スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド | 投資信託 | スパークス・アセット・マネジメント

スパークス・日本株・ロング・ショート・ファンド
(愛称:ベスト・アルファ)

日経新聞掲載名
アルファ
分類
追加型投信/国内/株式/特殊型(ロング・ショート型)
設定日
決算日
毎年3月10日

基準日:2024.07.19

基準価額
29,566
前日比
+121
+0.41%
純資産総額
12.2億円
分配金情報(税引前)
0

基準価額推移

分配金実績

決算頻度:1回/年

設定来合計
1,300
直近12期計
300

分配金実績一覧

2024年03月11日
0
2023年03月10日
0
2022年03月10日
0
2021年03月10日
0
2020年03月10日
0
2019年03月11日
0
2018年03月12日
0
2017年03月10日
0
2016年03月10日
0
2015年03月10日
0
2014年03月10日
300
2013年03月11日
0
2012年03月12日
0
2011年03月10日
300
2010年03月10日
0
2009年03月10日
0
2008年03月10日
0
2007年03月12日
0
2006年03月10日
0
2005年03月10日
0
2004年03月10日
700
2003年03月10日
0

月次報告書

2024年

2023年

2022年

2021年

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2016年

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2024年6月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年6月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.45%上昇し、日経平均株価も前月末比2.85%上昇しました。
 当月の日本株式市場は、日米の金融政策の動向に注目が集まるなかレンジ内でもみ合いの推移となった後、円安の進行とともに月末にかけて上昇しました。月前半は、米国金融政策の動向を巡り米国マクロ経済指標に注目が集まるなか、雇用・物価関連指標等の結果を受けインフレ鈍化の見方が支持され、目先のFRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測の高まりから米国長期金利が大幅に低下し、米国株式市場は半導体・ハイテク株中心に上昇しました。この流れを受けて、日本株式市場も上昇しました。月半ばには、日銀金融政策決定会合で、日銀が国債買い入れ減額の方針を固めたものの、具体策については公表が見送られ、円安の進行とともに日本株式市場は上昇しました。その後は、会合後の記者会見にて日銀総裁より買い入れ減額規模について「相応の規模になる」との発言があったことや、7月の会合で利上げを行う可能性も否定しない主旨の発言があったこと、また、フランス政治不安が改めて意識され下落した欧州市場の影響などいくつかの材料が出るなか、日本株式市場は下落する場面がありましたが、月後半にかけて株価は持ち直しました。月後半は、ドル円レートが一時161円台まで下落し、198612月以来およそ37年ぶりの安値を更新しました。円安が支えとなったほか、日本長期金利の上昇を受けた銀行株などの上昇も相場をけん引し、月末にかけては配当金の再投資の観測もあるなかで日本株式市場は前月末対比で上昇し、当月の取引を終えました。

ファンドの運

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.45%の上昇となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ペプチドリーム、アンビスホールディングス、村田製作所などでした。ペプチドリームは、戦略的提携先の薬剤の国内フェーズ3試験開始を好感されて株価は上昇しました。アンビスホールディングスは、順調に施設数を拡大していることが会社から発表されたことで将来の事業拡大に対する期待が高まり株価は堅調に推移しました。村田製作所は、20244月の経済産業省生産動態統計でセラミックコンデンサの生産金額が前年比約22%増と堅調に増加していたことで同社業績への好影響を期待して株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、マネジメントソリューションズ、ヒューマンテクノロジーズ、DMG森精機などでした。マネジメントソリューションズは、人件費の上昇とコンサルタント稼働率の低下を主因に202412月期第2四半期決算で通期業績予想を下方修正したことで、中期的な事業成長に対する懸念が高まり株価は大きく下落しました。ヒューマンテクノロジーズ及びDMG森精機は、特段の株価材料は見当たらないものの、前月までの株価上昇の反動で株価は軟調に推移したものと考えます。
 当月、ロング・ポジションにおいては、新規の投資銘柄はなく、株価上昇余地が縮まったと考えられる保有銘柄の一部のポジションを売却しました。一方、ショート・ポジションにおいては、データセンターや半導体工場の新設に伴い楽観的な見通しと株価上昇が目立つ電力会社への新規の売建てを開始しました。結果、前月に比べ、グロス・ポジション及びネット・ポジションはともに減少しました。

 当⽉は「カヤバ」についてご紹介いたします。
 同社は1948年に設⽴された油圧機器の世界的な⼤⼿メーカーです。世界中で走っている自動車の約20%にはカヤバのショックアブソーバが使われており、同社の製品は世界で第2位のシェアを占めています。
 ショックアブソーバとは、車の振動を吸収する重要な役割を果たす部品で、スプリングと共に車体とタイヤの間に設置されています。走行中に路面から発生する衝撃は、最初にスプリングの伸縮によって吸収され、その後スプリングに加わった圧力をショックアブソーバが減らします。この機能で搭乗者は快適な走行と操縦安定性を享受しています。
 当ファンドでは、1.電子制御ショックアブソーバなど高付加価値商品の販売拡大による業績拡大、2.株主還元の強化の2点を期待し、投資を開始しました。

  • 電子制御ショックアブソーバは、従来品に比べてより精密な制御が可能となり、車両の走行状況や路面の状態に応じてリアルタイムで最適な調整を行います。電子制御ショックアブソーバは従来品より単価が高く、収益性も高いため、今後採用メーカーと車種が増えることによって同社の業績成長をけん引すると当ファンドでは期待しています。また、将来的にEV(電気自動車)が普及した場合でも、同社のショックアブソーバの需要はなくなりません。むしろ、重量が重くなるEVにおいては足回りの重要性が増すため同社にとって追い風になると考えられます。
  • 株主還元の強化については、20243月期の決算説明会で示されたキャッシュアロケーションの計画に着目しています。同社は、中期経営計画の中で20232025年度期間中に株主還元310億円以上を掲げています。この計画を前提にすると、当ファンドでは今後2年間は少なくとも年間100億円(配当50億円、自己株式取得50億円)の株主還元を見込めると分析しています。20246月末現在、同社の時価総額は約1,367億円です。100億円の株主還元は時価総額の約7.3%にあたり、魅力的な利回りであると考えています。

 以上のように事業拡大と株主還元の両面で魅力的ですが、同社を担当する株式アナリスト(アナリストカバレッジ)が少ないことから株式市場における同社への注目は低い状態です。今後、実績が示されることで同社への評価は高まると当ファンドでは考えています。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年5月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年5月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.16%上昇し、日経平均株価も前月末比で0.21%上昇しました。
 当月の日本株式市場は、月前半は4月の米国雇用者数が市場予想を下回り、米利下げ観測が強まったことから日米株式市場ともに上昇しましたが、日銀の金融政策正常化観測などから上値が抑えられました。月半ばには米消費者物価指数や米小売売上高など予想を下回る指標が発表され、金融引き締めの長期化への懸念が後退しました。その結果、米国の主要3株価指数が史上最高値を更新し、日経平均株価も一時39,000円を回復しました。さらに、NVIDIA社(米国)が市場予想を上回る好決算を発表し、半導体株が軒並み上昇して相場を支えました。月後半は、米景気の底堅さを背景とする利下げ動向への懸念や、日銀総裁の追加金融引き締めを示唆する講演が再び注目されて日米長期金利の上昇により株価が下落しましたが、最終的には金利上昇がひとまず一服したとの見方が買い戻しにつながり、前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.99%の下落となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ヒューマンテクノロジーズ、ルネサスエレクトロニクス、DMG森精機などでした。ヒューマンテクノロジーズは20253月期の業績予想が発表され、中期的な業績見通しの明るさが好感され株価は上昇しました。ルネサスエレクトロニクスは、伸び悩みが続いていた半導体需要の底打ち期待が高まったことで株価は上昇しました。DMG森精機は、前月後半に発表された202412月期第1四半期決算において堅調なファンダメンタルズが示されたことで株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、楽天銀行、トライト、東洋炭素などでした。楽天銀行については、後述の銘柄紹介にてご説明いたします。トライトは、当月発表された202412月期第1四半期決算の通期計画に対する進捗率が低かったことで株価は下落しました。東洋炭素は、堅調な202412月期第1四半期決算が発表されたものの、中国の電気自動車の需要低迷が同社の成長けん引役であるSiC(シリコンカーバイド)パワー半導体市場の成長鈍化につながるとの懸念から株価は下落したと考えられます。
 当月、ロング・ポジションにおいては、業績の回復と積極的な株主還元が期待される自動車部品メーカーであるカヤバに新規で投資を開始しました。また、業績の拡大が当初の期待に届かなかった紀文食品や電源開発を売却しました。一方、ショート・ポジションにおいては、成長鈍化が見込まれるゲームソフト開発企業への新規の売建てを開始しました。結果、前月に比べ、グロス・ポジションは上昇し、ネット・ポジションは減少しました。

 当月は、当ファンドの主要な投資先である「楽天銀⾏」についてご紹介します。
 同社は、楽天グループ㈱のフィンテック部門における主要な金融事業会社であり、国内最大規模のインターネット専業銀行です。当ファンドでは、従来型の銀⾏とは異なる独⾃のビジネスモデルに由来する⾼いROE(株主資本利益率)と中⻑期的な成⻑性に魅⼒を感じています。同社の強みとなる独自性は、①IT企業である楽天グループ㈱がインターネット専業銀行として利便性を追求し作りこんだサービス、②1IDを超す楽天経済圏の会員にアクセスできることによるもので唯一無二であると考えています。
 一方、当月の同社の株価は20253月期の業績予想が発表された後、軟調に推移しました。前月初めに楽天グループ㈱のフィンテック部門の再編が検討され始めたことが発表されましたが、そのための先行費用負担を嫌気したと考えられます。また、同再編が同社に与える影響を見通せないことも株価の重しになった可能性があります。
 しかし、当ファンドでは再編を検討するための費用は一時費用に過ぎないこと、再編の影響も資本構成の違いにより大小の違いはあれど、同社にとってプラスになることに変わりはないと考えています。資本構成の違いは、①フィンテック部門のための持株会社が新たに設立され、同社を含む金融事業会社がその傘下に収まる、②同社が親会社になり、楽天証券ホールディングス㈱や楽天カード㈱などの他の金融事業会社が傘下に収まるという2パターンが想定されます。いずれにせよ、事業シナジーが増すため同社にとってプラスですが、可能性の低い②のケースになるとポジティブインパクトは極めて大きくなると考えます。引き続き、短期的な株価の動きに惑わされず、中長期的な視点で同社への投資を継続してまいります。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年4月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年4月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.91%下落し、日経平均株価は前月末比4.86%の大幅下落となりました。
 月前半は利益確定売りや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)高官の年内利下げ先送り示唆に伴い米長期金利上昇が懸念され、米国株式市場の下落を招き、日本株式市場は上値を抑えられました。月半ばには米CPI(消費者物価指数)の市場予想を超える上昇や半導体関連企業の大幅下落、また中東情勢の悪化などから日経平均株価は一時37,000円を割り込みました。月後半には中東情勢の落ち着きから買い戻しの動きが見られ、日経平均株価は38,000円台を回復しました。26日まで開かれた日銀金融政策決定会合では緩和的な金融政策の維持が決定され、日本が祝日だった29日にドル円相場は一時160円台へ急伸し約34年ぶりの高値を更新しました。しかしながら、その後一転して154円台まで大きく円高に振れ、市場では政府による為替介入が行われたとの観測が広がりました。

ファンドの運

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.91%の下落となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、ペプチドリーム、楽天銀行、DMG森精機などでした。ペプチドリームは、Novartis Pharma社(スイス)との提携が拡大し、契約一時金として180百万ドルを受領するとの発表を好感し株価は上昇しました。楽天銀行は、親会社の楽天グループ㈱が楽天銀行を含むフィンテック事業の再編を協議し始めたことで同社への成長期待が高まり株価は上昇しました。DMG森精機は当月発表された3月の工作機械受注の前年比マイナス率が改善傾向を示したことに加え、2024年12月期第1四半期決算において通期の売上高、営業利益見通しが上方修正されたことを好感され株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、ギフトホールディングス、VRAIN Solution、東急不動産ホールディングスなどでした。ギフトホールディングスは、円安がコストの上昇を連想させたことや前月の株価上昇の反動によって株価は軟調に推移したと考えられます。VRAIN Solutionは、東証グロース指数の下落が続く逆風下で20252月期業績予想が市場期待値に届かなかったことを嫌気され株価は下落しました。東急不動産ホールディングスは、長期金利の上昇を一因に前月の株価上昇の反動が生じたことにより株価は下落したと考えられます。
 当月、ロング・ポジションにおいては、海外事業の成長に加え、国内事業の収益性改善に期待がかかると考えられるサイゼリヤに新規投資を開始しました。一方、ショート・ポジションにおいては、格別の成長性は乏しいものの相対的に株価バリュエーションの高いディスカウントストアを展開する企業への新規の売建てを開始しました。結果、前月に比べ、グロス・ポジション及びネット・ポジションは上昇しました。

 当月は保有銘柄のうち当月のファンドパフォーマンスに最もプラスに貢献した「ペプチドリーム」についてご紹介いたします。
 同社は、独自技術のペプチド創薬を行うバイオベンチャーで、グローバル大手製薬会社と数多くのライセンス契約を結んでいます。また、子会社に放射性医薬品事業を行うPDRファーマ㈱を保有しています。近年、開発パイプラインの進捗の遅れや導出していたPD-L1阻害ペプチドの開発中止を受けて株価は低迷していましたが、以下の2点を根拠に保有を継続していました。
 1点目は新規ライセンス契約金額の高額化による業績拡大です。近年の同社はPDC(ペプチド薬物複合体)のライセンスに注力していますが、直近の新規契約の契約一時金は数十億円クラスと、過去と比べると増加しています。これは新しい創薬モダリティ(医薬品製作における基盤技術の方法・手段)としてペプチド創薬の注目度が上昇しているうえ、有望なペプチド創薬を手掛ける競合会社が買収等により減少したことで、同社に対する引き合いが増加しているためです。この傾向は今後も継続する可能性が高いと考えます。
 2点目は他の医薬品に比べて臨床開発の早期化が期待できる放射性医薬品分野を注力開発領域としたことによる株価バリュエーションの切り上がりです。放射性医薬品分野は、診断用化合物を対象がん患者に投与しイメージングデータを取得することで、効率的な臨床試験のデザインが可能になり、確度の高い業績寄与が見込めます。実際、グローバル大手製薬会社による放射性医薬品会社のM&Aが増加している背景はここにあります。具体的には2023年末同社が提携しているがんの放射性医薬品を手掛けていたRayzeBio社(米国)を、米国製薬大手Bristol Myers Squibb社が約41億ドルで買収する発表がありました。
 当月発表されたNovartis Pharma社との提携拡大は上記2点に合致した動きであり、当ファンドではペプチドリームの中長期的な成長を加速させるものと期待しております。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年3月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.44%上昇し、日経平均株価は前月末比3.07%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半は前月から引き続き半導体関連銘柄の上昇などが相場をけん引し、日経平均は史上初となる4万円台に到達するなど堅調な推移となりましたが、月半ばにかけては米国半導体関連銘柄が下落した影響や、日銀のマイナス金利政策解除を示唆する報道、春季労使交渉(春闘)での高い賃上げ実現への期待の高まりなどから日銀の金融政策正常化への思惑が広がって円高が進行したことなどが重しとなり、下落しました。月後半にかけては、日銀が金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除や長短金利操作の撤廃、上場投資信託(ETF)の買い入れ終了などを決定したものの、当面は緩和的な金融環境が継続するとの見通しが示されたことなどを受けて円安進行とともに上昇し、最終的に前月末を上回る水準で取引を終えました。

ファンドの運

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐0.62%の上昇となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、東急不動産ホールディングス、DMG森精機、東洋炭素などでした。東急不動産ホールディングスは、国土交通省が発表した2024年の公示地価において全国的に上昇が見られたことで保有不動産資産の価値上昇に対する期待が高まり株価は上昇しました。DMG森精機は、月末にかけて為替市場で円安が進行したことから株価は上昇しました。東洋炭素は、半導体関連銘柄として株式市場の注目が集まったことで株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、マネジメントソリューションズ、京成電鉄、SMCなどでした。マネジメントソリューションズは、発表された202412月期第1四半期の決算が計画に比べて低調な進捗だったことを嫌気して株価は下落しました。京成電鉄は、保有株式の一部を売却することを発表したものの、資産効率の改善スピードが遅いことを嫌気して株価は下落しました。SMCは中国経済の低迷が長期化することで業績回復の時期が後ずれすることが懸念され、株価が下落しました。
 当月、ロング・ポジションにおいては自動車の電装化の恩恵を受けると考えられるルネサスエレクトロニクスやグローバルで成長の持続が見込めるハードとソフトの両方を有するソニーグループなどを買い増す一方、日銀金融政策決定会合前にマイナス金利解除が織り込まれる形で株価が上昇していた楽天銀行、三菱UFJフィナンシャル・グループ、千葉銀行などを一部売却しました。結果、前月に比べ、グロス・ポジション及びネット・ポジションは下落しました。

 当ファンドが企業を評価する際には、「経営者の質」、「企業収益の質」、「市場の成長性」という3つの視点を重視しています。当月は、当ファンドで長期間投資を行っている「DMG森精機」について、これら3つの視点で同社をどのように評価しているかご紹介いたします。まず「経営者の質」に関しては、1999年の社長就任以降に複数の日本の工作機械メーカーを傘下に加え、さらに欧州のDMG社と完全に統合するなど、世界規模での業界再編を先導する森雅彦氏のビジョンと行動力を高く評価しています。また取締役会における外国籍役員、女性役員の比率はそれぞれ25%と経営チームの多様化に対する取り組みも高く評価しています。続いて「企業収益の質」に関しては、高付加価値な工作機械に専念しつつ、エンジニアリング・ソリューション提案を推進することで1案件当たりの更なる高付加価値化が推進されている点を評価しています。工作機械本体に加え、ロボットなど周辺機器を加えることで、会社資料によると受注単価は2012年の20百万円台から2023年には60百万円台まで大きく上昇させることに成功しています。最後に「市場の成長性」の視点では、需要地域、顧客属性の分散による業績安定性の改善に注目しています。日本と米国に顧客基盤を持つ森精機と欧州、東欧、中東、南米に顧客基盤を持つDMG社が統合した結果、地域別売上構成の平準化が進みました。同時に顧客の産業特性や顧客の企業規模の面でも分散が進んだことで、工作機械産業に特有の需要変動の大きさが緩和された結果、経営統合を始めた2011年以降、営業利益は一度も赤字に転じていません。また長らく懸念されてきた自動車のEV(電気⾃動⾞)化による工作機械需要の減少に関しても、2023年の時点でEV需要向け比率が内燃機関型自動車産業向けの比率をすでに上回っているなど構造的な変化がプラスに働いている点も評価されます。
 これら3つの視点を総合的に評価して、同社は世界最大級の工作機械メーカーとして中長期的に高い成長が可能な企業として高く評価し投資を継続しています。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年2月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.93%上昇し、日経平均株価は前月末比7.94%の大幅上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)の内容を受け早期の米利下げ期待が後退し一進一退の動きで推移しましたが、月半ばから後半にかけては内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も日銀は緩和的な金融環境を維持するとの認識を示したことや、生成AI(人工知能)向け半導体需要の増加が期待される米国で半導体関連企業の株価上昇が続き、日本の半導体関連企業にも資金が集中したことから、続伸しました。22日には日経平均株価は39,098.68円で終え、約34年ぶりに最高値を更新しました。その後の日本株式市場の推移は緩やかだったものの、月末まで日経平均株価は39,000円台を維持したまま当月の取引を終えました。

ファンドの運

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐2.57%の上昇となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、東洋炭素、DMG森精機などでした。楽天銀行は、親会社である楽天グループが発表した202312月期通期決算で、通信事業のEBITDAの赤字が縮小し連結EBITDAが順調に増加していることでグループ全体に対する信用度が改善したことから株価は上昇しました。東洋炭素は、株式市場の期待を上回る新年度(202412月期)の通期業績予想と中期経営計画を発表したことが好感されました。DMG森精機は為替市場での150円を超える円安推移が業績水準を押し上げる期待が高まり株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、I-ne、ソニーグループ、ゴールドウインなどでした。I-neは、202312月期決算で前年比35%の営業増益を計上したものの、2024年度予想が前年比5%増と低調だったことから株価は下落しました。ソニーグループは、2023年度第3四半期決算において四半期の営業利益は前年同四半期に対して増益に転じたものの、通期利益見通しの修正が小幅であったことを嫌気して株価は下落しました。ゴールドウインは、20243月期の第3四半期決算で暖冬の影響から利益が伸び悩んだことを嫌気して株価は下落しました。
 当月、ロング・ポジションにおいては後述するVRAIN Solution、自動車の電装化の恩恵を受けると考えられるルネサスエレクトロニクスを新規に組み入れる一方で、ショート・ポジションにおいては電気自動車の開発や生産体制の構築が業績の重しになる自動車会社、株価が急騰しているデータセンター運営会社などを新規に組み入れました。結果、前月に比べ、グロス・ポジションは上昇し、ネット・ポジションは下落しました。

 当月は新たに投資を開始した「VRAIN Solution」についてご紹介いたします。同社は東証グロース市場に当月上場した会社で、製造業の現場に特化し、AIを活用した装置やシステムの販売を主に行っています。特に工場における製造工程の一つである外観検査の自動化システムに定評があり、現在の主力製品になっています。これまでの外観検査は複数名(10名以上である場合も少なくない)による目視で行われてきました。カメラを用いた自動化は、事前に良品、不良品を定義することが難しく、十分な精度を得られなかったため普及は限定的でした。一方、同社のシステムはAIが良品、不良品を学習するため熟練した検査員と同等の精度を実現でき、労務費の大幅な削減という明確な効果に繋がり顧客に受け入れられています。
 当ファンドが同社を特に評価する点は、同社のビジネスモデルがAIエンジニアの人数に依存しないことです。多くのAIベンチャー企業は顧客ごとに担当のAIエンジニアを配置し、それぞれ異なる課題をAIで解決するビジネスモデルになっています。これは「AIエンジニアの人数×一人当たり売上高」で売上高が決まるモデルであり、取り合いになっているAIエンジニアの採用に苦戦すると成長が止まってしまいます。一方で、同社の場合は売上の大半はAI外観検査のシステムなど標準化されたシステムのためAIエンジニアの人数が成長のボトルネックにならず、営業体制が強化されれば高成長が維持可能であると考えられます。
 同社の株価は、20242月期の会社予想ベースでPER185倍と将来の成長を多分に織り込み、一見割高にみえます。しかしながら、同社の成長速度、収益性の高さ、長期的な成長余地を鑑みれば投資妙味は十分にあると考えます。また、当ファンドでは割高と評価する他のAI関連企業をショートすることで株価バリュエーションの高いAI関連銘柄のリスクを一部ヘッジしています。
 引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会をとらえ、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年2月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.93%上昇し、日経平均株価は前月末比7.94%の大幅上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)の内容を受け早期の米利下げ期待が後退し一進一退の動きで推移しましたが、月半ばから後半にかけては内田日銀副総裁がマイナス金利解除後も日銀は緩和的な金融環境を維持するとの認識を示したことや、生成AI(人工知能)向け半導体需要の増加が期待される米国で半導体関連企業の株価上昇が続き、日本の半導体関連企業にも資金が集中したことから、続伸しました。22日には日経平均株価は39,098.68円で終え、約34年ぶりに最高値を更新しました。その後の日本株式市場の推移は緩やかだったものの、月末まで日経平均株価は39,000円台を維持したまま当月の取引を終えました。

ファンドの運

 当月、当ファンドのパフォーマンスは、前⽉末⽐2.57%の上昇となりました。
 当ファンドのパフォーマンスにプラスに寄与した銘柄は、楽天銀行、東洋炭素、DMG森精機などでした。楽天銀行は、親会社である楽天グループが発表した202312月期通期決算で、通信事業のEBITDAの赤字が縮小し連結EBITDAが順調に増加していることでグループ全体に対する信用度が改善したことから株価は上昇しました。東洋炭素は、株式市場の期待を上回る新年度(202412月期)の通期業績予想と中期経営計画を発表したことが好感されました。DMG森精機は為替市場での150円を超える円安推移が業績水準を押し上げる期待が高まり株価は上昇しました。
 ⼀⽅、マイナスに影響した銘柄は、I-ne、ソニーグループ、ゴールドウインなどでした。I-neは、202312月期決算で前年比35%の営業増益を計上したものの、2024年度予想が前年比5%増と低調だったことから株価は下落しました。ソニーグループは、2023年度第3四半期決算において四半期の営業利益は前年同四半期に対して増益に転じたものの、通期利益見通しの修正が小幅であったことを嫌気して株価は下落しました。ゴールドウインは、20243月期の第3四半期決算で暖冬の影響から利益が伸び悩んだことを嫌気して株価は下落しました。
 当月、ロング・ポジションにおいては後述するVRAIN Solution、自動車の電装化の恩恵を受けると考えられるルネサスエレクトロニクスを新規に組み入れる一方で、ショート・ポジションにおいては電気自動車の開発や生産体制の構築が業績の重しになる自動車会社、株価が急騰しているデータセンター運営会社などを新規に組み入れました。結果、前月に比べ、グロス・ポジションは上昇し、ネット・ポジションは下落しました。

 当月は新たに投資を開始した「VRAIN Solution」についてご紹介いたします。同社は東証グロース市場に当月上場した会社で、製造業の現場に特化し、AIを活用した装置やシステムの販売を主に行っています。特に工場における製造工程の一つである外観検査の自動化システムに定評があり、現在の主力製品になっています。これまでの外観検査は複数名(10名以上である場合も少なくない)による目視で行われてきました。カメラを用いた自動化は、事前に良品、不良品を定義することが難しく、十分な精度を得られなかったため普及は限定的でした。一方、同社のシステムはAIが良品、不良品を学習するため熟練した検査員と同等の精度を実現でき、労務費の大幅な削減という明確な効果に繋がり顧客に受け入れられています。
 当ファンドが同社を特に評価する点は、同社のビジネスモデルがAIエンジニアの人数に依存しないことです。多くのAIベンチャー企業は顧客ごとに担当のAIエンジニアを配置し、それぞれ異なる課題をAIで解決するビジネスモデルになっています。これは「AIエンジニアの人数×一人当たり売上高」で売上高が決まるモデルであり、取り合いになっているAIエンジニアの採用に苦戦すると成長が止まってしまいます。一方で、同社の場合は売上の大半はAI外観検査のシステムなど標準化されたシステムのためAIエンジニアの人数が成長のボトルネックにならず、営業体制が強化されれば高成長が維持可能であると考えられます。
 同社の株価は、20242月期の会社予想ベースでPER185倍と将来の成長を多分に織り込み、一見割高にみえます。しかしながら、同社の成長速度、収益性の高さ、長期的な成長余地を鑑みれば投資妙味は十分にあると考えます。また、当ファンドでは割高と評価する他のAI関連企業をショートすることで株価バリュエーションの高いAI関連銘柄のリスクを一部ヘッジしています。
 引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会をとらえ、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

今後の運用方針

 当ファンドは徹底したボトムアップ・リサーチを通じて、将来の成長が見込まれる株式を買建て(ロング)する一方で、過大評価されている株式を主に信用取引により売建て(ショート)することでポートフォリオを構築しています。企業間競争のグローバル化、デジタル化の進展、持続するインフレなどの潮流は、少数の「勝ち組企業」と多数の「負け組企業」を生みやすく、当ファンドの戦略の有効性を高めていると考えております。引き続き、中長期的な視点でロング及びショートの両面で収益機会を捉え、安定的にリターンを創出することに尽力してまいります。

2024年1月の運用コメント

株式市場の状況

 2024年1⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐7.81%の上昇となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、能登半島地震の影響精査のため⽇銀が利上げを⾒送るとの⾒⽅が⾼まったことや、⽶連邦準備制度理事会(FRB)⾼官のタカ派な発⾔を受けた⽶⻑期⾦利の上昇を背景に円安が進み、⽉前半は⼤きく上昇しました。また、新NISA制度の開始による個⼈投資家の買い需要や、東京証券取引所の市場改⾰への期待感から海外投資家の資⾦も多く流⼊しました。⽉半ばから後半にかけては、利益確定の売り圧⼒や、⽶国半導体⼤⼿の業績⾒通しが市場予想を下回ったことから半導体関連銘柄を中⼼に⼀時下落基調に転じる場⾯もあったものの、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 1⽉の当ファンドは、楽天銀⾏、東急不動産ホールディングス、DMG森精機などが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。楽天銀⾏は、⽇本のマイナス⾦利政策の解除への期待が⾼まったことに加え、前年末の預⾦残⾼が10兆円を突破したことを公表したことで株価は上昇しました。東急不動産ホールディングスは、外国⼈旅⾏者の増加を背景としたホテル事業の業績改善期待が株価を押し上げたと考えられます。DMG森精機は円安ドル⾼が株価上昇の主因と考えられます。⼀⽅、サスメド、マネジメントソリューションズ、ペプチドリームなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。サスメドは、期待されていた不眠症治療⽤アプリの保険適⽤希望書を⼀旦取り下げたことを嫌気されて株価は下落しました。マネジメントソリューションズとペプチドリームは、特段のニュースはなかったため前⽉の株価上昇の反動により下落したと考えられます。
 当⽉、ロング・ポジションにおいては後述するヒューマンテクノロジーズなどの買い増しを⾏い、ショート・ポジションにおいては成⻑けん引役が乏しいと考えられる化学繊維会社、需要回復が芳しくなく業績の停滞が予想される農機⼤⼿企業、肥満症治療薬の普及が逆⾵になると思われる医療器具会社を新規に組み⼊れました。結果、前⽉に⽐べ、グロス・ポジションは減少し、ネット・ポジションは上昇しました。

今後の運用方針

 当⽉は2023年12⽉に上場した際に新規に投資を開始した「ヒューマンテクノロジーズ」についてご紹介いたします。同社は「KING OFTIME」の名称で知られる勤怠管理システムを提供しており、国内の勤怠管理システムでトップシェアを有しています。その強みは、低価格の⽉額料⾦(1ユーザーあたり⽉額300円)や打刻⼿段など顧客ごとに異なるニーズに対応できるカスタマイズ性にあると当ファンドでは考えています。また、近年は⽉額料⾦を据え置いたままで、⼈事労務や給与計算など勤怠管理の領域を越えたサービスを提供しており、競争⼒をより⼀層強めています。
 当ファンドが同社を⾼く評価する理由は主に2つです。1つ⽬は解約率の低さです。同社サービスの⽉次解約率は0.25%前後で安定していますが、これは同様のサブスクリプションサービスと⽐較しても極めて低い⽔準です。利⽤料⾦が⽉額300円と絶対的及び相対的に低いことに加え、顧客企業の多くの社員が⽇常的に使⽤しているために、使い慣れたサービスを切り替えることへの⼼理的抵抗が⾼いことがその要因と解釈しています。また解約率が低いことで、新規顧客の獲得コストを低く抑えることが可能になります。つまり広告や販売促進費などのコストコントロールの容易さが将来業績の予測精度を⾼めるという点において、ビジネスモデルの質は⾼いと評価できます。
 2つ⽬は、収益拡⼤の確度が⾼いと考えられる点です。同社は課⾦対象を利⽤ユーザー数から、登録ユーザー数に段階的に切り替えることを公表しています。この変更によって育休や産休など⼀時的な休職者が課⾦対象となることで、既存契約企業に対する実質的な価格引き上げを⾏うことが可能になり、売上⾼の増加、利益率の改善が図られると考えられます。今⽇、同社サービスは勤怠管理に留まらず、⼈事労務や給与計算に広がっていることから判断すると登録ユーザー数への課⾦対象の変更は合理的であり、顧客企業の理解を得られやすいと考えています。これらの要因から同社の潜在的な企業価値を⾼く評価して投資を開始しました。
 引き続き、中⻑期的な視点でロング及びショートの両⾯で収益機会をとらえ、安定的にリターンを創出することに尽⼒してまいります。

2023年12月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年12⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.23%の下落となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は⽇銀の植⽥総裁と氷⾒野副総裁両名の発⾔を受けて⾦融政策修正の思惑が⾼まったことや、FOMC(⽶連邦公開市場委員会)のハト派の内容を受けて⽶⻑期⾦利が低下したことで、円⾼が進み下落しました。⽉後半は、⽇銀⾦融政策決定会合における⾦融緩和維持の決定が好感される場⾯もありましたが、年末の閑散相場もあって円⾼基調が継続する展開が重しとなり、最終的に前⽉末を下回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 12⽉の当ファンドは、ギフトホールディングス、マネジメントソリューションズなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ギフトホールディングス及びマネジメントソリューションズは、堅調な2023年10⽉期決算実績と新年度の業績計画が好感され株価は上昇しました。⼀⽅、楽天銀⾏、I-neなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。楽天銀⾏は親会社である楽天グループによる同社株式の売出しを嫌気され株価は下落しました。I-neは前⽉に引き続き2023年12⽉第3四半期決算が新製品のプロモーションコストの増加で営業減益になったことが株価の重しになった可能性があると考えます。
 当⽉はロング・ポジションにおいては後述するゴールドウインを含む複数の新規銘柄の組み⼊れを⾏い、ショート・ポジションにおいては成⻑性や収益性に⽐してバリュエーション⾯で割⾼と思われるITエンジニアのマッチングサービスを⼿掛ける会社などの新規の組み⼊れを⾏いました。結果、前⽉に⽐べ、グロス・ポジション及びネット・ポジションは上昇しました。

今後の運用方針

 当⽉は新規に投資を開始した「ゴールドウイン」についてご紹介いたします。同社は1951年に設⽴された⽇本のアパレルメーカーです。特に⾃社ブランドの「ゴールドウイン」と⽇本及び韓国での商標権を保有している「ザ・ノース・フェイス」は、品質と機能性の⾼さがアウトドア市場で⾼く評価され、多くのファンから⻑らく愛され続けています。
 当ファンドでは、同社の販売ロス率(以下ロス率)の低さに注⽬しています。ロス率とは、製品が販売に⾄らず破棄されたものの⽐率です。ロス率は⾼くなると原価上昇につながるため、アパレルメーカーにとって重要な経営指標の⼀つとなります。⼀般的に、⾐服は供給量の半分が売れ残ると⾔われていますが、同社のロス率は2022年度でわずか1.5%です。その背景には、同社が2000年から実需型ビジネスモデルに転換し、店舗の本社に対する発注量を徹底的に管理しているところにあります。
 同社がロングセラー商品(⻑期にわたり売れ続けるもの)を多数保有していることも、ロス率が低いもう⼀つの理由です。ファッション業界は流⾏の変化が激しく、ヒットする商品を予測することが難しいため不良在庫リスクを常に抱えています。⼀⽅で、同社が保有する「ザ・ノース・フェイス」ブランドの「ヌプシジャケット」シリーズは、1992年に誕⽣し30年以上にわたってオリジナルデザインを維持していることから、毎年精度の⾼い需要予測が可能です。需要以上に供給しないことで、在庫消化のため値下げをする必要がなくなり、適正単価を維持することができます。また、毎年新商品のプロモーションのため過度な広告宣伝費を使う必要もなくなります。その結果、同社の売上⾼総利益率は2023年3⽉期52.2%、営業利益率は19.0%と国内アパレル業界の中でもトップ⽔準に達しています。
 同社の株価は当⽉から下落トレンドに転じました。当⽉は12⽉の過去最⾼気温を更新するなど平年よりも暖かかったこともあり、ダウンジャケットを冬の注⼒製品としている同社の売上に悪影響を及ぼすことを株式市場が懸念しているものと思われます。しかし、当ファンドでは天候の業績への影響は短期的であると考えていること、また直近の同社への取材で実際の影響は限定的と推測していることから、⾜元の株価下落は投資を開始する好機であるととらえ新規投資を開始しました。
 引き続き、中⻑期的な視点でロング及びショートの両⾯で収益機会をとらえ、安定的にリターンを創出することに尽⼒してまいります。

2023年11月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年11⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐5.42%の上昇となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半はFOMC(⽶連邦公開市場委員会)での政策⾦利の据え置きや、市場予想を下回る⽶雇⽤統計を受けての⽶⻑期⾦利の低下を背景に上昇しました。⽉半ばは、⽇本企業の良好な決算や、市場予想を下回る⽶国のCPI(消費者物価指数)を受けた⽶追加利上げ観測の後退などから、⽉中⾼値をつけました。⽉後半に⼊ると、中東情勢の地政学リスクの後退や⽶⻑期⾦利低下等を好材料に上昇した後、⼀時1ドル=146円台後半まで進⾏した円⾼が重しとなって下落基調に転じましたが、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 11⽉の当ファンドは、村⽥製作所、アンビスホールディングスなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。村⽥製作所は2024年3⽉期業績予想を上⽅修正したことが好感されました。アンビスホールディングスは事前の会社計画を上振れて着地した2023年9⽉期決算及び⾼成⻑が続く新年度の業績予想を好感し株価は上昇しました。⼀⽅、I-ne、トライトなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。I-neは2023年12⽉第3四半期決算が新製品のプロモーションコストの増加で営業減益になったことが嫌気されました。トライトは2023年12⽉期第3四半期決算において、通期業績予想の営業利益を若⼲ではあるものの下⽅修正したことで株価は下落しました。
 当⽉はロング・ポジションにおいては後述する東洋炭素を含む複数の新規銘柄の組み⼊れを⾏い、ショート・ポジションにおいても成⻑率に⽐してバリュエーション⾯で割⾼と思われる業界特化型の⼈材紹介サービス会社などの新規の組み⼊れを⾏いました。結果、前⽉に⽐べ、グロス・ポジション及びネット・ポジションは上昇しました。

今後の運用方針

 当⽉は新規に投資を開始した「東洋炭素」についてご紹介いたします。同社は1947年に設⽴された特殊⿊鉛製品の世界的⼤⼿メーカーです。世界で初めて⼤型の等⽅性⿊鉛製品の量産に成功し、現在も世界トップクラスのシェアを維持しています。特殊⿊鉛は軽量な⼀⽅、耐熱性・耐久性に優れる素材で、⾼い信頼性を要求される産業を中⼼に採⽤が進んでいます。例えば、半導体ウエハーの原料であるシリコンを⾼温で溶解する炉内の部品に使⽤されています。
 当ファンドでは、同社の特殊⿊鉛製品が特にパワーデバイス向けで成⻑することを期待しています。2006年に上場した同社ですが、2013年以降は業績低迷期を迎えます。2000年代に中国を中⼼に世界的に太陽光パネルの増産ブームが発⽣し、同社の⿊鉛製品も⼤きく成⻑しましたが、太陽光パネル製造における⿊鉛製品に求められる性能は⾼くはなく、中国製の低価格⿊鉛製品に徐々にシェアを奪われました。また、2010年以降になると太陽光パネルの増産ブームが終焉したことから、同社の売上、利益はともに低迷することになりました。
 しかしながら、当ファンドでは、同社は事業ポートフォリオの⼊れ替えを終え、今後は差別化できる分野で成⻑できると考えています。同社が注⼒しているパワーデバイス分野では、⿊鉛製品に求められる品質基準が格段に上がります。また当ファンドの推定では、当該分野で⿊鉛製品を提供できるのは同社を含め世界で3社のみであり、技術的なハードルの⾼さから今後も上位メーカーの優位性が続くと考えております。需要動向では、パワーデバイスは電気⾃動⾞(EV)向けのSiC(シリコンカーバイド)デバイスが世界的に拡⼤しており、その恩恵を受け続けることが出来ると思われます。
 2023年12⽉期第3四半期決算の発表後、同社の株価は下落しました。増収増益だったものの⾜元の半導体市場の低迷のあおりを受けて市場の期待値に届かなかったためと考えられます。しかし、当ファンドが着⽬するパワーデバイス分野の需要は旺盛であることを同社への取材で確認しています。パワーデバイス市場の本格的な成⻑はこれからです。そのため、⽐較的短期の半導体市場サイクルの影響を受けた⾜元の株価下落は投資を開始する好機であるととらえ新規に組み⼊れをいたしました。引き続き、中⻑期的な視点でロング及びショートの両⾯で収益機会をとらえ、安定的にリターンを創出することに尽⼒してまいります。

2023年10月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年10⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐2.99%の下落となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は堅調な⽶雇⽤統計を受けての⽶⻑期⾦利の変動や、中東情勢の緊迫化などを受け乱⾼下の展開となりました。⽉後半に⼊ると、中国の景気刺激策が好感される場⾯があったものの、⽇銀の政策再修正への思惑や⽶テクノロジー企業の低調な決算への失望が株式市場の重しとなり、最終的に前⽉末を下回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 10⽉の当ファンドは、楽天銀⾏、FPパートナーなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。楽天銀⾏は前⽉に引き続き国内の⻑期⾦利上昇が株価に追い⾵になったと考えられます。FP パートナーは当⽉発表された2023年11⽉期第3四半期の堅調な決算が好感されて株価は上昇しました。⼀⽅、ペプチドリーム、トライトなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。ペプチドリームは⼤⼿製薬会社Bristol Myers Squibb社(⽶国)が同社と共同開発するペプチド薬の開発を断念したと公表したことで、同社の製薬パイプラインに対する懸念が⾼まったことで株価は下落しました。トライトは特段の悪材料はなかったものの⽶国の⻑期⾦利上昇に伴う新興市場銘柄全般の低迷の影響を受けて株価は下落したと考えられます。
 当⽉はロング・ポジションにおいては後述するトライトを含む複数の新規銘柄の組み⼊れを⾏い、ショート・ポジションにおいても需要の低迷が⾒込まれる住宅関連企業、中古⾞市場の混乱によって貸出ビジネスの収益性悪化が⾒込まれる⾦融サービス会社、中国における販売の苦戦が⾒込まれる化粧品会社などの新規銘柄の組み⼊れを⾏いました。結果、前⽉に⽐べ変動は緩やかだったもののグロス・ポジションは上昇、ネット・ポジションは減少しました。

今後の運用方針

 当⽉は新規に投資を開始した「トライト」についてご紹介いたします。同社は主に医療及び福祉の領域における⼈材紹介会社です。介護職員、保育⼠、看護師などを募集する施設に求職者を紹介し、その⼈材が職に就くことで報酬が発⽣するビジネスモデルです。同社の市場シェアは介護職員、保育⼠領域でトップ、看護師領域で2位と強いポジションを築いています。
 同社がターゲットとする医療及び福祉の業界は、慢性的に⼈⼿不⾜で離職率が⽐較的⾼いため、いかに求職者を確保するか、求職者に⾃社サイトに登録してもらうかが競争上のポイントとなっています。その点、同社は全国約1,500⼈の営業職員が地域ごとの情報を集め、求職者に適切な求⼈情報を提供している点で差別化しています。競合他社は効率を重視しオンラインで完結させる傾向にある中、リアルを重視する同社の⽅針は求⼈情報の質の差となっていると考えられます。
 今般、投資開始を判断した理由は主に2点あります。⼀つ⽬は成⻑の確度が⾼い市場で強いポジションを築いている点です。⾼齢化が進む⽇本において、医療福祉従事者の必要性は⾼まっており、さらに医療福祉従事者の待遇改善が進むことも同社の業績にプラスに働きます。⼀般的に成⻑する市場には新規参⼊者が現れますが、医療及び福祉領域の⼈材紹介業は既に優勝劣敗が明確になっているため、⽣き残りは上位3社程度に絞られていると考えております。そのため、今後の市場成⻑を同社が⼗分に享受できる可能性は⾼いと考えられます。⼆つ⽬は同社の利益率が今後改善の可能性がある点です。2023年12⽉期の会社予想営業利益率は約13.8%ですが、2021年12⽉期以前は18%前後でした。当ファンドでは、成⻑加速のための営業職員の採⽤、拠点の拡⼤が短期的に利益率を悪化させていると考えており、今後3年程度をかけて以前の利益率に回復すると⾒込んでいます。また、当⽉末における2023年12⽉期ベースの同社PER(株価収益率)は16.0倍です。当ファンドでは、前述の通り今後の売上成⻑に加え、利益率の改善を伴う⼒強い利益成⻑を鑑みれば、⾜元の時価総額690億円は⾮常に割安であると考え投資を決めました。
 年初来、TOPIX(配当込み)の騰落率は21.94%の上昇となっている⼀⽅で、新興成⻑銘柄で構成される東証グロース指数(配当込み)は9.87%の下落と⼤きな差が⽣じています。この状況を当ファンドでは新興成⻑銘柄の中から強いビジネスモデルを有し、成⻑余地の豊富な企業に投資をする絶好のチャンスととらえています。引き続き、中⻑期的な視点でロング及びショートの両⾯で収益機会をとらえ、安定的にリターンを創出することに尽⼒してまいります。

2023年9月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年9⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.51%の上昇となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、⽉前半は中国製造業購買担当者景気指数(PMI)の改善により中国の景気後退不安が⼀時的に後退したほか、国内では早期衆院解散・総選挙への期待感が⾼まったことを受け、上昇基調となりました。⼀⽅⽉後半は、FOMC(⽶連邦公開市場委員会)で⾦融引き締めの⻑期化が⽰唆されたことや、⽶議会の予算協議が難航し政府機関閉鎖への警戒感が⾼まったことから、市場⼼理が悪化し値を戻す展開となり、最終的に前⽉末を若⼲上回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 9⽉の当ファンドは、楽天銀⾏、JMDCなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。楽天銀⾏は⾦利上昇が将来の業績に対してポジティブに影響することや、顧客基盤が順調に拡⼤している点が改めて評価され株価は上昇しました。JMDCはオムロン㈱が株式公開買付(TOB)を通じて同社への出資⽐率を50%超に引き上げることを発表したことで株価は上昇しました。⼀⽅、マネジメントソリューションズ、ソシオネクストなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。マネジメントソリューションズは2023年10⽉期第3四半期の実績において売上成⻑率が前四半期に⽐べて低下したこと、通期業績予想が据え置かれたことが嫌気され株価は下落しました。ソシオネクストは⼀時的な需要低迷で世界的に半導体産業に対する評価が低下したことで株価が下落しました。
 当⽉はロング・ポジションにおいては株価が上昇したJMDCを売却する⼀⽅で、新規にライズ・コンサルティング・グループを組み⼊れるなどの銘柄⼊れ替えを⾏いました。ショート・ポジションは株価下落によってエクスポージャーが縮⼩しました。結果、前⽉に⽐べグロス・ポジションは減少、ネット・ポジションは上昇しました。

今後の運用方針

 当⽉は、当⽉の新規上場後に投資を開始した「ライズ・コンサルティング・グループ」についてご紹介いたします。同社は独⽴系の総合コンサルティング会社で、今⽇の企業経営において重要度が増しているデジタル化対応、DX(デジタルトランスフォーメーション)化⽀援を得意としています。アクセンチュア㈱などの⼤⼿競合と⽐較すると以下の3点で差別化しています。
(1)ハンズオン・1⼈1案件
 分析をして経営者に提案するコンサルティングの⼀般的なイメージと異なり、同社のコンサルタントは案件を掛け持ちせず、実⾏⽀援まで顧客と伴⾛するスタイルをとっています。外部のリソースや⼈材を活⽤することに不慣れな傾向の⽇本ではマッチしていると考えます。
(2)ワンプール制
 クライアントの業界や業種ごとに部⾨が分かれている傾向にある⼤⼿競合に対して、同社のコンサルタントは⼀つの部⾨に所属しています。そのため、部⾨が分かれていることにより⽣じる稼働の濃淡が起きず、コンサルタントの稼働率を⾼く維持することに繋がっています。
(3)⽐較的低価格
 ⼤⼿競合に対して知名度が低いため、価格の差で訴求することが必要です。同社によると外資系コンサルティング会社の半分以下の価格を提⽰することもあるようです。これは、⼤⼿競合の価格に含まれる⾼額なブランド料が必要ないことや⾼い稼働率を維持できるため可能となっています。
 当ファンドでは、⽇本企業はデジタル化対応やDX化が他国に⽐べて遅れており、またIT⼈材も不⾜していることから、コンサルティングサービスの需要は中⻑期的に伸びると考えています。そして、その中でより成⻑するためには稼働率を保ちながらコンサルタントをいかに増やすかにかかっていると考えます。先⾏する競合企業である㈱ベイカレント・コンサルティングのコンサルタント数は2,961名(2023年2⽉末時点)ですが、同社の全社員数はまだ241名(2023年6⽉末時点)と1/10以下です。同社が先⾏する競合企業を追って、これから2倍、3倍に規模を拡⼤することは⼗分可能であると当ファンドは考えます。これらのことから、今後数年間、同社のコンサルタント数は年率30%程度で増やせると当ファンドは考えており、これは業界全体の成⻑を⼗分に上回るため投資魅⼒は⼤きいと判断し投資を開始しました。
 ⼀⽅で、中国の不動産価格下落の⻑期化が個⼈消費を停滞させる⾒込みであり、中でも⽣活必需品ではない楽器の需要にはネガティブに影響すると考えることから、グローバルに展開する楽器メーカーへのショート投資を新規で開始しました。

2023年8月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年8⽉、⽇本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前⽉末⽐0.43%の上昇となりました。
 当⽉の⽇本株式市場は、⼤⼿格付け会社フィッチ・レーティングス社(⽶国)による⽶国債の格下げを背景とした⽶国株安の流れを受け、下落から始まりました。⽉半ばは、中国の軟調な経済指標(消費者物価指数など)や、中国不動産開発⼤⼿の⽶国破産法の申請が嫌気され、下げ幅を広げました。⽉後半は、中国の追加利下げが好感されたほか、ジャクソンホール会議においてさらなる利上げへの懸念が後退したことで値を戻す展開となり、最終的に前⽉末を上回る⽔準で⽉を終えました。

ファンドの運用状況

 8⽉の当ファンドは、ギフトホールディングス、I-neなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ギフトホールディングスは既存店売上⾼が12カ⽉連続で前年を上回ったことで、店舗の競争⼒の⾼さが改めて評価され株価は上昇しました。I-neは2023年12⽉期通期の業績予想を上⽅修正したことが好感されました。⼀⽅、楽天銀⾏、JMDCが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。楽天銀⾏は特段の悪材料はありませんでしたが、前⽉末の株価上昇の反動が⽣じたと考えられます。JMDCは2024年3⽉期第1四半期決算において⾼成⻑が期待されているヘルスビックデータ事業の成⻑率が鈍化したことが嫌気されました。
 前⽉末から当⽉にかけて発表された決算発表を受けて、ロングポジションは中⻑期的な成⻑性がより⾼いと考えられる銘柄への⼊れ替え、ショートポジションは今後の収益性低下が⾒込まれる企業への新規組み⼊れを⾏いました。結果、前⽉に⽐べグロス・ポジション及びネット・ポジションは減少しました。

今後の運用方針

 当⽉は、当ファンドの保有銘柄である「DMG森精機」についてご紹介します。同社はグローバルに展開する⾼性能な⼯作機械を製造する世界トップクラスの企業です。同社の前⾝である森精機製作所が2009年にGILDEMEISTER社(ドイツ、現DMG MORIAKTIENGESELLSCHAFT、以下「DMG MORI社」)と業務・資本業務提携を⾏い、その後2015年にDMG MORI社の連結対象会社化によって誕⽣しました。当ファンドは次の3点に注⽬して同社を評価しています。
 1点⽬は経営⼒です。100社を超える企業が名を連ね⼤企業化に遅れる⽇本の⼯作機械業界で、1999年の社⻑就任以降に複数の⽇本の⼯作機械メーカーを傘下に加え、さらに欧州のDMG MORI社と完全に統合するなど、世界規模での業界再編を先導する社⻑の森雅彦⽒のビジョンと⾏動⼒を⾼く評価しています。また近年では社員の勤務時間の短縮や待遇改善に積極的に取り組み、経済産業省の健康経営優良法⼈認定制度、ホワイト500認定を受けるなど⻑期的に持続可能な経営に重点を置いている点も評価できます。
 2点⽬は次世代技術への取り組みです。欧州をはじめ世界の加⼯技術トレンドをいち早く取り⼊れ、複合5軸加⼯機を他社に先駆け展開してきたことや、世界トップの企業規模を活かしてIoT(モノのインターネット)、AI(⼈⼯知能)に代表されるデジタル技術を積極的に取り⼊れたことで、将来的な製品⼒は技術者などの経営資源に限りがある中堅以下の⼯作機械メーカーとは⽐較にならないほど広がると考えています。これらの取り組みの結果として1台あたりの機械受注単価がグローバルで継続して上昇している点からも、同社の競争⼒の向上が伺い知れます。
 3点⽬は需要地域、顧客属性の分散による業績安定性の改善です。⽇本市場の構成⽐が⾼い森精機製作所に、欧州に地盤を持つDMG MORI社が加わったことで、地域別売上構成の平準化が進みました。同時に顧客の産業特性や顧客の企業規模の⾯でも分散が進んだことで、⼯作機械産業に特有の需要変動の⼤きさが緩和されました。2000年度からの10年間では3度の経常⾚字を計上しましたが、2017年度以降は継続して経常利益を計上していることから、事業の安定度向上が伺えます。この結果として、⻑期的なビジョンで設備投資や営業投資を⾏えることは同業他社と⽐べ⼤きな優位点であり、競争⼒の源泉であると考えます。
 これら3点から同社は世界の⼯作機械業界の中で着実に成⻑を積み上げていく企業として⻑期的な観点で投資を⾏っています。
 ⼀⽅、総合ゼネコンと投資⽤不動産を⼩⼝に販売することを主⼒事業とする新興不動産会社へのショート投資を新規に開始しました。前者は労務費の上昇によって採算悪化の⻑期化が⾒込まれること、後者は株価上昇が著しく、今後の成⻑を過度に織り込んだと考えることが投資理由です。

2023年7月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年7月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.49%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、FOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨にて年内2回以上の利上げが示唆されたことや、米国の雇用統計の結果を受け、利上げ継続への懸念が強まり下落して始まりました。一方で月半ばには、米国のCPI(消費者物価指数)が市場予想を下回り、利上げ停止が近いとの期待から堅調に推移しました。月後半は、日銀によるYCC(イールドカーブ・コントロール)の柔軟化が発表され、一時的に値動きの激しい展開となりましたが、現行の緩和姿勢を維持するとの受け止めから市場に安心感が広がり、最終的に期初を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 7月の当ファンドは、楽天銀行、グリッドなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。楽天銀行は当月末の日銀金融政策決定会合を受けて金利上昇期待から株価は上昇しました。グリッドは当月上場した銘柄であり、人工知能(AI)を活用した独自のビジネスモデルへの高い成長性に注目が集まり株価は上昇しました。
 一方、ペプチドリーム、アンビスホールディングスなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。両社とも特段のニュースはなかったものの、東証グロース指数が下落したことに代表されるように新興市場銘柄が弱含む傾向に影響されたと考えられます。
 前述のとおり、当月は新興市場銘柄の株価下落が目立ちました。そのため、中長期的な成長性を鑑みた投資魅力の高い銘柄への投資ウェイトを高めました。結果、前月に比べグロス・ポジション及びネット・ポジションは増加しました。

今後の運用方針

 当月は当ファンドの保有銘柄である「ソシオネクスト」についてご紹介します。同社はSoC(System on Chip)と呼ばれる、顧客ごとにカスタマイズされた半導体を提供する会社です。富士通㈱、パナソニックホールディングス㈱のそれぞれのロジック半導体事業を分離統合した後、2015年3月に事業が開始され、2022年10月に東証プライム市場に新規公開しました。当ファンドでは同社の半導体企業としてのユニークなポジションと、半導体市場が停滞する環境下でも維持できると考えられる成長力に着目しています。事業開始時の同社はテレビ、デジタルカメラ、複写機などに向けて顧客ごとにカスタマイズした半導体を主に販売していました。当時は半導体設計の中核的な部分を顧客が掌握していたことや、同社半導体が使われた最終製品の国際競争力が低下していたことから収益性が低い状態にありましたが、近年は2018年に代表取締役会長兼CEOに就任した肥塚氏の構造改革により、中核的な部分まで半導体設計を担うようになり、さらに車載用途、データセンター向けなど需要が伸びる領域を開拓することで収益性は改善傾向にあります。顧客ごとにカスタマイズする必要があり手間のかかる事業ですが、その手間が参入障壁になっており、同社のユニークなポジションを形成する要因になっていると考えます。
 当月、同社の主要株主である㈱日本政策投資銀行、富士通㈱、パナソニックホールディングス㈱が保有する同社株式の全てを売り出すことを発表しました。この発表を受けて、株式の需給悪化懸念から同社の株価は大幅な調整を余儀なくされました。しかし、当ファンドでは今回の株式売出しは新株発行を伴わない、すなわち一株あたり純利益(EPS)には影響がないため、株価への悪影響は長くは続かないと考えています。また、生成AIの台頭に代表されるように同社半導体の潜在ニーズは従前より高まっていると感じており、直近の株価下落はむしろ投資の好機ととらえています。そのため、当ファンドでは同社の上場直後から投資を開始し、株価が大きく上昇する局面で保有株式の一部を利益確定していましたが、当月は再度買い増しを行いました。
 一方ショート投資では、インフレ経済への移行に伴い収益性の低下が予想される大手総合スーパーに追加投資を行いました。

2023年6月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年6月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比7.55%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半は米連邦債務の上限停止による米国株高の流れを受け、大幅に上昇いたしました。月半ばには、FRB(連邦準備制度理事会)による追加利上げの示唆を受けた軟調な米国株の影響や、衆院解散への期待剥落が嫌気された一方、日銀の金融緩和の維持、米著名投資家の日本株追加投資の発表が好感され、一進一退の動きで推移しました。月後半は、株価上昇の反発と見られる下落の局面もありましたが、米景気悪化懸念の後退と円安進行が下支えをし、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 6月の当ファンドは、マネジメントソリューションズ、東急不動産ホールディングスなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。マネジメントソリューションズは当月に発表された2023年10月期第2四半期決算で営業利益の急激な改善が確認されたことから株価は上昇しました。東急不動産ホールディングスは国内の長期金利が低下したことにより、不動産価格に対する悲観的な見通しが後退したことが好感され株価は上昇しました。
 一方、オロ、ギフトホールディングスなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。オロは当月発表された5月の契約状況が低調だったことを嫌気して株価が下落しました。ギフトホールディングスは当月発表された2023年10月期第2四半期決算で、営業利益は前年同期比32%の増益と好調だったものの、通期予想が維持されたことから好材料出尽くし感が高まり株価は調整しました。
 当月も前月に引き続き株式市場は堅調に推移しましたが、騰落率の銘柄間格差が広がっています。また、一部の業界やテーマに関する銘柄においては株価の過熱感が顕著になってきていると思われます。そのため、中長期的な視点に立ち、株価が大きく上昇し割安感の薄れた企業のロング投資ポジションを引き下げ、割高感の強い企業のショート投資ポジションを引き上げました。結果、前月に比べグロス・ポジションは増加し、ネット・ポジションは減少しました。

今後の運用方針

 当月は、東証グロース市場に当月新規公開し、当ファンドで投資を開始した「シーユーシー」についてご紹介します。同社は2014年8月にエムスリー㈱の出資を受け、当初は「エムスリードクターサポート㈱」の名称で医療機関の経営支援を行う会社として設立されました。その後、買収を通じて居宅訪問介護事業や在宅ホスピス事業に参入し、2019年8月に現在の株式会社シーユーシーに社名を変更しました。現在の主力事業は、医療機関向け支援事業と訪問看護・ホスピス事業となっています。
 医療機関向け支援事業は、医療機関に対する経営支援コンサルティング、新設クリニックの開設支援、医療給食などのサービスを提供しています。病院経営を取り巻く環境が厳しいことからニーズは旺盛であり、収益性も高く同社の現在の収益源になっています。今後も後継者不足や医療機関での経営プロ人材が不足するなどの要因により安定的な成長が期待できると考えています。
 訪問看護・ホスピス事業は、2023年3月末時点で訪問看護ステーション86施設と在宅ホスピス34施設を運営しています。国の政策として病院から在宅療養への移行が促されているため、同事業は中長期的な成長が見込めると考えています。一方、足元の同事業は積極的な拠点の拡大や、人員の採用増による先行投資により収益性は低水準で推移しています。しかしながら、当ファンドでは先行投資は一巡すること、施設数の増加がもたらす運営効率の改善により今後は収益性の向上が見込め、同社の利益成長をけん引すると考えています。
 2024年3月期の業績は、一部サービスで新型コロナウイルス関連特需が剥落したことによる低迷の影響もあり、減収減益になる見込みです。しかし、2025年3月期以降は、訪問看護・ホスピス事業の出店加速と収益性の改善により増収増益への転換が予想されることから、中長期的な視点に立つと、同社の成長ポテンシャルは大きいと当ファンドでは考えています。
 一方、将来の成長の柱と期待されている電気自動車用部品において過剰な新規参入と競争激化により収益性の低下が懸念される電子部品メーカーに、新たにショート投資を開始しました。

2023年5月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年5月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比3.62%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半に開催された米国FOMC(連邦公開市場委員会)の結果を受け、一時円高ドル安が進んだことで一進一退の動きで推移しました。月半ばには海外投資家による資金流入が続き、TOPIXと日経平均株価ともに約33年ぶりの高値を更新しました。東京証券取引所の市場改革への期待や、日銀の金融緩和継続姿勢もサポート材料となりました。一方で、月後半には中国の低調なPMI(製造業購買担当者景気指数)や、市場予想を下回る国内の4月の鉱工業生産指数の結果が懸念され、弱含みで推移しましたが、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 5月の当ファンドは、ギフトホールディングス、ソシオネクストなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ギフトホールディングスは既存店売上高が9ヵ月連続で前年同月を上回るなど好調な事業運営を評価して株価は上昇しました。ソシオネクストは先端半導体を手掛けていることによる需要見通しの明るさが決算説明会で示されたことが好感されたと考えます。
 一方、リンナイ、コーチ・エィなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。リンナイは公表された2024年3月期の業績予想が株式市場の期待値に届かなかったことが株価下落の要因と考えられます。コーチ・エィは2023年12月期第1四半期決算において、前年同期比で減益になったことが嫌気されました。
 当月は、堅調な株式市場の追い風を受けて株価が大きく上昇した一部企業の利益確定を行ったことでロング投資ポジションが減少し、前月に比べネット・ポジションは減少しました。

今後の運用方針

 当月は、当ファンドが新規投資を開始した「良品計画」についてご紹介します。同社は、世界各国に「無印良品」業態を展開する製造小売業の企業で、衣料品、生活雑貨、食品といった生活の基本となる商品を幅広く扱っています。
 新型コロナウイルスが鎮静化したことにより行動制限が緩和され、小売業の業績が回復する一方で、同社の業績は低迷しています。要因として、円安による原料高を商品価格へ転嫁することが遅れ売上高総利益率が悪化したことや、既存店売上高の不振などが挙げられます。しかし当ファンドでは、同社は今年度に入り問題点に対する抜本的な対策を打ち始めていることから、今後の業績は回復に転じるだろうと考えています。具体的には、原料高に対応した製品への入れ替えと製品価格の見直しを実施しており、これにより下期以降の売上高総利益率は改善する見通しです。また、いち早く現地に即した商品への入れ替えを行った中国では、既存店売上高も年明け以降大幅に増加しています。懸念である国内既存店売上高の不振に対する対策も、衣料品分野から徐々にテコ入れが図られています。また、生活雑貨の新商品が夏以降に投入される予定であることから、今後国内既存店の売上高が回復する確度は高いと考えます。また、同社が注力している生活圏への新規出店も順調に進んでおり、新製品等の開発が順調に進めば既存店舗以上の収益性が期待できると考えます。来期以降の業績再成長に対する確度が高まるにつれ、同社の株価が再評価される余地は大きいと当ファンドは考えています。
 一方ショート投資では、新型コロナウイルスの感染拡大によって高まった巣ごもり需要の反動により、事業環境が悪化する可能性があると考えられる郊外中古住宅の買取り再販会社に追加投資を行ったほか、物流混乱で大きく上昇したコンテナ運賃の下落が続き、利益の縮小、配当の持続性に懸念が生じる可能性があると判断した海運会社に追加投資を行いました。

2023年4月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年4月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比2.70%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、月前半に軟調な米国経済指標(ADP雇用統計、ISM非製造業景況感指数)が相次ぎ、景気後退懸念が高まったことから下落して始まりました。しかし月半ばには植田日銀総裁の金融緩和維持を支持する発言や、米著名投資家の日本株追加投資を巡る思惑から上昇に転じました。月後半は米地方銀行の巨額預金流出による警戒感から下落する局面もありましたが、日銀が金融緩和維持を決定したことで株式市場に安心感が広がり、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 4月の当ファンドは、FPパートナー、サンウェルズなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。FPパートナーは2023年11月期第1四半期決算において利益の進捗が通期計画に対して順調だったことを好感して株価は上昇しました。サンウェルズは運営するパーキンソン病専門療養施設の入居率が会社計画を上回ったことを背景に2023年3月期通期の業績予想を上方修正したため株価は上昇しました。
 一方、I-ne、SUMCOなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。I-neは特段の新たなニュースは見られませんでしたが、年初から堅調な株価に対する反動から下落したものと思われます。SUMCOは世界的な半導体需要が減速することで原材料である半導体ウエハーに対する需要が減少することを懸念して株価は下落しました。
 魅力的な投資機会がある企業に対して新規投資を行ったことでロング投資ポジションが上昇し、前月に比べネット・ポジションは上昇しました。

今後の運用方針

 当月は、当ファンドが新規投資を開始した「楽天銀行」についてご紹介します。同社は、2001年に営業開始したインターネット専業銀行であるイーバンク銀行㈱を前身としています。2008年に楽天グループ㈱(旧楽天㈱)との資本・業務提携が発表され、2010年に楽天グループ㈱によって完全子会社化され、2023年4月に東証プライム市場に新規上場を果たしました。
 同社は、1億IDを超す楽天会員にアクセスできることを強みにしており、口座数1,300万超はインターネット銀行としては国内最大規模です。当ファンドでは、同社の高いROE(株主資本利益率)と中長期的な成長性に魅力を感じています。
 同社のROEは、住宅ローンの貸付だけではなく証券取引の為替やクレジットカード関連など多様で収益性の高い手数料収入を得ていることや、固定費の重い有人店舗を持たない効率性を背景に2023年3月期の予想ROEは13%台になる見込みです。なお、メガバンク3行のROEは6%前後です。同じ銀行業ではありますが、従来型の銀行とは大きく異なる独自のビジネスモデルになっていることがうかがい知れます。
 中長期的な成長性としては、これからますますデジタルネイティブ世代が増えることでインターネット銀行の利用者が拡大すること、その中で楽天グループ㈱の他のサービスとの連携を強めることで、より高い利便性やお得感により一顧客あたりの売上も増やせると当ファンドは考えます。
 一方、米シリコンバレー銀行の破綻による銀行業全体への過度な懸念や、携帯電話事業で赤字が続く親会社の財務不安などから同社への投資をためらう市場参加者の声は少なくないと認識しています。しかし、当ファンドではこれらの懸念は同社のビジネスモデルや中長期的な成長への影響においては軽微であり、むしろ割安な価格で同社株式に投資できる機会だと捉えています。
 一方ショート投資では、サプライチェーンの混乱が改善し新車供給が回復することで好調な事業環境がピークアウトする可能性が高いと考えられる中古車販売会社、米国の輸入規制により競争優位性を失う可能性があると判断した太陽光パネル製造会社などに投資を始めました。

2023年3月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年3月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比1.70%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、FRB(米国連邦準備制度理事会)の利上げ再加速の思惑を受けて米国株式市場が軟調に推移する中、円安が日本株を支える展開で始まりました。月半ばにかけては、米シリコンバレー銀行の破綻に端を発した欧米金融不安の急拡大を受け、リスク回避姿勢が強まったことから大幅な下落に転じました。しかし月後半になると、スイスの金融大手UBSによるクレディ・スイス・グループ買収や米当局による預金保護などの対応で金融システムへの不安が和らぎ、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 3月の当ファンドは、ギフトホールディングス、村田製作所などが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ギフトホールディングスは発表された2023年10月期第1四半期決算で経常利益が減益だったため一時株価が下落しましたが、経常減益の要因は一時的な要因であること、新規出店は順調であり一時要因を除いた営業利益段階では着実に増益となっていることなどが見直され、株価は上昇しました。村田製作所は電子部品需要の減少を背景に、2月に2023年3月期通期の業績予想を下方修正するなど事業環境は悪いながらも、将来的な事業環境の好転を見越して株価は上昇しました。
 一方、SBIホールディングス、ハーモニック・ドライブ・システムズなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。SBIホールディングスは米シリコンバレー銀行の破綻に端を発する金融混乱が同社に及ぼすネガティブな影響を懸念して株価は下落しました。ハーモニック・ドライブ・システムズは受注の底打ちを期待して前月まで大きく上昇していた反動で株価は下落したと考えられます。
 一部投資先企業を利益確定のため売却したことでグロス・ポジションは低下しましたが、投資先企業の堅調な株価推移によりネット・ポジションは前月に比べ上昇しました。

今後の運用方針

 当月は、当ファンドの上位保有銘柄である「I-ne」についてご紹介します。同社は「BOTANIST」ブランドのヘアケア製品を筆頭に様々な美容関連製品等を企画・販売する新興ファブレス企業(工場を所有せずに製造業としての活動を行う企業)です。製品企画や販売の面でSNSやeコマース(電子商取引)を活用するデジタルマーケティングを強みとしており、新しいトレンドを取り入れた製品をいち早く投入し、小さく事業を始めて育てる手法に特徴があります。類似企業の業績は単一ブランドに依存する傾向がありますが、同社は複数ブランドがヒットしており、この点を当ファンドでは高く評価しています。2022年12月期決算ではナイトリペアという新しいコンセプトを提案したヘアケア製品「YOLU」のヒットにより当初の会社計画を上回る決算となりました。
 あわせて、同社は上場後初となる中期経営計画を発表しました。今後3年間で売上高1.5倍以上、営業利益率を2022年度実績9.2%から2025年度13.0%とする計画です。内容としては既存ブランドのラインナップ拡充と新ブランドの立ち上げが中心であり、これまでの実績を勘案すると地に足のついた達成可能な目標と当ファンドでは考えています。
 中期経営計画で示した継続的な売上拡大と収益性の改善に加え、長期的には海外展開による更なる成長にも期待が持てます。当ファンドでは引き続き上位保有を継続する方針です。
 一方ショート投資では、円安とサプライチェーンの混乱による製品不足がポジティブに働いて株価が堅調な自動車会社、環境対策投資が長期的な業績を圧迫する可能性が高いと判断した製鉄会社などに重点的に投資を行っています。

2023年2月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年2月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比0.95%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は、米長期金利上昇などを受け米国株式市場が軟調となる中、円安が日本株を支える展開で始まりました。月半ばにかけては、市場予想を上回る米国のCPI(消費者物価指数)やPMI(総合購買担当者景気指数)を受けて利上げの長期化懸念が再燃し、日本株も下落に転じましたが、月後半にかけては、植田次期日銀総裁候補が所信聴取で金融緩和継続を明言したことや円安の進行が日本株相場を下支えし、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 2月の当ファンドは、I-ne、ゴールドウインなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。I-neは魅力的な中期経営計画が好感され株価は上昇しました。ゴールドウインは2023年3月期第3四半期の決算発表で通期業績予想を大きく上方修正したことが好感され株価は上昇しました。
 一方、ペプチドリーム、UTグループなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。ペプチドリームは2023年12月期の業績予想が減益であったことで、事業の一時的な停滞を見越して株価は下落しました。UTグループは発表された2023年3月期第3四半期決算で累計営業利益は26.2%の増益だったものの、第3四半期の営業利益が赤字だったことで業績成長の鈍化が懸念され株価が下落しました。
 株価が上昇したロング投資の投資先企業を利益確定のため一部売却した影響で、ネット・ポジションは前月に比べ低下しました。

今後の運用方針

 当月は、2019年の株式上場以来投資を続けているアンビスホールディングスをご紹介します。同社は、慢性期と終末期の看護・介護ケアに特化した医療施設型ホスピス「医心館」を運営しています。ここ数年はがん患者などの終末期患者の緩和ケアに特化することで他の医療施設型ホスピスと業務の差別化を図っています。終末期患者の緩和ケア型ホスピスは、慢性期型ホスピスに比べ医療オペレーションが難しいことに加えて、患者の入れ替わりの頻度が高く施設稼働率の維持が難しいことが特徴として挙げられます。しかし同社の施設は、長年の実績と医療機関との強固な連携関係により80%台後半の高い稼働率を維持しています。高稼働率と効率的なオペレーションによって、ホスピス業界の中では非常に高い20%を超える営業利益率を維持しています。また同社の認知度向上とともに新規施設の開設ペースも加速傾向にあり、今後も年率30~40%程度の高い売上高成長率が期待できると考えています。
 日本は高齢化の進行により、後期高齢者が増加し今後も死亡者数が増加すると考えられる中で、厚生労働省の政策が地域包括ケアシステムに移行しました。それにより、病院から在宅療養へのシフトが進行し、ホスピスへのニーズは今後も高まることが予想されます。一方で、業界への参入企業も多いことから、今後中期的には競争の激化が予想されますが、難しいオペレーションが要求される終末期緩和ケアで高い収益性を誇る同社が業界の勝ち組になる可能性が高いとみて、積極的に投資を行っています。
 一方ショート投資では、郊外の住宅需要の鈍化と資材コストの上昇によって収益性の悪化が見込まれる中古戸建ての買取り再販企業、新型コロナウイルスの感染拡大を機に物流需要の変動によって大きく上昇した運賃水準が、社会の正常化とともに下落してきていることで、今後の業績縮小の可能性が高いと考えられる海運企業に対して投資を行っています。

2023年1月の運用コメント

株式市場の状況

 2023年1月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.42%の上昇となりました。
 当月の日本株式市場は下落から始まりました。月前半に米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した2022年12月の米製造業景況感指数が2年7カ月ぶりの低水準だったことや、中国製造業購買担当者景気指数(PMI)も低迷が続いたことから、景気後退への懸念が高まったのが主な要因と見られます。月半ばには、日銀が金融政策決定会合で大規模な金融緩和を維持すると発表したことを受け、株式市場は上昇に転じました。月後半には、米国連邦準備制度理事会(FRB)の理事が利上げ幅緩和の支持を表明したことや、米有力紙による早期利上げ停止の観測報道を受け、日本でも成長株を中心に株価が堅調に推移した結果、最終的に前月末を上回る水準で月を終えました。

ファンドの運用状況

 1月の当ファンドは、FPパートナー、ソシオネクストなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。FPパートナーは当月発表された2022年11月期決算が好調だったことや、順調な事業推進をうかがわせる2023年11月期計画が評価され株価が上昇しました。ソシオネクストは半導体業界の事業環境の底打ちを期待して株価が上昇したと考えます。
 一方、サンウェルズ、大栄環境などが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。サンウェルズ、大栄環境はともに株価を左右する特段の判断材料はなかったものの、前月に株価が大きく上昇した反動から下落したものと思われます。
 当月はロング・ショートともに投資妙味が高いと考えられる企業への投資を行ったことでグロス・ポジションは前月に比べ上昇しましたが、ネット・ポジションは前月並みの水準を維持しました。

今後の運用方針

 当月は新たに投資を開始した「コーチ・エィ」をご紹介します。同社は2022年12月に東証スタンダード市場に上場したコーチング・サービスを提供する会社です。企業の経営者などに質の高いコーチングを行うエグゼクティブ・コーチングをはじめとして、経営層から管理職、一般職員にわたるまで顧客の職位や頻度に応じて幅広くコーチング・サービスを展開しています。
 コーチングとは「対話などのコミュニケーションによって対象者から目的達成のために必要となる能力を引き出す指導法」とされ、お仕着せの答えを教えるコンサルティングではありません。政府が支援する個人のリスキリング(学び直し)の方針と相まって、組織や個人の本来の力を引き出すコミュニケーションであるコーチングに当ファンドでは注目しています。GDP対比での人材投資の比率が欧米諸外国に比べて低い日本では、極めて成長の余地が大きなサービスになると考えています。
 質の高いコーチング・スタッフが、自ら営業活動とコーチング・サービスを行うことで顧客からの高い信頼を得ている一方で、人件費などコスト負担によって営業利益率は会社の今期予想で13.1%と類似産業と比べると決して高い水準ではありません。しかし将来にかけては、コーチング・スタッフ1人当たりの売上が増加するにつれて収益性の改善が見込まれると考えています。また事業規模の拡大が、コーチング・スタッフの人数や質といった人的資源の制約を受けることから急激な成長など利益拡大のスピードに対して大きな期待はしづらい一方、PER(株価収益率)は比較的低水準となっており、株式市場の同社に対する過度な期待はうかがえません。質の高い対話を通じて顧客の自発的な成長を促す同社の今後に期待して投資を行っています。
 一方ショート投資では、コロナ禍による巣ごもり需要で動画などの配信・視聴サービスが大きく伸びたものの、経済再開を機に売上の減少が見込まれる企業、AIシステムの提供が高く評価されているものの、赤字業績によって株主資本が毀損し財務リスクが高まっている企業に対して新たに投資を開始しました。

2022年12月の運用コメント

株式市場の状況

 2022年12月、日本株式市場の代表指数であるTOPIX(配当込み)は前月末比4.57%の下落となりました。
 当月の日本株式市場は、11月30日にFRB(米国連邦準備制度理事会)のパウエル議長が12月のFOMC(連邦公開市場委員会)における利上げ減速を示唆したことを受け、上昇して始まりましたが、その後は米国景気悪化懸念の高まりなどから下落基調をたどりました。月半ばには、欧米中銀の金融引き締め継続による景気悪化懸念や、日銀が長期金利の許容変動幅を修正したことなどを受け、金融政策の転換懸念から株式市場は大幅に下落しました。月後半にかけては、中国が事実上「ゼロコロナ政策」を終了したことでインバウンドや中国経済再開期待が生じる一方、米国の半導体株安や円高の進行を受けて、一進一退で推移しました。

運用状況

 12月の当ファンドは、ペプチドリーム、I-neなどが上昇し、パフォーマンスに対してプラスに貢献しました。ペプチドリームは12月に2件の大型の新規共同開発契約を締結したことにより、2022年12月期業績の達成確度が高まったことが好感され株価は上昇しました。I-neは前月に引き続き好調な業績を評価して株価は上昇しました。
 一方、東急不動産ホールディングス、UTグループなどが下落し、パフォーマンスに対してマイナスに影響しました。東急不動産ホールディングスは日本銀行の金融政策変更によって長期金利が上昇し、不動産価格にマイナスの影響が出ることが危惧され株価は大きく下落しました。UTグループは世界的な景気後退リスクが高まるなかで製造業の生産活動が停滞し、派遣従業員の仕事量が減少することが懸念され株価は下落しました。
 当月は景気環境の影響を受けにくい企業に入れ替えを行いましたが、グロス・ネットともポジションは前月並みを維持しました。

今後の運用方針

 当月は新たに投資を開始した「大栄環境」をご紹介します。同社は産業廃棄物処理の国内大手企業で、2022年12月に東証プライム市場に新規上場しました。産業廃棄物の運搬から中間処理、再資源化、最終処分まで全行程を一気通貫で手掛けていることが特徴です。当ファンドでは、同社のように全行程をカバーする会社はユニークであり、それゆえに独自の成長が期待できると考えて投資を開始しました。
 産業廃棄物処理業界の特徴をまとめると、(1)工程ごとに企業の顔ぶれが異なり細分化されていること、(2)新規参入が難しく既存の業界ポジションは固定化されやすいことなどがあります。これらの背景として、工程ごとに資格の取得や行政の許可を受ける必要があること、施設に適した場所の確保が困難なこと、地方自治体ごとにローカルルールが存在していることなどが挙げられます。結果、一定のポジションを確立すると安定した利益を確保できるものの、成長性には乏しくなりがちです。一方で、同社は大阪府で事業を開始しましたが、現在では関西全域のほかに関東、東北、北海道、九州と多地域に展開しています。これは同社が全行程を手掛けていることを強みにM&Aによって事業領域を広げ、地域拡大を行ってきたためです。近年、様々な企業がSDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標)への取り組みを強化していますが、その中で企業が排出する産業廃棄物の管理と削減が課題となっています。産業廃棄物処理を委託する側の視点に立つと、処理経路が不透明な会社、財務的体力の乏しい会社は避け、同社のように実績があり、ワンストップで全行程を処理する会社を選ぶ流れにあると考えます。さらには、今般の上場をきっかけにM&Aによる成長の加速が期待できると当ファンドでは考えています。
 一方ショート投資では、業績は堅調ながら、かなり長期的な将来の成長が評価されて株価が上昇したと考えられる不動産サービス企業とプラントエンジニアリング企業、一時的要因で利益が嵩上げされていると考えられる医療系サービス企業、海外市場での事業拡大に高い期待が集まった情報通信サービス企業に対して新規投資を開始しました。

主な投資リスク、費用等

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