感され、株価は上昇しました。三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内長期金利の上昇期待が高まったことから株価は上昇しました。ペプチドリームは、海外企業との放射性医薬品の国内販売提携を発表したことが好感され、株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、マツキヨココカラ&カンパニー、楽天銀行、リックソフトなどでした。マツキヨココカラ&カンパニーは、足元の既存店売上高が低調に推移していることが嫌気され株価は軟調に推移しました。楽天銀行は、特段悪材料はないものの、前月上昇した反動で株価は下落したものと考えます。リックソフトは、2025年2月期第2四半期決算が、大型案件の増加と人件費増加で営業利益率が急速に低下したことが嫌気され株価は大きく下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、当月上場した精密機器会社のリガク・ホールディングスを、中期的な成長力を評価し新規に買い付けました。一方で、アドバンテスト、ルネサスエレクトロニクスなどのウェイトを引き下げました。
当月は、当ファンドで比較的新しく投資を開始した「清水建設」についてご紹介します。
同社は1804年に創業、上場大手ゼネコン4社(清水建設、大成建設、大林組、鹿島建設)の中では最も古い220年の歴史を持つ総合ゼネコン企業です。2020年に予定されていた東京オリンピックに関連する工事が活況だった2016年度から2019年度までは1,200億円を上回る営業利益を計上していましたが、大型再開発案件での受注獲得競争の激化、コロナ禍での資材・エネルギーコストの上昇、労働力不足による人件費上昇などから、近年は急速に業績が悪化し、2023年度には200億円を上回る営業損失を計上する厳しい状態に陥っています。上場大手ゼネコン4社の中でも特に同社の経営環境は厳しく、株価も大きく見劣りしています。
しかし当ファンドでは以下の2点から、同社に対してポジティブに評価しています。
1点目は、業績の底打ちとその先の回復期待です。2023年度の工事損失引当金は前年度に比べて600億程度増加しており、工事進行中案件での赤字認識が進んだことで一時的に期間赤字が拡大したことが推察されます。さらに国土交通省から発表されている建築着工統計調査によると、着工単価が2022年ごろから急速に上昇しており、事業環境の改善が伺えます。大型工事では着工から竣工まで3~5年程度掛かることを考慮すると、同社の業績が今後数年にわたって改善する可能性は高いと考えています。
2点目は、コーポレートガバナンスに関する意識の変化です。建設業では施主と請負業者の長期的な関係構築、営業上の戦略、パワーバランスなど様々な要因から多数の顧客企業の株式を購入する政策保有目的での株式保有が続いてきました。これは工場を持たないこと、重層的な下請け構造などによって設備投資や研究開発費をさほど必要とせず、キャッシュフローが黒字になりやすい建設業の財政事情が許容したことも一因と考えられます。しかし昨今のコーポレートガバナンス意識の高まりから、外部の議決権行使助言会社が政策保有株を過度に保有する企業の取締役選任に反対を推奨していることで、同社に限らず建設大手企業に緊張感が高まっています。実際に同社の井上社長に対する株主総会での再任賛成率は過去2年で約93.3%から約83.7%まで大きく低下しています。このような状況を受け、同社でも保有する政策保有株式を2026年度末までに連結純資産の20%以下まで減らす方針を発表して、資産の効率的な活用を計画しています。前述したように、事業環境が今後改善することで株主還元や資産効率の改善に対する一層踏み込んだ計画が発表されるのではないかと期待しています。
このような点から、業績・資産効率の改善が同社の価値を高め、引き上げていくと考え、積極的に投資する方針です。
衆議院選挙で連立与党が過半数割れになったものの、株式市場ではすでに織り込み済みで大きな波乱とはなりませんでした。むしろ今後の経済対策期待が高まっており、株式市場にはプラスに働くとみています。一方、米国大統領選挙は大接戦となっておりどちらが勝利するかは不透明ですが、結果がでればマーケットの不透明要因が1つ解消されるため、株式市場にはポジティブと考えます。ただし、トランプ氏が当選した場合には米国の長期金利が上昇する可能性が高いため、株式市場の物色動向の変化に注視していく必要があると考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年9月の運用コメント
株式市場の状況
2024年9月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.53%の下落、日経平均株価は同1.88%の下落となりました。
月前半は米国のISM製造業景況感指数や雇用統計が予想を下回ったことで、米国経済の減速懸念が高まり市場心理に影響を与えました。さらに米連邦公開市場委員会(FOMC)による利下げ期待と日銀の利上げ期待の高まりにより、月半ばにかけて円高が進行しました。このような状況の中、株式市場は一時的に下落した後、反発が見られたものの上値は重く、投資家は慎重な姿勢を維持しました。
月後半はFOMCが0.5%の利下げを決定した後、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和を急がない姿勢を示したことや、日銀が金融政策を現状維持したことから円高が一服し、輸出関連株や半導体関連株の買い戻しが進みました。また、自民党総裁選挙で高市早苗氏が当選し、金融緩和が再開されるとの見通しが高まったことで日経平均株価は26日から27日にかけて大きく上昇しました。しかし、最終的には石破茂氏が勝利し、経済政策への警戒感が高まったことなどから30日の日本株式市場は全面安の展開となり、前月末比で下落して当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.89%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、サイゼリヤ、MARUWA、ペプチドリームなどでした。サイゼリヤは、中国政府の景気対策による海外事業の収益拡大期待から株価は上昇しました。MARUWAは、生成AI(人工知能)向けデータセンターにおける光トランシーバー向け放熱基板の成長性が評価され株価は上昇しました。ペプチドリームは、放射性医薬品を中心とする開発パイプラインの拡充が評価され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、第一三共、ルネサスエレクトロニクス、DMG森精機などでした。第一三共は、米国で承認申請中のダトポタマブ デルクステカン(Dato-DXd/DS-1062)の非小細胞肺がん患者を対象とした第3相臨床試験で、主要評価項目の一つである全生存期間(患者が原因を問わず死亡するまでの期間)で統計学的有意差が出なかったことで、承認へ懸念が高まり株価は大きく下落しました。DMG森精機は、国内完成車メーカーの認証不正による自動車生産の混乱が工作機械投資にネガティブな影響を与えることを懸念して株価は軟調に推移しました。ルネサスエレクトロニクスは、半導体関連銘柄に対する慎重姿勢が株式市場で台頭し始めていることが重しになり株価が下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、不採算案件の一巡で業績がボトムアウトしていると考える清水建設を新規に買い付けました。
当月は、当ファンドの保有銘柄である「I-ne」についてご紹介します。
同社は「BOTANIST」や「YOLU」などのヘアケア製品を筆頭に様々な美容関連製品等を企画・販売する新興ファブレス企業(工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業)です。製品企画や販売の面でSNSやeコマース(電子商取引)を活用するデジタルマーケティングを強みとしており、新しいトレンドを取り入れた製品をいち早く投入し、小さく事業を始めて育てる手法に特徴があります。類似企業の業績は単一ブランドに依存する傾向がありますが、同社は複数ブランドがヒットしており、この点を当ファンドでは高く評価しています。
一方、前年2月の中期経営計画(中計)発表以降の同社の株価は低迷しています。主な理由として、中計で掲げた2025年12月期の業績目標の達成が現時点で困難であるとの懸念が挙げられ、当ファンドにおいても同様の認識です。中計発表以降、既存製品の主軸である「BOTANIST」、「YOLU」、美容家電の「SALONIA」に次ぐヒットが、新製品カテゴリから出ていないことが成長加速に歯止めがかかっている要因と捉えています。
しかしながら、当ファンドでは以下2点から現在の同社株式は非常に割安であり、魅力的な投資機会であると考えています。
一つ目は、新規の目立ったヒット製品がなくても安定的に一定の成長は見込める点です。前月に発表された 2024年12月期第2四半期決算は、新製品のヒットが乏しかったものの前年同期比で増収増益(売上高4.1%、営業利益6.0%)となりました。新規のヒット製品に乏しくても一定の成長が見込め、ヒット製品が出れば大きな成長が期待できることは同社の魅力であると考えます
二つ目は、2024年12月期から実行税率が下がり、当期純利益の増加が見込める点です。従前、同社の株主構造では留保金課税により実行税率がかなり高くなっていましたが、同社から当月発表された「資本金をその他資本準備金に振り替える手続き」が臨時株主総会で承認されると法定実効税率に近い水準まで下がると考えられます。この実効税率が下がる効果は、税引前利益を一定とした際に当期純利益を約20%押し上げると当ファンドでは分析しています。
当月末の同社株価は1,819円ですが、実効税率が下がることを前提とした当期PER(株価収益率)は10.7倍程度と当ファンドは捉えており、同社は非常に割安であると考えています。
株式市場では、石破茂氏が自民党総裁になり、経済政策の不透明感から当月末に株価指数は大きく下落しました。しかし、岸田前政権の基本方針である物価上昇を上回る賃上げの定着や経済成長戦略について着実に継承していく見通しであることから、経済対策に対する不透明感は今後払拭されると考えます。米国経済もFOMCが0.5%の利下げを決定したことでソフトランディングの可能性が高まっており、株価指数は日米とも年末にかけて緩やかに上昇するとみております。中東情勢の悪化などリスク要因はありますが、中長期的視点での銘柄選別に努めてまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年8月の運用コメント
株式市場の状況
2024年8月、日本株式市場の代表指標であるTOPIX(配当込み)は前月末比2.90%下落し、日経平均株価は前月末比1.16%下落しました。
当月の日本株式市場は歴史的な乱高下を演じ、日経平均株価の月間値幅(高値と安値の差、終値ベース)がバブル経済崩壊時期を超えて過去最大となりました。
7月31日の日銀金融政策決定会合での追加利上げが円高を呼び、さらに市場予想を下回った7月の米ISM製造業景気指数で米国景気減速懸念が台頭し円高が一層進行したことで、月前半の日本株式市場はリスク回避の流れが強まり暴落しました。5日には米国経済や雇用の減速への警戒などから円高が大幅に進み、午後には日経平均先物でサーキットブレーカーが13年ぶりに1日に2回発動され、日経平均株価は前日比4,451円の下落と過去最大の値下がりを記録しました。しかしながら翌6日には為替市場がいったん落ち着いたことで日本株式市場も落ち着きを取り戻し、TOPIXおよび日経平均株価は史上最大の上げ幅となりました。加えて、翌7日の内田日銀副総裁のハト派発言も投資家の安心感につながり、月半ばにかけて日本株式市場は急反発しました。
月後半は米国経済への先行きに対する警戒感がひとまず和らぎ、日本株式市場は緩やかなペースで回復し、月前半の急落分の大半を取り戻して当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.90%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、アドバンテスト、タイミー、ヒューマンテクノロジーズなどでした。アドバンテストは、AI(人工知能)関連向けテスターの需要回復で2025年3月期通期業績を上方修正したことが好感され株価は上昇しました。タイミーは、スキマバイト事業の中期的な事業成長性が評価され株価は大きく上昇しました。ヒューマンテクノロジーズは、2025年3月期第1四半期決算において良好な業績を示したことで株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、三菱UFJフィナンシャル・グループ、ペプチドリーム、サイゼリヤなどでした。三菱UFJフィナンシャル・グループは、国内の長期金利上昇期待が後退したことから株価は下落しました。ペプチドリームは、特段悪材料はないものの短期的に株価が上昇した反動で株価は下落したものと考えます。サイゼリヤは、株主優待の廃止を嫌気され株価が下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、米国自動車販売の競争激化が懸念されるSUBARUを全売却しました。
当⽉は「サイゼリヤ」についてご紹介いたします。
同社は1973年に設立され、国内1,055店舗、海外485店舗(2023年8月末現在)を運営している大手ファミリーレストランチェーンです。お手頃な価格で外食を楽しめるというのが特徴で、若者やファミリー層に高い支持を得ております。同社のメニューは、パスタやピザなど、イタリアンを中心に幅広く展開されています。特に、自社工場での生産から店舗へ直接供給を行う「製造直販業」のシステムを採用することで中間コストを削減し、品質を担保しながらも価格を抑えて消費者に提供しています。
当ファンドでは、➀価格改定による収益性向上への期待、➁海外市場への積極的な展開による成長機会の拡大の2点に期待し、投資を行っています。
①価格改定による収益性向上への期待については、同社は長期間にわたり価格を据え置いてきましたが、原材料費や人件費の上昇に直面しています。一方で国内の最低賃金は毎年上昇しており消費者の購買力が伸びたことから、価格改定の余地が存在します。そのため当ファンドでは、仮に同社が一律数%の値上げを実施した場合でも、客数への影響は限定的で収益性を大幅に向上できると考えています。
②海外市場への積極的な展開は同社が現在進めている成長戦略の柱です。現在は中華圏を中心に店舗数を増やしていますが、現地の商圏人口から考えると中華圏だけでも店舗数が4〜5倍に増加する余地があると試算されます。また、2024年はベトナムに初出店する予定で、東南アジアもさらに拡大が期待できるエリアであると考えます。
以上のように、国内と海外の両面での成長可能性が魅力的な同社ですが、値上げに対しての前向きなコメントを行っていないため、短期的には株式市場における同社への注目度は低い状態です。一方で、長期視点では、国内では実質賃金の上昇が期待できる点など同社にとって価格改定をしやすい状況が想定されることに加え、海外での実績が示されることで同社への評価は高まると当ファンドでは考えています。
米国ではインフレ率の鈍化や雇用指標の悪化を受けFRB(米連邦準備制度理事会)が金融緩和姿勢に転じたため、長期金利が急速に低下しています。一方日本では、日本銀行が金融引き締め姿勢に転じているため、日米金利差の縮小を受け円安局面が終了し、為替市場は1ドル=145円を中心としたボックスレンジで推移するとみています。現状の為替水準であれば、日本企業の2024年度業績は2桁増益の達成が可能とみており、業績拡大による日本株式市場の上昇基調に大きな変化はないと考えます。ただし物色対象は、円高の進行や米国長期金利に低下により、外需関連株から内需関連株や小型成長株に広がるとみています。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年7月の運用コメント
株式市場の状況
2024年7月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.54%下落し、日経平均株価は前月末比1.22%下落しました。
当月の日本株式市場はボラティリティの大きい相場展開となりました。月前半は、前月からの好調な流れを引き継ぎ堅調に推移しました。米国の雇用統計で労働需給の逼迫が緩和される兆しが見られ、FRB(米連邦準備制度理事会)の年内利下げ観測が高まったことで、長期金利が低下し、米国のハイテク株が上昇しました。日本でも半導体関連銘柄が相場を支え、日経平均株価は連日で史上最高値を更新し、11日には4万2,000円台に到達しました。しかしながら米国消費者物価指数が想定以上に軟化し、米国ハイテク株に利益確定売りが入ったことやドル円が円高方向に振れたことなどから、日本株式市場は下落に転じました。そして月後半に入ると下げが一層加速しました。トランプ氏が大統領選で優勢と伝わると、米中対立の深刻化やドル高是正などの自国優位政策が懸念され、半導体関連株に売りが膨らみ、日本株にも影響が及びました。さらに日銀の追加利上げやFRBの利下げ観測から「円キャリー取引」の巻き戻しが発生し、ドル円は一時151円台を付け、日本株式市場も幅広く売りが広がり、日経平均株価は3万8,000円を割り込む水準まで大幅に下落しました。
31日に日銀は金融政策決定会合で政策金利を0.25%程度に引き上げることを決定し、国債買い入れの減額計画も明らかにしました。また、米国政府が対中国の半導体輸出規制で日本などを除外すると報じられると、半導体関連株が反発し日本株式市場は下げ幅を縮小して当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.78%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、ペプチドリーム、第一三共などでした。楽天銀行は、日本銀行による追加利上げ期待の高まりと月末の金融政策決定会合で利上げが決められたことを好感し、当月の株価は上昇しました。ペプチドリームは、放射性医薬品事業の中期的な成長期待から株価は上昇しました。第一三共は、2025年3月期第1四半期決算の営業利益が大幅増益になったことが好感され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ルネサスエレクトロニクス、DMG森精機、アドバンテストなどでした。ルネサスエレクトロニクスは、2024年12月期第2四半期決算発表において、第2四半期の実績及び第3四半期の業績見通しが株式市場の期待に届かなかったことを嫌気されて株価は下落しました。DMG森精機は、国内完成車メーカーの認証不正による自動車生産の混乱が工作機械投資にネガティブな影響を与えることを懸念して株価は軟調に推移しました。アドバンテストは、米国政府による中国への半導体輸出規制強化要請の報道を受け、半導体セクターの株価が急落した影響で軟調に推移し、株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、会社計画に対し既存店売上高が好調に推移しているマツキヨココカラ&カンパニー、株価下落で割安感が強まったディスコや日本マイクロニクス、スキマバイトのマッチングビジネスの中期的な拡大が期待できるタイミーを新規に買い付ける一方、株価上昇余地が低下したリンナイ、既存店売上高が当ファンドの見通しを下回って推移しているアダストリアを全売却しました。
当月は新規上場時に投資を開始した「タイミー」についてご紹介いたします。
同社は、スキマバイトと呼ばれる短時間・日払いのアルバイトマッチングサービスを展開しており、ワーカーの「働きたい時間」とクライアントの「働いてほしい時間」を効率的にマッチングするのが特徴です。日本では、高齢化の進展による労働力不足や若者の働き方の多様化により短期時間労働の需要が増加しており、外食産業などのサービス業において人手不足が深刻な問題となっています。こうした課題を解決するため、同社は急速に事業を拡大しています。
同社は2018年8月にサービスを開始し、現在では業界トップの地位を確立しています。同社の強みは以下の3点にあります。1点目は、クライアントに対する専門的なコンサルティングです。業界別専任チームによるアルバイトのマニュアル作成や、新店開業に必要な人材確保など、クライアントの事業運営における課題解決をサポートしています。2点目は、ワーカーとクライアントの相互レビューシステムです。これにより、双方の信頼性が高まり、効率的なマッチングが可能となります。3点目は、先駆者メリットが大きいビジネスモデルです。マッチングビジネスは、既に活気のあるプラットフォームにより多くの人が集まる傾向があり、さらに労働規制が複数のマッチングサービスの利用を制約するため、同社が有利な立場に立っています。
現時点で、同社のクライアントは物流、飲食、小売りの3業種が中心ですが、これらの業種だけでもスキマバイトの潜在市場は非常に大きいと考えます。さらに、今後は宿泊施設や介護施設などの新たな業種への展開も予定しています。主な競合他社としてリクルートホールディングスなどが参入を予定している点には注意が必要です。しかし、当ファンドでは同社の今後3年間の営業利益が年率8割以上の成長率を見込んでおり、この成長を考慮すると現在の株価は割安と判断し、投資を開始しました。
米国では景気減速懸念から長期金利が急速に低下しています。一方、日本では日本銀行が当月末の金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げることを決めました。日米金利差の縮小から足元急速な円高が進展し、日本企業の業績悪化懸念から株式市場は調整色を強めています。しかし、当ファンドではこれはやや過剰反応とみています。日本企業の業績に対する為替感応度は過去と比べると低下していると考えており、仮に8月以降1ドル=145円程度で推移したとしても今期業績へのマイナス影響は1~2%程度に過ぎないと試算しているためです。むしろ、日本銀行が市場見通しより早く政策金利を上げたことは、日本経済が着実にインフレ経済へ移行していること示しており、日本株の中期的な上昇基調に変化はないと考えています。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年6月の運用コメント
株式市場の状況
2024年6月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.45%上昇し、日経平均株価も前月末比2.85%上昇しました。
当月の日本株式市場は、日米の金融政策の動向に注目が集まるなかレンジ内でもみ合いの推移となった後、円安の進行とともに月末にかけて上昇しました。月前半は、米国金融政策の動向を巡り米国マクロ経済指標に注目が集まるなか、雇用・物価関連指標等の結果を受けインフレ鈍化の見方が支持され、目先のFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測の高まりから米国長期金利が大幅に低下し、米国株式市場は半導体・ハイテク株中心に上昇しました。この流れを受けて、日本株式市場も上昇しました。月半ばには、日銀金融政策決定会合で、日銀が国債買い入れ減額の方針を固めたものの、具体策については公表が見送られ、円安の進行とともに日本株式市場は上昇しました。その後は、会合後の記者会見にて日銀総裁より買い入れ減額規模について「相応の規模になる」との発言があったことや、7月の会合で利上げを行う可能性も否定しない主旨の発言があったこと、また、フランス政治不安が改めて意識され下落した欧州市場の影響などいくつかの材料が出るなか、日本株式市場は下落する場面がありましたが、月後半にかけて株価は持ち直しました。月後半は、ドル円レートが一時161円台まで下落し、1986年12月以来およそ37年ぶりの安値を更新しました。円安が支えとなったほか、日本長期金利の上昇を受けた銀行株などの上昇も相場をけん引し、月末にかけては配当金の再投資の観測もあるなかで日本株式市場は前月末対比で上昇し、当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.06%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ペプチドリーム、アドバンテスト、MARUWAなどでした。ペプチドリームは、戦略的提携先であるリンクメッド㈱が悪性神経膠腫患者を対象とした、新規放射性医薬品64Cu-ATSMの国内フェーズ3試験開始の発表を好感し株価は大きく上昇しました。アドバンテストは、中長期経営方針説明会で、テスター需要の明るい先行き見通しを示したことが好感され株価は上昇しました。MARUWAは、NVIDIA社(米国)がデータセンター向け需要に対し強気の見方を示したことで、放熱セラミック製品の成長期待が高まり株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、DMG森精機、京成電鉄、マネジメントソリューションズなどでした。DMG森精機は、特段悪材料はないものの、年初来株価が大きく上昇した反動で下落したと考えます。京成電鉄は、保有する㈱オリエンタルランドの一部売却を求めた株主提案が否決されたことが嫌気され株価は下落しました。マネジメントソリューションズは、採用コスト増加等により通期業績予想を下方修正したことから株価は大きく下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、業績のボトムアウトに加え、株主還元強化が期待できるカヤバへ新規投資を行う一方、株価上昇余地が少なくなったと判断したTOWA、今期業績の下振れ懸念がある横河ブリッジホールディングス、中期経営計画が期待外れであった電源開発を全売却しました。
当⽉は「カヤバ」についてご紹介いたします。
同社は1948年に設⽴された油圧機器の世界的な⼤⼿メーカーです。世界中で走っている自動車の約20%にはカヤバのショックアブソーバが使われており、同社の製品は世界で第2位のシェアを占めています。
ショックアブソーバとは、車の振動を吸収する重要な役割を果たす部品で、スプリングと共に車体とタイヤの間に設置されています。走行中に路面から発生する衝撃は、最初にスプリングの伸縮によって吸収され、その後スプリングに加わった圧力をショックアブソーバが減らします。この機能で搭乗者は快適な走行と操縦安定性を享受しています。
当ファンドでは、1.電子制御ショックアブソーバなど高付加価値商品の販売拡大による業績拡大、2.株主還元の強化の2点を期待し、投資を開始しました。
- 電子制御ショックアブソーバは、従来品に比べてより精密な制御が可能となり、車両の走行状況や路面の状態に応じてリアルタイムで最適な調整を行います。電子制御ショックアブソーバは従来品より単価が高く、収益性も高いため、今後採用メーカーと車種が増えることによって同社の業績成長をけん引すると当ファンドでは期待しています。また、将来的にEV(電気自動車)が普及した場合でも、同社のショックアブソーバの需要はなくなりません。むしろ、重量が重くなるEVにおいては足回りの重要性が増すため同社にとって追い風になると考えられます。
- 株主還元の強化については、2024年3月期の決算説明会で示されたキャッシュアロケーションの計画に着目しています。同社は、中期経営計画の中で2023~2025年度期間中に株主還元310億円以上を掲げています。この計画を前提にすると、当ファンドでは今後2年間は少なくとも年間100億円(配当50億円、自己株式取得50億円)の株主還元を見込めると分析しています。2024年6月末現在、同社の時価総額は約1,367億円です。100億円の株主還元は時価総額の約7.3%にあたり、魅力的な利回りであると考えています。
以上のように事業拡大と株主還元の両面で魅力的ですが、同社を担当する株式アナリスト(アナリストカバレッジ)が少ないことから株式市場における同社への注目は低い状態です。今後、実績が示されることで同社への評価は高まると当ファンドでは考えています。
日本株にとって、インフレ定着や円安進行は経済面でプラスの側面が多い一方で、内需企業にとっては原材料コスト上昇や人件費の増加などで収益性を低下させる要因になっています。そのため内需企業に投資をする場合は、コスト上昇分をきっちりと価格に転嫁できる競争力のある企業に選別投資することが重要になると考えます。特に中小型株は内需企業が多いため、当ファンドの投資基準に合った独自サービスや製品を持つ競争力の高い企業の発掘に努めてまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年5月の運用コメント
株式市場の状況
2024年5月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.16%上昇し、日経平均株価も前月末比で0.21%上昇しました。
当月の日本株式市場は、月前半は4月の米国雇用者数が市場予想を下回り、米利下げ観測が強まったことから日米株式市場ともに上昇しましたが、日銀の金融政策正常化観測などから上値が抑えられました。月半ばには米消費者物価指数や米小売売上高など予想を下回る指標が発表され、金融引き締めの長期化への懸念が後退しました。その結果、米国の主要3株価指数が史上最高値を更新し、日経平均株価も一時39,000円を回復しました。さらに、NVIDIA社(米国)が市場予想を上回る好決算を発表し、半導体株が軒並み上昇して相場を支えました。月後半は、米景気の底堅さを背景とする利下げ動向への懸念や、日銀総裁の追加金融引き締めを示唆する講演が再び注目されて日米長期金利の上昇により株価が下落しましたが、最終的には金利上昇がひとまず一服したとの見方が買い戻しにつながり、前月末を上回る水準で月を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.57%の下落となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ルネサスエレクトロニクス、三井住友フィナンシャルグループ、DMG森精機などでした。ルネサスエレクトロニクスは、半導体の在庫調整が最終局面を迎えていることが好感され株価は上昇しました。三井住友フィナンシャルグループは、国内長期金利の上昇による収益の改善が期待されたこと、自社株買いによる資本効率改善策が評価されたことなどから株価は大きく上昇しました。DMG森精機は、中国経済の回復が期待されたことから株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、楽天銀行、東洋炭素、トライトなどでした。楽天銀行は、楽天グループ㈱のフィンテック事業再編に伴うコスト計上が嫌気され株価は下落しました。東洋炭素は、業績は堅調に推移しているものの、SiC(シリコンカーバイド)パワー半導体の一部用途で需要に減速感が見られたことが懸念され株価は下落しました。トライトは、2024年12月期第1四半期決算の営業損益の赤字幅が前期に比べ拡大したことで株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、事業の集中と選択を進め、株主還元を強化している富士通へ新規投資を行う一方、株価上昇余地が少なくなったと判断したNECなどを全売却しました。
当月は、当ファンドの主要な投資先である「楽天銀⾏」についてご紹介します。
同社は、楽天グループ㈱のフィンテック部門における主要な金融事業会社であり、国内最大規模のインターネット専業銀行です。当ファンドでは、従来型の銀⾏とは異なる独⾃のビジネスモデルに由来する⾼いROE(株主資本利益率)と中⻑期的な成⻑性に魅⼒を感じています。同社の強みとなる独自性は、①IT企業である楽天グループ㈱がインターネット専業銀行として利便性を追求し作りこんだサービス、②1億IDを超す楽天経済圏の会員にアクセスできることによるもので唯一無二であると考えています。
一方、当月の同社の株価は2025年3月期の業績予想が発表された後、軟調に推移しました。前月初めに楽天グループ㈱のフィンテック部門の再編が検討され始めたことが発表されましたが、そのための先行費用負担を嫌気したと考えられます。また、同再編が同社に与える影響を見通せないことも株価の重しになった可能性があります。
しかし、当ファンドでは再編を検討するための費用は一時費用に過ぎないこと、再編の影響も資本構成の違いにより大小の違いはあれど、同社にとってプラスになることに変わりはないと考えています。資本構成の違いは、①フィンテック部門のための持株会社が新たに設立され、同社を含む金融事業会社がその傘下に収まる、②同社が親会社になり、楽天証券ホールディングス㈱や楽天カード㈱などの他の金融事業会社が傘下に収まるという2パターンが想定されます。いずれにせよ、事業シナジーが増すため同社にとってプラスですが、可能性の低い②のケースになるとポジティブインパクトは極めて大きくなると考えます。引き続き、短期的な株価の動きに惑わされず、中長期的な視点で同社への投資を継続してまいります。
日本株式市場は、2024年度業績予想への懸念と米国長期金利の上昇により、前月以降調整局面に入っています。予想を公表している会社予想ベースの2024年度業績予想は1桁前半の営業増益となり、2023年度に比べ大幅に伸び率が鈍化する見通しになっています。しかし、売上高前提や為替前提が保守的な計画になっており、当ファンドでは最終的には前期並みの2桁増益になるとみています。また、米国長期金利もインフレ鈍化が確認できる指標がいくつか散見されるようになっており、秋口以降緩やかな低下基調になることが予想されます。企業業績の上ぶれと長期金利の低下により、日本株式市場は2024年後半から再度上昇基調に転じると考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年4月の運用コメント
株式市場の状況
2024年4月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.91%下落し、日経平均株価は前月末比4.86%の大幅下落となりました。
月前半は利益確定売りや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)高官の年内利下げ先送り示唆に伴い米長期金利上昇が懸念され、米国株式市場の下落を招き、日本株式市場は上値を抑えられました。月半ばには米CPI(消費者物価指数)の市場予想を超える上昇や半導体関連企業の大幅下落、また中東情勢の悪化などから日経平均株価は一時37,000円を割り込みました。月後半には中東情勢の落ち着きから買い戻しの動きが見られ、日経平均株価は38,000円台を回復しました。26日まで開かれた日銀金融政策決定会合では緩和的な金融政策の維持が決定され、日本が祝日だった29日にドル円相場は一時160円台へ急伸し約34年ぶりの高値を更新しました。しかしながら、その後一転して154円台まで大きく円高に振れ、市場では政府による為替介入が行われたとの観測が広がりました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.14%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ペプチドリーム、第一三共、楽天銀行などでした。ペプチドリームは、Novartis Pharma社(スイス)との提携が拡大し、契約一時金として180百万ドルを受領するとの発表を好感し株価は上昇しました。第一三共は、最大2,000億円を上限とする自己株買いを発表したことが好感され株価は大きく上昇しました。楽天銀行は、親会社の楽天グループ㈱が楽天銀行を含むフィンテック事業の再編を協議し始めたことで同社への成長期待が高まり株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、アドバンテスト、VRAIN Solution、アンビスホールディングスなどでした。アドバンテストは、半導体セクターの株価が過熱感から下落基調であったことに加え、2025年3月期の会社計画が市場予想を大幅に下回ったことから株価は大きく下落しました。VRAIN Solutionは、東証グロース市場指数の下落が続く逆風下で2025年2月期業績予想が市場期待値に届かなったことを嫌気され株価は下落しました。アンビスホールディングスは、2024年度診療報酬改定の影響による成長率鈍化の懸念から株価は下落しました。
当月、ロング・ポジションにおいては、大手不動産の中で、含み益を加味した純資産に対し株価が割安水準にある三菱地所の新規投資を開始しました。
当月は保有銘柄のうち当月のファンドパフォーマンスに最もプラスに貢献した「ペプチドリーム」についてご紹介いたします。
同社は、独自技術のペプチド創薬を行うバイオベンチャーで、グローバル大手製薬会社と数多くのライセンス契約を結んでいます。また、子会社に放射性医薬品事業を行うPDRファーマ㈱を保有しています。近年、開発パイプラインの進捗の遅れや導出していたPD-L1阻害ペプチドの開発中止を受けて株価は低迷していましたが、以下の2点を根拠に保有を継続していました。
1点目は新規ライセンス契約金額の高額化による業績拡大です。近年の同社はPDC(ペプチド薬物複合体)のライセンスに注力していますが、直近の新規契約の契約一時金は数十億円クラスと、過去と比べると増加しています。これは新しい創薬モダリティ(医薬品製作における基盤技術の方法・手段)としてペプチド創薬の注目度が上昇しているうえ、有望なペプチド創薬を手掛ける競合会社が買収等により減少したことで、同社に対する引き合いが増加しているためです。この傾向は今後も継続する可能性が高いと考えます。
2点目は他の医薬品に比べて臨床開発の早期化が期待できる放射性医薬品分野を注力開発領域としたことによる株価バリュエーションの切り上がりです。放射性医薬品分野は、診断用化合物を対象がん患者に投与しイメージングデータを取得することで、効率的な臨床試験のデザインが可能になり、確度の高い業績寄与が見込めます。実際、グローバル大手製薬会社による放射性医薬品会社のM&Aが増加している背景はここにあります。具体的には2023年末同社が提携しているがんの放射性医薬品を手掛けていたRayzeBio社(米国)を、米国製薬大手Bristol Myers Squibb社が約41億ドルで買収する発表がありました。
当月発表されたNovartis Pharma社との提携拡大は上記2点に合致した動きであり、当ファンドではペプチドリームの中長期的な成長を加速させるものと期待しております。
米国では、利下げ期待が後退し長期金利が上昇しているため半導体関連銘柄など成長株の下落が目立っています。日本株も株価指数を牽引してきた半導体関連銘柄が調整局面に入ったことで上値が重くなっており、当面現状の水準を挟んでボックス圏で推移するとみています。今後決算発表が本格化することから、年初来から続いていた株価指数主導の上昇から、企業業績に基づいた銘柄選別に物色対象が変化し、ボトムアップ・リサーチによる投資の効果が出やすい局面に入るとみています。引き続き当ファンドの投資哲学に基づいた投資を実践してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年3月の運用コメント
株式市場の状況
2024年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.44%上昇し、日経平均株価は前月末比3.07%の上昇となりました。
当月の日本株式市場は、月前半は前月から引き続き半導体関連銘柄の上昇などが相場をけん引し、日経平均は史上初となる4万円台に到達するなど堅調な推移となりましたが、月半ばにかけては米国半導体関連銘柄が下落した影響や、日銀のマイナス金利政策解除を示唆する報道、春季労使交渉(春闘)での高い賃上げ実現への期待の高まりなどから日銀の金融政策正常化への思惑が広がって円高が進行したことなどが重しとなり、下落しました。月後半にかけては、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除や長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の買い入れ終了などを決定したものの、当面は緩和的な金融環境が継続するとの見通しが示されたことなどを受けて円安進行とともに上昇し、最終的に前月末を上回る水準で取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.13%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、東京建物、DMG森精機、東洋炭素などでした。東京建物は、インフレ定着による保有不動産の値上がり期待から株価は上昇しました。DMG森精機は、工作機械受注がボトムアウトし、2024年後半からプラスに転じるとの見方が広まり株価は上昇しました。東洋炭素は、半導体関連銘柄の中で相対的な割安感が注目され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、京成電鉄、ペプチドリーム、MARUWAなどでした。京成電鉄は、保有株式の一部を売却することを発表したものの、資産効率の改善スピードが遅いことを嫌気して株価は下落しました。ペプチドリームは、2024年12月期第1四半期中に新規の共同研究開発契約の発表がなかったため、四半期決算が赤字に転落する可能性高まったことが嫌気され株価は下落しました。MARUWAは、AI(人工知能)関連向けのセラミックス製品以外の需要が低調に推移していることから株価は下落しました。
当月は、ロング・ポジションにおいては、2024年12月期第1四半期決算が市場予想を下回り株価が大きく下落したマネジメントソリューションズの新規投資を開始しました。
当ファンドが企業を評価する際には、「経営者の質」、「企業収益の質」、「市場の成長性」という3つの視点を重視しています。当月は、当ファンドで投資を行っている「DMG森精機」について、これら3つの視点で同社をどのように評価しているかご紹介いたします。まず「経営者の質」に関しては、1999年の社長就任以降に複数の日本の工作機械メーカーを傘下に加え、さらに欧州のDMG社と完全に統合するなど、世界規模での業界再編を先導する森雅彦氏のビジョンと行動力を高く評価しています。また取締役会における外国籍役員、女性役員の比率はそれぞれ25%と経営チームの多様化に対する取り組みも高く評価しています。続いて「企業収益の質」に関しては、高付加価値な工作機械に専念しつつ、エンジニアリング・ソリューション提案を推進することで1案件当たりの更なる高付加価値化が推進されている点を評価しています。工作機械本体に加え、ロボットなど周辺機器を加えることで、会社資料によると受注単価は2012年の20百万円台から2023年には60百万円台まで大きく上昇させることに成功しています。最後に「市場の成長性」の視点では、需要地域、顧客属性の分散による業績安定性の改善に注目しています。日本と米国に顧客基盤を持つ森精機と欧州、東欧、中東、南米に顧客基盤を持つDMG社が統合した結果、地域別売上構成の平準化が進みました。同時に顧客の産業特性や顧客の企業規模の面でも分散が進んだことで、工作機械産業に特有の需要変動の大きさが緩和された結果、経営統合を始めた2011年以降、営業利益は一度も赤字に転じていません。また長らく懸念されてきた自動車のEV(電気⾃動⾞)化による工作機械需要の減少に関しても、2023年の時点でEV需要向け比率が内燃機関型自動車産業向けの比率をすでに上回っているなど構造的な変化がプラスに働いている点も評価されます。
これら3つの視点を総合的に評価して、同社は世界最大級の工作機械メーカーとして中長期的に高い成長が可能な企業として高く評価し投資を継続しています。
前述の通り、日銀はマイナス金利政策の解除や長短金利操作の撤廃を決定しましたが、一方で当面緩和的な金融環境が継続するとの見方を示しました。インフレ環境が進む中、緩和的な金融政策が継続すると実質金利はマイナス状況が継続するため日本株にとってはポジティブと考えます。年初来の物色対象は円安メリットのある製造業や金利上昇の恩恵を受ける金融関連銘柄など限られていましたが、賃金上昇効果が見込める4月以降、出遅れている消費関連銘柄やサービス関連銘柄などに物色対象が広がると考えます。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年2月の運用コメント
株式市場の状況
2024年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.93%上昇し、日経平均株価は前月末比7.94%の大幅上昇となりました。
当月の日本株式市場は、月前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)の内容を受け早期の米利下げ期待が後退し一進一退の動きで推移しましたが、月半ばから後半にかけては内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も日銀は緩和的な金融環境を維持するとの認識を示したことや、生成AI(人工知能)向け半導体需要の増加が期待される米国で半導体関連企業の株価上昇が続き、日本の半導体関連企業にも資金が集中したことから、続伸しました。22日には日経平均株価は39,098.68円で終え、約34年ぶりに最高値を更新しました。その後の日本株式市場の推移は緩やかだったものの、月末まで日経平均株価は3万9,000円台を維持したまま当月の取引を終えました。
ファンドの運用状況
当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.71%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、DMG森精機、東洋炭素などでした。楽天銀行は、2024年3月期業績の上方修正と株主優待制度の新設が好感され株価は大きく上昇しました。DMG森精機は、受注が端境期になる2024年12月期も増収増益なる見通しを発表したことが好感され株価は上昇しました。東洋炭素は、2024年12月期も過去最高益更新する見通しを発表したことが好感され株価は上昇しました。
⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、I-ne、ソニーグループ、東京建物などでした。I-neは、2023年12月期決算で前年比35%の営業増益を計上したものの、2024年度予想が前年比5%増と低調だったことから株価は下落しました。ソニーグループは2023年度第3四半期決算において四半期の営業利益は前年同四半期に対して増益に転じたものの、通期利益見通しの修正が小幅であったことを嫌気して株価は下落しました。東京建物は、2024年12月期までの業績は堅調に推移する見通しであるものの、好採算のマンション販売がピークアウトすると考えられる来期業績に対する懸念から株価は軟調に推移しました。
当月は、ロング・ポジションにおいては、当月に新規上場したVRAIN Solution、半導体メモリのHBM向けコンプレッション装置の中期的な受注拡大が期待できると考えられるTOWAなどを新規に組み入れました。
当月は新たに投資を開始した「VRAIN Solution」についてご紹介いたします。同社は東証グロース市場に当月上場した会社で、製造業の現場に特化し、AIを活用した装置やシステムの販売を主に行っています。特に工場における製造工程の一つである外観検査の自動化システムに定評があり、現在の主力製品になっています。これまでの外観検査は複数名(10名以上である場合も少なくない)による目視で行われてきました。カメラを用いた自動化は、事前に良品、不良品を定義することが難しく、十分な精度を得られなかったため普及は限定的でした。一方、同社のシステムはAIが良品、不良品を学習するため熟練した検査員と同等の精度を実現でき、労務費の大幅な削減という明確な効果に繋がり顧客に受け入れられています。
当ファンドが同社を特に評価する点は、同社のビジネスモデルがAIエンジニアの人数に依存しないことです。多くのAIベンチャー企業は顧客ごとに担当のAIエンジニアを配置し、それぞれ異なる課題をAIで解決するビジネスモデルになっています。これは「AIエンジニアの人数×一人当たり売上高」で売上高が決まるモデルであり、取り合いになっているAIエンジニアの採用に苦戦すると成長が止まってしまいます。一方で、同社の場合は売上の大半はAI外観検査のシステムなど標準化されたシステムのためAIエンジニアの人数が成長のボトルネックにならず、営業体制が強化されれば高成長が維持可能であると考えられます。
同社の株価は、2024年2月期の会社予想ベースでPER185倍と将来の成長を多分に織り込み、一見割高にみえます。しかしながら、同社の成長速度、収益性の高さ、長期的な成長余地を鑑みれば投資妙味は十分にあると考えます。また、当ファンドでは割高と評価する他のAI関連企業をショートすることで株価バリュエーションの高いAI関連銘柄のリスクを一部ヘッジしています。
日本株は、半導体銘柄中心に大型株主導の上昇になっています。先行して上昇した大型株の一部には割安感が薄れており、今後中小型株へ物色が広がると考えます。中小型株は内需関連が多いため、円安環境下では株価が出遅れる傾向があります。しかし4月以降の賃上げにより実質所得がプラスになれば、内需の拡大による中小型株の企業業績の伸び率の増加も期待できるため、株価の出遅れも解消されると考えます。引き続き競争力の高い商品やサービスを持つ中長期で業績成長が期待できる企業への投資を実施してまいります。
今後の運用方針
当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。
2024年1月の運用コメント
株式市場の状況
2024年1⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐7.81%の上昇となりました。
当⽉の⽇本株式市場は、能登半島地震の影響精査のため⽇銀が利上げを⾒送るとの⾒⽅が⾼まったことや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)⾼官のタカ派な発⾔を受けた⽶⻑期⾦利の上昇を背景に円安が進み、⽉前半は⼤きく上昇しました。また、新NISA制度の開始による個⼈投資家の買い需要や、東京証券取引所の市場改⾰への期待感から海外投資家の資⾦も多く流⼊しました。⽉半ばから後半にかけては、利益確定の売り圧⼒や、⽶国半導体⼤⼿の業績⾒通しが市場予想を下回ったことから半導体関連銘柄を中⼼に⼀時下落基調に転じる場⾯もあったものの、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。
ファンドの運用状況
1⽉の当ファンドは、三菱UFJフィナンシャル・グループ、アドバンテスト、DMG森精機などが上昇しパフォーマンスに対してプラスに貢献しました。三菱UFJフィナンシャル・グループはマイナス⾦利解除期待から株価は上昇したものと思われます。アドバンテストは、2024年以降半導体設備投資が回復基調に⼊るとの⾒⽅が強まり株価は上昇しました。DMG森精機は2023年12⽉期の連結業績を上⽅修正したことが好感され株価は上昇しました。
⼀⽅、サスメド、ペプチドリーム、アンビスホールディングスなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。サスメドは、不眠障害治療アプリの2024年度診療報酬改定時における保険適⽤申請書を取り下げたことで株価は下落しました。これは厚⽣労働省のガイドライン変更により、治療アプリなどについては従来の診療報酬ではなくプログラム機器として保険収載されることになったことによるもので、会社側は4⽉以降プログラム機器として再度保険適⽤申請書を出す⾒込みであり、⻑期的な事業価値に与える影響は⼤きくないとみております。ペプチドリームは、特段悪材料はないものの、バイオ関連銘柄などの新興市場の銘柄が総じて軟調に推移したことに影響されて株価は下落しました。アンビスホールディングスは、2024年度介護報酬改定案で訪問介護の基本報酬などがマイナス改定となったことが嫌気され、株価は下落しました。
当⽉は、ロング・ポジションにおいては楽天銀⾏、ゴールドウイン、東洋炭素などの買い増しを⾏いました。⼀⽅ショート・ポジションにおいてはトマト⼀次加⼯⼤⼿の持分法適⽤関連会社の買収を発表した⼤⼿野菜系飲料会社、業績がボトムアウトしたと判断した⼤⼿製紙会社や⼤⼿建設会社などを買い戻す⼀⽅、農業機械の⽣産調整が懸念される⼤⼿農業機械会社、肥満を抑制する医薬品の普及が中⻑期的に業績の逆⾵となると考えられる医療機器メーカーなどの新規組み⼊れを⾏いました。
今後の運用方針
⽇本株式は、インフレ定着による⽇本の潜在経済成⻑率の⾼まりや東京証券取引所の上場企業に対する資本効率改善要請に伴う企業の収益性の改善期待により年初から⼤きく上昇しました。特に海外投資家からの資⾦流⼊が旺盛なことから⼤型株主導の上昇になっています。先⾏して上昇した⼤型株の⼀部は割安感が薄れており、今後の物⾊対象は中⼩型株へ広がると考えます。引き続き競争⼒の⾼い商品やサービスを持つ中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を実施してまいります。
銘柄紹介
当⽉は2023年12⽉に上場した際に新規に投資を開始した「ヒューマンテクノロジーズ」についてご紹介いたします。同社は「KING OFTIME」の名称で知られる勤怠管理システムを提供しており、国内の勤怠管理システムでトップシェアを有しています。その強みは、低価格の⽉額料⾦(1ユーザーあたり⽉額300円)や打刻⼿段など顧客ごとに異なるニーズに対応できるカスタマイズ性にあると当ファンドでは考えています。また、近年は⽉額料⾦を据え置いたままで、⼈事労務や給与計算など勤怠管理の領域を越えたサービスを提供しており、競争⼒をより⼀層強めています。
当ファンドが同社を⾼く評価する理由は主に2つです。1つ⽬は解約率の低さです。同社サービスの⽉次解約率は0.25%前後で安定していますが、これは同様のサブスクリプションサービスと⽐較しても極めて低い⽔準です。利⽤料⾦が⽉額300円と絶対的及び相対的に低いことに加え、顧客企業の多くの社員が⽇常的に使⽤しているために、使い慣れたサービスを切り替えることへの⼼理的抵抗が⾼いことがその要因と解釈しています。また解約率が低いことで、新規顧客の獲得コストを低く抑えることが可能になります。つまり広告や販売促進費などのコストコントロールの容易さが将来業績の予測精度を⾼めるという点において、ビジネスモデルの質は⾼いと評価できます。
2つ⽬は、収益拡⼤の確度が⾼いと考えられる点です。同社は課⾦対象を利⽤ユーザー数から、登録ユーザー数に段階的に切り替えることを公表しています。この変更によって育休や産休など⼀時的な休職者が課⾦対象となることで、既存契約企業に対する実質的な価格引き上げを⾏うことが可能になり、売上⾼の増加、利益率の改善が図られると考えられます。今⽇、同社サービスは勤怠管理に留まらず、⼈事労務や給与計算に広がっていることから判断すると登録ユーザー数への課⾦対象の変更は合理的であり、顧客企業の理解を得られやすいと考えています。これらの要因から同社の潜在的な企業価値を⾼く評価して投資を開始しました。
2023年12月の運用コメント
株式市場の状況
2023年12⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.23%の下落となりました。
当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は⽇銀の植⽥総裁と氷⾒野副総裁両名の発⾔を受けて⾦融政策修正の思惑が⾼まったことや、FOMC(⽶連邦公開市場委員会)のハト派の内容を受けて⽶⻑期⾦利が低下したことで、円⾼が進み下落しました。⽉後半は、⽇銀⾦融政策決定会合における⾦融緩和維持の決定が好感される場⾯もありましたが、年末の閑散相場もあって円⾼基調が継続する展開が重しとなり、最終的に前⽉末を下回る⽔準で⽉を終えました。
ファンドの運用状況
12⽉の当ファンドは、ペプチドリーム、アウトソーシングなどが上昇しパフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ペプチドリームは、⽶国⼤⼿製薬会社が戦略的提携を⾏っているレイズバイオ社(⽶国)の買収を発表したことを受け、同社の注⼒領域である放射性医薬品の中期的な成⻑性が評価され株価は上昇しました。アウトソーシングは、創業社⻑と⽶投資ファンドによるMBO(経営陣が参加する買収)が発表され株価は上昇しました。
⼀⽅、楽天銀⾏、サイゼリヤなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。楽天銀⾏は、親会社が株式売出しを発表したため、短期的な需給悪化を嫌気され株価は下落しました。サイゼリヤは、中国景気減速を受け中国事業の業績悪化懸念から株価は下落しました。
当⽉はロング・ポジションにおいては後述するゴールドウインを含む複数の新規の銘柄の組み⼊れを⾏い、ショート・ポジションにおいては成⻑性や収益性に⽐してバリュエーション⾯で割⾼と考えられるITエンジニアのマッチングサービスを⼿掛ける会社などの新規の組み⼊れを⾏いました。
今後の運用方針
2024年も⽇本株式市場を取り巻く環境は引き続き明るいと考えます。インフレ定着に伴う⽇本の潜在経済成⻑率の⾼まりや東証の上場企業に対する資本効率改善要請により⽇本株式への評価が⾼まり、PER(株価収益率)などの⽇本株式のバリュエーションが切り上がることが期待できるからです。また、在庫調整終了に伴う電気機器や機械などの業種における業績回復や円安ピークアウトに伴う内需企業の収益性改善により、来年度の企業業績も期待できると当ファンドでは考えております。
リスクとしては、中東情勢や⽶中間の対⽴の⼀段の悪化など海外要因にあるとみております。海外発の突発的なリスクがなければ、⽇経平均株価は企業業績の拡⼤とバリュエーション修正により、1989年の⾼値更新が視野に⼊ると考えます。
引き続き当社の投資哲学に沿った投資を実施してまいります。
銘柄紹介
当⽉は新規に投資を開始した「ゴールドウイン」についてご紹介いたします。同社は1951年に設⽴された⽇本のアパレルメーカーです。特に⾃社ブランドの「ゴールドウイン」と⽇本及び韓国での商標権を保有している「ザ・ノース・フェイス」は、品質と機能性の⾼さがアウトドア市場で⾼く評価され、多くのファンから⻑らく愛され続けています。
当ファンドでは、同社の販売ロス率(以下ロス率)の低さに注⽬しています。ロス率とは、製品が販売に⾄らず破棄されたものの⽐率です。ロス率は⾼くなると原価上昇につながるため、アパレルメーカーにとって重要な経営指標の⼀つとなります。⼀般的に、⾐服は供給量の半分が売れ残ると⾔われていますが、同社のロス率は2022年度でわずか1.5%です。その背景には、同社が2000年から実需型ビジネスモデルに転換し、店舗の本社に対する発注量を徹底的に管理しているところにあります。
同社がロングセラー商品(⻑期にわたり売れ続けるもの)を多数保有していることも、ロス率が低いもう⼀つの理由です。ファッション業界は流⾏の変化が激しく、ヒットする商品を予測することが難しいため不良在庫リスクを常に抱えています。⼀⽅で、同社が保有する「ザ・ノース・フェイス」ブランドの「ヌプシジャケット」シリーズは、1992年に誕⽣し30年以上にわたってオリジナルデザインを維持していることから、毎年精度の⾼い需要予測が可能です。需要以上に供給しないことで、在庫消化のため値下げをする必要がなくなり、適正単価を維持することができます。また、毎年新商品のプロモーションのため過度な広告宣伝費を使う必要もなくなります。その結果、同社の売上⾼総利益率は2023年3⽉期52.2%、営業利益率は19.0%と国内アパレル業界の中でもトップ⽔準に達しています。
同社の株価は当⽉から下落トレンドに転じました。当⽉は12⽉の過去最⾼気温を更新するなど平年よりも暖かかったこともあり、ダウンジャケットを冬の注⼒製品としている同社の売上に悪影響を及ぼすことを株式市場が懸念しているものと思われます。しかし、当ファンドでは天候の業績への影響は短期的であると考えていること、また直近の同社への取材で実際の影響は限定的と推測していることから、⾜元の株価下落は投資を開始する好機であるととらえ新規投資を開始しました。
交付運用報告書
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交付運用報告書 (第3期 2025年12月8日決算) (948.0 KB)
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交付運用報告書 (第2期 2024年12月6日決算) (897.5 KB)
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交付運用報告書 (第1期 2023年12月6日決算) (600.9 KB)
運用報告書(全体版)
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運用報告書 (全体版) (第3期 2025年12月8日決算) (842.8 KB)
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運用報告書 (全体版) (第2期 2024年12月6日決算) (797.7 KB)
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運用報告書 (全体版) (第1期 2023年12月6日決算) (728.5 KB)
主な投資リスク、費用等
- 当ファンドの投資リスクについては、交付目論見書(投資信託説明書)記載の「投資リスク」をご覧ください。 (807.2 KB)
- 当ファンドに係る費用等については、交付目論見書(投資信託説明書)記載の「ファンドの費用、税金」をご覧ください。 (807.2 KB)
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