スパークス・日本株L&Sファンド(野村SMA・EW向け) | 投資信託 | スパークス・アセット・マネジメント

スパークス・日本株L&Sファンド(野村SMA・EW向け)

  • ラップ口座向け
日経新聞掲載名
EW日株LS
分類
追加型投信/国内/株式/特殊型(ロング・ショート型)
設定日
決算日
毎年12月6日

基準日:2024.05.01

基準価額
10,345
前日比
-2
-0.02%
純資産総額
3.7億円
分配金情報(税引前)
0

基準価額推移

分配金実績

決算頻度:1回/年

設定来合計
0
直近12期計
0

分配金実績一覧

2023年12月06日
0

月次報告書

2024年

2023年

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2024年3月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.44%上昇し、日経平均株価は前月末比3.07%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半は前月から引き続き半導体関連銘柄の上昇などが相場をけん引し、日経平均は史上初となる4万円台に到達するなど堅調な推移となりましたが、月半ばにかけては米国半導体関連銘柄が下落した影響や、日銀のマイナス金利政策解除を示唆する報道、春季労使交渉(春闘)での高い賃上げ実現への期待の高まりなどから日銀の金融政策正常化への思惑が広がって円高が進行したことなどが重しとなり、下落しました。月後半にかけては、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除や長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の買い入れ終了などを決定したものの、当面は緩和的な金融環境が継続するとの見通しが示されたことなどを受けて円安進行とともに上昇し、最終的に前月末を上回る水準で取引を終えました。

ファンドの運用状況

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.13%の上昇となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、東京建物、DMG森精機、東洋炭素などでした。東京建物は、インフレ定着による保有不動産の値上がり期待から株価は上昇しました。DMG森精機は、工作機械受注がボトムアウトし、2024年後半からプラスに転じるとの見方が広まり株価は上昇しました。東洋炭素は、半導体関連銘柄の中で相対的な割安感が注目され株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、京成電鉄、ペプチドリーム、MARUWAなどでした。京成電鉄は、保有株式の一部を売却することを発表したものの、資産効率の改善スピードが遅いことを嫌気して株価は下落しました。ペプチドリームは、2024年12月期第1四半期中に新規の共同研究開発契約の発表がなかったため、四半期決算が赤字に転落する可能性高まったことが嫌気され株価は下落しました。MARUWAは、AI(人工知能)関連向けのセラミックス製品以外の需要が低調に推移していることから株価は下落しました。
 当月は、ロング・ポジションにおいては、2024年12月期第1四半期決算が市場予想を下回り株価が大きく下落したマネジメントソリューションズの新規投資を開始しました。

 当ファンドが企業を評価する際には、「経営者の質」、「企業収益の質」、「市場の成長性」という3つの視点を重視しています。当月は、当ファンドで投資を行っている「DMG森精機」について、これら3つの視点で同社をどのように評価しているかご紹介いたします。まず「経営者の質」に関しては、1999年の社長就任以降に複数の日本の工作機械メーカーを傘下に加え、さらに欧州のDMG社と完全に統合するなど、世界規模での業界再編を先導する森雅彦氏のビジョンと行動力を高く評価しています。また取締役会における外国籍役員、女性役員の比率はそれぞれ25%と経営チームの多様化に対する取り組みも高く評価しています。続いて「企業収益の質」に関しては、高付加価値な工作機械に専念しつつ、エンジニアリング・ソリューション提案を推進することで1案件当たりの更なる高付加価値化が推進されている点を評価しています。工作機械本体に加え、ロボットなど周辺機器を加えることで、会社資料によると受注単価は2012年の20百万円台から2023年には60百万円台まで大きく上昇させることに成功しています。最後に「市場の成長性」の視点では、需要地域、顧客属性の分散による業績安定性の改善に注目しています。日本と米国に顧客基盤を持つ森精機と欧州、東欧、中東、南米に顧客基盤を持つDMG社が統合した結果、地域別売上構成の平準化が進みました。同時に顧客の産業特性や顧客の企業規模の面でも分散が進んだことで、工作機械産業に特有の需要変動の大きさが緩和された結果、経営統合を始めた2011年以降、営業利益は一度も赤字に転じていません。また長らく懸念されてきた自動車のEV(電気⾃動⾞)化による工作機械需要の減少に関しても、2023年の時点でEV需要向け比率が内燃機関型自動車産業向けの比率をすでに上回っているなど構造的な変化がプラスに働いている点も評価されます。
 これら3つの視点を総合的に評価して、同社は世界最大級の工作機械メーカーとして中長期的に高い成長が可能な企業として高く評価し投資を継続しています。
 前述の通り、日銀はマイナス金利政策の解除や長短金利操作の撤廃を決定しましたが、一方で当面緩和的な金融環境が継続するとの見方を示しました。インフレ環境が進む中、緩和的な金融政策が継続すると実質金利はマイナス状況が継続するため日本株にとってはポジティブと考えます。年初来の物色対象は円安メリットのある製造業や金利上昇の恩恵を受ける金融関連銘柄など限られていましたが、賃金上昇効果が見込める4月以降、出遅れている消費関連銘柄やサービス関連銘柄などに物色対象が広がると考えます。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年2月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.93%上昇し、日経平均株価は前月末比7.94%の大幅上昇となりました。
当月の日本株式市場は、月前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)の内容を受け早期の米利下げ期待が後退し一進一退の動きで推移しましたが、月半ばから後半にかけては内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も日銀は緩和的な金融環境を維持するとの認識を示したことや、生成AI(人工知能)向け半導体需要の増加が期待される米国で半導体関連企業の株価上昇が続き、日本の半導体関連企業にも資金が集中したことから、続伸しました。22日には日経平均株価は39,098.68円で終え、約34年ぶりに最高値を更新しました。その後の日本株式市場の推移は緩やかだったものの、月末まで日経平均株価は39,000円台を維持したまま当月の取引を終えました。

ファンドの運用状況

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐1.71%の上昇となりました。
当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、DMG森精機、東洋炭素などでした。楽天銀行は、2024年3月期業績の上方修正と株主優待制度の新設が好感され株価は大きく上昇しました。DMG森精機は、受注が端境期になる2024年12月期も増収増益なる見通しを発表したことが好感され株価は上昇しました。東洋炭素は、2024年12月期も過去最高益更新する見通しを発表したことが好感され株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、I-ne、ソニーグループ、東京建物などでした。I-neは、2023年12月期決算で前年比35%の営業増益を計上したものの、2024年度予想が前年比5%増と低調だったことから株価は下落しました。ソニーグループは2023年度第3四半期決算において四半期の営業利益は前年同四半期に対して増益に転じたものの、通期利益見通しの修正が小幅であったことを嫌気して株価は下落しました。東京建物は、2024年12月期までの業績は堅調に推移する見通しであるものの、好採算のマンション販売がピークアウトすると考えられる来期業績に対する懸念から株価は軟調に推移しました。
 当月は、ロング・ポジションにおいては、当月に新規上場したVRAIN Solution、半導体メモリのHBM向けコンプレッション装置の中期的な受注拡大が期待できると考えられるTOWAなどを新規に組み入れました。

 当月は新たに投資を開始した「VRAIN Solution」についてご紹介いたします。同社は東証グロース市場に当月上場した会社で、製造業の現場に特化し、AIを活用した装置やシステムの販売を主に行っています。特に工場における製造工程の一つである外観検査の自動化システムに定評があり、現在の主力製品になっています。これまでの外観検査は複数名(10名以上である場合も少なくない)による目視で行われてきました。カメラを用いた自動化は、事前に良品、不良品を定義することが難しく、十分な精度を得られなかったため普及は限定的でした。一方、同社のシステムはAIが良品、不良品を学習するため熟練した検査員と同等の精度を実現でき、労務費の大幅な削減という明確な効果に繋がり顧客に受け入れられています。
 当ファンドが同社を特に評価する点は、同社のビジネスモデルがAIエンジニアの人数に依存しないことです。多くのAIベンチャー企業は顧客ごとに担当のAIエンジニアを配置し、それぞれ異なる課題をAIで解決するビジネスモデルになっています。これは「AIエンジニアの人数×一人当たり売上高」で売上高が決まるモデルであり、取り合いになっているAIエンジニアの採用に苦戦すると成長が止まってしまいます。一方で、同社の場合は売上の大半はAI外観検査のシステムなど標準化されたシステムのためAIエンジニアの人数が成長のボトルネックにならず、営業体制が強化されれば高成長が維持可能であると考えられます。
 同社の株価は、20242月期の会社予想ベースでPER185倍と将来の成長を多分に織り込み、一見割高にみえます。しかしながら、同社の成長速度、収益性の高さ、長期的な成長余地を鑑みれば投資妙味は十分にあると考えます。また、当ファンドでは割高と評価する他のAI関連企業をショートすることで株価バリュエーションの高いAI関連銘柄のリスクを一部ヘッジしています。

 日本株は、半導体銘柄中心に大型株主導の上昇になっています。先行して上昇した大型株の一部には割安感が薄れており、今後中小型株へ物色が広がると考えます。中小型株は内需関連が多いため、円安環境下では株価が出遅れる傾向があります。しかし4月以降の賃上げにより実質所得がプラスになれば、内需の拡大による中小型株の企業業績の伸び率の増加も期待できるため、株価の出遅れも解消されると考えます。引き続き競争力の高い商品やサービスを持つ中長期で業績成長が期待できる企業への投資を実施してまいります。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年1月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年1⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐7.81%の上昇となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、能登半島地震の影響精査のため⽇銀が利上げを⾒送るとの⾒⽅が⾼まったことや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)⾼官のタカ派な発⾔を受けた⽶⻑期⾦利の上昇を背景に円安が進み、⽉前半は⼤きく上昇しました。また、新NISA制度の開始による個⼈投資家の買い需要や、東京証券取引所の市場改⾰への期待感から海外投資家の資⾦も多く流⼊しました。⽉半ばから後半にかけては、利益確定の売り圧⼒や、⽶国半導体⼤⼿の業績⾒通しが市場予想を下回ったことから半導体関連銘柄を中⼼に⼀時下落基調に転じる場⾯もあったものの、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 1⽉の当ファンドは、三菱UFJフィナンシャル・グループ、アドバンテスト、DMG森精機などが上昇しパフォーマンスに対してプラスに貢献しました。三菱UFJフィナンシャル・グループはマイナス⾦利解除期待から株価は上昇したものと思われます。アドバンテストは、2024年以降半導体設備投資が回復基調に⼊るとの⾒⽅が強まり株価は上昇しました。DMG森精機は2023年12⽉期の連結業績を上⽅修正したことが好感され株価は上昇しました。
 ⼀⽅、サスメド、ペプチドリーム、アンビスホールディングスなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。サスメドは、不眠障害治療アプリの2024年度診療報酬改定時における保険適⽤申請書を取り下げたことで株価は下落しました。これは厚⽣労働省のガイドライン変更により、治療アプリなどについては従来の診療報酬ではなくプログラム機器として保険収載されることになったことによるもので、会社側は4⽉以降プログラム機器として再度保険適⽤申請書を出す⾒込みであり、⻑期的な事業価値に与える影響は⼤きくないとみております。ペプチドリームは、特段悪材料はないものの、バイオ関連銘柄などの新興市場の銘柄が総じて軟調に推移したことに影響されて株価は下落しました。アンビスホールディングスは、2024年度介護報酬改定案で訪問介護の基本報酬などがマイナス改定となったことが嫌気され、株価は下落しました。
 当⽉は、ロング・ポジションにおいては楽天銀⾏、ゴールドウイン、東洋炭素などの買い増しを⾏いました。⼀⽅ショート・ポジションにおいてはトマト⼀次加⼯⼤⼿の持分法適⽤関連会社の買収を発表した⼤⼿野菜系飲料会社、業績がボトムアウトしたと判断した⼤⼿製紙会社や⼤⼿建設会社などを買い戻す⼀⽅、農業機械の⽣産調整が懸念される⼤⼿農業機械会社、肥満を抑制する医薬品の普及が中⻑期的に業績の逆⾵となると考えられる医療機器メーカーなどの新規組み⼊れを⾏いました。

今後の運用方針

 ⽇本株式は、インフレ定着による⽇本の潜在経済成⻑率の⾼まりや東京証券取引所の上場企業に対する資本効率改善要請に伴う企業の収益性の改善期待により年初から⼤きく上昇しました。特に海外投資家からの資⾦流⼊が旺盛なことから⼤型株主導の上昇になっています。先⾏して上昇した⼤型株の⼀部は割安感が薄れており、今後の物⾊対象は中⼩型株へ広がると考えます。引き続き競争⼒の⾼い商品やサービスを持つ中⻑期で業績成⻑が期待できる企業への投資を実施してまいります。

銘柄紹介

 当⽉は2023年12⽉に上場した際に新規に投資を開始した「ヒューマンテクノロジーズ」についてご紹介いたします。同社は「KING OFTIME」の名称で知られる勤怠管理システムを提供しており、国内の勤怠管理システムでトップシェアを有しています。その強みは、低価格の⽉額料⾦(1ユーザーあたり⽉額300円)や打刻⼿段など顧客ごとに異なるニーズに対応できるカスタマイズ性にあると当ファンドでは考えています。また、近年は⽉額料⾦を据え置いたままで、⼈事労務や給与計算など勤怠管理の領域を越えたサービスを提供しており、競争⼒をより⼀層強めています。
 当ファンドが同社を⾼く評価する理由は主に2つです。1つ⽬は解約率の低さです。同社サービスの⽉次解約率は0.25%前後で安定していますが、これは同様のサブスクリプションサービスと⽐較しても極めて低い⽔準です。利⽤料⾦が⽉額300円と絶対的及び相対的に低いことに加え、顧客企業の多くの社員が⽇常的に使⽤しているために、使い慣れたサービスを切り替えることへの⼼理的抵抗が⾼いことがその要因と解釈しています。また解約率が低いことで、新規顧客の獲得コストを低く抑えることが可能になります。つまり広告や販売促進費などのコストコントロールの容易さが将来業績の予測精度を⾼めるという点において、ビジネスモデルの質は⾼いと評価できます。
 2つ⽬は、収益拡⼤の確度が⾼いと考えられる点です。同社は課⾦対象を利⽤ユーザー数から、登録ユーザー数に段階的に切り替えることを公表しています。この変更によって育休や産休など⼀時的な休職者が課⾦対象となることで、既存契約企業に対する実質的な価格引き上げを⾏うことが可能になり、売上⾼の増加、利益率の改善が図られると考えられます。今⽇、同社サービスは勤怠管理に留まらず、⼈事労務や給与計算に広がっていることから判断すると登録ユーザー数への課⾦対象の変更は合理的であり、顧客企業の理解を得られやすいと考えています。これらの要因から同社の潜在的な企業価値を⾼く評価して投資を開始しました。

2023年12月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年12⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.23%の下落となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は⽇銀の植⽥総裁と氷⾒野副総裁両名の発⾔を受けて⾦融政策修正の思惑が⾼まったことや、FOMC(⽶連邦公開市場委員会)のハト派の内容を受けて⽶⻑期⾦利が低下したことで、円⾼が進み下落しました。⽉後半は、⽇銀⾦融政策決定会合における⾦融緩和維持の決定が好感される場⾯もありましたが、年末の閑散相場もあって円⾼基調が継続する展開が重しとなり、最終的に前⽉末を下回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 12⽉の当ファンドは、ペプチドリーム、アウトソーシングなどが上昇しパフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ペプチドリームは、⽶国⼤⼿製薬会社が戦略的提携を⾏っているレイズバイオ社(⽶国)の買収を発表したことを受け、同社の注⼒領域である放射性医薬品の中期的な成⻑性が評価され株価は上昇しました。アウトソーシングは、創業社⻑と⽶投資ファンドによるMBO(経営陣が参加する買収)が発表され株価は上昇しました。
 ⼀⽅、楽天銀⾏、サイゼリヤなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。楽天銀⾏は、親会社が株式売出しを発表したため、短期的な需給悪化を嫌気され株価は下落しました。サイゼリヤは、中国景気減速を受け中国事業の業績悪化懸念から株価は下落しました。
 当⽉はロング・ポジションにおいては後述するゴールドウインを含む複数の新規の銘柄の組み⼊れを⾏い、ショート・ポジションにおいては成⻑性や収益性に⽐してバリュエーション⾯で割⾼と考えられるITエンジニアのマッチングサービスを⼿掛ける会社などの新規の組み⼊れを⾏いました。

今後の運用方針

 2024年も⽇本株式市場を取り巻く環境は引き続き明るいと考えます。インフレ定着に伴う⽇本の潜在経済成⻑率の⾼まりや東証の上場企業に対する資本効率改善要請により⽇本株式への評価が⾼まり、PER(株価収益率)などの⽇本株式のバリュエーションが切り上がることが期待できるからです。また、在庫調整終了に伴う電気機器や機械などの業種における業績回復や円安ピークアウトに伴う内需企業の収益性改善により、来年度の企業業績も期待できると当ファンドでは考えております。
 リスクとしては、中東情勢や⽶中間の対⽴の⼀段の悪化など海外要因にあるとみております。海外発の突発的なリスクがなければ、⽇経平均株価は企業業績の拡⼤とバリュエーション修正により、1989年の⾼値更新が視野に⼊ると考えます。
 引き続き当社の投資哲学に沿った投資を実施してまいります。

銘柄紹介

 当⽉は新規に投資を開始した「ゴールドウイン」についてご紹介いたします。同社は1951年に設⽴された⽇本のアパレルメーカーです。特に⾃社ブランドの「ゴールドウイン」と⽇本及び韓国での商標権を保有している「ザ・ノース・フェイス」は、品質と機能性の⾼さがアウトドア市場で⾼く評価され、多くのファンから⻑らく愛され続けています。
 当ファンドでは、同社の販売ロス率(以下ロス率)の低さに注⽬しています。ロス率とは、製品が販売に⾄らず破棄されたものの⽐率です。ロス率は⾼くなると原価上昇につながるため、アパレルメーカーにとって重要な経営指標の⼀つとなります。⼀般的に、⾐服は供給量の半分が売れ残ると⾔われていますが、同社のロス率は2022年度でわずか1.5%です。その背景には、同社が2000年から実需型ビジネスモデルに転換し、店舗の本社に対する発注量を徹底的に管理しているところにあります。
 同社がロングセラー商品(⻑期にわたり売れ続けるもの)を多数保有していることも、ロス率が低いもう⼀つの理由です。ファッション業界は流⾏の変化が激しく、ヒットする商品を予測することが難しいため不良在庫リスクを常に抱えています。⼀⽅で、同社が保有する「ザ・ノース・フェイス」ブランドの「ヌプシジャケット」シリーズは、1992年に誕⽣し30年以上にわたってオリジナルデザインを維持していることから、毎年精度の⾼い需要予測が可能です。需要以上に供給しないことで、在庫消化のため値下げをする必要がなくなり、適正単価を維持することができます。また、毎年新商品のプロモーションのため過度な広告宣伝費を使う必要もなくなります。その結果、同社の売上⾼総利益率は2023年3⽉期52.2%、営業利益率は19.0%と国内アパレル業界の中でもトップ⽔準に達しています。
 同社の株価は当⽉から下落トレンドに転じました。当⽉は12⽉の過去最⾼気温を更新するなど平年よりも暖かかったこともあり、ダウンジャケットを冬の注⼒製品としている同社の売上に悪影響を及ぼすことを株式市場が懸念しているものと思われます。しかし、当ファンドでは天候の業績への影響は短期的であると考えていること、また直近の同社への取材で実際の影響は限定的と推測していることから、⾜元の株価下落は投資を開始する好機であるととらえ新規投資を開始しました。

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運用報告書(全体版)

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